harunomaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

関心領域(2023年製作の映画)

1.1

痛ましき無関心帝国。
記憶の棘は、バコール、アレクサンドル・デスプラの音楽、
ハリス・サヴィデスの撮影ということで、そこそこ好きだが
このデビュー作以降、観ていないというかこれ一本だ。

MTV的かど
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ゆれる(2006年製作の映画)

1.0

うん、ゆれてる
疑わしい主人公ならぬ、疑わしい目撃者。
撮監は、森田よし光やらイタン十三四五六やらの作品を担当した超豪華スタッフだったのか。
家族ゲームで露悪を振りかざす感じがワセダッポイ。
ベロニカ
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チェンジリング(2008年製作の映画)

5.0

確かに『チェンジリング』(Changeling)の年に、大江健三郎の『取り替え子(チェンジリング)』を化し、チェンジリングから来ているのかとかつて思い出していたが、事態は逆で、読んですらいなかった当時>>続きを読む

裸の島(1960年製作の映画)

2.0

溝口健二として
大いなる偏見を持って、この100歳の映画人、伝説の脚本家新藤兼人を見るのだが、
“魂(ショット)の飛散”がない。これに尽きる。wikiの大層な人間の20世紀の生き様に誰もが感服するしか
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JLG/自画像(1995年製作の映画)

5.0

「生誕(新生児、またはキリストの降誕)」と名付けられたジョルジュ・ド・ラ・トゥールの絵画は、聖母マリア、聖アンナ、そして産まれたばかりのイエスを暗示した絵画だ。イエスの降誕については「マタイによる福>>続きを読む

Prelude ~プレリュード~(2023年製作の映画)

1.1

1カットほど草叢の光のでたらめなアップの繋ぎがパロディアスっぽくていい。回想の兵隊が若松っぽいデジタル。
アクターズなんちゃらというオムニバス(オムニバスという安売りは『10ミニッツ・オールダー』(T
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

1.0

女王陛下のお気に入り
もはや正確には2009年(アメリカ、家族のいる風景 Don't Come Knocking 2005年)頃からだとは思うが、
この元ドイツの文化帝国大臣、文化クソ野郎が、映画に
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最後まで行く(2023年製作の映画)

1.2

岡田准一がトムクルーズになれる日を計算してみると、あと六〇年掛かるらしい。
あるいはホアキンフェニックス。しかるべき梢が妻であるのだから、映画出演に関する嗅覚を指導してもらえなければ、真のシネマには到
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レオン 完全版(1994年製作の映画)

2.3

完全版、吹き替えで見直すと、やはり記憶にあるものより数段落ちる。
監督自らが22分間の未公開シーンを加えた、とか無駄な映像が長すぎるよ。80−90年代のリマスターはきついか。意味がない。
この時代は相
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クリフハンガー(1993年製作の映画)

3.1

雪山と言えばこれ。
監督はフィンランド出身らしい。
失敗の本質。今見ると悪人たちがバカすぎて、勝手に状況を悪い方へ悪い方へ選択していく脳筋らしさがなんとも。銃乱射して雪崩を起こしたり、唯一面白い味方の
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息子の部屋(2001年製作の映画)

3.5

22年前に観た時は、傑作であると思っていた(次年に朝っぱらからVHSでも流していた)が、
リマスターのこの映画を見ると、そこまででもない。
喪に服す、不条理な死を受け入れるまでのリアルさ(謎の1日だけ
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彼岸花 ニューデジタルリマスター(1958年製作の映画)

4.9

岡田茉莉子か山本富士子かという永遠の時のクレヴァスの中で、決戦は岡田茉莉子となる。

あらゆる歌(能の高砂、歌舞伎の京鹿子娘道成寺、詩吟「芳山楠帶刀の歌」、桜井の訣別まで)が通奏低音として存在し、そし
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彼岸花(1958年製作の映画)

4.9

岡田茉莉子か山本富士子かという永遠の時のクレヴァスの中で、決戦は岡田茉莉子となる。

あらゆる歌(能の高砂、歌舞伎の京鹿子娘道成寺、詩吟「芳山楠帶刀の歌」、桜井の訣別まで)が通奏低音として存在し、そし
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.9

フォード、ブレッソン、それでいてイタリアーノ。ギャグ。
「TOVE トーベ」のアルマ・ポウスティが素晴らしい。無防備時のシャーリーズ・セロンに似ていると思う。固定ショットの切り返しもさることながら、無
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秋刀魚の味 デジタル修復版(1962年製作の映画)

5.0

アグファ。『彼女は陽光の下で長い時を過ごした』
Netflixが21世紀史上最低のクソコンテンツ事業者であるのは、
何も小津安二郎映画作品が「秋刀魚の味」しかないことではなく、
A24以下の露悪的な
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

5.0

アグファ。『彼女は陽光の下で長い時を過ごした』
Netflixが21世紀史上最低のクソコンテンツ事業者であるのは、
何も小津安二郎映画作品が「秋刀魚の味」しかないことではなく、
A24以下の露悪的な
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パッセンジャー(2016年製作の映画)

