津軽系こけしさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

少年メリケンサック(2008年製作の映画)

2.5

咲き誇れパンク


【クドカン】

🟪はっきり申し上げて好きじゃない。宮藤官九郎監督の世界から門前払いをくらいました。役者のはじけ具合はプロフェッショナルです。パンクロックに対する監督のひたむきな眼差
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ビートルジュース(1988年製作の映画)

3.9

ビートルジュース、ビートルジュース


【バートンの玉手箱】

🟩ティムバートンの名を世に知らしめるきっかけになった作品です。なんでも詰め込んじゃうバートンのおちゃめ心がぷりぷりに発揮されていました。
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トラベラー(1974年製作の映画)

3.7

止まれぬ少年へ


【キアロスタミの長編処女作】

⬛️キアロスタミ氏のことは「友達のうちはどこ?」くらいでしか存じ上げないのですが、子供の走る姿に図抜けた無我夢中があるのは今作とも共通していました。
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イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

3.6

絶望の淵で、膿の香り


【デヴィッドリンチの著名作】

⬛️そこにデヴィッドリンチの悪夢が繋がっている。
監督の処女作にしてカルト映画界隈の重鎮を構える著名作品です。内容は、奇形児を授かった父親の悪
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悪魔の毒々モンスター(1984年製作の映画)

4.2

悪を掃除してやるぜ


【初トロマ映画】

🟥Z級映画の権威たるトロマエンターテイメントの傑作映画。いじめられっ子のメルヴィルが汚染物質によって醜い怪物に変貌し、大袈裟すぎる怪力で悪を一掃するヒーロー
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キートンの大列車追跡/キートン将軍/キートンの大列車強盗(1926年製作の映画)

4.0

大道芸に敬礼を


【アクションキートン】

⬛️バスターキートンの列車アクション映画です。
南北戦争のアメリカで、敵である北軍が奇襲を目論んでいることを知ったキートンと、それを追う北軍の線路上での攻
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何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)

4.7

私を観においで


【初ロバート”オ”ルドリッチ監督】

⬛️震え上がった。

過去の栄光にすがるジェーンと、その姉ブランチの密室攻防を描くサイコサスペンス。わかりやすく言うと「ミザリー」

⬜️私は
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名探偵コナン 瞳の中の暗殺者(2000年製作の映画)

3.7

2000年の恋の予感


【コナン映画4作目】

🟦20世紀最後のコナン映画。これまでの3作品が謎解きスペクタクルで核をなしていたのに対して、今作は新一と蘭の色恋を盛り上げるような内容でした。

🟥2
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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

4.0

“無限の希望”は空を飛ぶ


【演者ありき映画】

✍️質素なうどんうまそうだな、おい

🟦「凶悪」などでおなじみの白石和彌監督が、沼田まほかる氏の同名小説を映画化。ダイナミックな官能シーンやドロドロ
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続・荒野の用心棒(1966年製作の映画)

3.6

愛が離してくれねぇのさ


【ジャンゴ、ジャンゴ、ジャンゴ】

🟫「続・荒野の用心棒」と、続編を思わせるタイトルをしておりますが、全然続編でもないし、なんなら「荒野の用心棒」となんの関係もありません。
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名探偵コナン 世紀末の魔術師(1999年製作の映画)

4.0

100年仕かけの大絡繰、雨に消える


【劇場版名探偵コナン3作目】

🟦過去2作が、名探偵コナンという作品の分解に挑んだ実験的試みだったのに対し、今作はその総決算と言わんばかりの大スペクタクルです。
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アンジェリカの微笑み(2010年製作の映画)

3.7

画竜点睛に酔う


【初オリヴェイラ監督】

✍️今作の監督は、現役最高齢の映画監督だったらしいです。

⬜️〈あらすじ〉
写真が趣味の青年イザクは、若くして亡くなった富豪の娘アンジェリカの写真撮影を
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アフタースクール(2008年製作の映画)

4.7

あなたを騙して、ぼくらは帰る


【騙される気持ちよさ】

✍️靴が脈絡なさすぎて好きwww

🟧「鍵泥棒のメソッド」など、痛快な入れ違いコメディと、ワクワクなどんでん返しがお家芸たる内田けんじの監督
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CUBE 一度入ったら、最後(2021年製作の映画)

2.9

リメイクとしては大きく遅れている


【ちゃんとつまんない映画】

✍️愚劣極まる、下手くそ

⬜️ソリッドシチュエーション映画の金字塔「CUBE」の日本版リメイク。菅田将暉、岡田将之、杏などの豪華キ
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スカイライン-征服-(2010年製作の映画)

3.6

よこせ!脳みそを!!


【引用パラダイス!】

✍️敵が超かっこいい

🟦 精巧なVFXと、雑多なシナリオで駆け抜ける!B級SFスリラーです。アバターを手がけたVFXチーム製作の映画であります。
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死闘の伝説(1963年製作の映画)

4.4

日本の心は死んだ


【初木下恵介監督】

✍️日本人の悪質な集団心理。戦争中なら尚更悲惨に決まってる。

🟩戦後を代表する映画監督,木下恵介(きのしたけいすけ)の戦争映画です。木下監督は、国内での評
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カーズ/クロスロード(2017年製作の映画)

4.5

きみの走りが、ぼくを救う


【カーズ堂々の終幕】

✍️3回泣いた

🟥車たちの世界が舞台のピクサー作品「カーズ」の3作目です。続編として、想像しうる限り最も王道な終結を魅せてくれました。

🟨〈あ
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アニー・ホール(1977年製作の映画)

4.4

あまのじゃくで、愛らしい


【初ウディアレン映画】

✍️蜘蛛のくだりは爆笑しました。

🟩ウディアレンという人の性格が色濃く投影されているのは、初見ながらなんとなく分かります。

抽象的なことを嫌
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屋敷女(2007年製作の映画)

3.7

殺す!殺す!殺す!


