このレビューはネタバレを含みます
周りに他の家がないような山奥に住むある家族。何の変哲もない家族に一見見えるが、かなり危ういバランスを保っていた。
お互いに踏み込んではならない領域に踏み込み、普段は抑え込んでいた理性が外れた瞬間、家族>>続きを読む
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サスペンス映画であるが、それ以上に人間ドラマの色が強い作品であると感じた。
盗みをはたらいて逃走中の男が、無関係の家族を人質にとる。そこで、全く異なる2つの家庭の背景が浮き彫りになるのだ。
それから愛>>続きを読む
ある夜、夫に嫌気のさした妻がバイクに乗って隣の国まで愛人に会いに行く、ただそれだけの話。
若妻のレベッカ(マリアンヌ・フェイスフル)の、見ているこっちが恥ずかしくなるほどの妄想がさらけ出された珍作であ>>続きを読む
色んな意味で「大逆転」な映画である。
派手で単純明快で大笑いできる。
80年代のアメリカンコメディらしい痛快で楽しい作品だった。
原題の''Trading Places''のとおり、立場を逆転させ>>続きを読む
ビルが乱立している街。広告やネオンがうるさい街。それが東京である。
言葉も文化も全くわからない東京に、観光目的ではなく訪れた若い女性と中年男性の、友情とも恋愛とも言いがたい絆が芽生える。
日本人とし>>続きを読む
ロシア革命の「最初の日」を題材にした作品。
怒りに満ちた民衆、逃げ隠れする支配階級の者たち。そんな彼らの思いがストレートかつ力強く表出されると同時に、アートとして昇華もされている。
切り絵のような>>続きを読む
娘の視点から語られるおかあさん。
おかあさんのすべてを知っているわけではないけれど、夫や子どもを思い、自らを犠牲にして家族にすべてを捧げてきたことは事実である。
田中絹代演じるおかあさんは、厳しく>>続きを読む
大型犬が偶然、犬を欲しがっていた子どもたちのいる家に迷い込んできた!
彼をベートーベンと名付け、愛情を注いでかわいがるが、彼の世話をするのはほとんど父親。家族のために稼いで、さらに犬の世話もしているの>>続きを読む
もはや可愛ささえ感じられる、おじさんの妄想暴走映画。
妻との変わり映えしない結婚生活にマンネリを感じていた中年の男の目の前に突然美少女が現れたら…?
なんとか彼女とお近づきになれないかと、彼はありとあ>>続きを読む
ピエール・エテックス版『トラフィック』といったところだろうか。
とはいえ、ジャック・タチの『トラフィック』との共通点は、作品のテーマが交通渋滞という点くらいではある気がする。
タチが車や車の並びなどと>>続きを読む
とてもロマンチックだけど、辛口で現実的。
そんなピエール・エテックスの情熱と冷静という二面性を発見できる。
主人公の男は女性から好かれても逃げてしまう。でも、テレビで偶然観ていた歌手の女性に一目惚れ>>続きを読む
タイトルから想像するような悲しい作品では全くなく、むしろずっとクスクス笑ってしまう短編コメディ作品だった。
愛する恋人からの別れの手紙に悲しむ間もなく、手紙を書くのに手こずってしまうからだ。
万年筆>>続きを読む
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自然界や宗教などが絡んだ、もっと複雑な背景のある作品だと期待して観始めたが、正直わりと単純なストーリーなんだなとある意味呆気にとられた。
羊から生まれた半分羊で半分人間の不思議な生き物を、羊飼いの夫婦>>続きを読む
ブルース・リーの華麗かつ野生的なアクション技を堪能できる。
次々と敵を軽々となぎ倒していくさまは、観ていて爽快な気分になる。
この作品は、彼のそんな神業と言っても過言ではないアクションの魅力が、余す>>続きを読む
フランソワ・トリュフォーが絶賛していたことで知った、『ヨーヨー』。
卒論を書いたときにこの作品をトリュフォー経由で知り、ずっと観てみたいと思っていた。そんな思いのある作品を劇場で鑑賞できるなんて、感無>>続きを読む
言葉なんてなくても通じる、サイレント映画時代のコメディのようである。
そんなピエール・エテックスの魔法にやはり吸い込まれた。
ジャック・タチのようなマヌケさが貫かれているが、エテックスの場合、自分自>>続きを読む
初ピエール・エテックスにお目にかかったのが、タイミングなどもあってこの作品となった。(『健康でさえあれば』と同時上映)
ジャック・タチの助監督を務めていただけあり、タチ要素を随所に感じられる。
エテッ>>続きを読む
この作品は、主演のマコーレー・カルキンの代表作『ホーム・アローン』シリーズのように、子供たちが中心となって悪い大人たちをとっちめるストーリーである。
そのため、この作品も安心して楽しく観られる作品だっ>>続きを読む
