津軽系こけしさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

ウルトラマンサーガ(2012年製作の映画)

4.0

ゼットゥウウン…ピロロロロロ


奴はゼットンの中でも最弱
およそ10年ぶりのウルトラマンシリーズ視聴、久しぶりの怪獣、ジオラマ撮影、懐かしい要素がてんこ盛りで、映画の内容とは逸脱して楽しめました
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LOOPER/ルーパー(2012年製作の映画)

4.3

断ち切るのは誰だ


スクリーン内のエミリーブラントってなんでこうも美しいのか。未来の自分との対決というキャッチーなアイデアに根ざしたSF西部劇。小さな人間模様に世界を巻き込む構造はセカイ系のそれであ
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リング(1998年製作の映画)

4.2

この呪いは濁っている


唐突なシャイニング要素やめい
中田秀夫監督の手腕が遺憾なく発揮された超改作、「どうせ古典だろう」では済ませない品質を垂れ流しにしている。昨今にてゆるホラーの主役を張る貞子は、
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.9

淡く脆い瞳の奥で


ふるえるほどの純粋さ、イサベルのささやき声に酔わされる。話の背景はおおよそ1940年代のスペイン、映画史でいえば「フランケンシュタイン」や「吸血鬼ノスフェラトュ」などのゴシックホ
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愛のむきだし(2008年製作の映画)

4.3

見る性欲増強剤


筆舌尽くし難い。開口一番まっつんかわゆ
園子温監督の、残虐さとコメディ性がミックスされたてんこ盛りの一作。園子温の作家性がこの映画にはギュッと凝縮されている。よもや園子温の履歴書と
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恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

4.1

私のスタートダッシュ


我々を恋愛から救うのは、理性よりも多忙である。by芥川龍之介

この映画の最良の点は、適材適所をすこぶる貫いたキャスティングである。小松菜奈の毒気漂う風柄と無垢さが、あきらの
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狼の死刑宣告(2007年製作の映画)

4.7

俺が地獄だ


ジェームズワン監督の初アクション映画。ワン監督といえば「ソウ」や「死霊館」などを手がけ、娯楽ホラーの巨匠として顔が広い人物である。近年は「ワイスピ7」や「アクアマン」などの名作を生み出
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ラスト・アクション・ヒーロー(1993年製作の映画)

3.3

英霊召喚(フィクション)


自分、ヨシカの召喚よろしいか?
映画好き少年が大好きな映画の世界へ入り込んでしまうという、アイデア勝負の娯楽作。スクリーンヒーローと少年との対面には、1人の映画好きとして
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気狂いピエロ(1965年製作の映画)

4.0

その女、アンナカリーナにつき


どこまでいっても、女は女である
詩的で、痛快で、皮肉で、いきどまり。縛られない自由な表現は、第4の壁すら簡易に跨ぐ。色彩に富んだ画面配色は「女は女である」を想起させ、
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仁義なき戦い(1973年製作の映画)

4.4

男の協奏曲


6発撃ったか、まだ5発…
耳だこのメロディラインにて皮切りを飾る「仁義なき戦い」。70年代日本ヤクザ映画の金字塔を構え、今なおその大御所ぶりは色褪せない。色気漂う俳優陣が繰り出す眼光の
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恋の二十分(1914年製作の映画)

4.3

人には迷惑、木にはお辞儀を


チャップリンの初監督作品。外連味のないドタバタコメディと、クライマックスの三つ巴がかっちり笑いになっている。「幻燈会」のような二番煎じではない正当なサイレントコメディの
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ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

4.2

ぼくの銀河。君は太陽。


再鑑賞シリーズ
生まれつき顔が歪んだ少年”オギー”と、その周りの人間模様を描くヒューマンドラマ。主人公たるオギーの語りを皮切りに、群像劇的なシナリオが展開してゆき、それぞれ
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アド・アストラ(2019年製作の映画)

4.1

暗中模索の孤独旅


あ!!宇宙人ジョーンズだ!
宇宙飛行士であるがゆえの孤独に蝕まれる男をブラッドピットが良演。「2001年宇宙の旅」を思わせる照明演出と、籠るような音響により上品な緊迫を堪能するこ
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呪怨(1999年製作の映画)

3.6

ヤンデレの怨念はいつの時代もやばい


90年代末期から2000年代初頭にかけてのJホラー黄金期を代表する作品。今では貞子と並びゆるホラーの代表に甘んじているが、怒涛のお決まりラッシュは後世日本ホラー
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インターンシップ(2013年製作の映画)

4.3

信念は、爆発だ


失業した落ちこぼれ営業2人が、Googleへの就職を目指して、仲間達と切磋琢磨するサクセスストーリー。若い衆の世界へ投げ込まれる大人の像は、「ゴクセン」や「マイインターン」さながら
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アンダー・ユア・ベッド(2019年製作の映画)

4.5

こんなにも近くて、こんなにも遠い


病的な純愛
学友だった女性に想いを募らせる三井が、ストーカー行為をエスカレートさせながら、自身の孤独な境遇を語ってゆくストーリー。宣伝で煽られていたようにそのスト
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クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2021年製作の映画)

4.2

無類の音響体験


続編として正当な進化
ー音を出したら終わりーのフレーズでお馴染みの「クワイエットプレイス」の続編。前作では語られなかった”敵”の正体についてフォーカスしながら、新たなアプローチを施
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ランゴ(2011年製作の映画)

