真田ピロシキさんの映画レビュー・感想・評価 - 17ページ目

エドtv(1999年製作の映画)

1.5

退屈すぎてYouTubeで猫の動画でも探そうかと思いかけた。リアリティショーの類に興味がないのでこんな平凡な男に共感し熱狂する劇中の視聴者の気持ちが全く分からない。24時間犬か猫の映像を流してた方が絶>>続きを読む

花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)

4.5

正直に言って一度見ただけでは理解できてない部分が多く再度見ても完全には掴めないと思う。本作で感じたことは戦争映画の描き方。語り継がねばならないこととは言え実写の戦争映画には些か飽きがあって、それを普段>>続きを読む

ROOM237(2012年製作の映画)

3.5

素晴らしい全て間違っている。キューブリックが生きていたらそう言うに違いない。映画版『シャイニング』を何度も何度も貶すキングも同感だろう。

『シャイニング』のポスターに書いてあるコピーから先住民虐殺を
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1984(1984年製作の映画)

2.5

一九八四年の映像化としてはレベルが高い。てっきり自由恋愛すら禁じられてる部分を強調して脚色するのかと思っていたらかなり原作に忠実。しかし映画化として面白いかと言うと退屈。小説をなぞってるに過ぎず、映像>>続きを読む

弾丸刑事 怒りの奪還(2014年製作の映画)

2.0

体調があまり良くないので外出予定をやめてネトフリ梯子。セガール映画がセガールが出ていることに意味があるようにトレホ映画もトレホを眺めるもの。脚本とか演出とかは二の次だ。しかし本作は共演がジョナサン・バ>>続きを読む

機動戦士Zガンダム II -恋人たち-(2005年製作の映画)

2.5

映画館で見た時は腹が立ったのだが見返してみるとそんな悪くもなかった。当時は何がそんなに気に食わなかったんだろう。新作カットは前作より多いように感じるし、話に緩急が全くなかった前作よりずっとまともに進行>>続きを読む

おじいちゃんはデブゴン(2016年製作の映画)

4.0

武術の達人で元ボディガードの老人。親しかった近所の女の子に危険が及び隠していた力で悪人どもを無双して愉快痛快メデタシメデタシ。そんな話を期待しているのなら見なくて良い。

武術の達人なのは間違いないし
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機動戦士Zガンダム -星を継ぐ者-(2005年製作の映画)

3.0

なんてことだ。Netflixに新訳Zガンダムが来てる。10数年ぶりの鑑賞。公開当時はまだガンダムにも富野監督にも興味があった。

本シリーズはTV放送時のカットに新作画カットを混ぜるという非常にケチ臭
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ターミネーター:新起動/ジェニシス(2015年製作の映画)

2.8

クリスチャン・ベールが「本当はターミネーター4には出たくなかった」と言っていた。確かにあれは面白くなくて全くストーリーを思い出せないし、そもそもベール出てたっけ?と思うレベルで忘れてる。その点ダイソン>>続きを読む

レゴバットマン ザ・ムービー(2017年製作の映画)

4.5

実写映画でしかバットマンを知らないと孤高のダークヒーローというイメージに陥りがち。ロビンなんてアホなカラフルコスチュームのガキだとノイズに感じるし、スーパーマンと共演なんてありえねーと思うだろう。自分>>続きを読む

X-MEN:ファースト・ジェネレーション(2011年製作の映画)

3.7

最初のシリーズでは人種差別のメタファーである人間とミュータントの対立というテーマは一応触れてる程度で浅く超能力アクションを見せてるばかりという印象を抱いていた。そのアクションも同時期のスパイダーマンに>>続きを読む

百円の恋(2014年製作の映画)

3.8

多分『イコライザー』の頃から洋画界隈で流行りだした「舐めてた相手が実は殺人マシーン映画」という言葉が大嫌いだ。そういう映画の様式がではなく、実は殺人マシーンの部分に自己投影したがってそうな受け手の態度>>続きを読む

獣は月夜に夢を見る(2014年製作の映画)

2.5

Amazonで本作をレンタルしたのは1週間ほど前なのに何故借りたのか思い出せない。

冒頭から強く印象を残すのは絵画的な風景のカット。画家ならインスピレーションを得て描いておきたくなるような閑静な港町
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秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

1.7

『君の名は』をTV放送しているようなので便乗。アニメーションの限界に挑むかのような精緻な描き込みと鳥肌が立つくらい気持ちの悪い話が同居している。写実的なアニメーションを作る人の代表格は押井守のイメージ>>続きを読む

灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.0

2017年はドゥニ・ヴィルヌーヴの年だったので映画納めに本作を選択。言葉を失う。

死んだ母の遺言でそれまで存在を知らされていなかった兄を探すよう言われた双子の姉弟。並行して母の過去が描かれいて、二つ
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.0

映画館で観た時はそれまで観ていた光景の意味が一変する物語の仕掛けに感激していた。種が分かった上で見返してみるとどんでん返しに頼っただけの物語ではないことを確認。

時間が過去から未来に一定に流れるので
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.0

心臓を病んで医者に仕事を止められたダニエル・ブレイク。福祉に援助を求めるが、役所には労働可能と認定され求職者手当を受けるための求職活動を余儀なくされる。熟練の大工であるダニエルであれば履歴書を通すくら>>続きを読む

スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

3.5

「古いものは滅びる」カイロ・レンの台詞が象徴しているように本作は凝り固まったかくあるべきスターウォーズの様式を破壊しようとする。

万能視神格化されたジェダイにはルーク自身の所業言動によってメスを入れ
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TATSUMI マンガに革命を起こした男(2010年製作の映画)