【フレンチホラーの金字塔】

✍️思ったよりB級でコメディなノリだった。

🟥出産寸前の妊婦と、残虐な女殺人鬼が、密室で刺したり・斬ったりとグロテスクに攻防するスラッシャームー
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名探偵コナン 14番目の標的(ターゲット)(1998年製作の映画)

3.8

Aが決める!


【劇場名探偵コナン第2作目】

✍️犯人さん関係ない人巻き込みすぎやで

🟦コナン映画シリーズの第2作。前作「時計仕掛けの摩天楼」は、爆破テロスペクタクルを炸裂させて劇場版としてのス
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はちどり(2018年製作の映画)

3.2

あの頃の私と、あの時期(とき)の韓国


【ノスタルジー】

✍️悩む→ノスタルジー→相談→悩む…の永久機関、それに各エピソードほとんど同じ調子なもんだから後半はもう退屈で退屈で

🟫監督キム・ボラが
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女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

3.6

瞳の奥で、無常が燃ゆる


【アンナカリーナを語る】

⬛️ジャン=リュック・ゴダールの長編4作目。アンナカリーナが主演なのだが、同じく主演を張った「女は女である」とはまるで違う作品です。

⬜️映画
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名探偵コナン 時計じかけの摩天楼(1997年製作の映画)

3.8

赤い糸紡いで20年、そのはじまり


【初の劇場版名探偵コナン】

✍️今作1番驚きは、爆風に耐える蘭ねーちゃんの異次元級の体幹。

🟥名探偵コナンはアニメシリーズが1996年に放映され、その翌年19
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ビー・デビル(2010年製作の映画)

4.5

報いを受けろ


【リベンジバイオレンス】

🇰🇷韓国の映画です。

🟧「屋敷女」「マーターズ」の”あの”キングレコードが激推ししていた一作

🟨不干渉主義な性格により都会の世知辛さに打ちのめされる女
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マイリトルゴート(2018年製作の映画)

3.9

性的搾取と、食物連鎖


【アイコニックに残虐】

ストップモーションアニメ。
グリム童話「狼と7匹の子山羊」をアイコンに性的虐待を暗喩するショッキングな作品。内臓とか、奇形とかをかわいい世界観の中に
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カーズ2(2011年製作の映画)

3.6

007 メーターの報酬


【カーズ×スパイ】

ピクサーのアニメ映画「カーズ」の続編。前作は、車が人間のように生活を営む世界で、レーサーのマックィーンが人(?)として成長してゆく物語でした。

打っ
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抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-(1956年製作の映画)

3.8

闇夜に背を向けて


【詩的ストイック】

稀代の作家ロベールブレッソンの脱獄モノです。レジスタンス運動によりドイツの収容所に収監された青年が、さまざまな人脈と雑多な道具を組み合わせて脱獄をはかります
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バグダッド・カフェ(1987年製作の映画)

4.1

おばさん、異国で捨てられる


【モーテル版ナイトオンザプラネット】

ドイツ映画です。
旅行中に旦那と喧嘩した奥さんが、ふらっとカフェモーテルに泊まりまして、そこにて出会う個性的なひとたちと親交を深
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燃えよドラゴン(1973年製作の映画)

3.7

心許なさと閃光


【ヌンチャクムービー】

世界規模でカンフー旋風を巻き起こしたブルースリー手がけるカンフーアクションムービー。シナリオは007を思わせる組織と個との争いであるが、ブルースリーのワン
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お早よう(1959年製作の映画)

4.6

無駄にこそ、妙味あり


【どこへゆく日本】

小津安二郎監督50作目。

折りしも「東京物語」でいかめしい賞を諸々授かった彼が、直後に撮影した作品です。郊外の新興住宅街を舞台として、その近所付き合い
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残穢 住んではいけない部屋(2016年製作の映画)

4.0

迷惑なので是非とも成仏してください


【怪談映画こそJの字】

「呪怨」なんかのJホラーイズムに敬意を払いつつ、独自の魅力も湛える優秀な怪談作品。

ある怪奇現象を発端にして、小説家の竹内結子がミス
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勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

4.3

軽快にビンタ


【俺に明日はない】

ジャンリュックゴダールの長編初監督作です。
公開自体は「女は女である」が先でありますが、制作はこちらが先行。原案にはフランソワトリュフォー、技術協力にクロードシ
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ティム・バートンのコープスブライド(2005年製作の映画)

4.0

ドクタースースとドイツ表現主義


【観やすさと怪しさ】
昔からお世話になっている作品です。

「ナイトメアビフォアクリスマス」なんかと合わせて、漁り観ていた幼少の折。
勘違いされがちだけど「ナイトメ
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ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

4.1

シン・ロメロ


【あれ…映画と一緒だ】

サイモンペッグ、ニックフロストのイギリスバカコンビが送るゾンビ映画。ロメロをはじめ、色んなゾンビ映画へのオマージュが輝きつつも、単体での面白さまで欠かない素
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ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)

4.4

あの青春と共に


【フィルモグラフィ】

☆再鑑賞シリーズ
説明もいらないでしょう、60年代に一世を風靡した音楽グループ「フォー・シーズンズ」の伝記映画。
原作は映画監督デスマカナフのミュージカルで
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ソング・オブ・ザ・シー 海のうた(2014年製作の映画)

4.5

物語が、人を作る


【大人こそこれを見るべし】

絵本のようなタッチで描かれる兄妹の成長活劇。ファンタジー色が強く、優しさの沁みた味わいが印象に残ります。

一見子供向けのような風貌の作品ですが、そ
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