Larx0517さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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あの日の指輪を待つきみへ(2007年製作の映画)

3.2

亡くなった人間には勝てない。
美しい過去は永遠に無敵。

亡くなった夫チャックの気持ちに思いを馳せると、あまりにせつない。
最愛の人の夫になりながら、妻は自分を愛してはいない。
少なくとも、”彼”ほど
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12モンキーズ(1995年製作の映画)

3.3

時間と記憶の混濁。

繰り返し映される”ダッチアングル”(カメラを斜めに傾けるカット)

繰り返し奏でられるアコーディオン。

テリー・ギリアム監督が描くディストピア+タイムトラベル。

繰り返し描か
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ハッピー・ネバー・アフター(2017年製作の映画)

2.9

安心してカウチで見れる。
そのまま寝落ちしても、ホラーのような悪夢は見ない。
見逃したことに、罪悪感を覚えない。
途中で目覚めても、充分ストーリーは追える。

王道ラブストーリー。

男性絵本作家。
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ハンナだけど、生きていく!/ハンナはいつも、アイされたい(2007年製作の映画)

3.0

ありふれた人々。
ありふれた毎日。

“マンブルコア”
アメリカのインディペンデント映画(自主製作映画)の一種。
若い白人中産階級の日常生活や人間関係を主題とし、きわめて低予算で製作される点に特徴。
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BOYS/ボーイズ(2014年製作の映画)

3.5

二度と来ない”夏”。

二人は知らない。今は。
見る者は知っている。
その事実が見る者に、せつなさを”思い出させる”。

甘く、ほろ苦く、せつない。

15歳、思春期。
少年から大人に登る階段。
”多
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ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(2017年製作の映画)

3.7

“才能(ギフト)”の代償は大きい。

時にそれは、宿主さえ喰らい尽くす。
作家、芸術家、クリエイターの”業(ごう)”。

「ホールデン・コールフィールドは死んだ」

サリンジャーのモノローグから始まる
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リグレッション(2015年製作の映画)

3.1

リグレッションRegression

「”退行”(regression)によって
記憶を解放する」

催眠療法により、封印した”記憶”を掘り起こす。

大好きなホラー映画『アザーズ』のアレハンドロ・ア
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しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(2016年製作の映画)

3.9

ささやかな、でもゆるぎない幸せの形。

灰色一色だった家に、”色”が増えてゆく。
彼女は絵を描く才能という花を開花させてゆく。

ぎこちない生き方しかできない2人。

若年性関節リウマチを患った、”犬
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マイル22(2018年製作の映画)

3.4

「目的はこの小包を
ここから22マイル離れた天使に届けること」

オーバーウォッチ作戦。
オーバーウォッチと実戦部隊。
3,000km距離を挟んで連携。
実戦部隊、チームは7名で構成。

「小包はリー
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パリの恋人たち(2018年製作の映画)

3.3

恋愛狂騒映画。

恋人が妊娠する。
自分以外の男性の。
“彼女と彼”の結婚式の10日前に、告げられる。

ルイ・ガレル主演、初監督作品。
ちなみに彼の父フィリップ・ガレルは、「ゴダールの再来」と言われ
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朝食、昼食、そして夕食(2010年製作の映画)

3.4

人生のひと幕のコラージュ。

“食卓では解放されるから
食欲も魂も”

原題”18 comidas”(スペイン語)
「18の食事」

スペイン、北西部、ガリシア州。
カトリックの聖地巡礼で有名なサンテ
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ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)

3.7

見る者を”挑発”する。

思考停止になった時、人は人でなくなる。
誰もが”野獣”になる可能性を秘めている。

ニュースで言ってたから。
偉い人が、”悪い人”を名指ししていたから。
クリックを誘うセンセ
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ロスト・シティZ 失われた黄金都市(2016年製作の映画)

3.3

“黄金郷”Zに取り憑かれた男。

「アマゾンには失われた文明が眠っている」

実在のイギリスの探検家パーシー・フォーセット。

“妄想” のために、すべてを失う。

「僕らを捨てた
栄光のため 探検や
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シンプル・フェイバー(2018年製作の映画)

3.2

”新事実”というカードを、ラスト怒涛のように連続で切って、押し切る。

ママ友の失踪。

“秘密はマーガリンみたいに薄く伸びて 心臓に悪い”

「誰だって闇がある
隠すのが上手なだけ」

アナ・ケンド
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リベンジャー 復讐のドレス/復讐のドレスコード(2015年製作の映画)

3.1

自分は殺人犯なのか。

小さな村に少女が帰ってくる。
ドレスメイカーとなって。

強い陽射し、田舎の村、豪華でモダンなドレス。
シュールな違和感。

コメディとサスペンス、そしてラブストーリーが、マー
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ナタリー(2011年製作の映画)

3.2

“贈り物”を見た時、笑みが浮かんだ。
ナタリーとシンクロしたように。
そして気づく。
この”笑み”を忘れていたのだと。
彼女も、見ている自分自身も。

「私は一生 誰のことも
愛せないかもしれない」
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20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

3.9

992日ぶり、3度目の鑑賞。
気づけば、この映画に”帰郷”する。

少年を大人へと”導く”。
ひとつ屋根の下に住む、他人同士がつながる。

「”いい人間”になるには?
その現代の定義は?」

マイク・
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キッズ・オールライト(2010年製作の映画)

3.7

いびつな三角関係。

「つまり”母親違い”の弟
ママたちは1人ずつ産んだの
あなたの精子で」

監督兼脚本リサ・チョロデンコ。
彼女自身も同パートナーいる。
匿名の精子提供を受け、男児を出産した。
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おやすみなさいを言いたくて(2013年製作の映画)

