Elenathさんの映画レビュー・感想・評価

Elenath

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関心領域(2023年製作の映画)

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知識量と音響設備の質が、映画の評価に直結する作品。知識が浅い自分にとっては何を意味してるのかよく分からない描写も所々あったし、音響もあんまりいい所じゃなかったせいで小さい音が聞き分け辛かった。おまけに>>続きを読む

胸騒ぎ(2022年製作の映画)

3.3

些細な違和感の積み重ねが大きなストレスになっていく展開は割と王道ホラーなんだけど、中盤でその不愉快さが一方的ではなくお互い様であることが露呈する瞬間がすごく良かった。でも、だからこそ終盤の展開は定番ホ>>続きを読む

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

2.3

知性を得たはずのエイプが、文明的にも内面的にも大して進化していない種として描かれてしまっているのは結構まずいと思った。キャラ付けも話の展開も明確なビジョンが感じられないし、深妙な空気感が何となく続くだ>>続きを読む

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.8

とにかくコングがかわいい、可愛過ぎる。コングで女子受けを狙ってるとしか思えないほどあざといシーンもあって流石に笑ってしまった。コングもゴジラも他の怪獣も当然言葉は発しないんだけど、仕草も表情も人間すぎ>>続きを読む

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.4

序盤は設定もキャラクターも良い意味でアホくさくて超笑ったし、ホラーギャグとして最高の出だしだと思った。その後はちゃんとシリアスで深みのある展開になっていく訳だけど、そんなに刺さらなかったというか、正直>>続きを読む

プリシラ(2023年製作の映画)

2.4

ほぼ全編プリシラが出ずっぱりの割には彼女のエルヴィスに対する心情の変化が分かりにくく、ここぞというような印象的なカットが皆無だった。第三者の視点を排することにこだわりたかったのは分かるけど、ちょっと淡>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.6

"映像で綴る"とはこういうことで、カメラワーク、構図、間の取り方、音楽、演技、台詞回し…そのどれもが抑えの効いた繊細な表現で最高だった。"イニョン"をめぐるラブストーリーは、地に足がついているけど魔法>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.3

RDJ演じるストローズがかなりキーパーソンなんだけど、その割にはキャラ的にいまいち魅力がなかった。観る前に知識入れといた方が良かったかも。あと、やっぱり日本の描写が言及レベルに留まっているせいでオッペ>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

2.9

日常と非日常が交錯する歪な世界観は悪くないんだけど、演出もストーリーも散財的でいまいち的を絞り切れていないと思った。示唆的なカットは数あれど、どれもさほど重要なカットには思えなかったし、話もどこに軸足>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.1

やっぱりゼンデイヤがイマイチでもっと適役がいる気がするんだけど、とは言えチャニがあらゆる意味でキーパーソンになっていくストーリー展開はすごく良かった。原作未見だけど、パート3でポールのカリスマ性の光と>>続きを読む

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.9

残酷なほど愛に見放された主人公を健気に支える犬たちがとにかく愛おしい。彼の強すぎる信仰心は正直理解し難いけど、どこまでもピュアで(だからこそ)生き辛そうで、それでも彼なりに懸命にもがく姿に心を揺さぶら>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.6

モノローグで語られる仕事の流儀はクールなのに、実際はミス続きで信念もブレブレで全然クールじゃない……という主人公の内面的なコントラストをどれだけ楽しめるかが本作のミソ。モノローグ主体の映画はあんまり好>>続きを読む

生きてこそ(1993年製作の映画)

3.2

先に「雪山の絆」を観てしまうとディテールの表現で甘いなと感じる部分がどうしても出てくるけれど、生存者の態度や関係性が割とドライに描かれているのはそれはそれでリアルなのかも知れないと思った。でもどちらか>>続きを読む

雪山の絆(2023年製作の映画)

4.3

今まで観た中で1番過酷なサバイバル劇だった。信じられん。そんな極限の出来事を経験した生存者と犠牲者、その全員が良い意味でフラットに描かれていて、誰かが特別なのではなく1人1人が小さな英雄であったことが>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.2

裏切りやどんでん返しが満載で楽しい展開……と言いたい所なんだけど、最後まで物語の軸がぼやけてるというか無いに等しいからいざ驚きの展開がきても正直「へぇ〜…ふ〜ん…」としか思えなかった。青年の成長を描か>>続きを読む

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.2

一昔前のミリタリー映画って感じではあるけど、演出面ではガイリッチーのケレン味が嫌味なく上手く馴染んでた気がして良かった。まあでも、今の時代にこの題材で「細かいことは置いといて…」っていう映画を作っちゃ>>続きを読む

ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

3.2

大枠としては王道のスポ根なんだけど、にしては挫折と努力の過程が薄いからカタルシスに欠けるんだよなあ。伝統と自分たちの生き方を何よりも重んじるサモア人のスタイルや、第3の性に属する選手の葛藤について描き>>続きを読む

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

1.8

全てにおいて雑of雑。こんなダサいヒーローオリジンは見たくなかった。主人公も3人のキッズたちも俳優としては魅力があって良い化学反応も起こせそうだっただけに、こんな形でおじゃんになったら可哀想だしもった>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