4.0

恥ずかしながら劇画を生み出した歴史的な漫画家でありながら辰巳ヨシヒロの名前を知らなかった。昭和10年に生まれて戦争に復興、高度経済成長と共に駆けていく辰巳の漫画家人生を5本の作品を挟みながら物語ってい>>続きを読む

あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)

4.8

あしたのジョーは名作だが時代が違う。現代に通じさせるのは難しい。そう思っていた。寺山修司が本作を執筆したのはジョーよりもさらに前。梶原一騎が参考にしたのかは知らないが、社会の下層にいる男達がボクシング>>続きを読む

あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)

4.5

詳しい感想は明日か明後日には見るつもりの後篇を見てから。しかしこれは物凄い傑作たり得る強い熱量を感じる。あしたのジョーもはじめの一歩も過去にする新しい瞬間に立ち会っているのかも。

トゥームレイダー2(2003年製作の映画)

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見ても興味が全く持続せずほとんどBGV状態で垂れ流し。なので点数はつけませんし特に言えることもありません。ただ海中で鮫を素手でぶん殴ってその背中に乗って海上に浮かぶララさんだけは必見。ララさんは人間じ>>続きを読む

覗くモーテル(2017年製作の映画)

3.7

自身のモーテルに覗きスペースを作って客の性行為を長年観察し記録していたジェラルド・フース。以前に自分の行為を打ち明けたジャーナリストのゲイ・タリーズがもう時効だしお互い老い先短いからということで本の出>>続きを読む

Gameplay: The Story of the Videogame Revolution(原題)(2015年製作の映画)

3.5

先日見たゲーム史の上っ面をなぞって無邪気なゲーマーに迎合していただけの『ビデオゲーム The Movie』よりずっと面白い。ノーラン・ブッシュネルからビデオゲームの歴史が始まったとするのは同じだが、そ>>続きを読む

アイヒマン・ショー/歴史を写した男たち(2015年製作の映画)

4.5

ホロコーストの首謀者アドルフ・アイヒマンの裁判を追うTVジャーナリストを描いたドラマ。犯した罪に対してあまりにも平凡な男であったため「凡庸な悪」と呼ばれるアイヒマン。本作の主人公の一人であるディレクタ>>続きを読む

ビデオゲーム THE MOVIE(2014年製作の映画)

2.5

ビデオゲーム産業の辿った歴史を綴ったドキュメンタリー。最初の内は大体知ってることばかりで教科書のような退屈な映画。ポンよりも前のゲームは知らなかったがアタリショックなんか聞き飽きてるし、それについても>>続きを読む

ソーセージ・パーティー(2016年製作の映画)

2.5

スーパーの食料品及び日用品版のトイストーリー。と言ってもあんな心温まるストーリーじゃない。セス・ローゲンがいつもの仲間達と組んだお下劣映画。「悪趣味な映画が好きな幼稚な人間向けのアニメだ」と作中で自分>>続きを読む

あゝひめゆりの塔(1968年製作の映画)

3.2

冒頭で踊り狂う若者たち。年は10代後半から20歳そこそこ。昭和20年からその数年後に生まれたであろう彼らに最早戦争を思わせるものはない。その場所で渡哲也がリクエストするのが想思樹の歌。「かつてこの歌を>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲(1980年製作の映画)

3.7

30年以上前の映画がTVで全国放送されることに感動する。これはひとえに作品の持つ力と言いたいところだが、やはり30年以上前の映画で見る側の補正は多かれ少なかれ必要。スターウォーズの偉大さはシリーズ展開>>続きを読む

ロジャー・コーマン デス・レース 2050(2017年製作の映画)

2.6

長年映画を製作して来て全く損をしなかったと自負するロジャー・コーマン先生の代表作をリメイク。ディストピアSFの範疇には入るものの、そんな真面目な肩書きを付けなくていい。人を轢き殺して点数アップのエクス>>続きを読む

テルマエ・ロマエII(2014年製作の映画)

3.3

散々言われてて耳にタコかもしれないけれど実写『鋼の錬金術士』はコミケのコスプレブースにしか見えない。日本映画でキャストもロケ地も全部外国で占めろとは言わないがそれにしたって最低限の説得力はいるだろう。>>続きを読む

バットマン&ハーレイ・クイン(2017年製作の映画)

4.5

ハーレイクインの生みの親ブルース・ティムの脚本をハーレイの原典アニメイテッドシリーズ風の絵柄で描いた新作アニメーション。物語の筋は大親友ポイズンアイビーを止めろ!この時点で私的に高得点。ジョーカーとは>>続きを読む

精神(2008年製作の映画)

3.5

想田和弘監督の観察映画第二弾。岡山の精神科病院の山本医師とその患者達を主に追いかけている。この題材に関しては私自身が当事者であるため見てて辛い。自分向けではないように感じる。ターゲットは健常者の方々。>>続きを読む

ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

いきなりネタバレ全開だが言わずにはいられない。どうせ生き返るのは分かっていたけど、いくらなんでも早すぎるだろ。冒頭の子供がスマホで撮ったスーパーマンの姿は失った偉大なる存在を映画が痛感させようとしてい>>続きを読む

スプリット(2017年製作の映画)

2.8

一昔前は色々な媒体で量産されてた多重人格もので監督がどんでん返しのシャマラン。一番つまらないオチを想像していた。全部捕まった女の妄想とか。あの過去回想なんてそういう方向に持って行きそうじゃないですか。>>続きを読む

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

3.5

『コララインとボタンの魔女』にいたく感激したLAIKAの新作ストップモーションアニメ。実物がそこにある実感とそれがCGさながらに機敏に動く様は主人公クボが折り紙に命を吹き込む姿と重なって見える。キャラ>>続きを読む