3.6

「本能」が母性を凌駕する。
哀しい性(さが)。

“関与”しない。

彼女は、ただカメラを向けるだけ。

それは世界を”挑発”する。

冒頭約8分間、台詞がない。
見る者は、何を描いているのか、徐々に
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その瞳に映るのは(2021年製作の映画)

3.7

あまりに酷い。

凄惨なオープニング。

ヘンリーでなくても、”言葉を失う”。

それはラストにまで、つながる。

1945年、第二次世界大戦、ドイツ占領下のデンマーク。

“予備警察 HIPO”
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アダム&アダム(2022年製作の映画)

3.6

未来の自分と”遭遇”する。

「自分に説教?」

ライアン・レイノルズが”未来の自分”のキャスティングの時点で、物語のトーンが決まる。

軽いタッチのタイムトラベルSF。

「2018年の人を救いたい
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クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2021年製作の映画)

3.6

息が詰まる。

無音だからこそ、”感情”が研ぎ澄まされる。

なぜ涙が出るのか、自分でも分からない

“彼ら”と、死と隣り合わせの極限状態を共に体験しているからだろうか。

とてつもない没入感。

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ペイド・バック(2010年製作の映画)

3.7

過去と現在。

決して切り捨てられない。

「生き残るのもつらい」

借り(映画原題”THE DEFT”)は、返さなくては(邦題『ペイド・バック PAID BACK』)ならない。

「3人が果敢に挑ん
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氷がすべてを隔てても(2022年製作の映画)

3.5

人は食料だけでは”生き延び”られない。

世界最大の”島”。
「緑の土地」という名の不毛の氷の大地グリーンランド。

「氷点下40度を犬ぞりで生き残れるのか」

1909年、デンマーク北極探検隊。
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奇蹟がくれた数式(2015年製作の映画)

3.7

数字という”世界共通言語”。

インドからイギリスに引き寄せる。
そして育む友情。

原題”The Man Who Knew Infinity”
直訳「無限を知っていた男」

「無限級数の形で表せます
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いつかはマイ・ベイビー(2019年製作の映画)

3.2

アリ・ウォン+ ランドール・パーク。

アジア系アメリカ人コメディアンx2人。
出演+製作+ 脚本。

アジア人カップルのラブコメは珍しい。
さすがニッチなマーケティングを突いてくるNetflix。
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ブレス しあわせの呼吸(2017年製作の映画)

4.0

それでも生きる。

“安全な”病院の外の世界で。
愛し、愛してくれる人たちと。

俳優アンディ・サーキス初監督作品。

本作のプロデューサー、ジョナサン・カヴェンディッシュの両親の実話。

幸福の絶頂
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アリ・ウォンの人妻って大変!(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

第二弾は、もちろん(?)第二子妊娠中。

「女がすぐに男と寝るのは
自尊心がないからじゃなくて
その男を尊重してないからよ」

目から鱗どころか、瞳孔がはがれ落ちそうな真実。

呼吸困難になりそうなほ
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クリムゾン・ピーク(2015年製作の映画)

3.3

グロテスクなまでに美しい。

これぞ、デル・トロ・ワールド。

美しい恐怖。

「美しいものは儚(はかな)い」

ギレルモ・デル・トロ監督作品。

「”深紅の丘(クリムゾン・ピーク)」

ゴシックな館
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アリ・ウォンのオメデタ人生?!(2016年製作の映画)

3.6

胎教に良い(?)スタンドアップ・コメディ。

妊娠7か月で、そこまでやる?

もっと、もっと、”笑い”という、お恵みを!

もはや教祖にすがる信者の気持ち。

レイルウェイ 運命の旅路(2013年製作の映画)

3.7

人が”痕跡”を焼きつけ。
人が”痕跡”を癒す。

「戦争は痕跡を残す」

忘れたい、忘れられない”痕跡”。

日本軍の捕虜となった英国将校。
タイの鉄道敷設を手伝わさせられる。

「戦争は終わった!」
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ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ(2015年製作の映画)

3.7

ダイヤの原石を、”編集”という、共同作業の”研磨”で、永遠に輝く作品に仕上げる。

仕事上のパートナーであり、
師匠と弟子、
父と息子、
そして盟友。

「あなたの夢を叶えた天才よ」

食事中でさえも
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.0

“今”だからこそ、“古き良き”アメリカの美徳を思い出させてくれる。

コロナ禍という、自分のことだけでいっぱいな、”非常事態”だからこそ、見過ごしされがちな美徳。
「施し」。

逆に大切さを再認識する
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めぐりあう日(2015年製作の映画)

3.7

娘が母の素肌に触れる。
そうとは互いに知らないまま。
傷つき、老いた母を癒す。

原題”Je vous souhaite d’être follement aimée”
“あなたが狂おしいほどに愛され
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未来よ こんにちは(2016年製作の映画)

3.6

ドラマチックに描かなくても、ドラマは”ある”。

「たゆたえども沈まず」
“Fluctuat nec mergitur”

パリ市の紋章に描かれたラテン語の標語。
「どんなに揺さぶられ、ふらふら漂って
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パシフィック・リム(2013年製作の映画)

3.7

“ロボット”映画を見て、初めて「美しい」と感じた。

とてつもないクオリティ。

ギレルモ・デル・トロ監督がロボットを撮る。

しかもロボット”イェーガー”は”KAIJU”と闘う。
SFサイエンスフィ
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