津軽系こけしさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

見えない目撃者(2019年製作の映画)

4.4

がんじがらめの前方へ


木村さん、いろんな意味でごめん
韓国映画「ブラインド」の二作あるリメイクの内の一作。あんまり面白いものだから、原作から観なかったことをひどく後悔しています。

退廃的な人間模
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女は女である(1961年製作の映画)

4.2

痴話喧嘩よ、永遠に


べ、別に好きじゃないんだからね!?
音楽が途中で止まるのはミュージカルへの皮肉が込められてるらしい。とにかく空間の制約や、時間の流れに縛られない自由な演出がてんこ盛り。即落ち2
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海街diary(2015年製作の映画)

4.4

拝啓、お父さん


鎌倉には美女の実る木があるようだ
自然豊かな鎌倉の情景をバックに、訳あり四姉妹の何気ない日常を切り取った静かな映画。是枝作品特有の温かさが、姉妹の関係性の情緒を光らせている。

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仄暗い水の底から(2001年製作の映画)

4.1

Jホラー指南書


「リング」「呪怨」に並んでJホラーブランドの顔を張るほどの著名作。監督は同作「リング」を手掛けた中田秀夫氏である。

「奇妙」と「不安」の演出が抜群に効いている。カメラワークや画角
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ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

4.6

マックスオールマイティ


やりやがったなDC
キャラクターの奥行き、能力の徹底描写、全てが高水準の優秀な作品。テーマの普遍性も合わさりほぼ無敵、コロナ禍の上映でなければメガヒットを狙えたと思う。
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ランボー/怒りの脱出(1985年製作の映画)

3.4

家庭的筋肉


エクスペンダブルズ…ウッ頭がっ…
爆発、筋肉、女、大迫力のバーゲンセールで頭が痛くなる。ベトナム帰還兵の葛藤は今や様式美の類、もはや建前にして暴れたいだけなのでは?とも思わされる脳筋作
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.2

雑多な狂気


訓練編がもう大好きすぎる。本映画は、兵士たちが”戦争野郎”になる過程を描く訓練編と、その後に戦場に赴くベトナム編の2幕構成になっている。つまり観ている側は、実際の兵士たちの目線に則って
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甘いお酒でうがい(2019年製作の映画)

4.4




ボキッ…
松雪泰子扮する川嶋は、友人にも囲まれず、40代の独り身で自分という籠城に根を張り尽くしている。しかし、決して孤独でない。今作は、独身女性がシンデレラ的ご都合主義で、運命の相手に出会う
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菊次郎の夏(1999年製作の映画)

4.5

立入禁止を飛び越えて


夏だなぁ…久石譲だなぁ…。孤独と滑稽、北野武氏の”ビート”ぶりにほっこりと感性をくすぐられる。
ルールや道徳にあっかんべーを続けて、2人の旅路はどんどん馬鹿らしくなってゆく。
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.5

それはお前の席だ


読者諸賢お久しぶる。私生活がようやく落ち着きましたので、拙いレビューを再び書き殴ってゆく所存です。

人種差別云々よりも、バディモノとしての完成度がすこぶる輝く一作。
気取りぎみ
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スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)

4.5

僕らの”ハート”はアンプに繋がってる


火をつけた
一歩間違えれば倫理観に許されないような設定にもかかわらず、終盤には彼らが放つ”好き”の虜になってしまった。

・破天荒さと情緒の共依存。
この映画
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激突!(1971年製作の映画)

4.0

煽り運転過激派


押して引くような車同士の駆け引きは、半ばラブロマンスである。
公共道路にて繰り広げられる煽り煽られサスペンス。その緊張感は、車の速さと馬力によって繰り出されるワイルドスピードのよう
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HANA-BI(1997年製作の映画)

4.4

残り火


待ってくれねぇか
扉の前を陣取る幼い三輪車を、蹴飛ばすでもなく丁寧に傍へと退ける。あの一連の温かい所作が、すこぶる哀愁深い。北野映画における台詞の間(ま)をコントに重ねる発言が視聴者間では
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ワイルド・スピード SKY MISSION(2015年製作の映画)

4.7

ポール・ウォーカー


家族よ、永遠に
7作品に渡ったワイルドスピードシリーズ。過去6作品は、鼻につくものから楽しめるものまで印象が多様ではあったが、どうにかここまで辿り着けた。そして、ワイスピシリー
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ワイルド・スピード EURO MISSION(2013年製作の映画)

4.1

ファミリースピード


いつから正義の味方に?
シリーズの路線変更の強引ぶりが目立つ上に、引っかかることもすこぶる多い。しかしながら、この手のエンタメアクションに、精巧な辻褄合わせを求めるのが果たして
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ガール・イン・ザ・ミラー(2018年製作の映画)

4.3

あなたが望む”わたし”に


私の父親も、こんな感じです。
愛と評して自分の理想を押し付ける偽善者、親なり、友なり、他人なり、人によって思い当たる人物がいると思う。だから私たちは仮面をつけ、自分自身を
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ワイルド・スピード MEGA MAX(2011年製作の映画)

3.7

ケイパースピード


レースからアクションへの転換点
ドウェインジョンソン出演という時点で全てを察した。レース映画の面影を木っ端微塵に粉砕し、アクションに注力したいぜという製作の意図がありありと主張を
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ポゼッション(2012年製作の映画)

3.3

悪魔は総じて名前で呼ばれるのが苦手


付き合いたてのカップルみたいだね♡
温かみのある家族劇を中心に、娘が悪魔に取り憑かれちゃった系ホラーが展開するド定石映画。人間ドラマが重視されてる点からもジェー
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フード・インク(2008年製作の映画)

4.5

キケンを召し上がれ


日本とアメリカの食品事情はだいぶ違うにしろ、食の安全性を考えるには十分すぎるドキュメンタリー作品。

そうか、言われてみればコーンってあらゆるところにある気がする。つくづく、自
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ワイルド・スピード MAX(2009年製作の映画)

4.2

闘志の奴隷


惜しい!!
1作目からおよそ9年ぶりのトレット&ブライアンのバディモノ。2人の成長と、関係のもつれが時間の経過を感じさせる。しかし、その変化にあっても確かに存在する2人の繋がりには、友
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ワイルド・スピードX2(2003年製作の映画)

4.3

さてはこいつら馬鹿だな?


