佳香かこさんの映画レビュー・感想・評価

佳香かこ

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#ミトヤマネ(2023年製作の映画)

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煌びやかなのになんだか虚しい。
自分ではない自分が独り歩きする。
何がリアルで何がフェイクなのか、
その線引の曖昧さに飲み込まれてしまいそうになる。

コーティングされた世界で見たいものだけ見て生きる
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バブル(2022年製作の映画)

3.8

素敵な運命的な絵画に出会ったとき、
その絵画の世界にしばらく迷い込んでいたくなる、そんな気分。

『人魚姫』をモチーフにした本作、
その事前情報だけでも結末の想像はついていたはずなのに、気づけば涙が頬
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ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

3.9

ずっと嫌〜〜な不吉な音が纏わりつき、
不吉な予感がつきまとう。
常にアンバランスで少しでも刺激すれば崩れてしまいそうはニトラスが
どこで、なぜその一線を超えてしまったのか。

事件の概要だけ見ればいき
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.2

とにかく臨場感があり、音響含め最っっ高でした!
孤高のヒーロー・バットマンが自身の傷をえぐりながら知能犯・リドラーと向き合う様は人間臭さもあり、「正義と悪」と一刀両断できないのがまたリアルで良かった。
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恋する寄生虫(2021年製作の映画)

3.5

極度の潔癖症の高坂(林遣都)と視線恐怖症のひじり(小松菜奈)が、自分を保ち守るために極度に閉じた世界にいたところから、相手を知るため、相手を守るために自分の殻を破り、互いに開いていく様子が綺麗事だけで>>続きを読む

るろうに剣心 最終章 The Final(2021年製作の映画)

4.6

剣心(佐藤健)と縁(新田真剣佑)の
2人にとっては“戦いが会話”で、
刀を交わすことでしか心に触れられない切なさがあった。

アクションは言わずもがなの圧巻で
佐藤健はじめキャスト陣の抜群の身体能力の
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

3.8

成田凌×清原果耶のW主演作。
成田凌もまた作品ごとに全く違う顔を見せてくれる俳優の代表格になってきていると思う。

朝ドラ『おちょやん』での一平とは正反対の役どころ。
『おちょやん』と言えば千代の弟ヨ
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.0

初めて「家族」を教えてくれた存在が
いざ自分が「家族」を持とうとしたときに、突如邪魔な存在になる皮肉、

どの業界よりも人一倍「義理人情」に熱い男たちが、時代に翻弄されながら
時代の変化に負けていく様
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声優夫婦の甘くない生活(2019年製作の映画)

3.5

いつなんどきもいくつになっても
人間の「生きる力」は凄まじい。

この作品を観て、日本国憲法第25条の
「健康で文化的な最低限の生活」という言葉を思い出した。

健康なだけでなく「文化的」でもあるのが
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タイトル、拒絶(2019年製作の映画)

3.6

声も話し方も似ていると言われてから気になる伊藤沙莉さん目当てで鑑賞。

彼女の独白部分は胸にダイレクトにズシズシ届きながら
笑わせてもくれて、次の言葉を待っている自分がいた。

恒松 祐里演じる人気デ
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ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ(2020年製作の映画)

3.9

子どもがいたら迷わず一緒に観たいと思った作品。

ウルグアイの元総理大臣のドキュメンタリー作品。

自身の給与の8割を返上して行ったプロジェクト、
貧しい村出身者と一緒に自分たちの住まいを作るという内
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スパイの妻(2020年製作の映画)

3.6

蒼井優が舞台女優のような声のトーン、
抑揚をつけた話し方で、主義主張を持った"内助の功"だけではない妻役を好演している。

「正義」とは、何を守りたいか、
何を優先したいかで時と場合によって
姿形を変
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望み(2020年製作の映画)

3.7

堤真一演じる父親が、自身が設計した自宅を顧客に案内する際に
「子どもの声が聞こえるような距離感を感じられる設計にしました」とこだわりポイントについて説明する場面があり、

その後間もなくして岡田健史演
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星の子(2020年製作の映画)

3.8

何かを信じることでしか、自分の中に「揺るがぬ絶対的な何か」を持たねば
乗り越えられないほどの理不尽や不幸がこの世には確かに存在する。

一度家族になると、生まれながらに
親が選択した宗教が基本的にはそ
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窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

4.1

何でもそつなくこなしてきて
何もかもが人並み以上で、自身の人生に対しても疑うことなく常に「総意」側にいた恭一(大倉忠義)。

「そういうもん」とありとあらゆるライフイベントを受け身で受け入れ人生を進め
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.2

泣き疲れた作品。
選べない、抗えない宿命の中生きる、
トランスジェンダーのナギサが、
親戚で母親の育児放棄に遭う中学生のイチカを預かることに。

最初は「うちらみたいなのはずっと1人で生きていかんとい
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ファヒム パリが見た奇跡(2019年製作の映画)

