メイ・パンはかく語りき。
本作は徹底して、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが別れていた時期、かの有名な「失われた週末」をジョンと共に過ごした愛人メイ・パンの視点で進行していく。
正直に言って既知の話が多>>続きを読む
猿の表情や毛並み、水や森などの自然表現等、最新の特殊効果によって生み出された映像はもはや異次元の領域と言うべきだろう。あまりにも自然に実写映像と組み合わされており、一周回って有り難みを感じにくい程であ>>続きを読む
まずは、現地では今も悲惨で非人道的な行為が横行している事実を本作を鑑賞して今一度噛み締めた次第である。
映画としても真摯な作品だなと感じた部分は、本作の主人公でありAP通信のウクライナ人記者であるミ>>続きを読む
ハリウッドは如何にして「東宝チャンピオンまつり」を現代に甦らせたのか。
昭和ゴジラシリーズが持つトンチキでコミカルな演出やツッコミ所満載な物語といったヘンテコ映画としての魅力はそのままに、ハリウッドの>>続きを読む
当時を再現したドキュメンタリータッチな描写と登場人物達のエモーショナルに寄り添った視点を、プロレスの試合というアクションの中で縦横無尽に行き来するような撮影、編集は映画としての見応えに溢れている。>>続きを読む
実験的かつポップな作画と魅力的な物語で忘れ得ぬ作品となった。
写実的なビジュアルの作品が多い最近のアニメーション作品とは異なり、一見すると極めてシンプルな線と色彩で構成された本作であるが、そのビジュ>>続きを読む
ニューヨークの街を舞台に次々とガジェットを繰り出しながらお化け退治に挑むオープニングシークエンスは非常に楽しく、これだけでチケット代はペイ出来るだろう。
これでもかと登場する歴代キャストを観ているだ>>続きを読む
それにしてもクローネンバーグは孝行息子を持ったものである。
ブランドン・クローネンバーグ監督は本作において、父デヴィッドの作品に観客が期待してきたような悪趣味全開な世界観を表現しながらも、スタイリッ>>続きを読む
本作は紛れもなくクリストファー・ノーランの監督作品である。
ノーランが過去の作品で繰り返し表現してきた作家性ー物語のテーマやモチーフ、ロジカルなプロット、縦横無尽に時系列を移動する脚本と編集、そしてI>>続きを読む
ラージフォーマットで作り込まれた映像は素晴らしくリッチで、必ず映画館で観るべき作品だろう。ハンス・ジマーによるスコアも全編に渡って騒がしく、素晴らしい。
前作は全体的にスローテンポで、演出面やビジュ>>続きを読む
いきなり脱線気味の話ではあるが、ビートルズのファンは例の新曲「NOW and THEN」が劇中でこれでもかと言う程流れるので、それだけで満足だろう。(ちなみにこの曲である必然性は全くない)
プロット>>続きを読む
主演のザンドラ・ヒュラーを筆頭に俳優陣の演技が素晴らしい。(ワンちゃんの抑えの効いた名演技は必見!)比較的長尺ではあるが、役者が映画をグイグイと引っ張っていっている感じがある。
地味な物語と限定された>>続きを読む
ベッソン版の「ジョーカー」という例えは雑すぎるが、そういうテイストの作品だとは感じた。
ただ、陰惨極まりない物語が展開している中で、ワンちゃん達による面白殺人シーン等を見せられると映画としてのリアリテ>>続きを読む
映画として辛い部分は多いが、嫌いにはなれない作品である。
短い上映時間の多くはテレビシリーズの回想に使われ、本編パートの物語もほとんどテレビの1エピソードを観ているようなボリュームである。
テレビシ>>続きを読む
ホラーとコメディは表裏一体というが、その物体の真ん中を見ているような気分になった。
アリ・アスター監督のインタビュー記事で3時間の長尺を飽きさせないために映画全体のトーンに気を使った趣旨の発言を読んだ>>続きを読む
全体的に堅実な作りで最後まで楽しめる。
特にミュージカルシーンは迫力満点で、必ず映画館のいい音響で楽しみたい。
長い時系列を追いかけた美術、衣装も素晴らしく、ずっと観ていられる。
ただ、扱うテーマに>>続きを読む
緻密にデザインされた世界観、美術、衣装が35mmフィルムによって時に絵画のようにどっしりしっかりと、時に魚眼レンズや広角レンズを使ってトリッキーに切り取られ、それだけでも観ていてずっと幸せな気持ちにな>>続きを読む
どうしても嫌いになれない一本である。
DC内の組織再編だったりアンバー・ハード絡みのいざこざだったり公開前から色々耳障りな話が多い作品で、実際作品内にもそれらの影響は強く観て取れる。映画としての弱さ>>続きを読む
