赤穂事件の発端である、詳細不明な斬りかかった理由を「武士の面子潰し」にしたことが効果的に。
見栄を張る武士の気質とそれを煽る群衆。面子が蔓延る武士社会から派生した争いに対する、現代的な要素を加味した新>>続きを読む
『かぞく』の女性版のようで、女性監督が女性の喪失を描く。『かぞく』より少しはプロットはあるが、含蓄されたエピソード・情景・掘り起こしが甘いのは一緒。プロットの緻密さを省いたので一貫性に欠けて退屈で、行>>続きを読む
一時期、電車は各駅停車しか乗れなく、飲食店での食事が難しい軽度のパニック障害になっていたので、他人には理解しがたい病気による思い悩みが痛烈に突き刺さる。序盤の「病名があることに少しホッとする」のセリフ>>続きを読む
終盤のカタルシスは良かったが、その大きさと、それまで虐げられて堪え忍ぶアフリカン・アメリカン女性達の描写の長さと拮抗しないのが惜しい。DV夫が根っからの悪人と感じたので、終盤に自分の行動を改める贖罪や>>続きを読む
冒頭からテイストの振れ幅が激しいシークエンスに驚く。
一点透視図法の多用で、構図の奥行き感がキャラ達の複雑な情念とマッチしているようで没入感が高まる。ノスタルジーある情景も物語の悲しみや年月の長さに効>>続きを読む
モノクロのような暗い映像・寄りが多い構図・時折発する大きな声や音に辟易し、特異な関係性による各々の心情変化を的確に描き切れているのだろうか。
「銃を置いて生業ではなく正業に就く」、モチーフの闇の大きさ>>続きを読む
「刀鍛冶の里編」は中盤までの展開が遅かったが、終盤からエンジンがかかり、ラストが良かったので纏まりが良い。前作の『上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』はエンドロールが2回あったが、今作は編集したことに好感。>>続きを読む
オムニバス形式で、穏やかな空気感が漂う中で、言葉遊びのような会話の応酬による妙が印象的に。『偶然と想像』を緩くしてコミカルを足した感じで、『愛なのに』でもそうだが、胡散臭さを醸し出す中島歩が可笑しかっ>>続きを読む
同じ事件をベースにした『そこにいた男』では、男女間の愛情の差異を描いたが、この作品は本人以外には分からないこと・分かり合えないことを描き、常軌を逸する愛(愛の一部分が極端に偏ったメンヘラ)が、周囲を共>>続きを読む
ノアール系ミステリーサスペンス。過去と未来を交差させることが効果的で、閉鎖的な町のしがらみによる、負のスパイラルを描くことが考え深い。
プロットを練りすぎて整合性が甘い箇所、3人組の石田卓也の演技力不>>続きを読む
特殊な性癖で、シュールな構図が何とも言えない。覗き覗かれ、操る操られ、その先にある妙な快楽と開放。城定監督の人間賛歌がジワジワと伝わる。
亡くした先輩が足枷となり、800m競技やタイムへの強い拘りに反するような、同性や血縁などの設定の取り留めなさが印象的。表層はサバサバしているが内面はドロドロ渦巻き、青臭い演技や演出もあるが、瑞々しく・>>続きを読む
ハッとする演出はあるが、中盤が特に退屈で、最後まで行き着かないプロットに失笑。演出力や演技力でごまかそうとする韓国映画に辟易。
ロボットアニメではお馴染み前半の絶望感。ガンダムシリーズのラストバトルでお馴染みな軍艦やMSが入り乱れるの物量が多い戦闘で、木馬の危機が緊張感を高める。戦争で一般人や戦闘員も死にまくること、核を扱うこ>>続きを読む
女性の自立や解放をモチーフにした発展・自己形成的な寓話。演出はぶっ飛んでるが美術や衣装は綺麗でプロットの大筋は意外とまともに。
創造主(と観測者)に縛られた被造物が外界で社会形成をするが、純真無垢な>>続きを読む
ツッコミ処満載なプロット・演出・設定で、障害者や格差社会の扱いが杜撰に。肝心な見えないことと聞こえないことが調和していなく、主人公が人を殺した過去があると同調できない。邦画で反グレが中途半端に登場する>>続きを読む
死生と愛をモチーフし、描きたいことはそちらの比重が高いことは理解しているが、ゾンビ映画なのにゾンビが弱すぎることが問題で、緊張感が足りないことに。決めゼリフ・ハイライトシーンのポイントが多過ぎなので、>>続きを読む
