このレビューはネタバレを含みます
【再鑑賞】
『ナイト・オン・ザ・プラネット』ロサンゼルス編のスピンオフと言っても納得してしまいそうなほど、タクシーの車内でのシーンが丁寧に撮られています。
ひた走るタクシーの緩やかな走行や窓の外を流れ>>続きを読む
【再鑑賞】
目まぐるしく展開する奔放なイマジネーションの応酬に、最初から最後まで目が離せません。
初めて観たときは、アニメーションという制作上、どうしても作為が介入してしまう映像ジャンルにおいて、ここ>>続きを読む
【再鑑賞】※前回はDVDにて視聴
淫靡なエロティシズムが漂う清順の美学に酔いしれます。
この官能性の一端は原田芳雄の存在が担っていると言えるでしょう。ワイルドな風貌も魅力的ですが、あの低く響く声が>>続きを読む
【再鑑賞】
シュワちゃんの映画はユーモアを忘れないとこが素晴らしいですね。
本人にその気はないかもしれませんが、ただ柱の陰に突っ立っているだけで何だか笑えます。
その存在で映画を牽引する、まさにスター>>続きを読む
黒澤明の『乱』と『アウトレイジ』の融合と化学反応を期待していただけに、正直、少しハードルを上げすぎたと反省しています。と同時に、北野武の集大成的なものを感じ、ある意味で納得もしました。
北野監督を慕>>続きを読む
学生映画の延長のような作品でした。プロの表現者として、もう少し露骨に野心を曝け出してもいいのではないかと感じました。
【再鑑賞】
透明なまでの凶暴性が画面の隅々にまで脈打っているという点で傑作と呼ぶに相応しい作品です。
タイトルの「Helpless」とは「孤立無援」という意味ですが、本作の登場人物はまさに「孤立無援>>続きを読む
ゴジラ好きなので、観に行ってきました。
率直に言って、山崎貴という人は、いわゆる平凡な普通のドラマを撮れない映画監督なのだと改めて感じた次第です。そもそも私自身、彼の映画を数本観ていますが、心底おも>>続きを読む
【再鑑賞】
無限のイマジネーションが登場人物たちを飲み込んでいく様子が、自由自在で緻密なアニメーションで描かれ「動く絵」の醍醐味を堪能できます。
『パーフェクトブルー』でデビューして以来、今敏は記憶>>続きを読む
あらゆる物や人間が山の斜面を転がり落ちる。あらゆる物や人間が窓から外へ放り投げられる。
この単純な運動の連続が、痛快極まりないです。
リュシュカを演じるポーラ・ネグリのチャーミングな魅力。様々な形>>続きを読む
原作者が篠原とおるということもあって、ヒロインのキャラクター造形などは『女囚さそり』から多くを受け継いでいます。
ただ『さそり』の梶芽衣子が非ポルノ女優であったのに対して、本作の杉本美樹はデビューから>>続きを読む
ラース・フォン・トリアーは映画作りに何かしらの制限を設けることで、ゲーム的な遊び心を作品に導入させたい趣味の持ち主のようです。(ドグマ95に基づいて制作された『イディオッツ』然り、床に白線を引いただけ>>続きを読む
入れ子構造になった物語の構成、からくり仕掛けの画作りが楽しい短編4部作の一編。
ウェス・アンダーソンらしさが溢れているし、短編という手軽さも含めて、入門として初心者の方にオススメできそうです。
包>>続きを読む
【再鑑賞】
夜空に煌めく花火、青空を反射するプールの水面、燦々と降り注ぐ太陽の日射し、夕暮れの爽やかな風にそよぐ草木などのイメージが、少年たちの淡く切ない物語を瑞々しく彩ります。
ノリミチを始めとす>>続きを読む
作り手の執念とこだわり、そしてそれに基づいて確立された作品の世界観は評価できると思います。
【再鑑賞】
向かいのアパートを一方向から見た平面的な画面は、サムネイルのように並んだ窓が動画サイトのトップ画面を思わせます。
仕事中の事故で脚を骨折した主人公は、日がな毎日、車椅子に座ったままお気に入>>続きを読む
本作を元に再編集して構成された大野一雄のアートフィルム『KAZUO OHNO』は既に鑑賞済みでした。レナート・ベルタのカメラが見事で、それはそれで独立した作品として素晴らしいものでした。
しかし、この>>続きを読む
東映製作の特撮の珍品です。
特撮と言えば『ゴジラ』シリーズに代表される本多猪四郎と円谷英二のコンビで名作を量産した東宝のお家芸ですが、東映も少し遅れる形で制作に乗り出したといったところ。
どうして>>続きを読む
何とも不思議な魅力を持った映画でした。
ひたすら緩慢で、主題らしきものも見えづらく、ご都合主義的な展開もしばしば。
それなのに…。登場人物たちの無計画で、無方向な振る舞いに何故か惹きつけられます。>>続きを読む
【再鑑賞】
山本富士子の初登場シーンが素晴らしい。
艶やかな着物を着た若い女性が、軽やかにタクシーから降りてくる。あたり一面を一瞬にして華やかな空気が包み込む。そのワンショットを見ただけで直前のシー>>続きを読む
冒頭のバーのシーン。
店内の広さ、主人公が座る席の位置、他の客たちの視線の動き、女主人がオーダーを取りに来るタイミング、登場人物たちが店内を移動するときの距離とスピード。
どれも的確で、朴訥な黒人青年>>続きを読む
ベッティーナを演じたヒルデガルト・クネフの面影が何処となくベルトルッチの『暗殺の森』に出てたドミニク・サンダと重なります。
何やら訳ありな陰のある女の存在は、サスペンス映画に奥行きを与えます。
【再鑑賞】
平成日本の学生生活とはかけ離れた絶海の孤島で、巷の流行などとはまるで縁の無さそうな殺伐とした少年少女が、拳銃やら斧やら鎌など物騒な代物を手に、スカートを振り乱しながら血まみれで絶命していく>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
愉快痛快、心躍るとはまさにこのことです。
観ている間、私の口元から微笑みが絶えることはありませんでした。
何よりも目の前のスクリーンが悦びに満ち溢れていることに感動しました。
映画の冒頭、いきなり馬>>続きを読む
「影山祐子」
この主演女優の名前を覚えておくべきかもしれません。
呆然とカラオケを歌う姿や背中を丸めて街角に座り込む姿をカメラの前で晒すこと。その「ただそこにいる」ことの重要性を、おそらく彼女は知>>続きを読む