「目を澄ませて」というタイトルの一部の通り、観ていると自ずと感覚が研ぎ澄まされてくる作品である。
なぜならこの作品において、我々が映画を「見ること」「聞くこと」が無理することなく最大限まですることが促>>続きを読む
若者たちの孤独と刹那が渦巻く夜の台湾。
少女シャオヤンの孤独と不安、そして青春の一部が切り取られた作品である。
街を人生を彷徨う若者たちの思いが、夜に浮かぶ頼りない光とともに表出されているのだ。>>続きを読む
またまた寅さんは突然帰ってきて、それも思いもよらぬ「お土産」と一緒に帰ってくるものだから、とらやの皆は当然パニックになる。
今回は佐賀を旅する寅さん。
オープニングで綺麗な川の流れるショットがいく>>続きを読む
約5年ぶりに再鑑賞。
子どもの頃にクリスマス・イブの夜にワクワクしていた気持ちを思い出す。
少年少女たちの、クリスマス・イブの一夜の冒険物語。
次々と目まぐるしくハプニングが起こる。
ジェットコース>>続きを読む
クリスマス映画といえば…というか、クリスマスの物語といえばこの『クリスマス・キャロル』ではないだろうか。
何度も映画化されているこの名作に、さまざまなディズニーキャラクターたちが登場する。それぞれの役>>続きを読む
日本および武士道に傾倒する殺し屋の男。彼はどこかの組織に属することはないが、イタリア系のマフィアの幹部のひとりから殺しを依頼されている。
彼とはまさに「御恩と奉公」の関係で結ばれているのだ。
武士道>>続きを読む
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息着く間もないサイコサスペンス。
約2時間半という長尺にもかかわらず、あっという間に時間が過ぎたように感じた。
この作品が紹介される際に、エイミーという人物がたびたび「悪女」だと言及されているのを目に>>続きを読む
何が悪なのか。そんな単純な話ではない。
皆が体裁やプライドなど気にして自分だけを守ろうとする。何かを悪と決めつけることが、自己を守り抜こうとするのに最も簡単ではあるが、正義を見失ってしまい人としての道>>続きを読む
美しい北アイルランドの街並みが鮮やかなカラーで映し出される。現代の街並みだろう、まるで観光案内映像のように、街の景色や数々の観光名所らしき場所が次々と提示される。
その映像の延長線上にある、どこかの塀>>続きを読む
ボロボロの格好をしているにもかかわらず、絵画のように美しい死に顔。
朝発見されたこの人物は、この村でひとり旅をしていた女性だった。
彼女がこのような結末に至った過程が、彼女と道中で出会った人たちの証言>>続きを読む
いい意味でTVドラマ版とノリや内容に大きな違いがなく、またシロさんとケンジ、おなじみの仲間たちに会えて嬉しくなった。
価値観の相違やお互いを思い合うがゆえのすれ違いなど、二人の関係性に少しぐらつきは>>続きを読む
悲壮感が漂っても仕方ないような主人公の境遇であるはずなのに、コミカルであっけらかんとした明るさが常にある。
それは主人公の逞しさと前向きな姿勢ならず、作品のコメディタッチの演出にもある。
純粋無垢な>>続きを読む
サスペンスの巨匠ヒッチコックによる、第二次世界大戦中に作られた作品である。
狭い救命艇の中のみで繰り広げられるサスペンス作品であり、ヒッチコック作品として見ても異色である。
大海原に浮かんでいる小さ>>続きを読む
チャップリンとキートンの共演が見られるとのことで、ずっとずっと温めて残しておいたこの作品を、映画館で観ることができたのはとても感慨深い。
この作品は、現代でも尚愛されているチャップリンが、自身の人生を>>続きを読む
日本では信仰は自由であり、どの宗教を信じてもいいとされている。
日本に限らずだが、世界中において、何を信仰するか、または何も信仰しないこと、そして信仰深いかどうかという点で、人々は自分の価値観を無意識>>続きを読む
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自ら命を断った親友の遺骨を奪って旅に出るという、なかなか衝撃的な筋書きである。この旅は、トモヨ(永野芽郁)が亡き友マリコ(奈緒)に代わって行う「復讐劇」であり、トモヨが自分自身およびマリコとマリコとの>>続きを読む
シチリアの漁村のある一家の悲劇が描かれた作品である。その顛末が映し出されるが、彼らの感情や心境をクロースアップするというより、ただ眼の前で起こる出来事を我々に見せているだけなのである。
作品の時代・>>続きを読む
自分以外の家族は全員耳が聞こえない。
主人公のルビーはそんな家庭に育ったため、家族の「外部」との通訳は彼女がずっと担ってきた。
漁師として働く父と兄を早朝から手伝ってから学校へ行く日々。
ルビーはこの>>続きを読む