みちたろさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

ファルコン・レイク(2022年製作の映画)

4.2

ずっと画が綺麗で、いくらでも観れるな〜なんて思っていたらラスト5分で驚かされた。だがそれはどんでん返しではなく、最初から丁寧に丁寧に描写されていたことの積み重ねであった。湖の幽霊、1番怖いもの、振り向>>続きを読む

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

かなり気に入った。めちゃくちゃ面白かった。

カメラワーク大好き。人間とか部屋と一緒にカメラがグルっと半回転するやつ。単純だけど、視覚的に面白い。キューブリック的な縦横揃えた構図を多用しているのも『シ
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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

5.0

他者と関わる煩わしさと、独りになる寂しさ。

たった2日間の情のもつれから生まれる群像劇がどうしてこうも面白いんだろう。ずっと観ていたかった。

どこにでもいる恋人たちが現実を乗り越えて抱き合うラスト
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.5

オリジナルに劣らぬ傑作だった。志村喬の鬼気迫る表情とは違い、ビル・ナイは声に出せない哀しみを繊細に表現していて良かった。

ピーターとマーガレットのドラマを追加したのも物語に深みを与えていた。彼らが主
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

肉体の痛みと臓物がアート、「内なる美」として認識されるディストピアを説得力を持って描けているのは凄かった。もう少しその荒廃した世界を見せてほしかった気もする。

アートや人間の肉体的進化をどこまで許容
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美女と野獣(1946年製作の映画)

4.2

絢爛な館の装飾や衣装、野獣の特殊メイクやコントラストの強い画作りなど、見どころが多かった。鏡の使い方や手袋でワープするなどのアイデアも面白かった。

キャラクターもそれぞれ分かりやすく描かれており、野
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トゥ・ザ・ワンダー(2012年製作の映画)

4.3

流れるようなカメラワークとロケーションが美しい。(あと、オルガ・キュリレンコ)

詩的なナレーション、太陽の光、愛の脆さ。意味や理屈を超越したテレンス・マリック独自の世界観だった。背後にキリスト教があ
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マイ・ライフ・ディレクテッド・バイ・ニコラス・ウィンディング・レフン(2014年製作の映画)

4.0

『ドライヴ』の重圧、万人受けしないものを作る不安、仕事と家庭の両立…。弱みを吐露するレフンがなんだか愛おしかった。それと同時に、ライアン・ゴズリングに必死に演技指導(?)をする場面や、納得いくテイクを>>続きを読む

赤い影(1973年製作の映画)

3.8

冒頭とクライマックスの編集がそのまま「予言」を演出する効果を生み出していて良かった。ヴェネツィアの景観も壮麗だった。赤色のレインコートも印象的。

中だるみが激しいように思えたが、ラストで持ち直した。
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バービー(2023年製作の映画)

4.4

現実世界の女性の裏返しとしてのケンの立場や、「自民党のポスターか!」とツッコミたくなるマテル社のアホっぷりなど、想像以上に”男社会”の有害性を再認識させられる映画だった。

しかしただ批判するだけでは
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マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

3.7

ニック、ファッキィィィィィィィィィィンウワォ!!ケイジ!!

マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.8

思っていたより良かった。

小さい話を上手くまとめていたと思う。土と風をもう少し活躍させたり、街の様子も描いてほしかった気はするが、監督は家族と恋愛の話をやりたかったんだなというのがエンドロールで伝わ
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

2.6

陽キャのほうの映画部が本当に嫌いだった。映画を舐めている。不愉快極まりない。

ラストも好きではない。映画は子供の恋心を叫ぶためのものではない。時代劇には疎いので何とも言えないが、SF的な面白さもほぼ
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マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

4.6

強く美しいマリア・ブラウンの半生。「私は私」という軸を持っていながらも、夫への愛ゆえに振り回される姿には逞しさと切なさが同居していた。

ファスビンダーがハンナ・シグラを気に入ってたんだろうな〜という
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ワン・デイ 23年のラブストーリー(2011年製作の映画)

4.1

序盤での青とオレンジを基調とした画面構成や、アン・ハサウェイ演じるエマのファッションはとても良かった。全体的に色彩豊かだが、その色調が物語を阻害することなく自然に画面に溶け込んでいる。改めて洋画の画作>>続きを読む

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

スリラーとしては相変わらずのシャマラン節を楽しめたが、物語としてハッキリしない部分は多く感じた。色の濃い画作りや独特のカメラワークは面白かった。

しかし、福音派を肯定してしまっているか、はたまたそう
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ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

4.8

初のライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品。

支配欲という名の愛、そして嫉妬に狂うペトラ。魔性の魅力を放つカーリン。言葉はなくとも全てが伝わってくるマリーヌ。人間の汚さと矛盾をある一室の会話劇
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アラジン(2019年製作の映画)

4.2

おとぎ話として完成度が高い。魔法が上辺だけという設定が良く機能していた。

そしてナオミ・スコットが素晴らしい…!!
ダンスも歌唱力も抜群。

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)

5.0

物語が、映画が、死をも美しくする。

表現としての光の良さが画面に溢れていた。

涙を堪えられない傑作にまた出会えた。

マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

4.3

監督自身が寓話的な世界を構築しておきながら、その世界をまさかのドキュメンタリー形式で撮る。ネット社会をちょっぴり批判しながら、マルセルとおばあちゃんのドラマを描ききる。視覚的な新鮮さもさることながら、>>続きを読む