ゴダール流のミュージカル。ぶつ切りにしたような音楽の挿入の仕方は、一見キュートな映画の中にあってとても刺激的。
なんとも皮肉なタイトル。
生々しいイギリスの格差どん底モノ。誠実な映画と思う。
どう考えてもハッピーエンドになり得ない、まとわり付くような空気感。徹底的に抜け出せないリアルを描きつつも、儚すぎる希望の>>続きを読む
『キャロル』と同じパトリシア・ハイスミス原作。なるほどこれが同性愛映画だというのは今では定説なのかもしれないけれど当時は理解できなそう。
後半は想像以上にちゃんとしたサスペンスで驚く。ラストシーンが頭>>続きを読む
思ってたより面白かった。
コメディタッチではあるが、最後にカタルシスや爽快感は無く、哀しみや虚しさが残る。アメリカにとっての悲劇であるということをしっかり意識しているところが良い。なので副題の「華麗な>>続きを読む
特にファンというほどでもないけどなんだかんだ観てしまうウェスアンダーソン。今作も結局やっぱり面白かった。常に一定のクオリティを保っているのと、このブレなさは凄い。
徹底的な美意識に貫かれた映像に魅入ってしまう。
断片的に過去を回想するような時系列がバラバラのカットの繋ぎにはただ混乱する他なく、内容もひたすら難解。だが、交錯する過去のカットから現在へとつながる中で>>続きを読む
力強く、生命力に溢れている。
悲しい歴史だからこそ喜劇にしてしまう圧倒的なエネルギーに泣く。音楽も最高。
早稲田松竹、ダサい邦題2連発。
普通に良い話でした。雰囲気はアレクサンダー・ペインが撮ってみた『グラン・トリノ』みたいな感じ。違うか。しかし、よくあるヒューマンドラマの域を出ていないのが残念。
ウェス>>続きを読む
信じられないくらい邦題がダサいので敬遠しがちだけど良かったです。
大きく分ければ「自分探しの旅」的なものになってしまうのだけど、持って行き方に違和感がないので自然に入り込める。
ひたすら歩く、という行>>続きを読む
さすがに面白い。なるほど『レザボア・ドッグス』から『ジャンゴ』までをしっかり繋いだ感じ。
タランティーノ映画の要となる会話劇は、俳優陣も磐石の布陣で目にも耳にも心地よい。これが長さを感じさせない最たる>>続きを読む
最高の喜劇。やはり熱量とテンションの高さに持っていかれる。ただ、『アンダーグラウンド』の様なシリアスさはない。潔すぎるハッピーエンド。
非常に映画的な、映画を観るというのはこういうことなんだなあ的な傑>>続きを読む
言葉にならない。響き渡るブラス、叩き割られるグラスと宴、振り切れているテンションの高さとカオスは後期のアレクセイ・ゲルマンの映画を(とても悲しみに満ちた)喜劇にしたよう。圧倒的な熱量に打ちのめされる3>>続きを読む
タイトルからして凄いルノワール初期の名作。ジャン・ギャバンとルイ・ジューヴェの小気味よいやりとりから引き込まれた。二人の対比も皮肉的で面白い。
ルイス・ブニュエル『忘れられた人々』を思わせるような救い>>続きを読む
面白かった。
設定もストーリーも強引だが疾走感で引き込む強度がある。
何の説明もなく行われるタイムループについては、映画自体のゲーム的な演出からして、ゲームオーバー、初めからやり直し、ということなのか>>続きを読む
ピアノを弾くテレーズ(ルーニー・マーラ)の肩にキャロル(ケイト・ブランシェット)が手を置く、その一瞬、感情の揺らぎを捉えたシーンに鳥肌が立つ。すべてのカットが淡い美しさに埋め尽くされ、心を奪われる。>>続きを読む
クラブの熱狂を描くシーンの素晴らしさ、そこに映る人々のどうしようもなさ。それを愛おしく、少し羨ましく思う。
映画を通して描かれるのは残酷なまでの儚さ、無常さ、そして刹那的な熱狂。
