ぼっちザうぉっちゃーさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.8

奇しくも3連チャンでGAGA配給作品鑑賞。

『リコリス・ピザ』でも感じたようなとりとめのなさが、今作でははっきりと章立て進行し、より散文的でエッセイのような脱力感とユルい空気感が印象的だった。
それ
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流浪の月(2022年製作の映画)

4.2

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思っていたより個人的には、心かき乱されるというより凪の状態でいる心象が多かったように感じる。
それによって、内に秘めたる“死んでも知られたくないこと”、そして生々しい性をぶつける、ぶつけられる怖さ、と
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.9

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韓流弱者の私でもさすがに馴染みだした顔ぶれに、是枝節な淡々とした演出。
殺伐として笑えない話とのギャップの部分はやはり韓国らしいが、コミカルというよりどこか優しい長閑さを感じた。

重くて軽い命を乗せ
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.8

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良くも悪くもすっごい普通のSFアクション映画だった。

もちろん楽しめた。
前作辺りから正直鳴かず飛ばずな感じの縮小アクションは、もう一周回ってというか世界ごと縮小して、もはや大きいとか小さいとかの縮
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マスク(1994年製作の映画)

3.6

キャメロン・ディアスとの出会いはここだったか。
実家にDVDがあったので、少し不気味で怖いなと思いつつ何度も観ていた記憶。

装着時の竜巻みたいな変身シーンとか、物理無視な身のこなし、飛び出る目玉、落
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空白(2021年製作の映画)

4.1

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誇張されたメディアやあるある感ある人物像ではあったがそれによって、想像もしたくない最悪の事態を通して、人間社会の普遍的な性みたいなものを鋭く描き出していた。

生まれてから死ぬまで。それは人生なんて大
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そこにいた男(2020年製作の映画)

3.2

“いいじゃん名前なんか
目の前にいるのが、俺なんだからさ”

そこにいる男の、眼の空虚さに
間女独特の、無責任と浅い底知れなさに
なぜだか不思議と乾いたエロティシズムを感じた。


泣いてなんかないよ
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

3.7

『バビロン』余熱で鑑賞。

毎回のパフォーマンスで、こんな風に身体を自由自在に操れたらどんなに楽しいだろうかと思わされた。
やはり「音」と「映像」の映画には、その黎明の時代からミュージカルが深く深く関
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バビロン(2021年製作の映画)

4.2

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未曾有の「映画力」にただただ陶酔し切った三時間だった。
お祭り映画というより、「一人映画祭」みたいな自由と無秩序を頭っから浴びせられている感覚。
もう眼から頭から体から、全身が謎の熱を帯びて仕方がなく
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スクリーム(2022年製作の映画)

3.5

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完全にジェナ・オルテガ目的で鑑賞。
Z世代のスクリームクイーンとか呼ばれてんだから、覚悟しておくべきだったけれど序盤でめった刺しにされてショックだった。けど死ななくて良かった。。。
まさかの一作目の犯
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スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション(2011年製作の映画)

3.3

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『スクリーム』(五作目)を観るためにここまで観てきたのに、「“スタブ5は最悪の出来”」とか言わんで欲しいな。
ホラーにおいて可哀想なのは確かに、二つの意味で「カット」された人物だよな。

今回は「ネク
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スクリーム3(2000年製作の映画)

3.6

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さらに慎み深く、隠居暮らしをしてたシドニー。
今回もひたすら過去が逃がしてくれなかった。

『羊たちの沈黙』や『セブン』が挙げられていたように、いっちょ前に連続殺人事件としてミステリーが展開するのが印
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母なる証明(2009年製作の映画)

3.8

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『さがす』の縁で鑑賞。
確かになんとなく「逆」っぽい感じがした。

韓国特有のどこかマヌケでコミカルな雰囲気も確かにあって、そして真相が分かるまでの嫌なざわめきと、分かってからの妙な虚脱感というのも独
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スクリーム2(1997年製作の映画)

3.5

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一作目で凄惨な事件を巻き起こした不気味なマスクの殺人鬼がホラーアイコンとして人気になり、その事件を題材とした映画を観に来た黒人(ホラーの犠牲者)がホラー映画を語る、というド・メタがいきなり冒頭から導入>>続きを読む

バースデー・ワンダーランド(2019年製作の映画)

3.1

バースデーにワンダーランドを鑑賞。
児童文学らしい好奇心くすぐる内容で、奇妙な季節感と生活感をたたえる世界が楽しかった。そんな異世界をオープンカーでゆくというエッジも画的に面白かった。
まさしくワンダ
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バトル・ロワイアル II〜鎮魂歌(レクイエム)〜(2003年製作の映画)

2.9

10年越しに続編を鑑賞。
『王様ゲーム』とか山田悠介初期作とか読み漁ってた小学生時分を思い出した。

規模だけが出鱈目に大きくなって全ての面白さが火薬とともに爆散するという、駄作な続編のお手本みたいな
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さがす(2022年製作の映画)

4.3

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衝撃的な面白さだった。これは震える。

想像以上のハードさとアパートや路地裏のリアリティー、ドキュメンタリー性の高い画面などで、不快に思うほどの心のざわつきがずっと抑えられないまま進行する。
そんな中
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シザーハンズ(1990年製作の映画)

