Liaozhaipiさんの映画レビュー・感想・評価

Liaozhaipi

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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

全体が楽章のよう。
最初はグダっと長くて眠くなるが、最後に向かってどんどん盛り上がっていく感じ。どのシーンも重要なんだけど、最初はちょっとキツイ。ター目線しかない解雇あたりの流れは息する暇もないほど迫
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ビリーバーズ(2022年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

仲良く真面目な信仰が、外敵の襲来により崩壊し、欲が剥き出しになっていくという、その筋はわかるのだが、とてもクドい。
製作者が副議長の裸が好きだっただけなんじゃないかと思うほど。
また、みな家庭環境など
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.0

いろいろな意味で、非常にこじんまりとした、非常に規模の小さい映画。

だが、無駄なシーンや演出がなく、テンポよく観られる。
ジャンルもテーマもスッキリしているし、違和感のある演技もない。
思っていたよ
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

2.0

結末がわかっていても、よりよい世界があると知っていても、今ココを、家族を、全力で愛すること。
わかりやすいメッセージと、典型的な映像のオンパレード。
その量は圧倒的で、これでもかと盛り込んでいる。
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

2.5

いろいろと面白い演出はある。
字幕の出ない手話のカフェ談義とか、ミット打ちの音とか、そもそも16mmフィルムとか。
セリフですべてを説明しない映画ならではの良さをよく生かしたものだったと思う。
もちろ
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

3.0

アメリカの病の一つ、虚勢男のマチョイズムが崩れていくことが主題。
ヤンキースの話で、勝利の理由をピンストライプに釘付けだったというハッタリの比喩で捉え、評価するあたりにその主題があらわれている。

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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

2.5

お酒を通して、冴えない中年が夢を見て、それぞれ別々の結末を迎える話。
酒の良い面、悪い面、全てが人生とともにあるデンマークらしい?ように思える。
学校のリアルな空気がいいし、ちゃぶ台返しとか万国共通な
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his(2020年製作の映画)

3.0

気になる点をあげます。
まず、ここは相当理想化された田舎だと思います。こんな理性的な人なんてほとんどいないと思ったほうが、実際は健康だと思います。
次に、役者がセリフを喋るためだけにいることが多いです
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

ところどころドキッとする台詞がある。
「自分も?」とか「諦めるくらい自分で」とか。
そういう意味で、周りの人たちは何とかしなければ、ともがく中、テルコだけがどんどん自分の中に閉じこもっていく。
という
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あの頃。(2021年製作の映画)

1.5

とくに面白くなかった。
あの当時のハロプロ好きだけど、なんか好きになれる人いなくて誰にも乗れない。
そういう楽しみ方をしてもらいたい映画だろうに。
ちょっと末期がんの下り長すぎるよね。
こちらの監督、
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ちひろさん(2023年製作の映画)

2.5

うーむ。
面白いんだけど、そんなにそれぞれの闇が深く見えなくて、なんか物足りない。
結局みんな環境という面では特に何も変わらないし。
まあそうやってちひろさんを通じてみんなが空っぽでなくなるのはいいの
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僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)

3.0

これを観て、容易に統合失調症を理解できたとは思わない。
けど、自分を愛してくれる人の声に耳を傾け、自分の隠したいことも信頼して話してみるというテーマは、誰にとっても大事な事だろうと思う。
だから、共感
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セッション(2014年製作の映画)

3.0

追い込まれていく狂気と、追い詰める狂気の気持ち悪さがよく出ていた。
ドラムの世界なんて、決してこんなんじゃあないんだろうけどね。
パワハラの構造が、師伝関係と紙一重もしくは内包されたものであることがよ
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犬も食わねどチャーリーは笑う(2022年製作の映画)

1.5

言いたいことはわかるけど、なんか安い。
とってつけたような演出や設定が多くて、あまり入り込めない。
そのそれぞれが浮いちゃって、なんか物語に一体感がないんだよね。
CMとかドラマとかでその中のひとつに
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街の上で(2019年製作の映画)

3.5

会話の熱量とか、きまずさとか、噛み合わなさとか、配慮とか、そこにいろいろな飲食物が意味ありげに絡んできて、そうした空気感を醸し出しています。
とにかく、誰かが、何かを口にしながら話をする様子が続いてい
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リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

2.5

一見ただのお人よしに見えるが、目の前のことにしっかり向き合わず、ただ流されるだけの七海にものすごい吐き気がする。そして、それが黒木華を撮りたかったというこの映画の肝であるように思える。
また、安室に対
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

