『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章』
ガールミーツガールのセカイ系だと思っていたら大葉がやけに濃かった。大学生の長閑な夏休みと母艦が覆う非日常がなんの違和感もなく並走している。永遠>>続きを読む
『猿の惑星／キングダム』
本シリーズを１作も見たことがないので作品の位置付けがよく分からないが、見終わって唯一言えるのは、ほぼメイズ・ランナーだということ。監督を調べたらウェス・ボールとあり、背筋が凍>>続きを読む
『悪は存在しない』
水を汲み、薪を割る。町おこしと銘打った新興企業の自然開拓に地元民が反対する構図は使い古されたテーマだ。期待外れだと思った。ふと音楽が止まる。景色が一変する。光の当て方で、人は明るく>>続きを読む
『碁盤斬り』
古典落語「柳田格之進」より。故郷の藩を追われた浪人・柳田は、娘と江戸の貧乏長屋で逼塞する。静けさの中に終始緊張感の漂う正統派時代劇。草彅剛の端正な佇まいも髭を貯えた総髪もやはり色男。國村>>続きを読む
『ミッシング』
幼女の失踪事件を軸に、行き場のない感情の末路を描く𠮷田恵輔監督最新作。作品のテーマに対して、母親役の石原さとみは鬱憤を外に出力して感情に反射的である反面、男性陣3人は内省を繰り返す。個>>続きを読む
『不死身ラヴァーズ』
待ちに待った見上愛の単独初主演。2年前の「異動辞令は音楽隊！」で気になって以来、ついに主演まできた！全力投球でいつも明るい役どころを完璧にこなし、加えて彼女の持つアンニュイな雰囲>>続きを読む
『青春18×2 君へと続く道』
青春の映画であり、旅の映画。私達はなぜ旅するのだろう。自分探し、逃避、来た道を確かめる、在りし日を想う、新たな出会い、開拓、夢。一度しかない人生と、移り行く時の流れ。本>>続きを読む
『ゴジラxコング 新たなる帝国』
怪獣バトルが最高にクールなのは大前提として、ダン・スティーヴンス演じる獣医トラッパーが魅力的。アロハシャツ×グラサンのお調子者なのに、いちいち台詞が刺さる。そして、地>>続きを読む
『バジーノイズ』
自分より成長が早い人間を目の当たりにすると、私の役目は終わったんだと感じる瞬間が来る。桜田ひより演じる潮は、いつも清澄の一歩前で気丈に振る舞う傍ら、届かなくなる存在を見つめることしか>>続きを読む
『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』
毎年恒例、破茶滅茶タイトル、異次元上映回数の映画が今年もやってきた。「YAIBA」に「まじっく快斗」と青山剛昌ユニバース全開の一本だが、眠りの小五郎お預け＆詰め>>続きを読む
『オッペンハイマー』
トリニティ実験後のギアの上げ方が恐ろしい。反芻するシーンは次第に新たな解釈をもたらす。ある男が自然を支配する法則に魅せられ、理論物理学者として前人未到の領域に足を踏み入れる。彼の>>続きを読む
『パスト ライブズ／再会』
会えなかった日々はあっという間に過ぎ、ウーバーを待つ一瞬が永遠のように流れる。誰しもが人生を選択するタイミングがあって、多かれ少なかれまとまった時間がその選択によって導かれ>>続きを読む
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』
幼い頃ドラえもんを読むといつも「自分だったらもっと…」なんて夢想したけれど、本作で描かれる“イソベやん”に準ずるディストピアはなかなか芯を食っ>>続きを読む
『四月になれば彼女は』
川村元気の同名小説を映画化。元恋人の春から届く手紙と写真には、世界の景色と彼女の想いが綴られている。予告からも分かるように、この作品はとにかく画が良い。ゆえにバランスが悪い。ど>>続きを読む
『ゴールド・ボーイ』
ポスターから滲み出るB級感に危うく見逃すところだった。羽村仁成はじめ、若手役者が大人相手に喰ってかかる宣戦布告映画。岡田将生、黒木華、江口洋介らに負けず劣らずの緊張感がある。締め>>続きを読む
『Poker Face』
ザ・予告詐欺映画。冒頭の幼少時代までは期待通りだが、徐々に雲行きが怪しくなる。ポーカーもアクションも今ひとつ機能せず、全てが中途半端。気づけばディーラーのエルサパタキーはお預>>続きを読む
『DOGMAN ドッグマン』
