harunomaさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

シチズンフォー スノーデンの暴露(2014年製作の映画)

3.7

朗読される手紙、声としてはじめて現れる手紙には、もはやそれが紙の手紙なのか、デジタルのメールなのか、違いはない。もちろん書かれる内容の差異はあるだろうが、映像においてオフで入ってくる手紙とは、声以外に>>続きを読む

メッセージ(2016年製作の映画)

2.1

予告編で「メッセージ」の冒頭に新海誠のコメント、そしてエイミー・アダムス(幼い娘を亡くした言語学者の母親)、倒れそうでした。ほとんど『コンタクト』21世紀版に違いなく、ゼメキスとの勝負になるが、透き通>>続きを読む

残菊物語(1939年製作の映画)

5.0

『残菊物語』(35mm版の)森赫子、素晴らしい。
経年のフィルムの傷(ノイズ)もありますが、ロングショットの中、森赫子の顔は見えず、ほとんど亡霊のような声の存在として強く、ただ中盤か後半の1カットだけ
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プロミスト・ランド(2012年製作の映画)

3.7

Promised Land において "Global Go Home”のサインの中心人物がジョン・クラシンスキーであり、ブルース・スプリングスティーンまでバーで歌ってしまうという脚本も、製作も同じ当の>>続きを読む

ファーストラヴ(2021年製作の映画)

1.1

作り手には二種類の人間がいる。
一つは、ふざける才能があって、ギャグをギャグとして映画を駆動し得るかも知れないと意識的なセンスの人間。
もう一つは、何も考えずに適当に作り、努力と称して結果的に歴史を逆
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

1.7

ライアン・ジョンソンは何かができると思わせる。
この題材で、クローズドサークル、このルック、豪華な俳優陣、ショットの切り替えもいいし、ダニー・エルフマン風のファンタジックな楽曲やら、望遠(フィルター)
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晩春(1949年製作の映画)

5.0

『晩春』『Late Spring』(1949年)
- 晩春における反復性について -
    

「晩春」は映画の中心となる父と娘の家だけでなく、多く場所が決められた位置からの撮影-フレーミングで出来
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

1.2

ロブ・ライナーがいいなんて誰も思ったことはないとは思うけど
案の定、というか初めて全編通して金曜ロードショー吹き替え版で流し見した。
うん、つまらない。
リヴァー・フェニックスが出ているのがいい。
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ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

2.1

グリーンラベル(グリーンの時代)となった
レオス・カラックスは全くダメだと思う。酔狂の域を脱しない。
無いよりかはマシという程度の復帰だろう。

活劇の熱量がシャンプティエのデジタル・シネマではすべっ
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美しき諍い女(いさかいめ)(1991年製作の映画)

5.0

まずマリアンヌ。
この国では近年、若者を中心に、無防備にリヴェット・バブルがなぜか盛んに許されている。
保守本流たる理念も思想も通底し得ない歴史のなさの中から、相対的にこの中庸なる不思議な者の肌に触れ
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フェア・ゲーム(2010年製作の映画)

2.1

フェア・ゲーム
再再見。こんなにつまらなかったか。
ジャーナリズムネタという以外、これと言って良くない。
CIAはナオミ・ワッツ、家に帰ると無防備独断演技が許されるバージョンのショーン・ペンという自意
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オーシャンズ8(2017年製作の映画)

3.3

男のいない女たち
敵はいない、敵はいらない。であるがゆえに西部劇ではなく、ナンシー・シナトラというよりウエスト・コースト・ジャズとなり、見やすい。拳銃も刑事もいない。

単独主演級の女優たちが今までの
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ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

4.2

次回はイコライザー vs コンサルタントを希望。
デンゼル・ワシントン。

アルマゲドン(1998年製作の映画)

4.2

断言しよう。
『クワイエット・プレイス』を製作したマイケル・ベイは
世界で三番目くらいに偉い。
もっとも撮影監督のジョン・シュワルツマンも偉いのだが。ジェリー・ブラッカイマーも。
正式公開の尺が既にデ
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ダイ・ハード(1988年製作の映画)

1.0

太田光が思い出ベストの一つだと言うから、見てみたが
ゴミ以下のつまらなさだった。
時代とはいえ、この太田の補正はやはりこいつは信用ならない。武以下の単なる知識人になろうとしている哀れな二番煎じのレプリ
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ザ・ウェイバック(2020年製作の映画)

3.7


何のことはない映画だが
アル中で、色々訳ありなベン・アフレックの荒み具合がとてもよい顔。
反転、バスケのコーチの時は、スポーツはすべてを忘れ、単純な勝ち負けの闘いのうちに美しく
怒号せる荒みベンが、
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罪の声(2020年製作の映画)

1.9

毎年恒例の昭和犯罪ネタ拡大公開系サスペンス。
ほとんど邦画ではお正月映画の様相を呈し、原作、企画の段階から紋切り型をなぞることが至上命題かのように進んでいく。
ところどころ不穏な低音のリズム、音響がト
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

5.0


ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書 / スティーヴン・スピルバーグ


クレーシス 
取り残された 王女のまどい






 かつて人は、その国民の創生神話や英雄の伝説にかかわるストーリーをかっ
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ウーナ 13歳の欲動(2016年製作の映画)