2.5

クリス・プラットはガーディアンズ以外はゼロだ。
こんな敵不在の事なかれ主義はナンセンス。
クリス・パインだ。

ディープ・インパクト(1998年製作の映画)

5.0

やはり素晴らしい。
最後の時の愛と許しと和解。
ティア・レオーニもビーダーマンもリーリー・ソビエスキーもモーガンも良い。

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

2.1

なるほど皮肉が効いてる。
社会、政治、メディア、資本、民主、あるゆる領域においてこの馬鹿みたいなコミュニケーションが皮肉られている。アカデミー俳優たちが頑張っている。
むしろ維新、自民、立憲、共産とい
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バカ塗りの娘(2023年製作の映画)

2.6

堀田真由は猫か。
「存在の問いと歴史」
校庭を横切り(素晴らしいロングと連れ立ちの歩き)、体育館裏の、小さな窓をくぐって侵入する廃校の母校のピアノの冒険は唯一いいとして、平均律クラヴィーアでよかったの
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楽園(2019年製作の映画)

1.0

途中でやめたが、最低最悪の露悪映画だ。
やはり、ぜぜは「ヘブンズストーリー」からそうだが、活劇不在のクソみたいなダウナー人非人の部類だ。だから売れる。「ヘブンズストーリー」のある章は明確に「接吻」をパ
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春に散る(2023年製作の映画)

3.1

ショットなしの重厚そうなドラマとは何だろうか。
丁寧に撮られている。観察する時間さえ持続してあるようだから、闘いのデジタルハイスピードのコマ数は多すぎるくらいだ。バカ一直線に熱い男を演じる横浜流星もい
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去年の冬、きみと別れ(2018年製作の映画)

2.5

思ってたのと違った。
正しい復讐、サイコパスには理知的なサイコパスで闘うことらしいが、この先なし。見やすくはあるが、主人公が万能すぎる。
書物と炎だが、あまりに計画通り完遂してしまうのは誰得だろう。小
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あなたの番です 劇場版(2021年製作の映画)

1.5

長すぎ。
初期の横浜流星だけのために見るが、それもどうだろうか。
ドラマ版も西野七瀬と彼女を中心にアホサイコパスばかりで、その稚拙さがテレビっぽいが、浅香航大は「見えない目撃者」からほぼいつも猟奇的な
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

2.9

カットを細かく割っても情動と運動を殺さないのはトニー・スコットだが、同様にフィンチャーもまた当時、ショットは粒子として情報に成りうることを示していた。
一方は原田はどうだろう。ラストサムライに出ていた
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.1

 階段通りを散策するデンゼル・ワシントンはペドロ・コスタのようだ。杖と壁を伝って、急勾配の狭い階段を降りるデンゼルのゆっくりと鈍い身体性の身振りが素晴らしい呼吸を生んでいる。すれ違う老婆に、Go Sl>>続きを読む

アメリカン・ギャングスター(2007年製作の映画)

1.1

やはり救いようのないつまらなさリドリー。
ハリス・サヴィデスがリドリー・スコットの撮影を担当する意味が皆目分からない。

アナログ(2023年製作の映画)

2.4

波瑠ファンとして一応観に行く。これが東宝枠ということ。
もちろん翔んだカップルではない。
クソ下手なバッハ無伴奏 Largo から始まるこの映画は、ヴァイオリニストの肖像が嘘みたいに三流なのだから、も
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羊の木(2018年製作の映画)

1.0

芦澤明子がカメラだから、まだなんとなく見れるが
やっぱり吉田大八はなんで映画作ってんのか意味が分からない。
ゼロをゼロのまま提示されてももう情報にすらならない。
シネスコではないのがまだいいのか。
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渇水(2023年製作の映画)

1.6

16mmで撮られていること
山﨑七海がまぁまぁ素晴らしいこと、尾野真千子がいること。
以外に、「誰も知らない」と「万引き家族」で事足りる。
全体を通して、脚本のアンバランスさとダウナーさだけであり
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AIR/エア(2023年製作の映画)

2.1

めちゃ普通。女のいない男たちとでも。
女優なし。
ボーンはどこへやら。
Air 切り返されない映されない顔と姿、中心のなさ、西海岸は沈没しているのかも知れない。
撮影: ロバート・リチャードソンはだめ
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ドミノ(2023年製作の映画)

1.2

rottentomatoesの "This is what happens when a less-talented director tries to make a Christopher Nola>>続きを読む

破れたハートを売り物に(2015年製作の映画)

4.0

青山真治のだけ。
他のがたぶん20-30分の中編なのに、
青山真治のはものの13分(12分34秒)ほどしかないが、一人だけフォードやら小津になっている。
中島美緒のカメラは空に住む同様ヘッドルームが狭
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

1.9

"the usual suspects"
並行モンタージュの三つ巴の嵐だとして
果たしてこのポリコレ的選抜は妥当ではない(前作でもヴァネッサ・カービー(ベストはアバウト・タイム 愛おしい時間についてに
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