回想シーンの撮り方が面白かった。堅実な撮り方に反して、拷問のシーンだけ激しいカメラワークにすることでウィリアムのトラウマを巧く表現していた。
復讐を敢えて見せないのも良い演出だと思った。ウィリアムの>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
「生まれ変わる」ことをしない残酷な現実から逃げるしかなかった子供たち。ラストシーンの美しさと惨さ。鑑賞後の現実がより重くのしかかる。
”怪物”は日本の事なかれ主義と、無意識下に潜む有害な男性性。これ>>続きを読む
ややふざけ過ぎな部分もあったが、母と息子の物語として素直に感動できた。終盤の買い物のシーンでは泣いちゃった。
スーパーガールも超最高だったし、マイケル・キートンのバットマンも味があって良かった。>>続きを読む
信仰、赦し、希望…。
こんなに観るのが辛くて、全てが美しい映画は久しぶりだった。夕日のショットやベン・ウィショーの演技には目が潤んだ。
性別や宗教の意義を
深く内省的に見つめた傑作。
演出の「これでイイんだよ感」と脚本の賢さが奇跡的に融合していた。
ミーガンの表情がしっかり彼女の感情(?)を表現していたのも良かったと思う。AIのセラピーは本当に救いになるのかといった真面目なテーマも>>続きを読む
辛さ、悲しさ、虚しさ、儚さ。
人生の苦しみをこんなに美しく描き出している芸術性に思わず溜息がこぼれた。
水を使った演出とキャスト陣の演技が素晴らしい。モノクロだからこそ際立つ溝口健二の美学を感じた。
ロバの感情を寄りで捉えるカメラが容赦ない。
馬との対比が解りやすくて良かった反面、人間の描かれ方がいまいち上手く機能していないように感じてしまった。優しい人間もいれば、酷い奴もいるといった感じで、少>>続きを読む
高尚さと現実の狭間。
理解は難しくとも、しっかりと解釈はできるように作られていた。強烈な画力と、抽象的イメージのバランスも巧みでよかった。
「作者と作品の関係」について話すシーンと、ラストは特に興>>続きを読む
昭和の質感と話し方がなんとも心地よい。昔の価値観と、現代的な価値観が混ざっていて、60年代の日本をそのまま見ているような感覚になった。
『彼岸花』から続く赤色のモチーフや、親子間のドラマが美しい。人>>続きを読む
権力と闘う記者たちの記録。
映画で「映画界」の闇を暴くという挑戦と、未来を救うために己の過去を「話した」女性たちに敬意を表したいと思った。
現実を考えさせられる、手堅い1本に仕上がっていた。
台詞の一言一言、連なるエピソードの一つ一つに、今の邦画に足りない哀しさと味わいがあった。生きることの辛さ、絶望と諦観、人間関係の光と影を見事に描き出していた。
首を吊ろうとした旦那を引き下ろし、子供>>続きを読む
いやぁ素敵。最高。
考察するタイプの分からなさではなくて、モノクロの美しさと世界観に浸るタイプの映画。
動物たちも可愛いし、なにより光の映し方が良かった。映画全体を包む雰囲気が艶やかというか、煌び>>続きを読む
ライティングはそこそこ良かったが、女同士のどす黒い喧嘩を延々見せられても面白くはない。
キャラクターが好きになれないからスリラーとしては微妙だし、ホラーにもなってないし、正直かなり退屈だった。
殺>>続きを読む
結局、皆「食人族」なのかもしれない。
相手への尊重を忘れ、「弱肉強食」となってしまった現代社会への痛烈なアンチテーゼであった。
カニバリズム以上に、ヤラセと編集の恐ろしさを学ぶ傑作である。
真面目な良い映画だった。派手な演出や展開は一切無しで、カメラがしっかりと主人公に寄り添っていた。
ジェニファー・ローレンスの落ち着いた演技も、この作品をただのかったるいドラマでなく、心の癒しを描く良>>続きを読む
鑑賞中は「ん〜……」と思っていたが、終盤になってやっとフェリーニの混乱と愛情を少しだけ理解できたようなら気がする。
作りたいものが分からない、何を作っているのか分からない、という状態は必ず付きまとっ>>続きを読む
最初のモノローグの使い方からもう凄かった。始まりから終わりまでずっと楽しい。セットも衣装も豪華で、始終目が喜んでいた。
歌もダンスも素晴らしく、ラストも素敵。爽やかな気分で雨の日を過ごせそうになる傑>>続きを読む
カメラが目に迫っていくと、そこには緊張感が生まれる。折り重なっていく、火と水のイメージが美しい。
衝撃的な愛憎と無情のドラマだった。既に序盤から、観客を重厚な物語に引き込んで離さない。全てが圧巻のラ>>続きを読む
またか…デヴィッド・リンチの世界を理解したいのに、させてくれないのがもどかしい。でも、それでいいとも思ってしまう。
虚構、ファム・ファタール、難解な物語。
全部好きよ。ほんと。
とりあえず、「交通>>続きを読む