harunomaさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

イコライザー(2014年製作の映画)

4.7

あさまだきの時間、デンゼルは一人、モンクのように髪を手入れし、靴を磨き、ミキサーをセットし、バスと電車で通勤し、キッチンで皿を洗い、就中いつも本を読み、眠れない夜はティーパックをペーパーに包み込みダイ>>続きを読む

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

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「かつてはスタジオ映画というものが存在していました。今やマーベルの映画だらけです。マーベル映画とは、どういうものなのでしょうか。マーベル映画とは、それぞれが違うものに見せるため、これまで繰り返し繰り返>>続きを読む

オデッセイ(2015年製作の映画)

1.2

わけわかんない。だらしない。
リドリー・スコットの民主は犬にでも食わせろ。
むしろ犬を見たい。

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

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白い神話学。バーニング風。
証言の不-可能性、パッションの教室シーンの拡張、信憑な嘘の告白という恐怖政治(テロル)、そして軽薄な魂の浅薄な顔たち。微笑みを忘れたの?ニンゲン合格ではない。

これは反
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アンナと過ごした4日間(2008年製作の映画)

5.0

非常に雑駁な議論になるが「愛の不可能性」ということだけ言うなら、『接吻』への最良の解答として『アンナと過ごした4日間』はある。『アカルイミライ』『サッドヴァケーション』『接吻』とここ数年の面会室におけ>>続きを読む

ファララ(1983年製作の映画)

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吉祥寺で70-80年代の8mmを観たのだが、所謂サークルの先輩と比べる(画面に才能が張り付いている黒沢、どこまでも何食わぬ顔でギャグをきめてくる万田、予想の範囲内の早稲田高橋、恐らくこれ一本だけが生涯>>続きを読む

相棒 劇場版Ⅳ 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断(2017年製作の映画)

1.0

劇場版という副題は最低の茶番以外にはない。
日本人、国家、人々、正義、この国、テロなどと口にされるあらゆる日本映画は最低の映像と演出と音として存在する。
本当にゴミのようだ。わざわざ24コマで撮るべき
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

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なんでも出ることは正義か。
これなら、デヴィッド・O・ラッセルかアダム・マッケイが指揮をとればいい。プロデューサーは馬鹿だろうと思えば、リドリー自身製作なのかも知れぬ。こいつは石原か。

とにかく、イ
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鳩の撃退法(2021年製作の映画)

3.5

音のない松竹はいい。
贋金つくりの差延が現れることはないが。

主に前半30分まで、本当に微々たるものなのだが、積み重ねられた日常の社会の住人たちは、土地の名、土地を消し去りつつ、地図も見せず、方向=
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トロイ  ディレクターズカット(2004年製作の映画)

4.5

4度目の挑戦でようやく最後まで見る。
ギリシア史をつらぬく大事な経糸。
少し時代は違うが、どうしたってパウンドの
詩句「ミノース文明の波動」と。

喪に服す、弔いに関わる、あるいは死者の権利。アンティ
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レインメーカー(1997年製作の映画)

5.0

ところどころ問題はあるが、
何度見ても最高です。良識がまだあった時代の映画。

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

1.7

リドリー兄さんの望遠ギミック古代・中世シリーズ。
涜神、露悪派の渇きとは絶望すらできない安寧によって、要はとても暇な顔たちが手前の現前性の仮面の凛々しさを誇り自涜するためだけにツッコミなきコントを演じ
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リクルート(2003年製作の映画)

1.3

リクルートはパターナリズムか、指導教官はパターナリズムだろうよ。
古き良き即席ラカン派CIAロードショーものの駄作。
20世紀までのアル・パチーノ(The Insider)であるなら、ぜひともファーム
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フォーン・ブース(2002年製作の映画)

3.7

ありし日のコリン・ファレル。2は作られなかった。
当時は熱狂した記憶があるが、まぁ、今、何の気なしに見てもそれなりに。
フォレスト・ウィテカー全盛期だから、保証はついている。
ワンシチュエーション、リ
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あなたは私の婿になる(2009年製作の映画)

3.7

思ってたのよりかなりいい。
犬が小さい頃のチロにそっくりだったので、もうそれで満足。
ライアン・レイノルズのキョトンとした巻き込まれ型のリアクションもいいし、嘘の中で立場が幾度も反転するお決まりのロマ
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101(1996年製作の映画)

3.7

全部は観なかったが、最初の20分くらいはとてもいい。
ジェフ・ダニエルズが最高なのはそうで、出会いも擦れ違いも掛け合いも素晴らしい。美術も懐かしいロマコメの舞台のようであった。
クルエラ役の人だけファ
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アバター(2009年製作の映画)

1.0

たまたま「タイタニック」を2回見直すという僥倖に立ち会い、こちらも鑑賞。当時もひどい記憶しかないが、これは苦しい。

CGやアニメの中で、一体生身の俳優の属性はもちろん、声と顔だけが残るのだが、同様の
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スノー・ロワイヤル(2019年製作の映画)

1.3

こういうのを、企画だけ立てて、想定の範囲内で終わらせる、はっきりと存在しない方がマシという映画。ルーティンすぎる。クソつまらない。早送り後、開始25分で観るのをやめた。
まだパン屋の方が、現実に、その
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偶然と想像(2021年製作の映画)

