ぴのしたさんの映画レビュー・感想・評価

ぴのした

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インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)

4.0

1も面白かったけど、今作もとても良かった。思春期に現れる、これまでとは違った感情たち。心配、嫉妬、羞恥心、気だるさ。

憧れの人の前で挙動不審になったり、つらいことが重なってパニックになったり、周りに
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Valimo(2007年製作の映画)

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休憩中?に映画見るのなんかいいな。淡々と働く労働者のルーティンも、そのあと無言で見る映画も。

入り口の色合いがかわいい。

ラヴィ・ド・ボエーム(1992年製作の映画)

4.0

とても良かった。売れない3人の芸術家の友情と、彼女への愛。

ラスト、日本語の歌謡曲とともに犬と去っていくマッティの背中と、三人がそれぞれの彼女とピクニックに行くシーンは涙が出るほど美しかった。

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悲しき天使(1991年製作の映画)

-

カウリスマキ映画に登場する架空のバンド、レニングラードカーボーイズのミュージックビデオ。MVだからかストーリー性はほぼないが、シュールでおもろい。白黒ということもあり、陰影の付け方がオシャレ。ロバが可>>続きを読む

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.8

悲しい話と聞いていたので身構えていたが、最後は意外とスカッとする展開もあり、面白く見れた。

マッチ工場での人間の役割は本当に些細で機械の補助にすぎなくて、それが彼女の置かれている従属的で満たされない
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トータル・バラライカ・ショー(1994年製作の映画)

3.6

レニングラードカーボーイズのあの映画でやった曲をライブで見せてくれるのかと思っていたが…ソ連の音楽隊の主張が激しすぎる!もっと映画でやった曲をやってくれよ…

カーボーイズのビジュアルやノリノリの踊り
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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

4.0

面白かった。今回は珍しくフィンランドじゃなくイギリスが舞台。

自分を殺して欲しいと依頼した男と、余命少ない殺し屋。生きていてもろくなもんじゃない、こんな世の中…と悲観的になる自分と、そう悪くもないぜ
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愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

3.8

男2人組が絶妙にダサくて愛らしい。コーヒー中毒とカフェイン中毒。ロックンローラーを気取って粋がり、ケンカっ早さを見せようとするも唾もろくに吐けないダサさ…。

そんな不器用な男がタチアナの肩をそっと抱
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

3.9

面白いけど切なかった。パラダイスの夕暮れもそうだったが、結局フィンランドを出ないと幸せはつかめないのだろうか…この国には仕事もないし、治安は悪いし、公権力はろくでもない。

これまでにないクライム要素
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レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

3.7

なんだこれ笑。カウリスマキが自由にふざけまくったという印象のミュージックロードムービー。

他の多くの作品のような、暗い生活の中にささやかな愛を見出す作風とは異なり、終始楽しくクスクス笑えるような展開
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.9

カウリスマキ「労働者3部作」の一作目、らしい。冒頭のゴミ収集車での作業の1日をジャズに載せて見せるシーケンスだけで痺れる良さがある。かっこよさともオシャレさとも違う、なんとも言えないこの感じ。

ゴミ
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街のあかり(2006年製作の映画)

3.8

悲しい😢これまでの敗者3部作の2作とは違い、最後までほとんど希望が見えず、踏んだり蹴ったりで終わるのがつらい…。

いつもみたいにハッピーエンドをくれよ!と思うけど、悲しい展開が続くからこそ、主人公や
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過去のない男(2002年製作の映画)

4.0

安定のカウリスマキ印。音楽と人情と愛にかわいい犬を添えて。大学の頃、極小アパートで貧しいながらも文化的な暮らしを精一杯楽しんでたのを思い出した。

カウリスマキ映画において、職安や警察や資本主義といっ
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タイタニック(1997年製作の映画)

3.9

いつか見たいと思って見てなかった名作。予想以上に面白かった!ディカプリオが国宝級のイケメン。

見る前は「船が沈むだけだろ」と思ってたけど、ラブロマンスにアクションにパニック描写に盛りだくさんで、3時
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浮き雲(1996年製作の映画)

4.0

とても良かった。枯れ葉とかぶるシーンが多かったが、この安定した「いつもの味」がカウリスマキの良さなんだな。

仕事を失った夫婦が散々な目に遭いながらも、最後には再起するというだけのシンプルなストーリー
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RRR(2022年製作の映画)

4.6

2020年代の全ての映画の中で、最高傑作の一つだと思った。神話であり、ショーであり、ミュージカルであり、血が沸き立つほどのエンターテイメントである。

最初に2人が登場した段階で「立場の違う最強の2人
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ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

3.9

じわじわと沁みるいい映画だった。若き日のジョニデとディカプリオの名演が光るだけでなく、映画としてストレートに出来が良かった。

ベッキーとの別れのシーンや、母親との和解のシーンとか、うるっときた。
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MIND GAME マインド・ゲーム(2004年製作の映画)

