Redick4さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

4.2

駄作過ぎて逆に好き。話のアイデアや配役は悪くないのに、無駄にアクションシーンを入れるのとその見せ方が下手過ぎて作品の方向性を見失っている。若干アルジェント映画っぽさを感じたし、ジャッロに全振りしたら傑>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

4.0

劇中にかかる音楽の選曲はとてもユーモアが効いていて良い。話の展開はなかなか巧くできていているのだが、組織がなにをしたいのかがいまいち見えてこず、X-MENやキングスマンの1作目のようなアクションのカタ>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.2

長い気はするけど決して嫌いな作品ではない。じわじわ癖になる感じがある映画。ただ、冒頭から妄想と現実の区別を一切見せないため、統合失調症の人が見てる世界を体験している感覚とフィクションとしての不親切とが>>続きを読む

ディーバ(1981年製作の映画)

3.5

特に前半部に顕著だが、編集のリズムと芝居の間がすこぶる悪く、話運びも下手。似た系譜にあるゴダールの映画にしろ、タランティーノの映画にしろ、そうした「下手上手な」映画は芝居がちゃんと撮れているから成立す>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.4

ハンナ・シーグラの出演がなにより嬉しい。これまでのランティモス作品とは違い、アッパーな笑いと実存主義で貫かれている。その点では『籠の中の乙女』に原点回帰しているとも言えよう。

ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

3.7

タルコフスキーは娯楽的な撮り方が巧いのにあえてそういうのを封印して撮る癖が腹立つ。ただ、どんなに長いショットでもピントひとつミスらない撮影技術の高さは凄い。

忘れじの面影(1948年製作の映画)

4.4

ショットの韻の踏み方が見事。ニッケルオデオンみたいなところで電車に乗るシーンは映画内映画的であり、オフュルスが引いた視点からメロドラマを撮っていることがうかがえる。

ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

4.4

アダム・マッケイ味のある題材だが、ギレスピーの職人気質によってしっかりエンタメとして成り立っている。登場人物の見せ方だけでなく演出も見事でひきこまれる。
『アイ, トーニャ』同様、反権力的ジャーナリズ
>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.7

良いシーンがあるのは間違いないけど、全体を通じて良い人しか出てこない欺瞞は強く感じる。映画として役者の演出が巧いとは思うが。

レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

4.1

パリになると観ていてイラつく奴ばかり出てきて素晴らしい。

Pearl パール(2022年製作の映画)

4.0

期待を上げすぎたからかもしれないが、それほど良いとは思えなかった。『X』よりは間違いなく良いけど。特に室内の撮り方など所々センスを感じないショットがある。

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.2

他のカウリスマキ作品を全然観てないので、これから観ていこうと思った。
少しだけ照明の当て方と色味に後期ファスビンダー味を感じて良かった。とても最近の映画のようには思えない渋さ。

ニンフォマニアック Vol.2 ディレクターズカット完全版(2013年製作の映画)

4.2

終わり方のことを考えるとやはり3時間は欲しいが、シャルロット・ゲンズブールのパートは中年の辛さに溢れていて、それに付き合うのは苦行な長さでもある。また、トリアーが紆余曲折の映画人生の終盤に差し掛かり、>>続きを読む

ニンフォマニアック Vol.1 ディレクターズカット完全版(2013年製作の映画)

4.5

以前観た短縮版と比べてかなり面白い。最近トリアーのギャグが分かってきたからかもしれないが。ソラリスのオマージュは普通に良いけど、結果から考えるとただの前フリ。セリグマンの部屋はハマースホイ味がある色彩>>続きを読む

怒りの日(1943年製作の映画)

4.8

『奇跡』『ゲアトルーズ』、そして本作はどれもが宗教や慣習がもたらす保守的で表層的な世界を、愛のもとにそのイデアを追い求める女性主人公の姿が描かれる。そうしたことからどれもメロドラマの要素が強く、その俗>>続きを読む

ミカエル(1924年製作の映画)

4.3

画面の密度がとにかく高く、弛んだショットがない。タイトルからするとミカエルの物語のようだが、本編を観ると実はゾレからみたミカエルという意味合いの方が強い。

ガートルード/ゲアトルーズ(1964年製作の映画)

4.4

女性の恐ろしさを煮詰めたような映画であり、特に鏡のシーンには魔術的な美しさが存在する。ホモソーシャルな空間で語られる表面的な「愛」を滑稽に描き、人間的レベルで女性の性を描く。ベルイマンより女性に対して>>続きを読む

Saltburn(2023年製作の映画)

4.7

昨今の作品では断トツの快作。ネタバラシのシーンは蛇足だけど、モダンゴシックを追求してかなり頑張っている。最後のシーンは『美しき仕事』に匹敵する素晴らしさ。バリー・コーガンはこれで完全にネクストレベルに>>続きを読む