1.3

濱口竜介による孤高の反戦映画、厚顔テラス会話劇シリーズ。
大嫌いなホン・サンスの香りと共に。

「香も音も色もただそれを感じる人間の感覚器官がちがってゐるだけで」
抒情歌(1932)〈川端康成〉

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ザ・ファブル 殺さない殺し屋(2021年製作の映画)

3.5

エンタメ。映像系ディレクターによる。
建物の隙間をなだれ落ちていく空中戦や足場崩しのアクション、VFXも圧巻。
団地でのワイヤーアクションの妙味に尽きるが
唯一岡田准一に拮抗し追い詰めていたアサシンの
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劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班(2021年製作の映画)

1.8

ドラマの続きを期待したが、ほとんどコナンのように、原初への問いを遅延させての、やはり劇場版。
とっかかりの冒頭は面白そうだが、国家の罠は、あまりにも杜撰で稚拙な凡庸陰謀(現実の日本のままだ)のゲームら
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キャッシュトラック(2021年製作の映画)

4.3

渋い。かなりいい。
マシュー・ボーンではなく、ガイ・リッチー。
マフィアのボスによる潜入というのはいいアイディアだし、地味にキャストが豪華。
ジェフリー・ドノヴァン、スコット・イーストウッド、ホルト・
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96時間 レクイエム(2015年製作の映画)

1.5

シリーズ最終章は杜撰。
もはや『逃亡者』になったわけだが、1,2を経て、どんどん悪役がゲームのクリシェに陥る。いまさらフォレスト・ウィテカーが出てきても遅い。

96時間 リベンジ(2012年製作の映画)

3.0

シリーズ化するつもりもなかったであろう2。
そのままの復讐はさもありなん。
『アイズ ワイド シャット』のラデ・シェルベッジアを持ってくるわけだが、『アイズ ワイド シャット』のイメージが強すぎて、軽
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96時間(2008年製作の映画)

4.1

シリーズの中でも、唯一邦題のまま。
再見。
リュック・ベッソン派閥ながら、なかなか面白い。

クライシス(2021年製作の映画)

1.7

オピオイド系映画。
終盤まで傑作(ラストは史実に残念)に見えたドラマ「DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機」を経て、Videonewsの後に、見るものもなく。
DOPESICKに比べると、ち
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グランド・イリュージョン(2013年製作の映画)

5.0

メリエス派?
身も蓋もない胡散臭さをよくもここまでわが物顔でエンタメに仕上げている。日本は独りでシリアスに闘うが、アメリカはいつもチームだ。芸達者が集まれば、メリエスでも十二分にリュミエールに拮抗でき
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メリーに首ったけ(1998年製作の映画)

4.1

忘れていた。メリーに首ったけはファレリー兄弟だってことを。
そしてすでにしてキャメロン・ディアスが最高だと。ベン・スティラーもいると。この映画は最高だ。

インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実(2010年製作の映画)

4.5

セルフナショナリズムの美学の体系。
マネー・ショート を補完する仕事。

映画は後からのものであり、瓦礫のもとでしか撮られない。
ロビー活動からの規制緩和と箍が外れた世界。
何も変わらない何も。

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マネー・ショート 華麗なる大逆転(2016年製作の映画)

4.7

市場が狂っているのではなく、あくまでも人が。
ライアン・ゴズリング含め、彼ですら、等身大に違和感なくこの世界に溶け込んでしまうのは、この映画を1年に1度は見てしまうことも含め、どうやら金融システムその
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スキャンダル(2019年製作の映画)

3.5

シャーリーズ・セロン、特殊メイク(カズ・ヒロ)で
ローレン・バコールに寄せていた(本人は知らないが)。声質もバコールのようでいい。
カメラは『麦の穂をゆらす風』。脚本は『マネー・ショート 華麗なる大逆
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マーシャル・ロー(1998年製作の映画)

1.0

エドワード・ズウィックはクラスに一人はいる誰でも構わないあいつのことだ。ズウィックは愛すべき好人物だが、センスがない。時勢も読めない。
特にこのマーシャル・ローはひどい。最後まで見れた試しがない。
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フリー・ガイ(2021年製作の映画)

3.0

スピルバーグ『レディ・プレイヤー1』『トゥルーマン・ショー』
赤いバイク、抱っこに二丁拳銃という『ナイト&デイ』ピンポイント丸パクリはいただけない、その覚悟も軽さもない。監督のショーン・レヴィは顔がふ
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タイタンズを忘れない(2000年製作の映画)

4.1

民主主義ではなく独裁者として来た。
とデンゼル・ワシントンは言う。風のように現れるストレンジャーとして。
ゲティスバーグ。そう、立憲にはこのようなストレンジャーとしての気概が微塵もない。
ブーンコーチ
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クリムゾン・タイド(1995年製作の映画)

4.5

こちらカーク船長、ワープ速度で修復急げ
あり得ないが起こり得る歓喜。

危機管理と真理という賭け。正義の側。自前のラスト・ミニッツ・レスキュー(最後の瞬間の救出)3分間の静寂。ポルトガルの馬の話。白い
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エージェント:ライアン(2014年製作の映画)

4.5

シネマ、それは現実を忘れること / ジャン=リュック・ゴダール
(現実を伴って)
目を瞑りながら見るこの夢。とはしかし、現実の撮影の労働を通して行われる。
私たちは、労働の生成変化(Life)そのもの
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