『ローズ家の戦争』(89)で80年代の終わり(夫婦喧嘩の終わり)を眺めるのはダニー・デヴィートだけではなかった。この映画の主役、マリアンネ・ゼーゲブレヒトがなぜその役に選ばれたのかは分からないけれど、>>続きを読む
本作はエルモア・レナードがはじめて成功を収めた現代小説の映画化で、だから決してつまらなくはないのだが、面白いかと言われたらそうでもない。原作はパルプ小説の王道というか典型で、それを存在感まで含めて忠実>>続きを読む
原作は今東光の自伝的小説だが、時折ハッとする構図やアングルあるもののいかんせん話がつまらないのでまあ眠い。ということで2.3点付けたのだが、思い返すとあの童貞喪失の回想と、京都の寺のお堂を行ったり来た>>続きを読む
脚本がフロント、フィリップ・ヨーダンということで、これはベン・マドウ脚本だと言われたこともあるが、歴としたヨーダンの仕事で、しかしマジヘンな話なのはヨーダンの所為ではない。ジョーン・クロフォードがマー>>続きを読む
まずはニコラス・レイのケツに覚悟を見るが、あまりに痛々しいこの映画のなにが凄いって映画作家レイの作品を観たことがなくても、それがどういうものかを確信させてしまうことだったりする。つまり、現実とフィクシ>>続きを読む
まず、前から思ってたことだけど、クリックしてそれが伝達する間の機械的な流れの描写ってアルジャナイデスカー。電話の場合もあるけど、どうかと思うんだよね。ホントにそういうこと?みたいな。で、これも最初は全>>続きを読む
最初に観たのはBSの深夜放送だったと思うが、その前の番組で泉谷しげるが「踊るところだけだなあ」と酷評していた。まあそう言われるのも頷ける処女作だけど、荒削りな中にも現在のジャームッシュにつながる感覚は>>続きを読む
中学生の頃に、金もないのに気に入って2度も劇場に足を運んだ思い入れの強い作品。あの頃はウェルズやヒッチコックを感じさせるキャメラアングルに興奮していたものだが、40になった今、思うのは、これは筈見有弘>>続きを読む
80年代には情勢不安定な中東を舞台にした映画がいくつか作られたけど、これもそのひとつで、ゴーラン&グローバスのコンビが手掛けているが、ロバート・ミッチャムの米外交官がイスラエルの大学生とPLOの連中を>>続きを読む
真ん中にブロデリックのショー大佐を置いて左にいるダチで部下のケイリー・エルウィズが指示書が来たと渡すシーンがある。アクション!指示書が来ました。どれどれ・・・という描写はたとえば指示書がドアップで手渡>>続きを読む
贋作扱うということでこの邦題。全体的に華がなく(ウェイン・ロジャースが主演という時点でそれは分かり切ったことではあるが)、まるでTVMのようだが、お目当てのマリー=フランス・ピジェはクソダサい蝶々が織>>続きを読む
スラッシャーにしてフェミニズムをテーマにする異色のヴァイオレンス・ホラー。“カナダのジャック・ニコルソン”との異名を取るマイケル・アイアンサイドのサイコ演技が最大の見所だが、父親には優しい辺りが複雑さ>>続きを読む
組織の金を使い込んだ男が、逃走する口実に思い付いたのが“ドクター・デトロイト”。とにかく恐ろしいデトロイト博士をでっち上げるのに選ばれたのがダン・エイクロイドのお堅い大学教授で、気が付けば彼は高級娼婦>>続きを読む
タイトルに犬が付いていて身構えるのは、犬が子供を救う(しかも泳いで)とかの犬好きによる誇大妄想というか、極端な擬人化に付いて行けないからだけど、ロマンティックではあってもシニカルな態度を併せ持つカスダ>>続きを読む
もはやトム・クルーズのあの頃映画としてしか語られなくなった印象だが、監督ブリックマンのあの頃映画として、80年代に入って学生たちが、それまでは哲学か歴史を学んでいたのに突然経済を専攻するようになった、>>続きを読む
“ドリーム・デート”は会員制のパートナー斡旋クラブで、ヴィデオに自分を紹介して撮り、それを気に入った相手に送ってどうなるか?というシステムなんだが、そこで連続して女性が殺害されるという事件発生、辛くも>>続きを読む