アカデミー賞授賞式が終わり、様々な話題が世間を騒がせる中、とんでもない作品が公開されている。検問で足止めされたトラックには、不敵な笑みの女と荷台に乗せられた犬たち。ジョー>>続きを読む
『ソウルメイト』
性格も価値観も違う親友2人の16年間を綴った物語。誰よりも自由に生きる彼女は、嫉妬するほどに輝いて見えていた。2人の過ごしたかけがえのない時間を想うと、”選ばれなかった”結末がどこか>>続きを読む
『ARGYLLE／アーガイル』
待て待て、ラストは何が起こったんだ。アーガイルは現実にいたのか、つまりあれは若かりしアーガイルの物語を示唆してるのか？キングスマンと繋がってるの？置き土産にしては謎が大>>続きを読む
『ただ、あなたを理解したい』
桜咲く風海町を訪れた葵はピンクの服に身を包むが、ある時を境に青い洋服に様変わりする。物語唯一の部外者として客観的な視点をもたらすと同時に、裏主人公である彼女が彼の地元で決>>続きを読む
『52ヘルツのクジラたち』
原作に比べて、貴瑚の過去に重きを置いた作品だった。物語の核となる貴瑚、愛、安吾の3人も重要だが、彼らの母親像を通して描かれる”家族の呪い”こそ悪夢であり、本作は一種の”母性>>続きを読む
『コヴェナント／約束の救出』
2018年、アフガニスタンに派遣された米軍兵と現地通訳の絆を描いた作品。死と隣り合わせの緊張感が続き、絆という言葉で簡単に片付けられない過酷で壮絶な物語である。アフガン人>>続きを読む
『マダム・ウェブ』
ダコタ・ジョンソンはじめ、後のスパイダーウーマン３人も出演し作品のビジュアルはかなり良いと思うけれど、ヒーロー映画ともサスペンスともなりきれない絶妙な火力不足が痛い。個人的にはマー>>続きを読む
『落下の解剖学』
パルムドール受賞作。見事なまでに本作は観客を真実から遠ざける。唯一の目撃者の息子は視覚障害であり、真実は盲目ではなく見えづらいものである。リンガフランカとして妻サンドラは英語を用いる>>続きを読む
『カラーパープル』
スピルバーグ作品（’85）のリメイク。父の言いなりで結婚相手を決められ、自由なき生活を送るサリーは最愛の妹と生き別れる。彼女は決して弱い人間ではない。昨今のミュージカル映画の中でも>>続きを読む
『ジェントルマン』
興信所の社長が検事になりすまし、少女誘拐事件に挑むクライムエンターテイメント。「駄作かな」「読めてたよ」の一歩先をゆく大どんでん返しが韓国映画らしく面白い。スーツも高級車もバッチリ>>続きを読む
『夜明けのすべて』
語りきれない魅力が詰まった至高の一本。原作にないプラネタリウムの設定や16ミリのフィルム撮影、主演２人の自然な距離感、仕事や休日で出会う景色。丁寧に積み上げて作られたこの作品の温か>>続きを読む
『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』
監督・脚本・主演をマイウェン、ルイ15世をジョニーデップが演じる18世紀フランス。シャネル×ヴェルサイユ宮殿はまさに豪華絢爛。王の側近ラ・ボルドの忠誠心と、>>続きを読む
『ダム・マネー ウォール街を狙え！』
コロナ禍に米国で起きたゲームストップ株騒動を映画化。主演はリオネルメッシかと思いきやポールダノ。金融知識がなくても楽しめる作り、テンポの良い展開、気分上がる音楽、>>続きを読む
『違う惑星の変な恋人』
年末に見た「ファンファーレ」や「デフヴォイス」そして「サイレントラブ」に続き、今作でも安定の憎めないクズ男を好演する中島歩。いったいどんなペースで撮影したらこんなに沢山の作品に>>続きを読む
『ゴールデンカムイ』
原作読んだことないけど、なにこれ最高。笑いどころありすぎてお腹が痛い。矢本悠馬はこの手の演技で右に出る者がいないな。井浦新どこ？と調べていたらウイルク（のっぺら坊）という重要そう>>続きを読む
『サイレントラブ』
声を失くした清掃員と光を失った音大生。違う世界を生きる二人の恋、互いの世界では何もできない絶望、透き通るほどに美しい瞬間と薄汚れた社会。キャスト、音楽、主題歌を見れば、そういう世界>>続きを読む
『アクアマン／失われた王国』
DCEU打ち切りの終盤を締める本作は、ソー＆ロキを彷彿とさせる兄弟タッグに始まり、感染症や温暖化にも触れながら、迫力満点のアクアライドを体感し、シン博士に夢中になり、ジェ>>続きを読む
