Zorbaさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

Zorba

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ブルー・リベンジ(2013年製作の映画)

3.7

あんま期待してなかったが、意外によかった。セリフ、説明は最小限に淡々と進む復讐劇。

「ぬれ衣だ」と子供に言われた瞬間の引きの画。結局、あそこが一番本作の色、雰囲気が出てた気がする。作中に散々出てくる
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生れてはみたけれど(1932年製作の映画)

4.2

テンポ、リズムの良さが尋常じゃない。

特にガキ大将たちと弟の初対面シーン。知恵の輪を奪われる→下駄を手に持ち武器に→くわえてたパンを落とす→それをガキが拾って食おうとする→隣の奴に奪われる→背中の貼
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トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)

3.7

初キェシロフスキ。
もっとしっとりした感じをイメージしてたので意外にはやくてびっくり。(カメラワークやテンポ、展開、音楽、カット割りetc…) かと思うと元判事とのシーンではゆったりだったり。たとえ
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ノーカントリー(2007年製作の映画)

3.8

初コーエン兄弟。
おもしろかった。
発信機や電話の音を使った演出は緊迫感があってよかったし、奥さんとの会話後の靴確認とかゾッとするような省略。

けど、交通事故後は完全な蛇足だと思うし、冒頭とラストの
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ホウ・シャオシェンの レッド・バルーン(2007年製作の映画)

4.3

陽光のような優しい眼差しをとらえた素敵な映画。

登場人物たちが画面に映っていないものを見ているシーンが多い。またガラス越しのショットも散見され、見ている人が反射を通して写っている。両方とも見ている'
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ソナチネ(1993年製作の映画)

4.0

岸辺に行く≒彼岸に逝く、
なんて馬鹿げた等式が成り立ってしまっている恐怖の映画。フィルム中に死の匂いが充満している。
なんつーかこういう映画観ると、画面の一定の箇所を指して何かを論拠しようっていうのが
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暗殺の森(1970年製作の映画)

3.7

原題 同調主義者。

無機質で大きな塀のような街並み、格子状の窓、柵、門、森と主人公が訪れる場所はどこも檻の中を連想させる。同調圧力。

だからこそ、ラストは印象深い。多数派である行進には加わらず、ひ
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イヤー・オブ・ザ・ドラゴン(1985年製作の映画)

3.2

チミノの良さがよ〜わからん。全体的に冗長。長い。奥さんとのいざこざとか死ぬほどどうでもいい。(実際に死んでしまったが…) ラストの終わり方もなんかやだ。ってか主人公よりハンの方がカッコよくないか?

ハンテッド(2003年製作の映画)

4.2

カーツ大佐in都会。

回想や手紙、女とメロドラマになりそうな部分をあえて抑え、ひたすらナイフのみで語るその武骨さに惚れた。

境界の設定もうまい。デルトロが語る「この線を越えたら殺すしかない」という
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その夜の妻(1930年製作の映画)

4.0

ショットで物語る推進力がハンパない。極力、字幕を排してキャラの心情を画面で語っている。

中でも、主人公宅に押し入った警官の心理描写が凄い。これでもかと小道具を使って、刑事が感情移入してしまう様を行動
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アンストッパブル(2010年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

性急なカット割り、旋回するカメラ、急速ズームetc… そんないつものトニスコ節が見事にハマった良作アクション映画。かのように見えるが実際はそれだけではない。

ラスト、列車をつなぎ止める事で町の崩壊を
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マリヤのお雪(1935年製作の映画)

4.0

花見シーンのこの世のものとは思えない美しさ。照明、構図ともにヤバすぎ。もはや絵画。瞬間最大風速ならムルナウのサンライズに匹敵するかも。

こわれゆく女(1974年製作の映画)

3.7

疲れた…

こういう人が結婚して子供産むべきだと思うし、同時にこういう人は結婚して子供産むべきじゃない気もする。愛って難しいね。

ただ、ジーナ・ローランズは喋らんでも、全身からいい女な雰囲気を醸し
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上海から来た女(1947年製作の映画)

3.6

よ〜割れる映画だ。
カットはすげぇ割れてるわ、鏡もぎょうさん割れるわ、おまけに話も半分に割られる徹底ぶり(笑)

正直、ディスク叩き割ったろうかってぐらい序中盤つまらなかったが、ラストの鏡シーンでは撃
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セッション(2014年製作の映画)

3.2

こんなモヤモヤする映画は久々に観た。ラストの演奏が良ければすべて許せたんだが、ドヤ顔でドチャドチャやってるだけで全然音楽的に聴こえなかった。

やっぱジャズドラムはグルーヴしてなんぼでしょ。どうせなら
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汚れた血(1986年製作の映画)

4.2

会話シーンで視線がまったくと言っていいほど交わらない。イマジナリーラインもほとんど無視してるんじゃないか。会話中に関係ない第三者が映っていたりということがままある。

特に、アレックスに口説かれてる最
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仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

3.7

異様なスタイリッシュさ。
その点ではヒッチコックのサイコを超えている。

ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

3.4

いまいち乗れなかった。言いたい事はわかるようなわからないような…やっぱりわからなかった。

あと、車内での謎の依頼人?との会話と、ラストの仮面からのシークエンスはちょっとはしたないかな。個人的にはその
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

