Mさんの映画レビュー・感想・評価

M

M

映画(82)
ドラマ(0)
アニメ(1)
  • List view
  • Grid view

ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

5.0

社会に壊され、人を愛せず暴力や金に囚われた人間になってしまう。壊れても、過度な「自己責任」社会の中では自業自得と言われて突き放され逃げ場は無い。一番恐ろしいのは、現代社会は人を壊すシステムを作っている>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

4.0

90年代日本のテレビ番組では、フェミニストの学者が「男に選ばれないから嫉妬でキーキー言う女」と男性出演者に蔑まれており、何だったらそれに女性も加担していた。醜悪な時代だった。(今も大して変わっていない>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

「有害な男らしさ」をフェミニストではないレズビアンの中に見る映画。仕事においては誰よりも男らしく居丈高で、家庭においても絶対的な父親であるター。彼女の完璧な人生はいつの頃からか古びて朽ちはじめ、新しい>>続きを読む

EO イーオー(2022年製作の映画)

3.0

スコリモフスキ監督、映像が強くて音楽が良いのでいつも予告編にやられて映画館に出向くのだけど、いざ観てみると妙な映画という特殊な放置プレイ(?)の繰り返し。いつの時代もロバと少女の絆は純粋、人間は果てし>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

2.5

皆が少しずつ「寛容」になれば、世界が平和になるよというお話。ヒステリーを起こして怒鳴りまくる疲れた主婦が気付きを得て自らを変えるのだけど、その主婦を「不寛容」にさせているのは社会に他ならないと思うので>>続きを読む

ラスト・オブ・イングランド(1987年製作の映画)

4.0

後追いThe Smithsファンで、必然的にデレク・ジャーマンにたどり着くという懐かしくも痛々しいアオハルの記憶。多感な時期に退廃的な世界観の影響を受けすぎて、こんなものを観なければ、もうちょっとマシ>>続きを読む

愛の神、エロス(2004年製作の映画)

4.0

「エロスの純愛〜若き仕立屋の恋」のみのスコア。
原題の「The Hand」の通り、手でのみ紡がれる美しいエロスの描写に涙。どんな境遇でも気高いチャイナドレスのコン・リーと、誠実さを物語る白シャツ姿のチ
>>続きを読む

白蛇伝(1958年製作の映画)

3.5

蛇好きなので蛇目当てという不順な動機で鑑賞。
白蛇さまが大変可愛らしくて、その点だけは白蛇伝>道成寺(川本喜八郎)。そもそも後者は見た目が龍なんだよな。東映動画らしい喋る動物たちが沢山でてきて大活躍。
>>続きを読む

道成寺(1976年製作の映画)

5.0

4K修復版を試写にて視聴。

能や浄瑠璃と聞くと何やら敷居が高そうだけど、古典芸能の知識が無くても物語として普通に面白い。川本喜八郎の真骨頂である風格ある人形たちが、恋をしたり、逃げ出したり、追いかけ
>>続きを読む

おこんじょうるり(1982年製作の映画)

5.0

4K修復版を試写にて視聴。

国立映画アーカイブで見た人形も可愛かったけど、動きが伴うと魅力倍増。滑らかなストップモーション・アニメが人形に命どころか、愛や喜び、そして哀しみまでも吹き込んでいきます。
>>続きを読む

皆殺しの天使(1962年製作の映画)

5.0

ブルジョワジーやカトリックは悪だという基本的な世界観と気が合えば、あとは悪い人たちが大変な目にあうのを観て愉しむ映画。何日間も勝手に監禁されている割には、紳士淑女のみなさんの風貌がそこまで悲惨な事にな>>続きを読む

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

5.0

一部の特権階級が労働者階級を支配しているが、労働者たちに教育を与えれば特権階級をも駆逐する力になる。というヨーロッパ映画のあるあるストーリーが、奇っ怪な世界観の完成度の高さと、アニメーションの引き出し>>続きを読む

話の話(1979年製作の映画)

5.0

神の仕事。近代化や戦争や大人たちに翻弄される弱き者の姿がハイイロオオカミ君の目を通して描かれ、それはやがて哀しい記憶の断片が連なる詩になっていく。
極寒の地ロシアで富も名誉も求めず、何年もかけてひたす
>>続きを読む

霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ(1975年製作の映画)

5.0

この美しい世界について自分ごときが何を言うこともできないのですが、川に落ちても星空を眺めながら流されるがままでいたヨージクの心を忘れないよう、スマホカバーも待受画面もヨージクにしています。もはや私のア>>続きを読む

極道の妻たち(1986年製作の映画)

4.0

五社英雄監督ファンなので、嫌なことを言われた時はにっこり笑って受け流し、心のなかで五社映画の台詞を呟いています。

「わてが今あんたの言い分黙って受けたんは関西極道の仁義や。この次からわての前にこの面
>>続きを読む

悪魔の手毬唄(1977年製作の映画)

4.0

どんなに汚い格好をしても全身から生粋のインテリ臭が漂う石坂浩二、絶対にこんな田舎にはいないフランス帰りの岸恵子、極めつけは哀愁漂う善良な男を演じる超ヤンチャな若山富三郎。この3人が市川崑監督の元で金田>>続きを読む

ソング・オブ・ザ・シー 海のうた(2014年製作の映画)

4.0

バキバキの3DCGアニメは吹替版で、手書き感のあるアニメは原語版で観る、という謎のこだわりのもと本作は原語版で鑑賞。

日本の民話にも通じるようなケルト神話の世界が絵本のような手書きの水彩画で繰り広げ
>>続きを読む

マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

5.0

人生って本当に、「ここ」ではないどこかを探しに行って、結局そんなものは無く全ては「ここ」にあると悟って戻ってくるだけの長く辛い道でしかないのだけど、片腕スキンヘッドのシャーリーズ姐さんがそのデス・ロー>>続きを読む

