軽快で、力強く、明るく、誠実で、社会性もあり、めちゃくちゃ泣ける、最高にエンターテイメントな映画的要素満載の「実話」に、胸打たれない理由を探す方が難しい。問題があるとすれば話がうまく進みすぎるところだ>>続きを読む
見ていて痛いというか、身につまされるような感じもしなくもないのだけど、SNS社会、世代によって程度の差はあれど何かしらはほとんどの人にコミットできるように出来ていると思う。舞台を使ったメタ的な流れのカ>>続きを読む
たぶん一度見ただけで全て把握するのは無理。ドラッギーな電脳世界にブッ飛ぶ。山本精一の音楽もヤバく、羅針盤がかかるシーンは高揚感がすごかったな。また観る。
相米の遺作。どんなもんかと思って見たけど、なんだか普通に良い話で驚いた。メイキングも見たけれど、やはり相米は演出が凄い。
どうしたって食らう。予告編などから予想できるような即効性のあるエモーションがあるような映画ではないが、静かに沁み入ってくるような傑作。
矛盾した行動をとってしまう可笑しさを(ストーリー自体はめちゃくちゃドラマチックなのだが)徹底したリアリズム、非映画的とも言えるカメラワークで画面に写し込む。大抵はその均衡が崩れる瞬間に感動があったりす>>続きを読む
原題が「I am not a Hipster」だから真逆ですね。宅録で多重録音しときながら「PCでできる音楽なんてクソ」みたいなこと言い出して唯一の親友の個展をぶち壊すような主人公には1ミリも共感でき>>続きを読む
アンチヒーロー、それとメタ的な表現による面白さというのが全編にあるのだけれど、まあそれ自体が新鮮なものではない。ただ映画それ自体が退屈というわけでは全くない、のだけどもこれ映画館で観ないとあんま面白く>>続きを読む
ザラついた画面から溢れる空虚、暴力、また暴力。役者が全員素晴らしい。表情がヤバく、特にカズ(毎熊克哉)は現実よりリアルというか、表情だけでその人自身のストーリーを見せてしまうような凄みがある。
記者たちの思いを実直に紡いでいく、正しく社会派なエンターテイメント作品。
無駄を削ぎ落としたストーリーラインにグッと引き込まれるが、完璧すぎ、というか嗜好を挟む余地が無い。個人的にアカデミー賞ってこん>>続きを読む
よく次から次にネタが出てくるな、と感心。レベルの高い演出で緊張感は最後まで持続するのだけど、友達同士でゲラゲラ笑いながら観るのに向いているかもな。ホームアローン的というのは正に。
ダンスの美しさだけでももちろん魅せるが、ロックスター的とも言える破滅型なのがとても良い。面白かった。
日常に疑問を抱く二人による青春ロードムービー、というのは良いのだけど旅に出るまでの過程における物語としての求心力が弱い気が。あまりミシェル・ゴンドリーっぽくないコテコテのフランス映画然としたカット割り>>続きを読む
「過去」「未来」と、シンボリックに配置されているが、会話劇も最高だし、まあ飽きさせない。
全てがシュールなギャグのように感じれなくもないが、「醒めている」というのとはまた別の、拭えない日常の退屈の描き>>続きを読む
「無法者が世界を救う」的展開やクラシックロックの多様など、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を意識している?のか、しかし展開に無理があるし肝心な結束の動機付けも弱い。マーゴット・ロビーはとても良か>>続きを読む
ドラマは未見。ホラー的な演出などは見事なのだけど、とにかく上戸彩の演技に尽きる。「肌の露出」みたいなくだらない基準を超えた官能性、ひとりの女優の表情を真ん中に捉え続けるカメラ。例の線路でのシーンは白眉>>続きを読む
ドキュメンタリー映画の極北。鬼太鼓座は少し前に教えてもらった映像にかなり喰らって( https://m.youtube.com/watch?feature=share&v=wUdLClwPlp4 )期>>続きを読む
股旅映画、メロドラマの傑作。ストーリーで十分に引き込みつつ、計算されたカットに震える。フィルム上映だったのも最高だったな。加藤泰の他の作品も見てみたい。
ロードムービーとしても、ドキュメンタリーとしても良質。夕暮れを狙った映像はもちろん、シンプルに映像とナレーションだけで完結するのも良い。
これは最高。『バッド・チューニング』のような喧騒を描くかと思いきや、後半のディスコミュニケーションや無防備な描き方はたまらん。『ウィ・アンド・アイ』ってタイトルはまさにだな。
対比の皮肉的な演出が過ぎるかなとも思ったが、監督自身としてはシリアスな問題だろうし、それでも終始かなり笑えるのが大変良い。
ラストが『ビフォア・サンセット』的でいいなあと思って見てたら、それで終わらな>>続きを読む
相米慎二が撮るアイドル映画、というのではなく普通に思いっきり相米映画だった。
長回しや遠方からのショットは相変わらずだし、どうしたって醸し出るカルト感に食らう。
檻から出ようとしない鷲と、「外にはお前が思ってるより色んな人間がいるんだ」という言葉と。すべて飲み込んで、そして素晴らしいラスト。
「函館3部作」の最後ということらしいが、閉塞感の中に突き抜けるような>>続きを読む
変な映画だ。場面ごとのそれぞれのカットには全く一貫性がなく、ほとんど別の作家が撮ったかのよう(犬の視点のカットはもうふざけているのかと思う程だが、かなり癖になる)。しかし、奇妙な不穏さが共通して画面を>>続きを読む
これはすごい。表情を映すだけが心情を浮かび上がらせるわけではないということ。
ブレッソン的なミニマルさが脱獄映画というジャンルとこれ以上ない融合を見せ、類を見ない緊張感を放っている。反復が快楽に変わる>>続きを読む
ミシェル・ゴンドリーはこれで観るのはまだ2作目なのだけど、一発でそれとわかるからさすがだな。『月世界旅行』の時代からずっと地続きの古典的なファンタジー性を感じた。