彼方さんの映画レビュー・感想・評価

彼方

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初恋(2020年製作の映画)

3.5

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「死ぬ気になれば何でも出来る」からの「生きていれば何でも出来る」への見事な転換。
染谷演じる加瀬がブツの持ち逃げを画策し、脳腫瘍宣告によりヤケクソになったレオが幻覚から逃げるモニカ(ユリ)を助けた事で
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.5

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カッコいい。それが素直な感想。
クリスチャンベールとマットデイモン。ケンマイルズとキャロルシェルビー。フォードGT40。画面に写る全てが狂おしいほどにカッコいい。映画館で観なかった事をひたすらに後悔し
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ひとよ(2019年製作の映画)

4.3

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『家族』。殆どの人が初めて属することになる最初で最小の社会。それは愛に溢れたものでもあるし、面倒くさくてたまらないものでもある。この映画はその『家族』をどんと突きつけてくる。
母親の子ども達への愛と覚
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僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

3.9

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ソ連支配下の東ドイツ。ソ連支配に抵抗したハンガリー民衆への2分間の黙祷によって、追い込まれる生徒達。友達と家族、自分の将来を天秤にかけられる。純粋な生徒達に対し汚い手で首謀者を暴こうとする体制側の人間>>続きを読む

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007年製作の映画)

4.2

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いやぁー面白い!
ロンドンのエリート刑事エンジェルが田舎のサンドフォード村に赴任した途端、連続殺人が起こる。
後半の警察対老人。あるおばあさんはショットガン、おばさんはスナイパー。アホみたいに振り切っ
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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

3.7

ドイツの軍門に降るか徹底抗戦するかという選択に悩むチャーチルに焦点を当てた作品。
ゲイリーオールドマンの熱演も相まって作品全体のクオリティは高い。しかし後半の展開には正直モヤモヤする所もあった。ハリフ
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シャイニング(1980年製作の映画)

3.7

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やっと観た。本当にやっと。
観終わった後のファーストインプレッションは「え?」そこからジワジワとあそこのシーンの意図は何だったのかなど色々思いが巡る。考える余白がある映画は大好きなので、まさしくそれに
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劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~(2019年製作の映画)

3.6

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正直脚本の作り込みとかディテールは求めてないので非常に気軽な気持ちで鑑賞。初代ドラマの延長にある今作。天空ピーチ編も観たけど、やはり各々がキャラ立ちしているのは天空不動産編だなと。
冒頭の壺を割りかけ
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新聞記者(2019年製作の映画)

3.8

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現実に起こっている事をベースにしていて、既視感がえげつない。主人公の1人である官僚の杉原は内閣情報調査室に勤め、内閣に都合の良いように情報操作する仕事をしている。真っ暗な勤務部屋は若干やり過ぎの感ある>>続きを読む

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(1990年製作の映画)

4.0

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ドクが中心となる最終篇。
パート2のエンドで西部開拓時代の1885年に行ってしまったドクをマーティが救いにいく。
とにかくドクがハツラツいきいきしている。馬を疾走させクララを抱き上げ救ったり、ウイスキ
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それでも夜は明ける(2013年製作の映画)

3.8

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映画紹介ではソロモンが希望を持ち続け、12年後妻子に再会する感動の物語とされているが、正直希望や感動はそこまで感じなかった。感じるのは底果てしない絶望と悲しさと怒り。特にしんどかったのは、終盤ソロモン>>続きを読む

バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(1989年製作の映画)

3.8

現在過去未来〜♪という歌があるが、本作は未来現在過去〜♪

未来に行ったことで未来のビフがデロリアンを悪用し、現在の世界をズタズタにしている。それを修正する為にパート1で行った1955年に再度タイムス
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バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

4.1

恥ずかしながら初鑑賞…

いやぁ〜面白い!エンタメの全ての要素が詰まってる!
ストーリーの展開もテンポが良く、かといって拙速ではない絶妙さ。
音楽、ファッションのおしゃれさが最高で、コンバースの黒のハ
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トゥルー・ストーリー(2015年製作の映画)

3.7

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"真実"とは。

人間は自分にとって都合の良い方を真実と思い込む。職を失い焦っていたマイケルは、心のどこかでロンゴの無実を信じ願っていた。ロンゴの事は自分が一番知っているという自負もあったはず。映画を
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.4

観た後の余韻が何とも切なく心地いい。
小さな時、子どもの時の友達は特別だ。大人になって出来た友達は価値観や考え、立場が似たような人が多いけど、子どもの時の友達はそんなの関係なくて、近くにいるからってい
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スノーピアサー(2013年製作の映画)

3.7

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評価低いが、それなりに楽しめました。

地球上で人間は格差社会を形成し、それで一種の安定を図ってしまっている。限られたリソースを一部の人間が独占し、多くの人間はその利益を享受できない。それが列車という
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7番房の奇跡(2013年製作の映画)

3.7

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うーん、絶賛って感じではないんだけど、ラストは泣かずにいられなかった。
障害者が事件の犯人に仕立てられるという中々にシリアスなストーリー。雨の中の現場検証は目が当てられない位キツい…刑務所に入ってから
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スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

4.1

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ジャーナリズムの真髄と新聞社に求められているものがこの映画に詰まっている。
ボストングローブのスポットライト編集部が、被害者や弁護士に徹底的に取材をし、昼夜問わず文献を漁り、やがて神父による性的虐待と
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her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