前作ワイルドスピードの続編として申し分ない控えめな一作。キャラクターのなんたるかを理解しない亡者の差金で、ヴィンディーゼルが出演するはめにならなくて本当に良かった。前作の
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ケープ・フィアー(1991年製作の映画)

4.5

罪の襲撃


ストーカー型殺人鬼をロバートデニーロが怪演、正義の乱れに甘んじて荒れ狂う不条理を堪能。車に張り付いてるシーンなんか、さながらゴキブリである。

汚職弁護士への復讐に奮闘するデニーロ扮する
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ワイルド・スピード(2001年製作の映画)

4.0

男の恋


レース至上主義の脳筋映画かと偏見を抱いていたが、意外としっかりしたバディモノ。筋を通す男なのだけれど病的な影を微かに感じさせるトレットの佇まい、そして誠実さと情の熱さが煌めくブライアン。
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ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -(2019年製作の映画)

4.3

羽ばたく


アニメ版に負けず劣らず綺麗なお話。結ばれる髪の美しい所作、光の加減、音響の奥ゆかしさ、全てが高品質に仕上がっているあたり、京都アニメーションの職人芸を感じざるをえない。

ヴァイオレット
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キャビン(2011年製作の映画)

4.4

ダイナミック収容違反


日本支部にはゴジラとかいるのだろうか。
ホラー映画の定石をメタ的に玉砕するイカれたコメディ映画。まどろっこしい絡繰も特に仕込まれていないアイデア一本勝負のシンプルさは、酒のつ
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ガチ☆ボーイ(2007年製作の映画)

3.9

これが僕の青春


エイドリアーーーン!!!
ロッキー顔負けの愛されぶり、勝つか負けるかではなく彼の勇姿に喝采。ギャグは鼻につくわ、演技が気になるわでどうにも嫌いなところはあれど、不思議と拳を握りしめ
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告白(2010年製作の映画)

4.7

針は戻らない


松たか子扮する森口の気味の悪さが厳かに煌めき、鮮烈な語り口と演出は不条理演劇的な匂いを醸し出している。多重的な人間描写も巧妙に効いている。

1人の少女の死から連鎖する復讐の応酬。森
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血と骨(2004年製作の映画)

4.4




欲望に固執し続けた1人の男と、その被害者たる家族を取り巻く醜いバイオレンスドラマ。人間の欲望を包み隠さず描き切るグロテスクさが印象に残る。流血表現などは特にないのだが、ジメジメとした苦しみが淡
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小さい魔女とワルプルギスの夜(2018年製作の映画)

3.8

控えめに言ってヴォルデモート級


年若い魔女が、老いた魔女達に認められるため魔法の修行に勤しみながら、善行を重ねていくという童話原作の映画。メルヘンチックな世界観が眩しく輝き、勧善懲悪のシンプルな教
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.9

あらぬ方こそ誉なり


ふるえずにはいられないだろ馬鹿野郎
美男美女が綺麗事を並べ立ててまぐわりあう昨今の恋愛映画すべてに中指を立てる大傑作。恋愛に理想を持ち出す全国の愚か者どもはこの映画に学ぶべし。
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マルコムX(1992年製作の映画)

3.9

黒い左の頬


永い説教
下調べなしで再生したところ、3時間20分という思いもよらぬ長尺に大打撃を食い、結果愚痴を洩らしながら視聴する羽目になった。マルコムの生涯云々よりも作品の下調べの重要性を身に染
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CUBE(1997年製作の映画)

4.6

粗略心で積み上がった無機質な鉄塊


行きつけの美容室にて「この映画おもしろいっすよ!」と折り紙付きで太鼓判を押されていたところ、アマプラで配信していたのを知って視聴。およそ20年前の作品なのに、今な
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遺体 明日への十日間(2012年製作の映画)

4.8

3月11日


東日本大震災の直後、即席で拵えられた死体安置所にて、ご遺体の尊厳とご遺族の心を守り続けた元葬儀屋さんのお話。

スコアという作品間の序列を生むシステムに当てはめてよい映画ではない。とて
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コンスタンティン(2005年製作の映画)

3.8

神話コメディ


ご都合主義の大盤振る舞い、いかれたストーリーは半ばコメディである。
ジョン・ウィック、マトリックスなど、キアヌリーヴスは得体の知れない世界観にいると不思議とそれっぽい人に見えてくる。
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101(1996年製作の映画)

3.5

ディズニー産ホームアローン3


つまりエマストーンも糞尿まみれになるってことですかい?
5月公開のクレイグガレスピー監督作「クルエラ」への準備に先駆け、同原作の実写版ぐらいは押さえておこう。私は「1
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.1

トチ狂った歯車


表情がそこまで多彩というわけでもないのに、なぜここまでの哀愁と狂気を真顔だけで表すことができるのだろうか。信頼を寄せていた友人の死、そこから畳み掛けるように展開する武ワールド。淡白
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