マクガフィンさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

忌怪島/きかいじま(2023年製作の映画)

2.8

リアルとメタバース・この世とあの世の対比の妙やフレームインフレームを多用した効果に感心。いじめ・村八分から地縛霊となり、移り行く怨念を丁寧に積み重ねたホラーミステリーは斬新で、中終盤までは興味深かった>>続きを読む

悦楽交差点(2015年製作の映画)

3.8

愛のベクトルの行き違いと、闇を抱えた者同士の共鳴。主従関係がシフトするな支配欲と性欲。表面を覗いてたストーカー男が深淵を覗いたら、次第に振り回される模様が可笑しく、女の方が一枚も二枚も上手に。

「変
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

2.6

含蓄された描写・情報量・カット割りが多いのに冗長で退屈。キャラもエピソードも捌き切れていなく、製作側のエゴが強い割にはプロットやエンタメ性が弱いのも問題で、纏まりも悪い。
To be continue
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

3.3

CG画像と相性が良いエフェクトな動きが良いが、『スパイダーマン』のマルチバースや未熟な者にスパーパワーを与える危うさを描くことは、マーベル作品を見ているようにも。コミカル要素の効きが弱いことが惜しいが>>続きを読む

ドメスティック 完結編(2010年製作の映画)

3.3

前編のソーシャルからドメスティックへ。
過去と現在、記憶と忘却、整形や香水の描写などにハッとさせられる。あやとりの移行やピーラーの向き方、皮を剥くことや音楽のリフレインも効果的に。様々なことが移行する
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ドメスティック(2010年製作の映画)

3.0

序盤から、希志あいの瞬時にサイコパスなことや幼少期のトラウマが分かる描写に感心する。手懐けた男の刺客を次々に送り、同種的なPTSD男が暴れると思いきや、プロットのひねりもサスペンス・ホラーに効果的に。>>続きを読む

宇宙人のあいつ(2023年製作の映画)

2.6

コミカルやリフレインする演出の効きが足りなく、回り道するエピソードもあり、取り散らすことも。効果音の演出も苦手で、最終的に家族愛を提示されても、響いてこなかった。

劇場版 美少女戦士セーラームーンCosmos 前編(2023年製作の映画)

2.4

キャラの掘り起こし不足で進むので、世界観が全く見えなく、一見さんには不親切な内容に。総集編(?)のような画力の甘さも残念。敵か味方かの揺さぶりやストーンを奪われたら地球はどうなるのか?のビジョンが見え>>続きを読む

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

3.4

ポジティブで健気に駆け巡るヒロインが良く、次第に応援したくなる。シンプルなプロット、分かりやすいキャラの配置、ドラマカーブが適切で見やすく飽きないことに感心。ミッション系タイムリミット制限や時の経過も>>続きを読む

水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)

3.5

含みやすれ違いのある何気ない会話からの、行き違いや鉢合わせの強度の高さ。シリアスとコミカルのミックス具合が独自で面白く、気まずさや居心地の悪い空気感が何とも言えない。大人の事情に振り回されるOLと男子>>続きを読む

犯す女〜愚者の群れ〜(2019年製作の映画)

3.6

抑圧される世界を切々と謳い上げ、退路を断たれた逃避行の先にある、ラストの偶然と鉢合わせからの狂宴による妙なカタルシスが秀逸。登場人物全員だだけでなく、鑑賞者も独自の世界に連れてってくれることが城定監督>>続きを読む

花と沼(2020年製作の映画)

3.9

「舐める女」と同系列で、フェチをモチーフに。「舐める女」では、フェチやSMの後ろめたい側面も描写しているが、今作の凄い所は、フェチ・キモさ・覗く・盗聴・ストーカーなどの全ての後ろめたい行為を一点の曇り>>続きを読む

舐める女(2016年製作の映画)

3.5

極度の潔癖症な夫と匂いフェチな妻。妻の鬱憤が溜まり、抑圧された欲望が爆発することを夏の暑さから発する汗と肉体が交わる汗で描写することに唸らされる。嗅ぐ行為を繰り返し、舐めることが崇高な行為のように感じ>>続きを読む

汗ばむ美乳妻 夫に背いた昼下がり(2016年製作の映画)

3.5

極度の潔癖症な夫と匂いフェチな妻。妻の鬱憤が溜まり、抑圧された欲望が爆発することを夏の暑さから発する汗と肉体が交わる汗で描写することに唸らされる。嗅ぐ行為を繰り返し、舐めることが崇高な行為のように感じ>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.3

ありそうでなさそうで非日常的な〈最も黒い色〉をモチーフにしていることが興味深い。露伴の淡い初恋と先祖の哀しい過去が交錯し、漆黒の髪に魅せられつつ、魂と血縁の因縁の物語にも。

奇妙だが品の良いテイスト
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怪物(2023年製作の映画)

3.8

オムニバス形式の羅生門効果は、エピソードの順番をシャフトするとメチャクチャになるので上手いとはいえない。視点別の気付きはあるが揺さぶりが足りないので、フォーマットも好みとはいえない。各エピソードでの音>>続きを読む

渇水(2023年製作の映画)

3.2

※ネタバレあり

市役所の水道局員の着眼点や水への含蓄や設定に感心し、中盤までは良かったのだが。しかし、ネグレストにあう姉妹の状況が「誰もしらない」と同じで、姉は母親の状況を把握して妹が知らないことも
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ガールズ&パンツァー 最終章 第3話(2021年製作の映画)

