マクガフィンさんの映画レビュー・感想・評価

マクガフィン

マクガフィン

キラー・ナマケモノ(2023年製作の映画)

2.8

草食系のナマケモノが生態と反して、頭脳と行動力を駆使して女子寮全員を滅殺するB級映画。

ナマケモノが人形でチープ(CGでないことが逆に斬新)。車の運転したり(足届かないだろ)、スマホを駆使する(自撮
>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

2.8

時の経過やLGBTへの捉え方の変化を描くことに感心するが、渾然なテイストが終盤まで続くと焦れったくて退屈に。
内省的なのに家族の無自覚さ、親友による社交性、主人公の孤独などが相乗したり対比にならないの
>>続きを読む

青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

3.7

ミニシアター設立と映画撮影を交差させながらエピソードを膨らませることが良く、映画を作りたいのに撮りたいことを見いだせない葛藤を描くことが興味深い。作中にあった「自分自身のことを描けば、誰でも一本は傑作>>続きを読む

陰陽師0(2024年製作の映画)

2.6

陰陽師系は苦手で、山﨑と染谷のバディ展開に期待したのだが。
VFXに頼り過ぎで、背景やエフェクトも全てCGだと、綺麗なんだけど、画面から浮いていたりスピードで胡麻化しているので微妙。ドラマパートでも説
>>続きを読む

あまろっく(2024年製作の映画)

2.9

明るく前向きな作風は良いが、還暦過ぎた男に20歳の美女がプロポーズして献身的な専業主婦になる、男の都合良さ満載なエピソードに呆れる。あまろっくの含蓄も奇麗ではなく、現在と過去と未来への繋がりが曖昧で、>>続きを読む

劇場版ブルーロック –EPISODE 凪(2024年製作の映画)

2.8

一言さんには親切なキャラの識別がしやすい髪色や髪型などが良く、見やすい作画や構図に感心するのだが。
紫髪の家庭環境に前澤友作や湯婆婆の配置。ストライカー育成のデスゲームかと思ったら、誰も脱落しなそうな
>>続きを読む

恋の豚(2018年製作の映画)

3.4

素直でお人好しなヒロインを、次第に応援したくなる。微妙な関係性なのに心に滲み入るような妙を感じることが城定節に。

妻の秘蜜~夕暮れてなお~(2016年製作の映画)

3.5

義父と妻の互いに手札は割れている状況でのやり取りが興味深く、エロやフェチ展開になりそうなヒネリが効果的。義父のスピリチュアルペインと妻の情念の開放を描きつつ、肉体ではなく、心の通じ合う関係性の心地よさ>>続きを読む

貴公子(2023年製作の映画)

3.4

三つ巴の勢力が絡み合い、ケレン味が溢れて、玉ねぎの皮を向くように徐々に謎が分かっていくことが興味深い。追う側の特徴あるキャラで識別しやすいことは良いが、逃げるマルコの走り方や筋肉の付き方で全くボクサー>>続きを読む

プリシラ(2023年製作の映画)

2.8

プリシラ視点で描くが、アメリカに行ってからは「孤独」ばかり描かれて停滞し、テイストやトーンの抑揚がなくて退屈。プリシラに自分好みを無理強いする半面、無駄に禁欲的な一面があったりするエルヴィスのキャラ同>>続きを読む

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

2.8

前半は『ゴールデンカムイ』っぽくて興味深いのだが。キャラが多いのに群像劇としてのキャラの捌き方がイマイチで、視点が変わりすぎに。中盤以降はプロットよりもキャラや設定ありきで進行し、余計なシーンを挟むこ>>続きを読む

ラブアンドロイド 執事のアダムとぼっちな私(2016年製作の映画)

3.3

シンプルなプロットだが構成が簡潔で的確で、哲学的な要素を挟むことが巧い。ヒロインの演技力は低いが、ぼっちな設定と嵌るので気にならない。健気なアンドロイド執事を次第に応援したくなり、B級的なドタバタさか>>続きを読む

桃木屋旅館騒動記(2014年製作の映画)

2.8

過疎地方の過疎った温泉旅館。テンポが良いドタバタ喜劇で多幸感はおなじみの城定節に。酔ってエロ展開になると思ったら、悪酔いして悪態を付く意外さも。潮吹くタイミングで温泉が噴き出るくだらなさがテイストに合>>続きを読む

いっツー THE MOVIE2(2014年製作の映画)

3.1

「映画 in 映画」の入れ子構造で、映画作りの楽しさが伝わってくる。『桐島、部活やめるってよ』をオマージュした屋上での撮影シーンは片思いを利用したことで、自主映画も映画への片思いからだろう。原作未読。

いっツー THE MOVIE(2014年製作の映画)

3.0

性欲が思わぬ原動力になる思春期の日々。ファーストコンタクトのガールミーツボーイがホラー手法なのにコミカルに描く出会いが秀逸だが、このシーンがピークに。性欲まみれの男子高校生の雑多感に反するような抑制が>>続きを読む

荒野の用心棒 4K復元版(1964年製作の映画)

3.7

オリジナルの『用心棒 』に比べると主人公の行動原理が雑なところもあるのだが。乾いた作風でミステリアスな男の雰囲気のマッチさ、張り詰めた空気から放たれる銃声の良さ、モリコーネの「さすらいの口笛」の音楽、>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.7

プロレスラー一家の残酷物語かと思いきや、プロレスラー2世兄弟の残酷物語なことが興味深い。アメリカの時代や価値観を象徴するかのような家父長制やマッチョ主義で、プロレス・ビジネス狂の父親だけでなく宗教依存>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.4

