新快速さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

新快速

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風が吹くまま(1999年製作の映画)

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何かを理解できた気はしないが、ひたすら目と耳に心地よい映像だった。軽妙だが軽薄ではない会話、疎らなようで密である風景、映像を貫徹する「間抜けさ」、とうとい間抜けさ…
「監督の人生哲学がうかがわれる」と
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街は誰のもの?(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

グラフィティのパートで最も印象深かったのは、「グラフィティは『手放すこと』を教えてくれた」と語っていたアーティストだった。彼の「描き終わってしまえばもう完全に自分のものではなくなる」というような語りに>>続きを読む

私たちの青春時代/思春期 彼女たちの選択(2019年製作の映画)

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なんというか、「あいまいさ」が小川のように流れるような映画だったが、この流れを覗き込んでいると、おもむろに「川底」みたいなものが現れる瞬間があるように思われた。「あいまいさ」が結局人生なのだなぁ…など>>続きを読む

ある夏の記録(1961年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

不思議に奥行きのある佇まいの人々、生活から遊離しない根のある人々、場所が問題なのか、時間が問題なのか、映画で見るということが問題なのか、どうしてスクリーンの向こうのかの人々は、ああも素敵なのだろうか…>>続きを読む

ビリディアナ(1960年製作の映画)

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言わば「悪徳図鑑」といった感じ。「変態的」と評されていたが、表層的で装飾的な変態性ではない、グロテスクな変態性というか(フィクションの大便と本物の大便みたいな違い)。一周回ってもはや清々しいが、回る過>>続きを読む

黄色い雄牛の夜(1996年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

歌と詩と物語ともに、素朴な娯楽とともに、動物と草木とともに、家族と親類とともに、街と街の人々ともに日々を暮らす人々の映像のために、私は上映時間いっぱいを一度もあったことのない"郷愁"の心痛を抱きながら>>続きを読む

セールスマン(1969年製作の映画)

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こなれた調子の喋りが良い。ふとしたときに思い詰めたような面持ちを見せる、陰影のある男たちが渋くて良い。このナチュラルな"かげり"が時々恋しくなる。

彼⼥の権利(2020年製作の映画)

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深夜に独りで、暗室で、イヤホンしてもう一度観たい。上映時間に間に合うために劇場までダッシュで向かって興奮状態にあったせいで、映像に没入できなかった。

鳥の歌(1995年製作の映画)

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笛、そして火の"威力"。
ふだん朴念仁、でくのぼうというような言葉の似合う村人が、俄然バイタルになるいくつかの瞬間。

少年、機関車に乗る(1991年製作の映画)

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この映画に限ったことではないが、人々の機嫌が天気のようにコロコロ変わるように思った。自然みたいな人々だ。風景よりも、人々に対して"郷愁"のような感情を覚えた。心のなかに、あの純真さ、純朴さの端緒でも見>>続きを読む

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

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主人公についてことさら悲嘆に暮れる姿を描くこともなく、ただ淡々とどん底に落ちていく過程が映されるが、もはや清々しいまである。押し付けがましさがないが、逆に同情するための"足場"もほとんどない。醒めた映>>続きを読む

カーブルの孤児院(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

この映画を観て私は眼球を分泌液で激しく洗浄したのだが、何故かというと、あれほど現実をたくましく、またつつましく生きる少年が、インド映画の表現法で描かれる立派な幻想をたくましゅうしていることに、その強か>>続きを読む

海を待ちながら(2012年製作の映画)

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人々は海を失った後も、残された茫漠たる砂地で質実に暮らしていくのだが、しかし彼らの生活はどこまでも渇いている。一方で、狂気と妄執に駆られた主人公をはじめとした人々は、砂漠の人々と同じく幸せとは言えない>>続きを読む

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