IDEAコメント低浮上さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

4.0

『エクソシスト』(1973)のテイストをしっかりと意識しつつも、現代風(?)に神父ラッセル・クロウがスクーターで現地に乗りつける。
これが最新トレンドのエクソシストか!

たまに挟んでくるしょうもな…
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

1.5

『宮﨑駿監督の軌跡を辿る124分』

娯楽と現実の狭間を旅する、それでいてジブリらしさを感じられる一作。

今作の宣伝を一切行わないという方針は、スタジオジブリの築いたブランド力と現代のSNSの力を上
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タワーリング・インフェルノ(1974年製作の映画)

3.3

ワーナー・ブラザーズと20世紀フォックスの共同製作と聞くだけでわかるそのスケールのデカさと気合いの入れよう。
そして当時の大スターの共演。
今でも根強い人気を誇る理由がわかるパニック映画の一つの模範回
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カード・カウンター(2021年製作の映画)

3.9

伏せられたカード 忘れられぬ過去
現れる数字 暴かれる罪

復讐に燃える若者との邂逅が
決して赦されないあの日の大罪に
未だに燻り続けるあの日の狂気に
再び火をつける。

あったはずの輝く未来はとうに
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大脱走(1963年製作の映画)

3.3

『自由になれなかったすべての者に捧ぐ』

聴けば必ず「おっ!」と反応してしまう超有名曲『大脱走のマーチ』にのせて描かれるコミカル(?)な脱出劇。

戦争捕虜が収容所からの脱獄に挑むのだから、本来なら全
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静かなる叫び(2009年製作の映画)

3.4

『届かなかった叫びに捧げる鎮魂歌』

1989年12月6日、カナダのモントリオール理工科大学で起きた虐殺事件を題材にした作品。
77分の短い時間で淡々と、それでいて喪に服するように静かに何か儀式のよう
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マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)

4.7

スピルバーグ監督作品とイマイチ相性が良くない(気がする)、そんな私が愛する数少ないスピルバーグ作品。それがこの『マイノリティ・リポート』であります。

原作はフィリップ・K・ディックの短編小説『少数報
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.2

『私の王国が崩れてゆく音がする』

これは絶対的な実力でベルリン・フィルを支配するリディア・ターの転落劇か。
はたまた音楽を指揮する喜びをゼロから見つめ直す希望の物語か。


最高峰のオーケストラであ
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必死剣 鳥刺し(2010年製作の映画)

3.7

『カンピロバクターは怖い』

時は江戸。
閑古鳥が鳴く店の起死回生の一手が
「鳥刺し、はじめました。」
評判が評判を呼んでいたある日、奉行所の役人が次々と謎の病に倒れる。彼らに共通するのは話題の鳥刺し
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.9

『配管工に大感動!キノコ王国here we go!』


長年積み上げてきたマリオのブランド力が炸裂するド直球の演出、キャラクターの魅力を最大限に引き立ててくれるIlluminationをパートナーに
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The Son/息子(2022年製作の映画)

2.5

このレビューは、うつ病についての記述が多くあります。
もしご覧いただく場合はご注意ください。
このような話題が苦手な方はスルーしていただくようお願い致します。





読んでみようかな…と思われた方
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仕掛人・藤枝梅安2(2023年製作の映画)

4.0

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いっときの 浅き夢見し 我が人生
あの日の粟(あわ)に 勝るものなし
              -------


前作でも梅安の良き相棒として存在感を発揮した彦さんこと彦次郎の過去
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.8

死を目前にして疎遠だった娘との心の距離を縮めようとする父、自分の前から去って行った父への愛と憎しみに揺れる娘。
アパートの一室で展開される心と心の衝突は、岩壁に打ちつけられる波のように激しくそして力強
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酔拳2(1994年製作の映画)

3.8

これまで何作かジャッキー作品を観てきたがいずれもコメディ色が強かった。
しかし今作は違う。
英国の横暴に立ち上がる抵抗軍のような決死の闘いがここにある。
それはとにかくアクションに鬼気迫るような圧力が
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.7

人生の終わりが迫るその時
心に降り積もった雪の下に
小さな火が灯る

蝋燭から蝋燭へ火が移るように
小さかった火はやがてまばゆい光を放つ

人生とは情熱だ。
大切なものは目に見えなくてもいい
私がいな
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マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

3.7

『世界の中心でケイジと叫ぶ』

アクション、ホラー、コメディ…映画のジャンルは数あれど、彼のマッシブな魅力は新たなジャンルを創り出した。そう、"ニコラス・ケイジ"自体がそれらに並び立つ一大ジャンルなの
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.8

"作り手が作りたいように作ること"の尊さ。
作りたい作品を世に出す。
資金調達だとかスポンサーの意向だとか、観客の顔色だとか。
そういうことじゃなくて、やりたい事をやり切る姿勢は熱意として必ず伝わるの
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GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)

3.9

『サイボーグは電子の海で夢を見るか?』

押井守監督による、言わずと知れたSFアニメーション。85分とは思えぬ濃密さである。
近未来を描いたSFは時代が進むにつれて陳腐化しやすいのだが、今作はかの名作
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

2.0

『拝啓、別次元の私へ。』

A24最大のヒット作として、エラく気合いの入った宣伝、そして大規模な公開館数。A24もいよいよマジョリティに向けたエンターテイメントに舵を切ったか…!と期待に胸を膨らませ劇
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シャウト・アウト(2020年製作の映画)

3.7

内容超要約ラップだYo!

