KnightsofOdessaさんの映画レビュー・感想・評価

KnightsofOdessa

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浮き雲(1996年製作の映画)

3.5

[] 70点

1996年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。アキ・カウリスマキ長編13作目。主人公男女が色々あって無職になるというのが、あまりにもこれまで観たカウリスマキ作品と同じ展開すぎて流石に笑って
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The Universal Theory(英題)(2023年製作の映画)

2.0

[多元宇宙から来た女に一目惚れした男] 40点

2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。Timm Kröger長編二作目。作家ヨハネス・ライナートはスイスを舞台とするSF小説を発表した。しか
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

[光の二重性と人間の二重性] 80点

クリストファー・ノーラン長編12作目。ノーランにコロナ禍直後に劇場公開を強く希望されたことで20年来の蜜月を切ったワーナーも、手放した瞬間にオスカー席巻されると
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異人たち(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

[You Were Always on My Mind And Always Will Be]

傑作。アンドリュー・ヘイ長編五作目。山田太一『異人たちの夏』映画化作品。原作は未読だが、大林宣彦版は鑑
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山の焚火(1985年製作の映画)

4.9

[] 99点

超絶大傑作。フレディ・M・ムーラー長編二作目。これまで観るのを躊躇っていたのを後悔しているくらい素晴らしかった。物語はスイス田舎村の山の中腹にある小屋で暮らす家族を追う。老夫婦には二人
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メゾン ある娼館の記憶(2011年製作の映画)

3.5

["私たちが燃えなきゃ夜は暗闇だ"] 70点

2011年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ベルトラン・ボネロ長編五作目。19世紀末フランスの高級娼館を舞台に、そこで暮らす娼婦たちの日常と仕事風景、やっ
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

4.5

[それは姉の見た世界、私の歩んだ記憶] 90点

大傑作。2022年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品、金獅子受賞作。1965年に自殺した姉バーバラに捧げられた映画であり、原題も診断書に書かれた"彼
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

4.0

[Could be a doctor] 80点

2022年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。なぜかずっと観るタイミングを失っていたのでようやく。物語は1968年、ホテルのディナーで幕を開ける。弁護士
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イヤーウィグ/氷の⻭を持つ少女(2021年製作の映画)

3.0

[氷の歯を持つ少女の物語] 60点

ルシール・アザリロヴィック長編三作目。20世紀半ば、ヨーロッパの何処か。アルバートは氷の歯を持つ少女ミアの世話をしている。決まった時間になると、口に突っ込まれた大
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La nature(原題)(2019年製作の映画)

4.0

[驚異的で圧倒的な力を持つ自然] 80点

傑作。1993年の『生命』以来26年ぶりの新作。今回は題名の通り自然風景のコラージュである。26年の間に映像機器の圧倒的進化があったのが分かるくらい、集めら
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Slow(原題)(2023年製作の映画)

4.0

[リトアニア、親密さと身体について] 80点

傑作。2024年アカデミー国際長編映画賞リトアニア代表。マリア・カフタラーゼ(Marija Kavtaradzė)長編二作目。コンテンポラリーダンサーの
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炎のアンダルシア(1997年製作の映画)

3.5

[カリフのボンクラ息子、"目覚める"]

ユーセフ・シャヒーン長編32作目。物語は12世紀レコンキスタ真っ只中のイベリア半島で、カリフの隣で法律を司る哲学者アヴェロエスを中心に語られる。頑迷なカリフに
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けもの(仮題)(2023年製作の映画)

4.0

[人類に向けたフォークト=カンプフ検査] 80点

大傑作。2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ベルトラン・ボネロ長編10作目。一応の原作はヘンリー・ジェイムズ『密林の獣』。三つの異なる時
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バティモン5 望まれざる者(2023年製作の映画)

3.0

[] 60点

ラジ・リ長編二作目。前作『レ・ミゼラブル』にて世界的に有名になった監督の二作目は、イキったアレクシス・マネンティが火種を撒き散らすという基本構造こそ共通しているが、前作よりややトーンダ
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Favoriten(原題)(2024年製作の映画)

3.0

[オーストリア、イルカイ先生の教室] 60点

2024年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門選出作品。ウィーンのファヴォリーテン地区にある小学校に通う25歳の子供たちの3年間を追ったドキュメンタリー。
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

[乗るしかない、このサンドワームに!] 60点

前作にはそこまで惹かれなかったものの、アニャさんが出るならとアニャさんを浴びに初日IMAXまで突撃して、結局5秒くらいしか登場しなかったので泣いて帰っ
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Pepe(原題)(2024年製作の映画)

3.5

[ドミニカ共和国、カバのペペの残留思念が語る物語] 70点

2024年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。ネルソン・カルロ・デ・ロス・サントス・アリアス長編四作目。1993年、脱獄し潜伏中だった麻薬王
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Shambhala(原題)(2024年製作の映画)

4.0

[ネパール、シャンバラへゆく者] 80点

傑作。2024年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。ミン・バハドゥル・バム長編二作目。ネパールはヒマラヤ山麓にある小さな村には、一妻多夫の伝統がある。家系を維
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Memory(原題)(2023年製作の映画)

