映画を見る猫さんの映画レビュー・感想・評価

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パッドマン 5億人の女性を救った男(2018年製作の映画)

4.0

生理を「穢れ」と呼び、タブーとする社会。
多くの男性は、その存在すら知らない。
1ヶ月のうち5日間。
女性は汚い布をあて、夫に触れることは許されず、家に入れず外で寝起きする。

これが2001年のイン
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メモリーズ・オブ・サマー(2016年製作の映画)

4.2

舞台は1970年代のポーランド。
無言で線路に立つ少年は、向かってくる列車の汽笛に恐れない。
あっと恐怖で顔が歪む母親を、静かに直視したまま、少年は、死を望んで踏切の向こうに立ち続けるのだった。
そん
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.0

権利の関係で、なかなかDVD化されなかったエドワード・ヤンの作品。
という前情報しかもたず寝る前何の気なしに観賞したら、とんだ大長編で思わずうたた寝してしまった。

ひしと離さなかった、お守り代わりの
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汚名(1946年製作の映画)

4.0

ヒッチコックは男女の恋愛描くのはあんまり上手ではなく、特にこの映画なんか見る度に、この男ほんま酷い奴やなってイライラしっぱなしである。
が、それがどうでもよくなるくらい後半はハラハラのサスペンス。
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コンスタンティン(2005年製作の映画)

3.4

何だかなぁと思いつつ、何だかんだで最後まで見てしまった。美男美女で眼福。

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

5.0

これは文句なしの満点
映画好きは絶対見に行った方がいい

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

3.9

最後まで安心して観ることができる流石のピクサークオリティ。
ただ冒頭にアナ雪の続編?のようなものが割りと長くあり、その場を逃げ出したくなるような変な汗が出る内容だった。
けれど本編が始まると、OPから
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霊的ボリシェヴィキ(2017年製作の映画)

3.7

私その日、一人で映画を見に行きました。『霊的ボリシェヴィキ』っていう、タイトルも内容も可笑しな映画でした。
ホラー映画なんですけど、私、笑って見てたんです。
クスクスって、何度も。
映画館を出た後も、
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ハッピーエンド(2017年製作の映画)

4.4

ハネケは本当に期待を裏切らない。
どれだけ歳を重ねても、演出センスが一切衰えず、毎回此方の背筋をひやひやさせてくる。
映画を平面ではなく、空間的にとらえる、演出の上手さは随一。
画面外の世界を想定した
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.5

ぺてん師と罵られても「出てくる人たちが笑顔ならそれでいい」という主人公の台詞に、映画館と添えれば、確かに、この映画の批評そのままである。
それでもなお、あえて考えてみるこの映画の不思議。
それはバーナ
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.7

微妙だ、と感じた映画は大体理由がすぐにわからない。
何でだろう?と、ずっと考えながら首を捻って、帰宅後、ようやく出した答えが
あんまりエロくない、だった。
ふざけんな馬鹿野郎!!!
これはヴェネチアで
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

4.3

子供の頃、母が言った。
「アカデミー賞取ってるのに、全然面白くない」と。
それが『アメリカン・ビューティー』だった。
不思議なもので、母の言葉というのはまるで神の言葉のように脳裏に刻まれているものであ
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早春(1970年製作の映画)

4.8

本当に、男の子ってバカ。
もう、痛々しいくらいに、目を塞ぎたくなるくらいに、捕まえてお尻を叩きたくなるくらいに。バカ。
そんな風に微笑む女性を、天使と崇めて、疑わないのだから。
若さという愚かさは、い
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

3.8

誰一人、好感をもてる登場人物がいない群像劇だった。
皆、他人のせい。
他者に対する責任転嫁は止まらず、過去から何も学ばず、何度も同じことを繰り返す。
物語に出てくる人物が皆異なる立場にありながら、驚く
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希望のかなた(2017年製作の映画)

4.3

カウリスマキ、好き。
監督賛美に作品の感想全て集約させてしまうのは、もしかすると狡いやり方なのかもしれない。
でもやっぱり、繰り返したい。
カウリスマキ、好き。
美味しい日本酒を。
ぱっと口に含んだと
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立ち去った女(2016年製作の映画)

4.4

大好きだと激賞したくなるような映画ではない。
だが、見に行って良かったと心の底から思える映画であった。
耳を済ます。目を凝らす。そこに見つける。いる、ある、生きている。
人間という動物の営みが。
一つ
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去年マリエンバートで(1961年製作の映画)

4.3

毎回違うところでうっすら寝て、違うところでうっすら起きる。
昨晩も、そうでしたね。
去年も、そうだったんですよ。
いいえ、そんな覚えはありませんわ。
そんな風に劇中のやり取りを模しながら思う。
過去現
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gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