4.0

やっぱりでっかい蛇はかっこいい


俺が物語になることだ
ゴア・ヴァービンスキー×ジョニーデップのパイレーツコンビが手がける3Dアニメーション。内気なカメレオンの少年が、目眩く西部世界にて水をかけた陰
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機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1988年製作の映画)

4.6

愛を戦に問う


それぞれの正義
アムロ・レイとシャア・アズナブル、この長きに渡る因縁の大きな終止符点たる作品。1人の女性を過去にして錯綜する2人の人間模様を、宇宙戦争という大きな舞台で彩る。さらにそ
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ヒックとドラゴン(2010年製作の映画)

4.7

君となら、どこまでも飛べる


昔はドラゴン図鑑なんてオリジナルで作ったものだが、今見ると脚本の上等ぶりに圧倒される。バイキングの息子”ヒック”が、敵であるドラゴンとの和解を通して成長してゆく物語。バ
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愚者ありき(1914年製作の映画)

4.2

花でねじ伏せる


10年代後半から流行したヴァンプジャンルの確立を飾った作品。ゼダ・バラの艶めかしい悪女ぶりが、果てない憂鬱さを錯綜させている。
構えられた拳銃を、バラで撫でてねじ伏せるシーンが特に
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イントレランス(1916年製作の映画)

4.5

映画の王


正直言って1916年以降に作られたすべての映像作品は、この映画の二番煎じである。この作品を網羅しておけば、おそらく70年代あたりまでの映像技術は全て踏襲できるのではないだろうか。

映画
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ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)

4.3

未来へ紡ぐ、こひのうた


「ちはやふる」最終章、青春映画として堂々の完結。差し迫る未来との対峙に、各キャラクターが苦心してゆく。受験と部活の板挟みと、恋愛模様の終止符は、青春ジャンルとして申し分ない
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メーベルの身替り運転(1914年製作の映画)

3.3

筋金入りの小悪党


おそらくチャップリン役者史の中ではかなりの畜生として分類されるキャラクター。拘束、爆薬、邪魔立てと、手下をこき使って他人を蹴落とそうと奔走する。可愛らしい懸命ぶりはお家芸なのだけ
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湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

4.4

母の強さ、湯の如し


育児放棄パラダイス
自分の癌を受け、子供たちにせめて明るい未来を残そうと奮闘する母親像に陶酔。日本を代表するガンバレお母さん系映画である。

宮沢りえのささやかな佇まいが、世話
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ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)

4.5

おい、カルタしろよ


孤高か友情
綾瀬、太一、新の三角関係を縦軸に、カルタにかける各々の葛藤が破裂する。そこへ三人の影を象徴する詩暢が登場することで、競技における感情劇の軸が構築される。敵と仲間によ
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ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)

4.5

一瞬に賭ける、青さ


スポ根カルタ映画。
恋だとか、思い出だとか、仲間だとか、いかにもな青春的葛藤が詰め込まれた部活映画。戦いの中で、それぞれの葛藤が解放されてゆくカタルシスは、歳を問わず色褪せない
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エボリューション(2001年製作の映画)

3.8

壮大なシャンプーのCM


ケツをもってケツを制す。
すこぶるアホなおふざけと、無駄なこだわりが味を効かせたパニックコメディ。こういうアホ映画の妙味は、映画を見漁る過程でほんとに良い薬になる。

脚本
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her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

4.5

この世界のどこかで、羽ばたく君へ


失恋期に観てたら大泣きしてた自信がある。
離婚によって消えない孤独感に苛まれる男と、女性人工知能との恋愛を描いた映画。文字にしてみればそれこそ珍奇な内容だけど、実
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.3

お上品だわ、泥試合


底意地の悪い蹴落としの駆け引き。性根腐った攻防は、張り詰められた構成術によってまことに痛快である。

品格と礼儀がそこら中に装飾された英国王室の舞台にて、繰り広げられる人間模様
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ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀(1990年製作の映画)

4.2

先生はロメロ知ってますか


初見にも関わらず、オリジナルと間違えて、こちらから観てしまった。誰か私に毒薬を、、

ゾンビ映画の金字塔たる「ナイトオブリビングデッド」…のリメイク作。ゾンビとの籠城戦の
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.1

ピンク色の詩集


メルヘンなコメディミステリー。珍奇な視覚表現と、てんこ盛りの情報量で、暴虐無尽に視聴者を翻弄しちゃう。ティムバートンに通ずるドイツ表現主義の香りを漂わせながら、クラシカルな映画技法
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幻燈会(1914年製作の映画)

3.3

浮気判定がバグってる


人数に頼った群像劇的なクライマックスを目指したのは分かるが、いまいち魅力に欠ける。せっかくライバルがいるのに喧嘩喜劇にならず、不倫を駆使した自業自得コメディにも落ち着かない、
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007 スカイフォール(2012年製作の映画)

4.6

信念こそ、我らの武器なり


再鑑賞シリーズ
007シリーズ、ひいてはスパイ映画というジャンルそのものの立ち位置をぴしゃりと突いた完璧な作品。この傑作を前にしては、もはや007を頭空っぽのエンタメ映画
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ヒットマン(2007年製作の映画)

3.8

原作の47はこんなに無双できません


うちの47とだいぶ違うのですが、こちらは交換可能でしょうか??大人気暗殺ゲームにして、バーコードハゲこと「ヒットマン」の映画化。導入の着席待ち伏せから、原作への
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痛ましの恋(1914年製作の映画)

4.2

人がいるほど、面白い


「彼の好みの娯楽」から進歩しすぎではないか?それまでのワンシーンワンカットの様式美を一新した機能的な映像技術の目白押し。視線の移動によるカットムーブや、クローズアップの原型な
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