スクリーンに迸るピュアなフィーリングがひたすらに眩しくて、その嬉しさに涙と鼻水がとめどなく流れた。
正直に言うと、あの原作を翻訳するというアイデアを知ったときは、ほぼ失敗するだろうし、なぜ? いま?>>続きを読む
北口ユースケを発見!
映画としてはまだまだぎこちなさがある。裏を返せば、それはそれだけ真摯に映画と向き合い、間違ってもしょうもない画だけは撮らない、ということだ。そこに良い芝居があり、それを適切な角>>続きを読む
瀬々敬久という人は、大名作か大傑作か大駄作か、その三つしか撮れない。その点で2020年の『糸』という作品は三つ目に当たる。しかし、あのときの林民夫とまさかの再タッグを組んだ今作。これには、前回を踏まえ>>続きを読む
僕は怒っている。そう、怒っているのだ。なぜ僕の鑑賞した劇場の上映スケジュールで、公開初週には4回あった上映回数が、2週目にはたった1回に減っているのだ。
その理由は明白ながらも、こんなにも“いい”映>>続きを読む
映画はナマモノだ。その鮮度が大事。ただ、それは過剰に新鮮すぎたり、それとは真逆のカビの生えた野菜のようであってもならない。その点において、この作品の登場人物のまさしくナマっぽい芝居ほど、今作にふさわし>>続きを読む
前2作、『大和(カリフォルニア)』『TOURISM』を観て感じていた謎のモヤモヤ。つまり、この人ならもっとすごいことできるでしょ? 僕の宮崎大祐に対する第一・第二印象、あるいは距離感というとざっとこん>>続きを読む
満点以上の点数をつけるにはどうすればいいのだろう?
「わかる・わからない」この作品(というかノーラン作品全般?)につきまとう常套句ではあるものの、「おもしろい・つまらない」それだけだと思う。実際ぼく>>続きを読む
アイデンティティというのは、あらかじめ押しつけられた烙印ではなく、その人が自らなにがなんでもつかみ取っていく称号だ。たとえそれにともなう痛みがどんなものであろうと、それに見合ったものは手に入る。そう、>>続きを読む
愉快! 痛快! 爽快! と、見事な3K。そんでもって最高! なのだから、これがまさかの4K映画なのか!?
トレーラーのあまりに観客を見くびった作りで、もし今作をスルーしようというあなたがいたら、本当>>続きを読む
さすがに、「右も左も楽しめる!」とは言われへんけれども、単純に一本の映画としておもしろい。うん、本当におもしろい。
とっても政治的な作品ながら、「そんなもん、しらへんわ!」とでも言いたげなような、な>>続きを読む
自分の余命をただひとこと「ファック!」で片づける、その潔さ。その単純さ。そんなもんですよね、人生って。
だからこそ、それにまつわるあれこれがとんでもなく愛おしいわけで。家族・友人・その他もろもろ、そ>>続きを読む
ここ数年の日本映画のある種の沸点。と同時に、なんとも言えない複雑な感情も覚える。それは、観る人によって賛否がわかれるような類のものではなく、その人のなかに訪れるものだ。
玉田真也による演出はまったく>>続きを読む
最高! もっかい言います、最高です!
それ相応の期待をもって観たものの、そんなもん軽く飛び越えてくる! こんなん観たかったんです! 案の定、腹抱える! 泣ける映画だけがいい映画じゃない! ってことを>>続きを読む
ほぼはじめてのいまおかしんじ作品。誤解を恐れずに言えば、ちょっと肩すかしをくらった。
挙げればキリがないほどの非の打ち所。ただ、そんな弱点になりうる要素さえもチャームポイントに変えてしまうところ。卑>>続きを読む
ごめんなさい! なめてました! ふくだももこ監督!
ということで、前作の「おいしい家族」は完全にスルー。もちろん悪い作品でないことは重々承知の上で。ただ、あの予告編ではどうしても手が出せなかった。>>続きを読む
二度目の鑑賞。
というのも、一度目は睡眠不足という、今作を観るうえで最も悪い難題を抱えたまま臨んだせいで、その眠気との闘いやった!