3.4

ドアーズの2ndにポーティスヘッドの1stを混ぜたような映画だった。

こういうメタファーやら何やら頭を使わなきゃならない映画は個人的には苦手。好きな人は解釈をあーだこーだ考えたりとかするのが楽しいん
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アメリカの友人(1977年製作の映画)

3.8

ヒッチコックがロードムービーを撮ったみたいな映画。

ロード特有のゆるさとサスペンスのスリルが混ざりあって、何とも言えない味になっている。ヴェンダースこんなのもできるんですね。赤、黄、青の三原色の使い
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エグザイル/絆(2006年製作の映画)

3.9

セリフではなくひたすら行動で進んでいく硬派な映画。

回想を挟まず写真一枚だけで主人公たちの関係性を示したり、終盤コインを海に投げ無言で救出を決めるシーンなど、小道具をうまく使うことで説明なしにショッ
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アワーミュージック(2004年製作の映画)

3.6

レビュー100本目ということで、せっかくなんでそれなりの映画をと。

しかし結果としては、天国編は努めずとも目を開けて、煉獄編は努めても目を閉じてしまった。やっぱゴダールのいうことは無理があるね。目の
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ビリー・ザ・キッド/21才の生涯(1973年製作の映画)

3.7

さながらペキンパー版捜索者といったところか。いちいちワンショットがエモい。ラストのシークエンスも素晴らしい。

ただ、音楽まで叙情的なのは少しやり過ぎな気が。所々、映画より音楽が前に出てしまっている。
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ガルシアの首(1974年製作の映画)

3.6

生首バディ物の破滅型ロードムービー。

前半の娼婦と後半の生首との対比がお見事。全く同じロードムービーが、恋人との希望に満ちた天国へのドライブから、一変して生首との絶望に満ちた地獄へのドライブに。
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ブロンド少女は過激に美しく(2009年製作の映画)

3.8

フレームインフレームや、カーテン、扇の使い方といい随所に映画的記号が散りばめられた素敵な小品。

でも、個人的に一番テンション上がったのは、ブロンド少女の登場シーンではなく、ポルトガルの国民的詩人であ
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リトアニアへの旅の追憶(1972年製作の映画)

4.2

こんなんズルいわ。
荒井由実の「ひこうき雲」と、ピンクフロイドの「wish you were here」を足したようなエモさ。いや、フロイドより森高千里の「渡良瀬橋」の方がいいか。
ともかく、つまりは
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青い青い海(1935年製作の映画)

4.2

純粋な「運動」のみで映画を撮ろうと試みた傑作。

何処からともなくやってきて、何処かへ去っていくという、登場人物の過去や未来を描く必要がない西部劇方式を採用することで、物語に縛られずにひたすら美しい運
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拳銃王(1950年製作の映画)

4.0

こんな画面が引き締まった西部劇はじめて観た。

適切なショットの連続、黒のほどよく出た照明、ぬるぬる動くキャメラが素晴らしい。ほぼBGMなし、ドンパチなしのガンマンものとは思えない渋すぎる構成も、映画
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

3.0

ゴジラを利用したプロパガンダみたいな映画だなぁという印象。ゴジラ愛がまるで感じられない。

庵野の顔した怪獣が思想という名の放射熱線を全編ひたすらゲロってた。こういうの個人的には一番だせぇと思ってる。
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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

3.8

一見してヒップホップみたいな映画だなぁと。

ショットの繰り返しや切り返し、コーヒーカップやライターの音、セリフの問いかけとその否定の反復により生じるリズム、合間合間の話の中断等から一種の独特なグルー
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ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

3.7

2時間半ちかくの長丁場ながら、最後までそれなりに楽しめた。丁寧な画作りや重い題材からはスピルバーグの意気込みを感じられたし、アカデミー助演男優賞を受賞したマーク・ライランスの演技も良かった。が、粗もい>>続きを読む

断絶(1971年製作の映画)

3.8

蓮實重彦ベストにあったので視聴。…えっ終わり?ってのが正直な感想。甘さ控え目とかいうレベルじゃない。無糖、ブラック。けど苦くはない。キリッとしたキレのある味。最高にクールだった。でも俺には微糖くらいが>>続きを読む

現金に手を出すな(1954年製作の映画)

3.8

ベッケル2作目。
渋いおじ様が渋く立ち回るハードボイルド映画。唐突なクローズアップや、何度も流れる劇中曲が印象的。ビンタもなかなかに強烈だった。(「その男、凶暴につき」には負けるが)
まぁでも「穴」
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都会の女(1930年製作の映画)

4.2

麦畑での横移動のエモさ。
単なる横移動に終わらず、抱き上げ、転倒などの垂直運動に加え、それに伴う運動の停止、再起動により画面の変化に富んだ画作りになっている。横移動から、右斜め、真っ直ぐと地味に主人公
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キングスマン(2015年製作の映画)

3.0

下品な映画だなぁ〜。
紳士に対するリスペクトがまるで感じられない。これならいっそ全部下品だった方がまだよかった。
寒い。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年製作の映画)

3.6

ウィンターソルジャー超えならず。

前作の「落下」みたいな映像的コンセプトは、本作では見受けられなかった。CGは派手だが、画面は平坦で運動の起伏に欠けている。

キャプテン・アメリカシリーズというより
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