『グレース・オブ・モナコ』(14)でレーニエ公にいろいろ入れ知恵していた海運王オナシスとジャクリーン・ケネディとの恋愛を微妙に設定を変えて映像化。この「微妙に」というのがポイントで、名前を微妙にいじっ>>続きを読む
人間離れした異常な速さのアクションが苦手なので、予告編見たときからどうかなあと思ってたんだけど、そんなことよりも根本的にこの監督が醸す気が利いてるでしょ、とか不謹慎でしょみたいなどや顔演出がどうにも鼻>>続きを読む
グレイス・ケリー登場場面は迫る彼女にドキドキするが、ここでスチュアートと観客はイコり、この映画の巧妙さが浮き彫りになる。つまり、自分の問題(結婚)から目を背けてスチュアートは外の世界を覗き見し、図らず>>続きを読む
ざっと人の感想を読んだが、これが3D用に撮影されたことに触れたものはなく、そういうものなのかなあと思う。たとえばミランドが妻に電話する際の巨大な電話にハリボテの指はなぜ?とかは思わないこと自体が不思議>>続きを読む
テッド・ポストが出ていてびっくりした。とはいえ、当たり障りのないドキュメンタリーで全然面白くない。
俺には関係ない映画と思ってスルーしていたが、ほかのDVDの予告編でヒッチコックがかなり出ることを知り、観たら意外な政治映画で好きなやつやった!脚本も、あれもこれも対にして丁寧に練られており、成功してい>>続きを読む
リチャード・アッテンボローは『ガンジー』(82)を作るために監督業に乗り出したのだという。が、その前に作ったのが若きチャーチルを描いた本作だった。この矛盾はアッテンボローが生粋の英国野郎だということで>>続きを読む
『ビバリーヒルズ・コップ』(84)で冒頭に殺されるエディ・マーフィの親友を演じた(この説明で顔が浮かぶか心配だが)ジェームズ・ルッソの思い付きを、ほかの役者仲間が脚本に仕上げて監督もしたシチュエイショ>>続きを読む
題材が題材だけに今どき語られることもないが、この映画のバーグマンは凄いのだ。ハイド氏に監禁されて、洟から涎から垂れ流して大泣きする女優魂の炸裂した場面のほか、妄想の中では頭にワインオープナーぶっ刺され>>続きを読む
なんだこれ。でもこいつの境遇に時々ワロタのでこの点。
ハルバースタム『ザ・フィフティーズ』読みはじめたので再見。初見時はそんなに感じなかったまとまりの悪さに気が付いて評価は下がったが、まあこういう映画が作られる米映画界は健全だし羨ましくもある。群像劇だが>>続きを読む
先日の『脱出』(44)同様、ヘミングウェイ『持つと持たぬと』3回目の映画化。間にジョン・ガーフィールド主演の『破局』(50)が入る。どれもそれぞれに独特の魅力があり、比較は難しいが、あえて言うなら『破>>続きを読む
ホームレスの苦境をドキュメンタリー・タッチで描く、のだが、リチャード・ギアだからな(笑)。たとえば『アメリカン・ジゴロ』(80)の末路だとか、そういう工夫はいくらでも出来ただろうが、とくにそれもなく淡>>続きを読む
レジスタンスが残した書物が描かれるということで、ちょっとメルヴィル『海の沈黙』(47)を連想するも、似ても似つかないオタクへの背中押し映画だった!と言えば言い過ぎかも知れないが、まあそんなようなものだ>>続きを読む
50年代のスタアによる50年代的展開のミュージカル映画、ということであまりにも50Sだが、要するに、女傑の秘密は女心でそれを徐々に取り戻して結婚するという話。怒る人もいるかも知れないが、そんなことより>>続きを読む
ヘミングウェイ『持つと持たぬ』の映画化だが、舞台をキューバからマルティニクに移し、原作にはほぼないロマンス要素を導入してまあ違う話。同原作の映画化は、これの次の『破局』(50)の方が忠実だが、ホークス>>続きを読む
シリーズ中もっとも再見率の低い作品だったが、久々に観たら面白かった。大好きなチャールズ・グレイがブロフェルドでしかもふたりになったりする。謎の殺し屋コンビは本当に頭がおかしいんじゃないか?と思わせる気>>続きを読む
フランキー・ヴァリは曲しか知らなかったので物語自体が興味深かったが、驚いたのはジョー・ペシが出て来るところ。そういう描写はこれが現実であることの証拠で嬉しい。スマートな語りと、彫りの深い闇のルックが雇>>続きを読む