3.6

ずっと見てみたかった湯浅監督の初期作品。実写、CGを交えて描かれる映像表現がとんでもなかった。

ただ、話の筋がなかなか動かず、同じ場面で足踏みしながらイメージカットのような映像が続くので、見ている側
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現金に体を張れ(1956年製作の映画)

3.8

スタイリッシュな犯罪群像劇。キューブリックが今の自分と同じ年齢(=28歳!)で作ったと聞き、脱帽する。

のちの作品で多用する壁抜けドリーもあり、白黒映画ならではの陰影の使い方も絶妙で、ラストカットな
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ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツ(2022年製作の映画)

3.9

ハリポタの名優たちとスタッフ勢がホグワーツで集まる同窓会。U-NEXT独占配信なので、U-NEXT入っててハリポタ好きなら絶対に見るべき。

冒頭の招待状が届いてホグワーツにみんなが向かうオープニング
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日の名残り(1993年製作の映画)

4.0

カズオ・イシグロ原作ということもあって文学的な薫りのする作品だった。

貴族の屋敷に使える執事とメイド。2人の惹かれ合いながらもくっつかない絶妙な関係性がとても良かった。終盤のバスの手を離すシーン、あ
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.6

いろんな意味で昔の映画感があった。冒頭の古い映画のような質感は面白く、カットもカッコいい。ただ、価値観にあまり共感はできなかった。

主人公は最後までいい人風に描かれているが、常に行動原理が自分中心。
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

ちょっとまだ全体を咀嚼しきれていないが、面白いシーンがたくさんあって、のめり込んで見ることができた。

冒頭からまず痺れた。タイトルバックからの木々を見上げるファーストカット、そこに石橋英子の音楽が大
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.1

ものすごく良かった。感動した。この地震大国に生きる我々にとって、こうした物語はきっともっとずっと早く必要だったのではないか。

この映画が描くのは3.11だけではない。すずめが訪れる街々の姿と燃え盛る
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バービー(2023年製作の映画)

3.8

女性のエンパワーメントで終わらず、最後の最後で「女や物や名誉を所有したり、競争に勝ったりしなければ男に価値はない」的な男にかけられた呪いにまで焦点を当てているのが良かった。

コミカルな笑いで陳列され
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

話が分かるまでの前半は難解だったけど、中盤以降はしっかり面白かった。

広島・長崎が直接描かれていない、と批判があるよう(ほんまか?)だが、ちゃんと映画を見ればその批判が的外れだということがよく分かっ
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.9

短いながら構成に起伏があって面白い映画だった。80分でサクッと見れるのが良い。

一人一人順番に説得していくのが痛快だし、それぞれのキャラクターもどんどん好きになる。タイムリープものでありがちな、前回
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ネズミ捕りの男(2023年製作の映画)

3.6

ネズミ取りの男とネズミとの格闘の場面が面白い表現だった。直接な表現はないミニマムな場面なのに語りやカットのテンポ感でどんどん引き込まれていく。

フェレットとネズミを取り出すシーンなんかも実物を出さな
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白鳥(2023年製作の映画)

3.7

展開はドキドキして楽しいのに、着地点はかなりビター。ロアルドダール印のダークチョコレートのような一作。

映像で物語を見せるということを意図的にやめ、あくまで朗読劇に徹する面白い作り。キャラクターは出
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.7

スピルバーグの自伝映画なんか絶対面白いやろ!と思って見たが、想像していたのと違った。ポンポさん見ようと思って座ったらマリッジストーリー始まったみたいな。

親が離婚にいたるまでの部分にメインテーマくら
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

すごく良かった。ストーリーは男女が出会ってくっつくだけのシンプルな内容だが、どこかあったかい気持ちになれる。往年の名作を見ているようだった。

前半はそこまでだが、後半の犬が登場してくるあたりから急に
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.8

サクッと見られて面白かった。マリオたちがコースをアクロバティックに進んでいく姿は、ゲームなら当たり前のものなのに、ちゃんとストーリーとして一から描かれるとカッコよくて感動する。

マリカのカートを3つ
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.9

久しぶりに見るデヴィッド・フィンチャー映画。初っ端から緊張感が途切れず、ド派手なシーンは少ないのにずっと面白い。

仕事に失敗して命を狙われることになった殺し屋が、復讐のために妻を襲った同業者を1人ず
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.5

ホラーめいたものを期待していたが、ラスト10分くらいになるまで結構ほっこりムードで、アダがひたすら可愛い。もちろん不穏な空気もところどころあるのだが、それをアダの可愛さが上回ってしまう。早くアダの凶暴>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.7

これダールの原作読んだことあったな。オチまで覚えてなかったけど、愉快な感じの話のように見えて、最後は示唆的な終わり方だよね。

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2(2011年製作の映画)

3.9

20231018 何度目かの鑑賞@netflix

多分3回目の鑑賞。これまで暗いパートが続いた分、最後くらい明るく終わってくれると思っていたが、なんかよく見たら勝って終わるのに最後まで暗いね…

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