アンタッチャブル(1987年製作の映画)

5.0

ケヴィン・コスナーに夢中なだけの単純な中学生だった私に、素晴らしい映画には素晴らしい演出、美術、衣装、音楽が不可欠という事、デ・ニーロ・アプローチという言葉、そして良い人も死ぬことがあるという悲しさを>>続きを読む

ロシュフォールの恋人たち(1966年製作の映画)

5.0

偶然の出会い、運命の恋、都会での夢……。青春時代のキラキラが余すこと無く詰め込まれた夢のような世界なのに、この夢はいつか泡のように儚く消えるだろうと思えて切なくて涙が出るのは、ミシェル・ルグランの神が>>続きを読む

ラスト、コーション(2007年製作の映画)

5.0

同胞を虐殺する憎き日本軍の手下でも、ベルトで縛って犯すような最低男でも、もしかしたら愛してしまうかもしれないと思わせるトニー・レオンの説得力よ。あの色気には何人たりとも抗えないです。

アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)

5.0

仕事でプロジェクトとか上手く行かないときに観る。
生気のない顔で一人ずつ脱落していく出演者、そんな中ずっと異様な面相で居座り続けるクラウス、映画のためなら何だってやりかねない監督、前提としてジャングル
>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

5.0

絵に書いたような平均的なベッドタウンで高校時代を過ごした。三島由紀夫ばかり読んでいる痛くて暗い子だったので当然クラスに馴染めないんだけど、他人と違う事を恐れ、また抗うほどの信念も持ち合わせず、流される>>続きを読む

ベニスに死す(1971年製作の映画)

5.0

若作りをして汗だくになりながら美少年をつけ回す滑稽なダーク・ボガードを、涙なくして観ることができますか。あれは老いていく私たちみんなの姿です。それを、上流階級パワー全開の最上級の映像・美術・衣装・音楽>>続きを読む

地獄の黙示録(1979年製作の映画)

5.0

家の中では何でも思い通りにしたいので、ステイホームしていると自分が小さな世界の小さな暴君に思える事がある。なので今ならより解る、ジャングルの奥地に独裁国家を創ってしまったカーツ大佐の気持ち。みんな心に>>続きを読む

惑星ソラリス(1972年製作の映画)

5.0

人類は、

・『惑星ソラリス』を観ていない人々
良心や後悔と上手く折り合いをつけ、幸せに暮らしている。

・『惑星ソラリス』を観てしまった人々
良心や後悔が具現化して自分の前に現れるのではと、ビクビク
>>続きを読む

テオレマ(1968年製作の映画)

5.0

聖なるものの前では性別や容姿、財産などの表面的なものは何の意味も成さないこと、神聖性は素朴で純粋なもののみに宿る事を学びました。二十歳の頃に観ましたが、その時点で既に欲にまみれていた自分の地獄行きも決>>続きを読む

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

5.0

・常に冷静沈着に大局を見る。
・必要であれば嘘もつく。
・敵は一網打尽に潰す。
・裏切り者は身内でも容赦しない。
というビジネスマンのいろはをマイケルから学び、立派な社会人になれました。でも、本当はソ
>>続きを読む

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

5.0

モノリスが好きすぎて黒い洗濯機を買って(白物家電とは)モノリスと呼び始めたときから、モノリスの電磁波から脳が干渉を受けているのだと思う。早くあの部屋に行きたいです。

マダム・クロード(1977年製作の映画)

-

名曲とともに愉しむ王道フレンチ・エロス
『エマニエル夫人』のジュスト・ジャカン監督とセルジュ・ゲンズブールというフランスを代表するエロスの巨匠がコラボレーションした、絶妙にエロい映画。もちろん物語に深
>>続きを読む

白い記憶の女(1988年製作の映画)

-

英国紳士は他国の奔放な女性がお好き。
昔イギリスの雑誌のお悩み相談コーナーに「スペイン人の彼女が、どこにいてもセックスをしたがって困っています」という投稿があって笑った覚えがありますが、この映画は「ド
>>続きを読む

蘭の女(1990年製作の映画)

-

「今夜デートがあるの 代わりに行って」
という完全にパワハラな上司命令で行ったデートの相手は、セクシーすぎるミッキー・ローク。誰もが羨むセレブの彼だったが、実は愛を知らない不器用な男だった……。という
>>続きを読む

フィギュアなあなた(2013年製作の映画)

-

こんな女の子いないよ その2
仕事がうまくいかない編集者が、廃ビルで等身大美少女フィギュア(ほぼ人間)に出会う。理想の少女をフィギュアにしてしまうところは、さすが日本流。フィギュアなら、裏切らないです
>>続きを読む

罠 -少女の誘惑-(2015年製作の映画)

-

こんな女の子いないよ その1
仕事がうまくいかないシナリオ作家が、山奥の民宿で思わせぶりな小悪魔美少女に出会う。童顔なのに、真冬でも常に生足背中出し、たまに乳出しで誘惑してくる少女の過激さはさすが韓国
>>続きを読む

ロリータ(1997年製作の映画)

-

欧米人による上品なロリコン趣味
ロリータ・コンプレックスの語源として有名な小説の映画化ですが、肝心のロリータがやたら大人びているので、ロリコン大国ニッポンの住人から観ると変態度は低めなのではないでしょ
>>続きを読む

蜜の味 テイスト オブ マネー(2012年製作の映画)

-

「老いた女もしたい時があるの」
娘のように若いメイドを愛人にしている男と、浮気夫に対抗して息子のように若い部下と寝るその妻の夫婦喧嘩の顛末。愛人に本気になってしまい金も権力も捨てる夫のロマンティックさ
>>続きを読む

>|