これぞ真のアナキズム映画! しかも、不器用ながらもユーモアという>>続きを読む
記憶は曖昧だが、小学生か中学生の時にテレビで放映された「GO」は良かった。ただ、その後の「世界の中心で、愛をさけぶ」だ。中学生時代の友人と自転車に乗り観に行った、あの作品。どこが良いのかまったくわから>>続きを読む
とうとうというか早々に決まりましたね。ベストテン候補は数あれど、今年のベストワンは間違いなく今作でしょう。というか、この先10年くらいのことを考えても、そのうちの10本のなかの1本になるでしょう。ただ>>続きを読む
94年の韓国を14歳の少女の目線で、製作時38歳の女性監督が撮る。その必然性がこの作品には確かにある。
昨今のトレンドにすっかり成り果てた格差社会を取り上げた作品。「万引き家族」でも「ジョーカー」で>>続きを読む
近ごろあまり良い映画を観ていない。
もし、あなたがそんなことを感じているのであれば、次に観に行く作品は稀代のヒットメーカーのものではなく、このペドロ・アルモドバルによる渾身の一本だ。
なんてことは>>続きを読む
だいぶ迷った挙句、やっぱり書きます。
良く出来ている。いや、良く出来すぎている。
仮にでも映画のセオリーというものがあるとすれば、完璧にそれに則った作り方。特にカメラワークは、被写体の捉え方や、そ>>続きを読む
まったく無駄がない、どころか、もやは骨と皮だけのような徹底的に贅肉を削ぎ落とした編集。
初ダルデンヌ兄弟なので分かりきったことは言えずとも、彼らの意志の強さを痛感。また、観客の年齢層の高さもなんだか>>続きを読む
これを青春映画と呼ばずしてなんと呼ぶか。
どこにでもあるキラキラしたような出来事、ではないこの作品が、なぜこんなにも魅力的なのか。ザラザラしていてギトギトしながら、ある瞬間ハッとちょっとだけ瞬くよう>>続きを読む
見事! その一言に尽きる!
言わずもがな、ここまで魅力的な登場人物たちのそのアンサンブルのその魅力のその鮮度を、まったく落とすことなく、必要最小限の群像劇として見事に提示する、グレタ・ガーウィグの素>>続きを読む
185分という長尺に少しおののきながらも、序盤のほんのわずかなカットのカメラワークで、そんなのは杞憂であったと納得。
この作品の時間の流れに没入し、もはや自分はこのスクリーンの外ではなく、真っ只中に>>続きを読む
主要キャストの明らかな力不足。それを逆手にとった、内藤瑛亮の見事な手腕。また、スタッフは近年の日本映画を必死に支えてきた陰の立役者ばかり。
これは彼なりの「ヘヴンズ ストーリー」への回答というか、あ>>続きを読む
おそらくフィルムで撮影されたであろう、ザラザラとした質感。そして、どこか不安をかき立てる不穏な劇伴。それだけで堪らない。
わずかながらの抑揚はありつつも、終始途切れることのない、一本の針金のように張>>続きを読む
一人だけゲラゲラ笑いながら鑑賞。まず、そのことだけは述べておかなければならない。
「まぁ、ジャームッシュともあろう御方が!」というような言葉をはねのける攻撃性。それは、あたかも「オレを巨匠扱いするな>>続きを読む
テーマとモチーフは悪くない。もしろ、良すぎるくらい。
にしても、なんや! この体たらくは! まったくもって映画としておもんない! ぐうの音が出るどころか、出すことさえはばかられる!
キャラクターが>>続きを読む
配信映画祭にて鑑賞。もう、名言だらけのセリフと異常な編集のオンパレード。
なんやねん! めっちゃおもろいやんけ! ただ、その理由がとことん複雑なんか? あるいはその真逆なんか? つまるところまったく>>続きを読む
わりかし入り組んだモチーフのわりに、テーマは至ってシンプル。ストーリーテリングはモチーフ同様、暴力的かつ乱雑な印象ながら、その実、神経質なまでに事細かく丁寧。
ここはあの作品へのオマージュか? ここ>>続きを読む
すごい! そうとしか言われへん!
なんなんや! この圧倒的な異物感は! まさに未知との遭遇や!
まず、最初の10分ほどなぜか涙が止まらへん! その意味もわからず、ただこのヒリヒリした温度に身を浸し>>続きを読む
おもろい! 今作に対する賛辞としてそれ以上のもんある?
これは可能性の作品や! 映像表現の限界に対するアニメーション映画からの挑戦状や!
ずっと観ていて感じるこのワクワク! どっかで経験したよなぁ>>続きを読む
ここ最近の多くの作家が難儀しているストーリーテリング。それに対する最も適切な回答がまさしく今作だ。好みは分かれるであろうが、前作の「グッド・タイム」に負けず劣らずの堂々たる作品。
筆者がかの「ジョー>>続きを読む
瀬々敬久監督のコメントがなければスルーしていた可能性もある。そんな気がする。こんな文章なんか無視して、とりあえず、彼が公式サイトに寄せたそれに目を通してほしい。それだけでもこの作品の意義は理解できる。>>続きを読む
テーマの提示の仕方はすごい。自身の作家性をちゃんと示している。そこは良い。
ただ、そのやり方がかの「ジョーカー」に比べると、というか比べずともアンクールだし、「パラサイト 半地下の家族」に比べると、>>続きを読む