まず、この映画をタイトル以外の情報なしに観られて、幸福だった。
ディティールの緻密さ、モチーフの力強さ、世界観の構築、画面の説得力がこれでもかと続く、まさに宮崎映画。
本当に遺作を観たかと思うほど、集
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ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

空気感は素敵だけど、やっぱ設定が浮世離れしすぎというか、耳をすませばみたいな「ホントにこんなやついんのか?」ってのが先に来ちゃった。
魚みたいから海洋学者って、マヂか。
怪我したら他の人送ってくれって
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エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

全く同じことの再現ではないけど、結末を知っていても、それでも人は同じ道を選ぶのか。

すべてを盗用して再現しようとしたパトリックとの対比によって、その人との記憶は決して替えの効かないものだと見せるとこ
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セブン(1995年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

はじめての視聴。

7つの大罪をモチーフにしたサスペンス。
というわけで、結末はある程度予想できるし、それぞれの被害者の存在感も薄い。また、ビッコ引いた記者なんて目立ちすぎるだろうとは思うが、あくまで
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アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

何度もタイムリープできるとしたら、何をするか。ハンデのほとんどない条件下とはいえ、些末な事象にとどまらない、普遍的なテーマにつながる良作だと思う。

・全く同じように同じ日を生き直してみる
・一生分の
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

2.5

中国の唐代伝奇小説のような、神話と歴史が混ざり合っていた頃のようなお話。
結末のあっさり感も含めて、ヒトとヒトならざるものの境界で、境界を犯したがゆえに起こる罪と罰の数々は、ただしく教訓めいた神話とい
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

印象的なセリフが数多くあるのは原作の秀逸さゆえかと思う。
一瞬にして人となりを見通せる細やかな人物描写も素晴らしい。

ただ、特に前半は会話の不自然さ(息継ぎのおかしさ、セリフ回しの違和感)が多く、ま
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

前半は出会い、中盤は生活、終盤は別れという王道構成だが、中盤とそれ以外の演出のディティールが違い過ぎて全く別の作品を見ているようだった。たしかに、中盤は「すれ違い」を、その他は「シンクロ」をメインに描>>続きを読む

ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

二人にしか通じない言語という、単純かつ根本的な定義のもと、それを習得した結果が両者全く正反対になることに、そうだろうなとは思いつつ、脱帽してしまうような結末でした。
大尉がどこまでも「のんき」なところ
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ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

彼女は自分の思想で他者を支配する典型的なモラハラ人間なようだし、その思想も陳腐なフリーター精神に過ぎなくて痛々しい(しかも、それが90年代商業広告で形成されたものであるという皮肉。ブンガク的な)。
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少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録(1999年製作の映画)

2.5

アニメ版を観ていないと色々術語など不明瞭。
過去のトラウマを隠したがゆえに分裂した自我。そこに向き合うことで、実世界を再び生きていこうというシンプルさに様変わりした。
呪いを解いて生きようという根底の
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星の子(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

子供にとって最も生得的な紐帯としてある親との関係性が、それ以外の世界へ踏込もうとすることで揺さぶられていく精神的独立の話、という点ではよくあるものです。
どこの親も、それぞれのやり方で、それが愛かもわ
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少年の君(2019年製作の映画)

2.5

主演のチョウ・ドンユイ(周冬雨)は、『サンザシの木の下で』以来注目していましたが、ここでも圧巻の存在感です。なぜ、中学生くらいから30代まで違和感なく演じ分けられるのか、不思議でしょうがない役者です。>>続きを読む

HELLO WORLD(2019年製作の映画)

2.0

ノーランを始めとする大作SFに、新海誠を始めとするセカイ系ヒットSFに、とにかく、いろいろな影がチラつく作品です。
ビジネスホテルの朝食バイキングで、小皿でひとかけらずつ取り入ってたべて、を繰り返して
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式日-SHIKI-JITSU-(2000年製作の映画)

3.0

cocco
あれ、シン・エヴァってとっくに終わってたんだ。親に愛されたい、でも親も愛し方知らなくて…みたいな。
cocco
これほど映画に合う主題歌はそうそうない。
cocco

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年製作の映画)

2.0

宮崎駿氏など他の有名映画監督に漏れず、何度も同じ物語を書く人ですな。
名人芸です(ちな、冨野氏は原作だけど)。
ガンダムとしては……動機も弱いし、キャラも偏ってないし、そんなに面白くないかな。

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