独特な表現技法で余白と沈黙を喚起させて雄弁に物語るが、視線・表情・距離感で伝えたいことが分かりすぎるので、全てが綺麗に嵌っているわけでもない。BGMなのか自然に流れる音なのか区別がつかないこともあるし>>続きを読む

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

3.0

事態とは裏腹の穏やかなストーリー展開で、シチュエーションや情景が良く、余白が多いことが意外に。脇役のスパイスある配置は良いが、ネックになっていた元カノの父親がお座なりなことや終盤の強引な展開など気にな>>続きを読む

静かなるドン 新章 Vol.2(2009年製作の映画)

2.8

Vol.1よりコメディ要素の効きは良いが、今作も低予算早撮り映画のチープさを補う程の何かが足りない。シリーズ作品故のキャラ立ちは良くなってはいるのだが。

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.5

静謐で深遠な世界観に洗練された映像美に圧倒され、前作の権謀術数な宮廷劇から飛躍し、試練や運命を秘めたアクションが印象的な貴種流離譚に。
主人公の成長過程や心の機微を様々な視点で向き合うことは良いが、重
>>続きを読む

ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

3.3

今作も妹を中心にして家族と仲間の絆を主軸に描かれる。妹の成長物語とし、子供の危うさを扱いつつ可能性を示すことが良かった。ジュブナイル系の続編は失敗することが多いが、小ネタを散りばめながら筋が通った一貫>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.7

情報過多の会話劇だが、核兵器開発競争の時代背景・大義・使命を丁寧に描き、核開発競争と核兵器開発のプロセスを重層的に、〈国家と国民〉・〈政治と科学〉・〈加害と被害〉などの様々な対称性を描くことが巧みに。>>続きを読む

静かなるドン 新章 Vol.1(2009年製作の映画)

2.8

設定と構成は良いが、低予算早撮り映画のチープさを補う演出が足りない。全体的にドタバタし過ぎで、相撲での情念のぶつけ合いのような見所があるシーンが後2つぐらい欲しかった。

禁義妹(2008年製作の映画)

2.8

互いに好きなのに結ばれない義理の兄妹のストレスの扱いが良く、闇を抱える店員との絡みが興味深い。妹の過食症、店員のインポと糖尿、兄のトラウマ(死産した双子の妹)の設定が凄い。乗り越えなければいけないこと>>続きを読む

飼育の教室 疑惑の化学実験室(2004年製作の映画)

3.0

「新任女教師 二人だけの教育実習」に繋がる鉄格子。
飛躍した気持ちを横移動だけではなく、正面と斜め横のショットを挟むことが逆に新鮮だが、編集のシャープさが弱い。駆け上がること・ピアノを弾くこと・水の希
>>続きを読む

新 高校教師 ひと夏の思い出(2004年製作の映画)

3.0

城定監督の初期作品。ゼノンのパラドックスを引用した不倫関係は、教育実習期間の淡い2週間だが、過ちや自己を否定しない肯定感がハートフルさに。盗撮と童貞を掛け合わせた卒業が面白かった。

変な家(2024年製作の映画)

3.0

間取りの違和感が効果的で、平面図から喚起する恐怖やミステリーの膨らませ方に感心する。後半は強引さはあるし、間取りの意図が途中で分かったが、「八つ墓村」的な因習展開なテイストにシフトするので持ちこたえた>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.6

インターネット上の世界をリアルに落とし込んだような空気感や会話が良く、ミニマムとマキシマムな世界と関係性の対比による、日常と非日常の有事と平時による幸せと不幸の兼ね合いが絶妙。絶望的に思った異常事態で>>続きを読む

嘆きの天使 ナースの泪(2015年製作の映画)

2.8

先輩のコミカルさは良かったが、シンプルなプロットなら何かメタファーが欲しく、後ろ向きな男が前向きになる「触発」とか必要だったのでは。シークエンスは相変わらず的確なので見やすいことは流石。

失踪 僕が彼女を閉じ込めた理由(2005年製作の映画)

2.7

僅かな手違いがトリガーとなり、衝動からの破滅へ。プロットがつまらないのに、登場人物全員が演技が下手なので見どころが少ない。城定監督にしては救いや肯定が殆ど無いことが意外で、メタファーも綺麗ではない。

淫乱看護師(2008年製作の映画)

3.0

時系列が巧みで、狂気に陥る婚約者が刺激を与えると奇跡が起きると信じて、ありとあらゆる愚かな手法が可笑しくも。予想はしていなかったので、終盤のどんでん返しに驚く。

どれいちゃんとごしゅじんさまくん(2008年製作の映画)

3.2

健気に駆け巡るヒロインが良く、次第に応援したくなる。性欲の強さが根気強さなどのバイタリティにも繋がる妙な説得力が可笑しく、風力発電の背景も味があるような。幸多からんことを。原作未読。

デコトラ★ギャル瀬菜(2010年製作の映画)

2.9

今作はヒロインより脇役がメイン。「銀河鉄道の夜」のオマージュを取り入れる、中終盤の鬱憤からの開放。ラストの妙な音楽とカタルシスの組み合わせが何とも言えない気持ちに。

デコトラギャル・麻里(2012年製作の映画)

3.1

低予算映画ながら、構成や構図は流石。ダメ男の肯定がハートフルさに。ラストの意外なエモーションの強さで、纏まりが良い。

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.5

ダークヒーロー集団の誕生譚だが、本筋には邪魔にならない、宗教的な救済や赦しが含蓄したエピソードが良く、宗教・世界・家族・犬との共同体や本性に根ざしたもの対比と克服に興味が尽きない。
下品になりそうで、
>>続きを読む

>|