叫べよ"ロニー" すぐ来るココに
兄のピンチに、強さは鬼!

各地で誘拐、何だよテロか?
異国の地にて、手がかりゼロだ…

そんな時にも頼れる筋肉
お前ら許さぬ、地獄行き
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湯道(2023年製作の映画)

3.8

湯船につかる。
「あぁ…」と声が漏れ出る。

人は温もりを求めている。
お湯の温度だけじゃあない。
大切なのは心と心の触れ合い。

暖簾の奥から聞こえる笑い声
湯気の向こうに見えるあの人の笑顔

今日
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.8

エンパイア劇場を舞台に描かれる人間模様は、苦しくて逃げ出したくて、でもやっぱり暖かい。
なぜこんなに苦しいのだろう。
傷つけようとしてくる人のせい?
今の私を形作った環境のせい?
違う。私が心に蓋をし
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

4.0

「イーサン・ホークじゃなくてイイじゃん!」
荒れ狂う海原、暗がりを照らすかがり火。
序盤の画面の暗さときたら。
復讐の旅路に通ずる序盤のみの登場で顔もしっかり見えないのに、イーサン・ホークを配置する意
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レナードの朝(1990年製作の映画)

4.1

"魂の不在"?
意識はなくともこの世界に存在している。
真っ暗闇の中でも光を探してもがいている。
私は今、生きている。
確かな魂を宿して…。


『嗜眠性脳炎』眠るように動かなくなる難病である。その患
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千年女優(2001年製作の映画)

4.7

今敏(こん・さとし)監督がこの世に残した映画はわずか4作。その内、ひときわ美しい光を放つのが今作『千年女優』である。アニメーションの可能性に挑戦した、アニメ好き"以外"にこそ薦めたい傑作だ。

監督の
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ドラゴン×マッハ!(2015年製作の映画)

3.7

重量級香港アクションムービーを鑑賞。
アクションのキレはかなりの物であるし、臓器売買というストーリーラインや刺激強めのバイオレンス描写が相まって、ズドンと腹にくる本格派な作品に仕上がっている。


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仕掛人・藤枝梅安(2023年製作の映画)

4.1

「るろうに剣心かっ!」
作中のとあるワンシーンでの私のツッコミである。
いきなりのワイヤーアクションに思わず笑いが込み上げた。

いやいや、実に真面目な作品なのだが。

日本画にしたら映えそうなシーン
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.8

『スリー・ビルボード』でも描かれた、人間の愚かしさとも言うべき感情の負の連鎖が今作でも鍵となる。
ふとした瞬間に燻り始めた火種はあっという間に心を覆い尽くし、周りの人達をも飲み込み深い傷を負わせる。
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フラッグ・デイ 父を想う日(2021年製作の映画)

3.5

父は行ってしまった
私が憧れる広い外の世界へ
最後に眼が合った気がした
それが絆に思えた

父に言ってしまった
「馬鹿にしないで!」
嘘で塗り固められた父の人生
私への愛は嘘じゃないと言ってほしかった
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

4.6

世界観に合わせるように品のあるデザインのパンフレットを開けば、玉座が王冠か…まばゆい金のページに言葉が踊る。

期待に胸を膨らませ鑑賞した今作、『ロード・オブ・ザ・リング』以来待ち望んできた高純度の幻
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カンフースタントマン 龍虎武師(2021年製作の映画)

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まずは前書き。
私がレビューを書く上で気をつけていることがひとつあります。
自分にとってつまらないと感じた作品であっても乱暴に酷評はしないことです。
"酷評しない"というのは自身が感じたことに目をつぶ
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大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

1.5

"この死体、どうする?"
のキャッチコピーでおなじみ(?)の今作。

いやいやいやいや!
こっちは『この映画、どうする?』状態なんだが。

「かような作品がシネコンの限られたスクリーンを占拠せしめたこ
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アンビュランス(2022年製作の映画)

3.5

パトカーが宙を舞い、救急車がドリフトを決める。
いや、流石ハリウッドッッ!
目まぐるしいカメラワークに三半規管をぶち壊されつつもド派手な破壊王仕様の大盤振る舞いに酔いしれる。

撮影機材は最新の筈だが
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Dr.コトー診療所(2022年製作の映画)

2.5

時に激しく、時に穏やかに移り変わる
あの蒼ざめた海のように
人生も山あり谷あり、波乱に満ちている

懐かしきあの日々はとうに過ぎ去り
それでもまた、10年先も「あの頃」の話を
皆で笑って語り合いたい
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オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年製作の映画)

4.6

凛とした佇まい、美しく鍛え上げられた筋肉。
そんな戦乙女エミリー・ブラントを崇め奉る映画である。
彼女は今作の翌年、『ボーダーライン』にて麻薬戦争の闇と戦うFBI捜査官を演じるわけだが、その役柄と甲乙
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

2.5

監督のデビュー作『エクス・マキナ』はお気に入り、さらにはA24制作とのことで喜び勇んで鑑賞。

はい。
A24を期待して、案の定A24で気分を害する。

親切心に下心あり、攻撃性のウラに弱さあり。
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