-

私の名を呼ぶな『ウーナ』  
ルーニー・マーラについて


“I hate the life I've had”
人生を失った。残っているのは名前だけ。たかだが20代後半の女性に、15年ぶりに再会し
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

-

『ウーナ』の脇役の一人の彼が、このように主演の映画ができるというのは、喜ばしいことかも知れない。『ウーナ』の時のあのあやうい目の方がよかった気もする。
途中まで鑑賞。

南部か西部か知らないが、デレク
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かもめ食堂(2005年製作の映画)

2.3

pretty good
悪くはないが、ありきたり。
荻上直子は初めて見たが、カウリスマキあり、ゴダールありで、噂にたがわずそこそこ面白いし、自然光を堪能したり、繋ぎじゃないショットもあった。森のロン
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人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

1.5

久しぶりに踊るを見た後に、小栗旬ということで。
はい、すごくつまらない。全員イケメンすぎて文豪ストレイドッグスみたいになってる。
坂口安吾が大好きな藤原竜也がやってるが、酔っ払って絡んでも、何の感慨も
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11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち(2011年製作の映画)

1.0

ゼロ以下。別に若松がいつも正しかったことはないし、実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(2008年)、海燕ホテル・ブルー(2012年)などはよかったが、ここまで調子に乗って、何か俺は語れるとか若松が晩年>>続きを読む

ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015年製作の映画)

5.0

トゥーランドットの勝利。
オペラ座でのトゥーランドットの壮麗なアクション(嬌艶なレベッカ・ファーガソンの足の主題、演奏中のキャットウォークでの静かなる死闘)

「トム・クルーズ-永遠の若さを追求して-
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

1.2

イーストウッド、青山、黒沢の痛みが全くない。
暴力は存在論的な身体の交換だが、ここには根源的な痛みはなく、ただ体を動かすアクションがエンタメ風にドラマの中に置かれているだけだし、彼らはアウトサイダーで
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見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

4.5

わたし、この人知ってます。

ジェニファー・ジョーンズつながりで再見。
匿名的=記名的な足から始まる
遊園地の悪夢的な転調のイメージはこれが映画史上初なのではないか。
回転木馬すら怖い円運動であり、コ
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白昼の決闘(1946年製作の映画)

3.7

白昼の決闘 -完全復刻版-

ビクターの画質いいやつです。
映画史より、ようやくの初見。
映画史の抜粋の方が、命懸けの美があるのが不思議。

土から生まれたものは土にかえる。 
しかしエーテルの中から
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ジェニーの肖像(1947年製作の映画)

4.7

顔見知りの乗客。

ジェニファー・ジョーンズは犯罪的に淫靡だ。ここでは小林秀雄の言う一種の動物が全面的に肯定される。肉の塊がダンスし、微笑み、歌う。ラストはほとんど出エジプト記であり、この時代の特殊撮
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リズと青い鳥(2018年製作の映画)

5.0

『リズと青い鳥』
微細なものの変化(繊細さ)と音響的自由でその存在を活写した、芸術の領域においてアニメ映画の金字塔とも呼べる作品。
Shaning M6proと2.5mm,SENNHEISER HD
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Love Letter(1995年製作の映画)

2.0

2005年以降、世界の映画史で一番ダサくなったのが、ヴィム・ヴェンダース(過去作の「パリ・テキサス」のルックは言うに及ばず、まさか「ベルリン 天使の詩」ですら)である。それは私たちの生の知覚がようやく>>続きを読む

望み(2020年製作の映画)

2.0

いまさら少年犯罪。
当事者不在の罪と罰は、家族とマスコミと絵に描いたような世間の板挟みのなかに、愛も倫理も何一つそこにはなく、宙吊りのサスペンスは噂の域を出ず、生徒における闘争は皆無であって、ただただ
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時雨の記(1998年製作の映画)

2.0

セントラル・アーツ。
なぜ仙元誠三ではないのか。
木村大作も荒井晴彦も、所詮は人間でしかないということ。
あまりにも真面目すぎる。職人澤井。
澤井信一郎のカット割りも演出も、このカメラマン木村大作のフ
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デジャヴ(2006年製作の映画)

5.0

最早ムルナウに比肩する古典。

きみに大いに関係がある。
路面電車と共に、幼年期に関わるフィルム。
バックミラーとは前進しながら過ぎ去った過去の幻影を見る行為だが、過去を救うとは幾つもののっぴきならな
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TENET テネット(2020年製作の映画)

2.1

戦争とは、与えられた死のもうひとつの経験である。 J.D.

これってマイアミ・バイスとヒートに自力逆再生(スローモーション)ギャグコントをシリアス風なラノベ世界観に当て込んだなにかだろうか。
abe
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

1.2

とても普通。これは見やすい。
図式的な軽さに、キャラはルノワールのどん底みたいであり、マッチスティックメンのミッションは痛快にすら見える。
前半思ったほど露悪的ではないのがグエムルの監督の証か。
マー
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サイレント・トーキョー(2020年製作の映画)

1.1

このレビューはネタバレを含みます

恒例の
デジタルごみ映画
サイレントーキョー

渋谷スクランブルは爆発してよかったが
爆発のスローモーションの描写は卑劣すぎる。正直引いた。
東映と電通というバカとバカが組み合わさるとこうなる。
近年
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