1人の男の夢、挫折>>続きを読む
結構期待してたのだけど、ダメでした(もちろん音楽が、ということではなく)。
重要な要素である筈の、主人公の心の闇も全く見えてこないし、ほかの登場人物も深みが無く、感情移入できず。
「ガーリー」で「キュ>>続きを読む
少々グロテスクな、しかし狂気と言うにはそこまで遠いものではない感覚。中流のリアル、と言ったらそうなのだけど。
クレジットで流れるエリオット・スミスの歌声が映画の空気によく合っている。
劇中で『チャップリンの移民』を観るシーンは本当に素晴らしい。
ルイ・マル自身の体験に基づく映画だそうで、寄宿学校での日々を、戦時中の冷たい時代の空気とともに、ただひたすら「そこで過ごした日々」として撮>>続きを読む
それにしてもマドビ・ムカージーは本当に素晴らしい。この2作以外には出演していないんだろうか。
この恐ろしく官能的な、美しく完成された画面に120分間魅せられてしまう。
スクリーンに吸い込まれそうになる>>続きを読む
マドビ・ムカージーが鏡に映り込むシーンや、カフェでの反射する顔を使った演出。何も語らずに何か大きな心情の動きが起きていることを理解させる、そして映画的な美しさとしか言えない魅力を湛えた素晴らしいシーン>>続きを読む
ストーリーはシンプル。なんにも考えず楽しめる。前半全く引き込まれなかったもののラブストーリーとして話が動き出してからはバッチリ。ジョーン・フォンテインがとっても可愛い。
固定カメラによる長回し、そこに静かに映り込む人々。映画の中に息衝いているとしか言いようのないその生活。激動の時代を描いたそれは美しく、悲しく、とんでもなく素晴らしい。
『恋恋風塵』を初めて観たときから>>続きを読む
美しい。画で魅せる力は最初のカットだけで十分分かるはず。
しかし、任侠モノという形ではありながら「緊張感のあるアクションで引き込む」ようなシーンは、ほぼ皆無。完全に侯孝賢の映画になっていて、計算された>>続きを読む
数年ぶりの鑑賞。当然古典として、基本として観るんですが、改めて観てもやっぱヤバい。
「恐怖」の演出、伏線の回収、カット割り、惚れ惚れするカッコよさはやっぱり完璧というほかない。
スクリーンに漂う重厚感のある画を見た瞬間、ああスピルバーグの映画だなと思う。
スピルバーグでこの手のモノだと『シンドラーのリスト』が想起されるが、やはり全てに対して誠実だ。映画を撮ることに対する使命感>>続きを読む
良かった。ただ、ツッコミどころ(特に後半、「いやもっと早く気付けよ!」ってなる、ある出来事)や、やはり若干の古さは感じてしまうけれど。
ある牧師の(使命感とも言える)善意から始まるこの話は、しかし徐々>>続きを読む
民衆の敵。原題はPUBLIC ENEMY。
トーキー最初期のギャング映画ということですが、凄い。この時期でここまでジャンル映画としてのフォームが出来上がっていたことに驚き。
映画の最初と最後に無粋な説>>続きを読む
これは泣きます。素晴らしい。
『フルートベール駅で』でも見られたような背後からのカットはリングへ上がる男のそれとして。淡いオレンジの太陽の光は悲劇的な結末への対比ではなく希望の光として。この監督こっち>>続きを読む
ロングショットで映される無茶苦茶と言うほかない長回し。ラストのとんでもない熱量。そこに至る直前、夜のシーンはその画だけで涙。
大傑作『台風クラブ』につながる一本。大好きです。
この映画を観るにあたって非常に良くないコンディションだったことが悔やまれる。今度から気をつけよう。
明らかにオマージュが散りばめられているので、ホラー映画の知識を深めてから見直したい。映像は美しく、音>>続きを読む