3.9

『ウェンズデー』の勢いでティム・バートンの名作鑑賞。
すごく良かった。

色とりどりのパステルやクリスマスカラーなど、鮮やかな色彩が印象に残った。
そして賑やかな主婦たちや一斉に帰宅・出勤する主人たち
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

3.8

まずブラムハウスのオープニングシークエンスがリニューアルされてるのを知った。

黒電話が鳴る度にそれぞれの人生と脱出のフェーズが並進していく展開がとても面白く、その中で一人一人の被害者の「名前」と、そ
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チェイサー(2008年製作の映画)

3.7

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『殺人の追憶』ぽい生臭さと予測不能な展開が見応えあった。
一応決着はついて、最高に重たい気分にさせてくれる。

デリヘル嬢と元締め。嬢の娘を縁とするその微妙な関係が、過度の感情移入とドラマチックさを削
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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

3.6

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違うと知りつつ勝手に『哭声』連想して観たんだけれどやっぱり全然違った。そりゃそうだ。

ゾンビに見えなくもないんだが、それとは全く違う。ゾンビの方がむしろまだ「歩く死者」としての元「人」たる認知と愛嬌
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金の国 水の国(2023年製作の映画)

3.8

奇しくも連日大河ロマンス作品を観ることになったが、こちらは比較的しっかりと少女漫画の系譜にある、大河風のマイナーチェンジといった印象を受けた。

ふっくらと温かみある画が魅力的で、紙芝居か人形劇かとい
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

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期待を裏切らぬ「裏切り」が今回も効いていて良き。
早くもそろそろ「作家性」と呼んでもいいくらいのものに感じてきた。

空飛ぶ円盤がまさかの有機体という衝撃。
とにかくでけぇ何かが家(身を守る大きなもの
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アダムス・ファミリー2(1993年製作の映画)

3.8

『ウェンズデー』を折り返しまで観たので前日閑話的に鑑賞。

今回はサマーキャンプやフェスターの新婚生活など、屋敷を飛び出してのイベントが盛りだくさんだった。もちろん悪趣味は健在で、子どもが生まれ、悪徳
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レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)

3.8

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2023年劇場一本目。
物凄い愛と野性に溢れた作品で大変良かった。

予告もまともに観ていなかったくらいなので、突然始まるまさかのラブコメに驚いた。んでそれが案外面白かったので思わぬ満足感。

そして
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

3.6

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最悪の気分。それも最悪の結果での幕引きとかでなく、この先も当分最悪が覆ることは無いのだろうなという絶望感による最悪がキツイ。ジーザス。

急に辺り一面戦場と化したりするのではなく、淡々と展開、施行、行
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太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

3.9

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半ば狂気じみた面白さが癖になる。

『タクシードライバー』のようなシニカルな熱量を軸に、散文的な思想をまき散らしながら行き先不明の展開が継続していて終始楽しんで観られた。
ただ色気ムンムンラジオパーソ
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パラドクス(2014年製作の映画)

3.6

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ビルの階段使ったエンドレスは割とお手軽で低予算感あって最初は楽しんでいたのだけれど、そっから別の一本道エンドレスも見せられてなんじゃこれと。無機質な階段と白昼天下の一本道のコントラストが進行する。>>続きを読む

アダムス・ファミリー(1991年製作の映画)

3.8

ドラマ『ウェンズデー』が観た過ぎて予習的に鑑賞。

特に紹介もなく説明も少ないので、いきなり奇怪な世界(屋敷)に踏み入れたようなワクワクとポップな不穏さが最高。これはティム・バートンとの相性抜群そうで
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死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

3.5

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そういえば観てなかったやん&最近のホラー不足感から1、2観直したのち鑑賞。
そこまで期待していなかったので普通に楽しめた気がする。

特に今回はウォーレン夫妻が、「法廷」という科学と論理の場に臨む展開
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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.6

なぜだか原作既読の映画が続いているけれど、一番そのままで、一番印象が違う作品だったかもしれない。

全体的に質素な味付けで、音楽にしろ画面にしろ、ラストのスローモーション以外はほぼ演出のない平淡な仕上
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.8

想像の5倍くらい原作通りだったのでめちゃくちゃ驚いた。

ハリウッド映画なので大前提、終盤のエクスプロージョンと全編に香るトンデモジャパンは恙ないとして、その他登場人物や細かい小道具、展開などがほとん
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マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル(2022年製作の映画)

3.8

ヒーロー映画の主役たちでホームコメディやれるMCUコンテンツの強さよ。

星間飛行もなんのその、文字通り星をまたいで引っ搔き回す侵略者、もといサンタたち。ヨンドゥとの思い出を起点にして幼心に寄り添うエ
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戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.5

メリクリ当日の記念碑的に鑑賞。

坂本龍一の切れ目な歌舞伎式男前。
まるで生首のように砂場に放置されるジャック。あかぎれた顔に留まる真っ白い蛾。
ラストの原軍曹の笑顔。などビジュアル的な印象が強かった
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かがみの孤城(2022年製作の映画)

4.2

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あんまり期待はしていなかったんだけれど、とても良かった。
原作既読であったため、本編で描かれていない部分に関しても積極的に感情移入していたところはあるが、それを差し引いてもものすごく綺麗にテーマを描き
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

3.8

クリスマスイブの記念碑的に鑑賞。
金融という可視で物質的な富のモチーフを扱いながら、不可視で非物質的な心の豊かさを描くというそのまんまな内容だったけれど、パーティーのダンスとか帰り道の歌とか、やはりコ
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