2.6

ヘレディタリー、ミッドサマーはジャンルがホラーというのもあってか表向きの展開は割とシンプルで入り込みやすかったんだけど、今作はそこすら最後まで複雑かつあやふやで上手く消化できてなかったし、ひたすらに意>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.2

日常の些細な景色に目を向け微笑む独身男の姿を、本作では"木漏れ日"と前向きに表現したかったのだろうけど、それが美しいとは全く思えなかった。結局のところ愛し愛される相手がいないという心の穴は致命的で他の>>続きを読む

大室家 dear sisters(2024年製作の映画)

4.0

3姉妹それぞれのエピソードを上手く描き分けながらも、常に櫻子が軸としてしっかり機能している構成はちゃんと考えられていて良かった。前半はコメディ寄りで、後半にかけて百合寄りにシフトする流れも王道な感じで>>続きを読む

カラーパープル(2023年製作の映画)

2.3

ミュージカルの時点でちょっと怪しいなとは思ってたけど、スピルバーグ版から大事なシーンをことごとく削ぎ落としたダイジェスト映画みたいになっていてがっかりした。それなのに宗教臭さは増し増しになっている点も>>続きを読む

マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.0

何だか掴みどころのない映画だったなーという印象。夫婦の馴れ初め辺りまでは自然に見れたけど、その後は時間経過も含めカットの繋ぎ方がスムーズではなく断片的で、ストーリーも人物描写もあんまり入ってこなかった>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

2.4

「僕の戦争はまだ終わっていない」と主人公は言うけれど、その"己が戦い"は終始不明瞭で曖昧だし、そのくせ周囲との関係性ややり取りはずっといびつなもんだから、最後まで利己的で芯のない人物にしか映らなかった>>続きを読む

ニモーナ(2023年製作の映画)

3.8

エンタメ映画のツボを押さえつつ現代的なテーマも取り入れ、コンパクトにバランスよく仕上げた良作。でも個人的にはもう少し尺があっても良かったのになとは思った。特にニモーナはもっと奥行のあるキャラにできたは>>続きを読む

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

2.8

静的な映像描写は割と好きなんだけど、ちょっと俳優の演技に委ね過ぎというか工夫に欠ける所があるなーと思ったし、その割に要所では意外とベタな演出が多くて、特に音楽の入れ所やフラッシュバックの使い方は好きじ>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.7

演出面ではヨルゴス・ランティモス色がちゃんと出てたし、話も過去一レベルでまとまっていたとは思うけど、展開はやや冗長だった。あと、オリジナル企画じゃないからか過去作にあった突き抜けた強烈なエゴみたいなも>>続きを読む

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.3

「ロブスター」と比べるとシリアス寄りで笑える要素は少なめ、話的には少々雑な部分もあるんだけど、相変わらず尖ってて好き。間の取り方、構図、音楽などの演出もやっぱり一級品。不謹慎かもしれないけど、クライマ>>続きを読む

ロブスター(2015年製作の映画)

4.5

トンデモ設定を極上のコメディと映像センスで押し切って見事に価値ある作品に昇華させた怪作。めちゃくちゃ笑ったし惹き込まれたし、鑑賞後の余韻も凄まじかった。なる早でヨルゴス・ランティモス監督作を制覇したい>>続きを読む

VESPER/ヴェスパー(2022年製作の映画)

3.2

世界観は良いんだけど、地上とシタデルの距離感やコントラストがほとんど描かれず不明瞭なままなので、中々物語に入れなかった。最小限の説明で進めたかったのは分かるけど、示唆レベルの画的な説明描写はもう少し欲>>続きを読む

カラーパープル(1985年製作の映画)

3.5

想像を絶するような過酷な物語のはずなんだけど、それに見合う重量が作品にあったかと言うと微妙。ちょっとマイルドかつ軽快に描き過ぎかな。でも全然悪い映画じゃないし、黒人描写も女性描写も85年製作とは思えな>>続きを読む

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

2.0

話もギャグもアクションも、全方位で新鮮さが無さすぎて正直キツかった。流石に大味が過ぎるよ。ストーリーが大味なお気楽エンタメ映画の類いだと割り切って観たとて厳しい。

パディントン 2(2017年製作の映画)

4.0

刑務所のくだりが最高だった。評判通り、確かに2の方が全体的に洗練されていたとは思うけれど、それと引き換えに前作にはあった愚直さみたいなものが少し霞んでしまっていたのでそこは残念。だから個人的には、1<>>続きを読む

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.3

観る者の精神を追い込む怪作ホラー。実際に起こる事象と主人公の精神状態が表裏一体でエスカレートしていく、その閉塞感がすごい。10代の友人関係ってその後の人格形成にすごく影響すると思うんだけど、友達って簡>>続きを読む

パディントン(2014年製作の映画)

4.0

ファミリー映画に正攻法で挑んでしっかり形にしてしまうポール・キングの手腕がすごい。遊び心満載の画作りと演出はまさに魔法なんだけど、それでいて物語の方も明快かつ陳腐にならないよう上手いこと機能させている>>続きを読む

ウィッシュ(2023年製作の映画)

1.8

恐らくはあのクライマックスの景色を見せたかったんじゃないかと思うけど、あまりにも表層的で奥行のない物語に愕然とした。キャラ設定も現代の映画とは思えないほど一面的だし、テーマ的にも願いの大切さだけ説いて>>続きを読む

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