3.9

「才能や知力は誰にも盗めず強い」ということと、世界基準で共通ルールがあって競い合えるもの(数学やボードゲーム類)に秀でてる人って良いなぁとも。

この混沌とした今、出会えて良かった作品。
人生捨てたも
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凱里ブルース(2015年製作の映画)

3.4

過去、現在、夢、現実を交錯しながらも一本のストーリーとして成立している離れ業。
なのにあくまで映し出されているのは
泥臭く容赦ない現実で、
その中で随所に竜宮城的要素が差し込まれるが、あくまでリアリテ
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ぶあいそうな手紙(2019年製作の映画)

3.3

「マイインターン」でも描かれている通り、性別も年代も何もかも属性の違う2人の出会いが、
互いの人生を好転させていく物語。

目減りしていくばかりの自身の人生に
卑屈になっていたエルネストの口から
文句
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のぼる小寺さん(2020年製作の映画)

3.2

ボルダリング部に所属する小寺さんが主人公。
部活が主軸なのに全く暑苦しくない。
勝ち負けや体裁にこだわらず、
好きなものにただただ没頭する小寺さんの言動に、
夢や進路に迷う高校のクラスメイトたちが知ら
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15年後のラブソング(2018年製作の映画)

3.7

この世界がままならないときに、
STAY HOMEでまったりと観られて良かった。

決定的な不足がある訳でもないが
なんだか物足りなさを感じる日々や、
過去のもう取り戻せない自分が捨てたはずのものへの
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ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

3.9

人には到底出来っこないことが出来てしまう魔法使いのような人には、人が標準的に手に入れられる幸せは遠のく。
この悲しき運命にどうしたって涙してしまう。
背中で語れるのが本物の女優。

スキャンダル(2019年製作の映画)

3.5

ビリー・アイリッシュの『BAD GUY』が非常にマッチする作品。 
女性同士が対立するのは寂しいよな。
実は異性同士よりも同性同士のけなし合いは見ていて美しくないし、いつの世もあくどい奴らに利用されが
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ハスラーズ(2019年製作の映画)

4.0

角田光代の『対岸の彼女』が思い浮かんだ。
決して褒められたことではないけれど、
痛快で滑稽で、何にもなれないけれど
何にでもなれる気がして、
後ろは振り返らずに前だけ見るでもなく、今を刹那的に生きるこ
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影裏(2020年製作の映画)

3.3

綾野剛の演技から伝わる今野の線の細さと、松田龍平演じる日浅の掴みどころのなさ、底知れぬ何かが、岩手の圧倒的な自然の中に溶け込み浄化されながらも、
それでも押し出された何かが露呈するような作品。
一瞬な
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アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

3.9

1が「本当の自分」との出会い、解放なら、2はその本当の自分を発揮して、周囲のあれこれを「あるべきところに納めた」感。

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.8

イーストウッド監督の最新作。
不都合な真実、好都合な疑惑なんて世に溢れているわけで、メディアの情報コントロールについても触れられていたが、
どんどん自分の近からず遠からずなところで虚像が出来上がってい
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.5

一言で言うと「混ぜるな危険」
途中までは痛快な下剋上物語、成り上がりストーリーだと見せかけておいて、
全員が人間臭さまみれの劇薬注意。

Fukushima 50(2019年製作の映画)

4.2

3.11ー日本人誰しもにとって忘れられない刻印のように刻まれたそれぞれの記憶
まさにメルトダウン寸前の福島の原発を最前線で"最後の砦"として守り抜いた男たちの物語。

試写会でも嗚咽が漏れ聞こえてきた
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記憶屋 あなたを忘れない(2020年製作の映画)

3.6

誰が影の首謀者かは比較的直ぐに分かるはず。
記憶の曖昧さ、不確かさに少しの怖さを感じるが、だからこそ記憶が確かな"今"を慈しみ、言い訳なくしっかり両手で抱えて生きていきたいとも思った。

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.0

IMAX試写会にて。
臨場感凄まじく、スピードが出ると「自分という"個体"が消えて"無"になる」という表現は、もちろん経験はないながらそれこそが0,000…のタイムを競う勇者たちの快感なんだろうと察す
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シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション(2018年製作の映画)

3.8

フランス映画で日本の漫画原作作品を忠実に再現するという試みと、その完成度の高さに意表を突かれる。

ライフ・イットセルフ 未来に続く物語(2018年製作の映画)

3.9

タイムラインの描き方が秀逸。
あらゆる人たちに「出会ってくれてありがとう、出会わせてくれてありがとう」って言いたくなる作品。

殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)

3.8

今旬の若手俳優をとりあえずキャスティングしといた的な映画かと思いきや、最終的に泣かされていた。

今時の女子高生の感情表現や感情の機微について理解の範疇を超えるところがありつつ、それぞれのコミュニケー
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マレフィセント2(2019年製作の映画)

4.1

養子縁組もして多国籍な子どもを育てているアンジェリーナ自身と少し重ねて観てしまったマレフィセントの一筋縄ではいかぬ深い深い愛情。

ディズニー作品はどれも幅広い年齢層が楽しめるものばかりだが、こちらは
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