4.2

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設定を聞いた時、どんな結末になるのだろうと思った本作。結末をすぐに予想するのは悪い癖だな。

まず備忘録としてあらすじを。元妻のキャサリンを忘れられないセオドアの心の隙間を埋めるAIのサマンサ。セオド
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LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

4.2

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ラスト、サルーと2人の母が3人で抱き合うシーンで号泣。

インドで迷子になったサルーがホームレス、孤児院を経てオーストラリアの夫婦に養子として引き取られる。立派に成長したサルーは大学生の頃からグーグル
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.5

カンヌパルムドール受賞作。パラサイト、万引き家族と共通する"貧困"が主題。
他2作に比べ一種のエンタメ性が無い分、ジリジリ追い詰められるダニエルとケイティの苦しさがダイレクトに伝わってきて、観ていて本
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ノーカントリー(2007年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

この映画を考察無しで十分理解できなかった自分に歯痒さを覚えた。なるほど、シガーは絶対悪、不条理そのものなんだ。シガーに情や道理なんて無く、ただ冷酷に人を殺していく。
大金を持って逃げるモスは大金をダク
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ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

3.6

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中盤までどうも引き込まれなかったが、さすが評価の高い脚本。
5人の中で唯一の生き残りであるバーバルキントの回想で語られる本作。語られていく中で裏社会の超大物である「カイザーソゼ」の正体に近づいていく。
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お嬢さん(2016年製作の映画)

4.1

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何だ、ただの純愛映画か。

スッキ、秀子、伯爵の視点から描かれる3部構成。
スッキと伯爵がグルとなって秀子を騙すかと思いきや、秀子と伯爵がグル。その上を行きスッキと秀子が手を組む。

官能美と男の醜さ
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

観終わって何故か笑いが出てしまった。なんなんだ、このゾワゾワフワフワは!
麦と北海道に向かう車中、朝子は「亮平との5年間は夢のようだった」と言う。けれど車中泊した翌朝、「亮平の元に戻る」と。
朝子にと
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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.7

ジャケットの笑顔は劇中ではほとんど見られない。想像以上のシリアスさ、むごさ。

自分の家庭で精一杯で政治に疎いタクシー運転手が主人公。観る側と主人公が同時に韓国光州の実情を知っていく。この設定がまず素
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

3.8

白人至上主義のKKKに黒人捜査官が潜入するというまさかの実話ベースのストーリー。まさに事実は小説よりも奇なり。

まず抱いた感想は「この作品の制作陣はバランス感覚に優れているなぁ」と。もちろんKKKを
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.8

誰よりもお互いの事を理解しているけど、離婚という選択。正式な離婚までのプロセスも含めて、めちゃくちゃリアルで辛い。

結婚生活をただ続ける為には、"諦め"が必要なのかなと思った。自分の夢を諦めること、
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ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

4.3

まんまと泣かされましたよ。

主人公オギーだけでなく、友達のジャック、姉のヴィア、ヴィアの友達ミランダの視点も盛り込まれており、バランスが良い。
最後の表彰シーンはいかにもアメリカらしいが、泣きました
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ホットギミック ガールミーツボーイ(2019年製作の映画)

3.7

時間の都合上、丸一日後にこの感想を書いている。観た後から今まで続くこのフワフワとした余韻は何なんだ。不思議な映画だ。
再生開始すると、そこには棒読みの主人公と奴隷になれと言うツンツンした同級生。やっぱ
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

2020年初映画。今年の一本目にとんでもない映画を観てしまったかもしれない。
"半地下"の家に住む家族の長男ギウが、裕福なパク家の娘の家庭教師になることを発端としたストーリー。ギウ一家がタイトルの通り
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十三人の刺客(2010年製作の映画)

3.5

前から観たかった作品。
とにもかくにもキャストの豪華さ。松方弘樹のカッコよさたるや…
「暴君である明石藩主松平斉韶を老中にさせまい。」その志のもと十三人の侍たちが闘う。シンプルな話だけど、俳優たちのカ
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

鳥肌立ちっぱなしの後半。
以下備忘録として流れをメモ。

①ミルドレッドが警察に対し、事件の解決を訴える広告を出す。
②警察と住民の反感を買う。
③末期ガンのウィロビー署長が自殺。但し、原因は広告でな
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ヴェノム(2018年製作の映画)

3.8

エンタメ作として非常に面白かった。最悪のヴィランであるヴェノムをユーモラスでコメディチックに描いたのは意外だったが、これはこれでありかなと。ただやはり個人的にはヴェノムはダークヒーローではなく、ヴィラ>>続きを読む

ウインド・リバー(2017年製作の映画)

3.8

娘を亡くしたハンターであるコリーが友人の娘であるナタリーの死の真相を捜査官バナーと追う。
その過程で見せるジェレミーレナーとエリザベスオルセンの悲しみを堪える演技が素晴らしくて。

ネイティブ・アメリ
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運び屋(2018年製作の映画)

4.0

90歳で麻薬組織の運び屋という刺激的な設定と家族との溝を埋めていくというヒューマン的要素を上手くミックスしている。
ブラッドリークーパー、マイケルペーニャ、ローレンスフィッシュバーン、アンディガルシア
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