3.1

『500(日)のサマー』が好きで、贔屓にしていたウェブ監督。
前評判も良く、期待値が大きすぎたためか、本作は久々に映画館で嘆息が漏れる作品となった。
はっきり言って主人公、あまり好きになれない。
彼が
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.9

続編としては上出来。
前作の世界観をそのまま残しつつ、前作を知らなくても見ることのできるくらい独立したストーリー構成◎。
色々な観点から語ることのできる映画だと感じるが、個人的に気になったのは「女」の
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ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)

4.1

ゴッホは自殺した。
幼い頃、伝記を読んでからずっと定説だと信じていたので、この映画のサスペンスの根幹を成している諸説に、少し驚かされた。
絵画とは本来、移り行く世界を、一瞬を、「静」の世界に繋ぎ止めよ
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女神の見えざる手(2016年製作の映画)

4.5

観客の意表をつく見事な脚本に
それを最大限に活かし
観客を全く飽きさせない手堅い演出。
派手ではないけど、これくらい全体に無駄なく上手くまとまった、満足度の高い映画ってなかなか映画館で御目になれなかっ
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第9地区(2009年製作の映画)

4.5

昔、レンタルショップで働いていた。
このDVDの前で一組のカップルの男の方が
「すっげぇつまんない映画!!!」
と熱弁してた。
同じ頃、実家の母親から電話がきた。
「第九地区っいう酷い映画を見た!」
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イルマーレ(2006年製作の映画)

3.4

以前見たとき、母親がいたく気に入って口を開けばイルマーレの感想ばかり言っていた記憶がある。
個人的にはそれほどハマらない。見直しても、十代の頃見たときと変わらない感想。何でだろう。
オチが最初から読め
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アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)

4.7

雨で潰れた三連休。
徐に見始めた映画、そのうちの一本。
しまった、戦慄。
こんな良作を見逃してたなんて...。
アメリカに蔓延る人種差別問題を白人主義に染まる若者の視点から描いた物語。
ラストシーンで
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ミッドナイト・ラン(1988年製作の映画)

4.0

これはとても面白い。
テンポがよく間延びしていないので、あっさり見れる娯楽映画としてはイチオシ!
映画の短い時間のなかで、登場人物が魅力的に描かれているので、素直に応援したくなる。
家宅侵入、身分査証
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街をぶっ飛ばせ(1968年製作の映画)

4.5

好きな短編映画を十本挙げるとしたら、必ずいれてしまうだろうお気に入り作品。
鼻歌、駆け足、花束、キッチン、パスタ、猫、洗剤、靴、鏡、そして自分。
中盤、彼女の行動の意味が、突然雷に打たれたようにわかる
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右側に気をつけろ(1987年製作の映画)

3.9

『気狂いピエロ』以降のゴダールは理解が追い付かない。いつからか勝手に決め込んで敬遠してた。
ふと本棚から出てきた本作、うっかり見たら思った以上に気に入ってしまい、正直戸惑っている。
何も考えなくていい
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Out 1(英題)(1971年製作の映画)

3.7

リヴェット12時間40分超長編映画。
もて余すほどの不思議っ子展開は覚悟していたものの正直、途中5時間くらいまでは、ややげんなり。
しかし不思議と後半から、癖になる。リヴェットが映画のなかで提示するあ
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.0

久々観賞。
今さら語ることなど何もないくらい、根強い人気を誇るタランティーノの代表作。
見直してみると、すっかり内容を忘れてしまっている。最初に見たとき、あんなに興奮してたのに。
大枠は時系列を崩され
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オープン・ユア・アイズ(1997年製作の映画)

4.0

久々観賞、内容の大部分を忘れてた自分に唖然。
面白いよね、この映画。当時見たときは、大分興奮したな。
ペネロペ・クルスも若くて、お色気シーンも大胆で。
トム・クルーズ主演映画「バニラ・スカイ」のオリジ
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.7

評判が良すぎる映画は大抵、すごくハマるかハマらないかのどちらか。
残念ながらこちらは後者だった。
しかし間違いなく言えるのは、冒頭から一仕事終えるまでは最高にクールということ。
ヒロインとの恋が始まる
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アメリ(2001年製作の映画)

4.8

十代の頃、夢があった。一人暮らしを始めたら 
朝から晩まで映画を見よう、と。
映画史を数多に彩る名作なんて、なにも知らなかった。輝かしき名匠の名もなんて、1つも知らなかった。 
けれども、あの頃の自分
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パターソン(2016年製作の映画)

3.9

一枚一枚、丁寧に重ねられた
ミルフィーユのような「反復」は
所々に隠された異なる
甘酸っぱい果実のような演出によって
よく練られたフィクションとなり
観客の元に届けられる。
さながらジャームッシュとい
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