カラー版を鑑賞済みなのでここではモノクロ版に対する感想を書く。
結論から言ってしまうとファン以外は特に観る必要もなく、素直にカラー版を鑑賞すれば良いかと思う。デジタルシネマカメラ(Sony社VENIC>>続きを読む
色々あるが最も辛いのは、過去作に登場した年寄りスター軍団に引導を渡すべく登場したはずの新キャラクター達が何の見せ場もなく突っ立っているだけで終わってしまうことである。これではどうしたって過去のオジさん>>続きを読む
丁寧に作り込まれたドラマと作り込まれたアニメーション表現で見せていく傑作である。
本作は物語、演出、カメラアングルに至るまで徹底して子供の目線で語られるため、戦争によって変容していく社会の様や圧迫さ>>続きを読む
それぞれ境遇が違えど基本的には貧困層である主人公達が悪役に立ち向かう物語は一般大衆としてとても共感できるし、キャラクター1人1人を大事にしそれぞれに物語を準備している点は好印象だ。
反面、ティモシー>>続きを読む
信仰上の理由で満点をつけさせて頂く。おーん。
映画というよりはほとんど関西ローカル局のスポーツコーナーのような内容で、阪神タイガース優勝に対する批評性の様なものも全くない。岡田監督その人や選手たちの>>続きを読む
単にタイミングの問題ではあるが「ゴジラ-1.0」の公開とほぼ同時期に、この様な傑作が観られるとは。
本作は「-1.0」が本来ゴジラというキャラクターを使って描くべきだったはずが蓋をしてなかったことにし>>続きを読む
さすがリドリー・スコットである。
ナポレオンの人物像や歩みをシニカルに見つめながら、物語の中心にあるのは彼と妻ジョセフィーヌとの愛憎劇であり、しっかりと2人に感情移入出来てしまうようにも作られている>>続きを読む
お下品な下ネタが全編を貫くので苦手な人は要注意だが、物語は主人公である犬の目線で描かれるので、人間にはおふざけに見えてしまう下ネタが本人(犬)達にとっては大真面目な話であるという点が面白い。
犬達のピ>>続きを読む
エキセントリックな映画を目指そうという北野監督の想いはヒシヒシと伝わり、応援したくなる。好みの別れそうな演出も多いため実際に観客がそう感じるかはそれぞれだろうが、「面白演出の手数」は全編を通して多い。>>続きを読む
広角レンズで捉えた雄大なロケーションが主人公の孤高、孤独、待ち受ける数々の試練を表現していて素晴らしい。
…と書けば大層なのだが、この映画の内容は「ナチはぶっ殺す」以外、清々しいほど何もなく、何なら台>>続きを読む
設定やビジュアル等で、どう観たって「インセプション」を思い起こすが今作は非常にテンポよく上手くまとめられて美味しくあっさり頂けてしまう。
このあっさり頂けてしまう感はさりげないながらも非常にテクニック>>続きを読む
本作の白眉であるゴジラの銀座上陸シーンだけでもチケット代の何倍もの価値はある。蹂躙された銀座の街に「黒い雨」が降り注ぐ様はショッキングかつゴジラというキャラクターをパーフェクトに表現していて素晴らしい>>続きを読む
かなり予算がタイトであったりメインカメラがSONYのFX3(シネマカメラだが日本の低予算TVCMでよく使用される)であったり、鑑賞前にはなんだか辛い情報を耳にしてしまったが、まずはこのご時世にオリジナ>>続きを読む
本年を代表する作品だ。
徹底的に考証されたであろう当時の街並みやオセージ族のカルチャーを巨匠らしいどっしりとした画作りで切り取りながら、長尺を悠々と走り抜け、しっかりと観客をエモーションの渦に巻き込>>続きを読む
カワバンガ‼︎
ミュータント=社会から忌み嫌われた者たちがスーパーヒーローとして成長していく様子に思わず胸を打たれてしまう。
お馴染みタートルズ達の「ティーンエイジ」の生活感や人生観も丁寧に描写され>>続きを読む
ロケ撮影によって切り取られたイタリアの景色が、街の生活感も含めて美しく繋がれており印象的な作品に仕上がっている。
最強の私刑執行人と化したお馴染みのマッコールさんだが、彼の活躍を追うというよりは彼に>>続きを読む
本シリーズの十八番である、一般的なアクションシーンのセオリーとは逆の撮影方=長回しを多用しカットを余り割らず、ややロングめで撮る技は今作も健在で、最早達人の域に達したように見える。
過去作のように、か>>続きを読む
楽しく鑑賞した。
ひたすら大味な展開の中に無数に存在するツッコミどころも、なんだかずっとスベり気味なギャグシーンも、みんな大好きジェイソン・ステイサムのスター力で全て強行突破してくれる。
このステイ>>続きを読む