このレビューはネタバレを含みます
隅から隅までかっこいいスポ根映画だった。
レースシーンが特に良い。まず、競馬場を真俯瞰から見下ろしながら、レース名が大きく表示される演出でワクワクさせられるし、レース中の鬼気迫る表情や、終了後の汗の表>>続きを読む
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「ファイト・クラブ」というコミュニティを通しての自己実現みたいな話かと思ったらちょっと違った。
最終的なテーマとしては、もう1人の自分、理想とする自分、自分の中の隠れた欲求にどう向き合うか、そしてその>>続きを読む
天才科学者オッペンハイマーがメインに据えられた本作ではあるが、登場する学者の顔触れも凄い。
相対性理論で知られるアインシュタイン、量子力学の確立に貢献したヴェルナー・ハイゼンベルクとニールス・ボーア、>>続きを読む
そもそもキスショットが忍であることを知らなかったために、彼女のオリジンストーリーというか、因果を知れただけでも自分の中では価値のある作品になってしまった。
日章旗や富士山、東京オリンピックなどなど、こ>>続きを読む
中盤の放蕩は展開としてはややダレるが、後半部、主人公の渡辺が自らのすべきことに着手する段階に来た時に、亡くなった後の通夜での関係者らの証言のみで彼の最後の5ヶ月を語る構成は良かった。
本人の視点から描>>続きを読む
百姓出身の秀吉の視点から見える武家社会の滑稽さは、アウトレイジやソナチネに通じるものがあり、面白い場面も多かった。しかし、画面の明るさやそこから出る雰囲気が、話の内容とミスマッチしていたように感じた。
シビアな戦争の描写であったり、ロッカなど興味を惹かれるキャラの存在など特筆すべき要素はいくつかあったが、歴史的背景に裏付けられているであろうキャラの心情が見えにくいので、やっぱりフィンランドの歴史を知>>続きを読む
「どんな大義名分があろうとも、そこで生まれた犠牲を肯定してはならない」という主張を、水木やゲゲ郎のそれぞれの生い立ちや行動によって一貫させていたので観ていてすごく爽快。
そんな犠牲で成り立つ社会を迷い>>続きを読む
母親という役割の正反対の降り方を、2人のキャラを通じて対比させ、真摯に描くその懐の深さに感動した。
時間の経過をキャラの容姿や社会情勢の変化で暗に伝える演出は、時の流れをグラデーションで表現するととも>>続きを読む
俺が求めていた「リコリス・リコイル」かもしれない。
各キャラクターの個性、掛け合いも素晴らしいが、主人公が殺し屋として行う「殺人」が日常の型の中に溶け込み、我々に違和感や嫌悪感を与えず、むしろ清々しさ>>続きを読む
自分の過去の未練が、インターネットを通じ現実となって自分に襲ってくるというホラーは、公開から二十数年経った現在でもかなり現実味を帯びた恐怖として映ると思う。こうした夢と現実の境目があやふやになるサスペ>>続きを読む
NETFLIX版が兵士が戦場で味わう「痛み」や「虚無」に焦点が当てられていたのに対し、こちらは兵士以外の人々にも焦点が当てられ、兵士達の日常も細かく描かれていた。
戦争を知らず、進軍せよ、祖国に命を捧>>続きを読む
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心の中に何か引っ掛かるものを残していくような、不思議な映像体験だった。終始、一体何を見せられているんだろうか、という感覚に陥る。この映画に対し、宮﨑駿の人生観を踏まえてレビューするような属人的なものが>>続きを読む
前作よりも遥かにパワーアップして帰ってきたスパイダーマン映画。
本編のどこを切り取っても一枚の絵画として成立する映像美。膨大な数の次元を巻き込み、全宇宙が無秩序になっていく。ストーリーが盛り上がる度に>>続きを読む
独特の間とテンポ感で突っ走って行く映画。
最初は群像劇のように各登場人物の立場が描かれ、中盤で彼らが一つのストーリーラインに集結する作りになっている。
殺し屋の山田など、それ単体でスピンオフを作ってほ>>続きを読む
作品全体を貫く、荘厳かつ異質な雰囲気の世界観は、劇伴なども相まってSF映画の金字塔に相応しい威厳を放っている。
しかし、当時は最先端だった近未来世界のデザインも、今のSF映画と比べるとどうしても見劣り>>続きを読む
前半部は、菊次郎が周りの人間に対して迷惑をかけるシーンしか無い。まあまあのクズ人間である。しかし後半部にて、主人公の生い立ちを知った上での数々の行動を見ると、周囲の巻き込み方がマイナスからプラスになっ>>続きを読む
ヤクザの夏休み。
難解な純文学っぽい映画かと思いきや、ヤクザを皮肉りまくったブラックユーモア溢れる作品だった。
行く必要のなかった沖縄にて茶番のような抗争劇を繰り広げる傍ら、子供のように花火や相撲など>>続きを読む
特撮、ジュブナイル、創作論、マルチバース、ビルドゥングスロマンなどなど、色々な文脈で語ることができる映画だと思った。
グリッドマンユニバースについての説明など、まだ消化しきれていない部分はあるものの、>>続きを読む
色々と残念なサメ映画。
メガロドンの迫力は確かに凄いし、戦闘シーンも見応えがあるが、人間ドラマの要素が薄いせいで登場人物が追い込まれてもいまいちハラハラしなかった。
登場人物が多い割には掘り下げが無く>>続きを読む
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劇場で観て良かったと思えるジャズ青春譚。
サックスプレーヤーである宮本の演奏に突き動かされた玉田、沢辺の成長譚でもある。
ズブの音楽素人である玉田は、真剣に音楽に向き合う宮本に感銘を受け、他二人に比べ>>続きを読む
アメリカン・カオス・マルチバースカンフー。
マルチバースという大きな舞台を使って、全宇宙を揺るがすピンチに多次元カンフーで立ち向かう作品であり、色んな世界を行ったり来たりごちゃごちゃしているように見え>>続きを読む
奇天烈ファンタジー。
恐らくこの映画を観る大多数が困惑することだろう。無人島から死体のオナラで脱出。喋る死体を使ったサバイバル。意味不明だ。だが私はこの映画が大好きだ。
主人公が喋る死体と共に人生を振>>続きを読む
この映画を初めて観たのが高校生の頃で良かった。ある程度歳を重ねて、少年時代を振り返る時にはこの映画がベストではないだろうか。ノスタルジーに浸れる映画。
今では連絡さえ取らないけど、よく遊んでいた友達と>>続きを読む
失敗は誰のせい?
強盗事件の失敗の顛末を、犯人グループ1人1人の視点から紐解いていく作品。引きのアングルが多様されており、それが演劇のような臨場感を生み出すとともに、俯瞰で彼らが右往左往する様が見える>>続きを読む
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戦争のグロテスクさを生々しく感じられる映画。
冒頭、戦場で兵士が死に、その服は回収され、何も知らない青年達の元に渡される。この時点で人間を戦場に送り出すシステムが見えるため非常にグロい。戦争にロマンさ>>続きを読む
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悲しき男の復讐劇。
切なすぎる。主人公の男は強盗に妻を殺され、彼自身も事件の後遺症で記憶が短い間しか保たなくなっている。そんな中でも必死に復讐を成し遂げようとするのだが、作中で妻は事件で死んでおらず、>>続きを読む