4.0

[戻らない記憶と消せない記憶、ならば未来は?] 80点

傑作。2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ミシェル・フランコ長編八作目。デイケアセンターで働くシルヴィアはアルコール依存症から抜け
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ある人形使い一家の肖像(2023年製作の映画)

3.5

[ガレル家子供世代の将来は如何に] 70点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。俳優になる10年前の1947年、フィリップ・ガレルの父モーリスは人形劇団に入団し活動していた。1950年にはク
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Someday we'll tell each other everything(原題)(2023年製作の映画)

2.5

[ドイツ、おじさんに恋する少女の物語] 50点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。ダニエラ・クリエンによる同名小説の映画化作品。1990年夏、東ドイツの農村で暮らすマリアは写真家志望の恋人
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関心領域(2023年製作の映画)

3.0

[アウシュヴィッツの隣で暮らす一家の日常] 60点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ジョナサン・グレイザー長編四作目。1943年、アウシュヴィッツ強制収容所の所長ルドルフ・ヘスは妻ヘドヴィ
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The Pacifist(英題)(1970年製作の映画)

3.0

["愚者や動物みたいな何も考えない者は幸せだ"] 60点

ヤンチョー・ミクローシュ長編九作目。前年に製作した『The Confrontation』の続編としてTV用に製作したイタリア映画。多分唯一の
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A Prince(英題)(2023年製作の映画)

3.5

[ある青年と不可視の王子] 70点

ピエール・クルトン長編二作目。16歳の青年ピエール=ジョセフ(PJ)は庭師になるために養成所に入る。そこで彼は、所長のフランソワーズ、植物学講師アルベルト、新しい
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欲望の旅(2003年製作の映画)

4.0

[] 80点

2003年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ブリュノ・デュモン長編三作目。ロサンゼルスから南カリフォルニアの砂漠地帯へと向かう写真家ディヴィッドと恋人(?)カティアを描いたロードム
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Calendar(原題)(1993年製作の映画)

4.5

[アルメニアの教会群でカレンダーを作る夫婦の物語] 90点

大傑作。アトム・エゴヤン長編五作目。ある写真家とその妻は、カレンダー用写真の撮影のためアルメニアを訪れる。運転手兼案内人のアショットが熱心
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アクトレス 女たちの舞台(2014年製作の映画)

4.0

[] 80点

2014年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。オリヴィエ・アサイヤス長編15作目。中心にあるのはヴィルヘルム・メルヒオールが書いた『マローヤの蛇』という戯曲である。若い挑発的なシグリッドが
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あの日の声を探して(2014年製作の映画)

2.0

[] 40点

2014年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ミシェル・アザナヴィシウス長編五作目。この年のコンペはSCREENの星取で3.0点以上を連発していたのだが、本作品はぶっちぎりの最下位(1.2
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サンドラの週末(2014年製作の映画)

4.5

[] 90点

大傑作。2014年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ダルデンヌ兄弟長編九作目。『ロゼッタ』に続く"仕事のために戦う"映画。休職明けに復帰準備をしていたら解雇されそうになっていて、他の従業
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白い沈黙(2014年製作の映画)

1.5

[] 30点

2014年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。アトム・エゴヤン長編14作目。リニアで語るとボロが出るせいか、いつも通り意図不明な時系列乱しを使っていて、今回はそれが悪い方に働いて映画自体が
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禁じられた歌声(2014年製作の映画)

2.5

[] 50点

2014年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。アブデラマン・シサコ長編四作目。走るガゼルを銃撃しつつトラックで追う男たちは"撃ち殺すな!疲れさせろ!"と言う。そして、砂漠に集められた部族の
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Bad Living(英題)(2023年製作の映画)

4.0

[ポルトガル、愛が彷徨う迷宮ホテルで] 80点

傑作。2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。2024年アカデミー国際長編映画賞ポルトガル代表。ジョアン・カニホ(João Canijo)長編最新
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日本のシドニー(仮題)(2024年製作の映画)

1.5

[イザベル・ユペール、日本にて夫の亡霊と出会う] 30点

エリーズ・ジラール長編三作目。作家シドニーは日本で再販される初長編小説『影』のイベントのために、京都を訪れる。出迎えたのは溝口健三という物静
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The Human Surge 3(英題)(2023年製作の映画)

3.5

[] 70点

エドゥアルド・ウィリアムズ長編三作目。まぁ物語はあってないようなものなので慣れるまでは退屈で、前半はほぼ記憶なし。ただ後半で覚醒してたとこはマジで凄かった。森の真ん中に放置されたカメラ
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The Future Perfect(英題)(2016年製作の映画)

4.5

[アルゼンチン、新言語習得のもたらす新たな可能性] 90点

大傑作。Nele Wohlatz単独長編一作目。シャオビンは両親に呼ばれてブエノスアイレスに来た内気な中国人の少女。冒頭ではスペイン語学校
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フェラーリ(2023年製作の映画)

3.5

[崩壊寸前なエンツォ・フェラーリのある年] 70点

2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。マイケル・マン長編12作目。1957年夏、エンツォ・フェラーリは二つの危機に瀕していた。一つ目は家
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