いい意味で胸糞悪い映画だったな。認知症のお爺さんがアウシュビッツで迫害を受けその復讐を果たすため、手紙に書いてあることを頼りに、復讐相手と思しき男のもとを転々と尋ね渡るんだけど、ちょいちょい自分の奥さ>>続きを読む
結婚は無意識に相手を支配し、謙虚な方は擦り減らし続ける構造っていうのは実際そうだと思う。その構造を極端に言えばこうだよね?という作品として見ればわかりやすい。人から見て理想の夫婦として見られることも、>>続きを読む
山の過酷さ、人間の自然と対峙するときの無力さ。ひしひしと伝わった。でも、もっと伝えたかったであろう商業登山の是非やその哲学、登山者のマナー、過酷な場所での孤独との対峙、死への恐怖、救助の葛藤、そういう>>続きを読む
スーパーの中で完結するコロナ禍。
事実と不信、扇動と対立。そんな感じで濃霧に囲まれたまま展開が見えずにハラハラドキドキ。天才テレビくん並みのCGにも慣れた頃、衝撃の展開が訪れた。衝撃すぎて、衝撃が走り>>続きを読む
彼を突き動かした原動力はなんなのか?そこに思いを馳せることでしか得られない感情があったと思う。総じて映像美と演出が凄い。常に動き続けるカメラワークにここまで意識を持っていかれたのははじめての体験。
望まない未来があったとして、それを避けるための方法も知っているけど、成り行きの感情に委ねることの自然さに心を打たれた。
正直、あの大作を最初から最後まで脚本にぶち込むと思ってなかったので、え?五稜郭までやるんだ…と途中で震えた。それが良いのか悪いのかは置いておいて、どうしても一つ一つのシーンが希薄になってしまった感は否>>続きを読む
話し相手が欲しい、バカ正直者のナルシストの話だと思った。自分が人を見てばっかりで、誰も自分を見てはくれない。そんな寂しさが全体的に滲んでいた。
評価がよいから辛口になるけど、んー、セラム住まいの過酷さを知るには『ピザ』が、おすすめだし、インドの実際を知るとしてもやや描写足りない気がする。
兄との確執を書きたいのか、クイズ司会者の闇を暴きたいの>>続きを読む
クリストファー・ノーラン監督やっべえ!と6回繰り返し叫びたくなる作品。ダークナイト は「正義」対「悪」の構造ではなく、正義と悪は表裏一体として、(正義・悪)対(モラル)の構造になってた気がする。
社会>>続きを読む
インド、バラナシの風景と時折響くギターの音色。そこにいる家族の表情と日々とこころの移り変わり。ただそれだけを眺め、雰囲気に浸れる映画でした。父と息子。とその娘。それぞれが想う一方通行の想いにバラナシの>>続きを読む
憲政史上、最も自由な総理。総理の恩師からの言葉に、ぐっときた。
記憶をなくすということは、たしかに人格が変わることだ。
記憶というしがらみから解き放たれることは「自由」といっていいのかもしれない。だけ>>続きを読む
貧富の差を問題にした映画ではあるが、貧富の差を問題にしているのは、富める側だけではないか?というニュアンスを含んでいるやもしれない興味深いインド映画。
これはスラムに住む少年二人が、ピザ食べたさに奮>>続きを読む
抽象的な映画だった。こんな作品も楽しめる年になったんだなとしみじみ。
天使は天上から人々を見ているイメージだけど、この映画の天使は高いところから見下ろすにとどまらず、図書館にたむろし、人の目線の近くま>>続きを読む
情動が一方通行していく描写の数々に振り回された映画だった。最初は弟から兄へ、次は父から息子へ、次は継母から子へ、次は夫から妻へ、そして妻から夫、最後についに結ばれた。人の一方的な想いというのは残酷だな>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ジェルソミーナの無垢で自分の心をそのまま映したような表情が印象的な映画だった。ザンパノはジェルソミーナのそんなところがいじらしくむかっ腹が立ったんだろうし、何より臆病で卑屈で不器用で自分のことを好きに>>続きを読む