3.3

前作は忘れたが、何となく理解できるキャラ達の配置に感心も。シリーズならではの纏まりの悪さはあるが、次作が見たくなるもどかしさに揺れる。

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

2.6

ロッキーシリーズとのクロスオーバーだろうが、デイミア(ジョナサン・メジャース)の挑戦資格が無い(世界ランキング外)なのに、世界タイトル戦をする違和感。アポロVSロッキーとは意味合いが違いすぎる。デビュ>>続きを読む

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

3.0

日々のもやもやに対する温もりがある居場所は分かるし、理解することの大切さも。
只、引きこもった前兆不足などの構成に問題もあるし、ぬいぐるみへの含蓄も感じられなく退屈なことも。問題も原因は多種多様だと思
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雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

3.2

中国の格差社会を背景とし、田舎の貧しい少年が中国の伝統の獅子舞を通して成長し、人生を切り開く。
獅子舞の質感やモーションが綺麗で中国太鼓との組み合わせも抜群に良いが、中終盤の少年の葛藤が長く、修行パー
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波紋(2023年製作の映画)

3.7

導入部のメルトダウンした汚染水から新興宗教が販売する水(緑命水)への移行、彩りの植物が咲く庭から枯山水へ、高いフェンスを取り付けて世間から孤立したことが瞬時に分かる演出に唸らされる。

新興宗教の信者
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せかいのおきく(2023年製作の映画)

2.6

うんちへの堪え性や許容さやコミカルの効きで評価も変わるのでは。うんちへの含蓄の甘さや、こじらせたセリフがキツ過ぎて、作品を許容できないことに。モノクロで良かった。

レット・イット・ビー ~怖いものは、やはり怖い~(夢判断、そして恐怖体験へ2)(2023年製作の映画)

2.7

ホラー映画のオムニバス形式は珍しく、各エピソードの終盤に歌謡曲が流れる違和感は、ホラーテイストを中和する役割にも感じない訳でもないが。

生前だけでなく、死後も魂を救済するカタルシスやモチーフ。最後の
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それいけ!ゲートボールさくら組(2023年製作の映画)

2.8

ベタな展開でベタな演出だが、明るいほっこりテイストと相性は悪くないような。分かりやすい対決モノの勧善懲悪で、敵側の胡散臭さが安心感にも繋がる。
只、ゲートボールのルールやうんちくなどの対決モノのポイン
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茶飲友達(2022年製作の映画)

3.2

設定や着想は興味深いし、終盤までは良かったのだが。一番の問題はヒロインの喪失がたいして描かれていないので、擬似家族を結成した所以や経緯が弱いことに。ティーガールとコールガール、疑似家族と血縁家族の対比>>続きを読む

ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

2.9

序盤の町中を金庫を引きずりまわすカー・アクションで、重量感や遠心力を感じることに驚く。只、それ以降のアクションは、CG麻痺することが惜しく、シリーズとしてもアクションのやりつくした感や行きついた感もあ>>続きを読む

最後まで行く(2023年製作の映画)

3.0

韓国映画『最後まで行く』のリメイク版。
各エピソードの尺の配分が問題で、序盤からスローテンポで大仰な演技に呆れる。岡田准一と綾野剛のW主演にしたせいで、プロットが回り道をするようなスピード感がないこと
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最後まで行く(2014年製作の映画)

3.4

序盤からどんずまりなのに、嘘を重ねて、更にどんどん悪い方向に進んで行く感じが何とも言えない。大仰なプロットもあるが、韓国の上下関係や仲間意識などのお国柄を取り込んでいるので、社会や生活に根ざして血が通>>続きを読む

デスパレート・ラン(2021年製作の映画)

3.4

序盤の膨大な会話の多さに戸惑うが、引きこもりぎみの息子が学校銃撃事件の銃撃犯か否か、生きているのか否かの揺さぶりに興味が湧く。ワンシチュエーションだが、走っていて画面が停滞しないことに好感。

別に2
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EO イーオー(2022年製作の映画)

2.5

無表情で無垢なロバだから様々な感情を喚起させ、メタファー的なことを狙っていることは承知だが。人間による創作臭が漂い、人種間の文化的な違いにしか感じなく、面白みが足りない。

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.5

主人公・ケイト・ブランシェットのカリスマ性が突出したことが効果的に。頂点に立つ者は常にひとりで、そのプレッシャーによる強迫観念が何とも言えない。音楽を創作するプレッシャーから内部告発による世間のプレッ>>続きを読む

ブラフマーストラ(2022年製作の映画)

3.3

神話系の壮大な冒険ファンタジー。MCUの『エターナルズ』を少し明るくしたテイストを軸とし、ターミネーターの追いかけっこや邦画アニメやX-Menなどの要素が盛り沢山に。

神話や宿命がメインの物語かと思
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MEMORY メモリー(2022年製作の映画)

2.8

悪だが信念はある。骨格である人身売買と警察買収の対比や繋がりが的確に描かれていないことが惜しい。警察組織の腐敗による無法地帯での法秩序の難しさ、その無秩序なことによる社会の阻害要因を描きたかったのだろ>>続きを読む

パリタクシー(2022年製作の映画)

3.4

タクシー運転手の社会への怒りや不満と、乗客の女性故に虐げられた過去が入れ子構造のようになっている構成に感心する。
良いエピソードもあるし、ハッとさせられることもあるが、只、フランス映画にありがちなテン
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

3.5

酷悪なトラウマを解放してくれる、広い宇宙で出会った異人種の仲間達。各グループにバカなキャラを配置して許容すること、身分を分け隔てなく開放したりすることが共存共栄的で、ある種の多様性にも繋がる。只、展開>>続きを読む