DV被害女性が自由を求めて、意志ある行動によるラストの妙なカタルシスが効果的で、ロードムービー形式と支配・抑圧からの重層的な旅立ちに。
描きたいことは理解したつもりだが、暗くて起伏がない描写を羅列して、退屈に。相性が悪く、作品を咀嚼できないことを序盤で察する。
映画館で音楽LIVEを見るのは初めてだが、膨大なカメラ撮影や音響が効果的でLIVE感が伝わる。終盤以外はMCが少ないことで音楽を殺さない構成も好感。
終盤にマイクを通さずに歌い、満員の観客が 静まり返>>続きを読む
何者にもなれない自分や、悲しき男のサガを描きつつ、それでも生きる活力や喜びみたいなことを軽妙なタッチで描く。お洒落な街で発する、洒脱でくだらない会話と時々お洒落な会話の塩梅が如何にもウディ・アレン監督>>続きを読む
莫大な金額に見合った、戦争から波及した恨みやトラウマによる、狂った男達の狂騒が興味深い。うんこネタのコミカルさや、アクションに対する食事描写で抑揚をつけることに好感。怪演キャラが多い中で、主役として居>>続きを読む
映像主義のようにも感じたが、抑圧される世界を切々と謳い上げ、色を失った世界の中で、耽美や幻想的な色彩が主張する映像美に唸らされる。揺蕩うした表現も好みで、『天使の涙』を見返したくなった。
モテない童貞の奮闘記。童貞・落語・コスプレの兼ね合いは良いとは言えないが、軽妙なテイストで小気味よい展開で、サラッとした群像劇としてのキャラとエピソードの捌き方は流石。青臭い青春の童貞賛歌が城定節に。
『実写版 18倫』の続編で、元お嬢様が二人になる展開に。過剰だがテンポの良い会話や展開で、ヒロイン同様に作品も突き進むことに好感。前作と比べて、女同士のやり取りが増えたことが過剰さを緩和する所以か。
天然でポジティブに突き進むヒロインが良く、次第に応援したくなる。AVのうんちくを医療的学術で説明したり、言い換えたりすることが面白い。
モノクロになると情報量が限定されて没入感が高まるし、テイストやフォルムとモノクロの相性が良く、初期ゴジラへのリスペクトが心地よいのだが。見栄えが落ちたVFX、2回目の鑑賞もあると思うがドラマパートの粗>>続きを読む
作品に厚みが足りないからか、重層構造に感じられなく、表層でごちゃごちゃした感じに。演劇的な大仰な演技も多いし、重岡大毅は作品を牽引できないし、役者の配置も間宮祥太朗以外は適切とは言えない。雑な取っ組み>>続きを読む
ヤクザと中学生のカラオケを通しての微量なブロマンス的な関係が可笑しく、含蓄ある声域と選曲が軽やかなテイストに厚みを齎すことに。学園内での繊細なバランスや思春期特有の鬱積の表現方法、卒業・廃部・再開発で>>続きを読む
TVアニメの映画化やシリーズ物によくありがちな、世界観や設定が取っつきにくく、一見さんには不親切に。キャラも多く、群像劇としてもエピソードもキャラも捌き切れていなく、三つ巴の構造にもなっていないのでは>>続きを読む
既視感ある演出・プロット・ビジュアルで、マーベル寄りの作風に辟易。最近のディズニーもそうだが、本当に訴えたいことや描きたいことが伝わってこないことが問題に。
至って真面目に作っているが、古臭いプロットや演出にCG丸出しなアクションや背景は如何なものか。時代劇の〈斬られにくる敵〉のような弱さにリアルさや緊張感は感じない。捻りやコミカルを無理やり入れようとして>>続きを読む
他愛もない会話が細部に宿り、微妙な人間関係に入り組んだプロットの妙。群像劇としてのキャラ・時系列・エピソードの捌き方が巧く、運命や因果を感じさせる鉢合わせの醍醐味など、タランティーノ節の原点に。
リマ>>続きを読む
プロットやモチーフの揺さぶりは弱いが、中盤までは高い演出力で持ち堪えることは韓国映画ならではに。冴えない中年男のようなイ・ビョンホンが次第にカリスマ性を身につけて祭り上げられる模様や、前半はシュールな>>続きを読む
怪盗キッドのことを全く知らなかったので、怪盗キッドの掘り起こし・コナンとの因縁・次回作の予告をタイトに纏めて、コナン初心者でも分かりやすかった。キャラに沿った演出や世界観も好感。次回作が楽しみに。
主人公に共感できないし、肝心な笑いを演出するシーンがことごとく失敗しているので、笑いの才能が感じられなく、只、笑いに憑依している感じに。
劇場とラジオ収録以外のシーンでは、ひたすら情念の葛藤のエピソ>>続きを読む