中庭さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

中庭

中庭

映画(1428)
ドラマ(21)
アニメ(0)
  • List view
  • Grid view

2つの人生が教えてくれること(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

てっきりホン・サンスのように途中で2週目が始まる作りと思いきや、2つの物語はまさかの同時並行で進んでいく。一つのショットに同一人物のパラレルな人生が混在する演出の面白さは、ゼメキスの偉大な視覚効果の数>>続きを読む

四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

2.0

明石さんの作る映画がことごとくB級であるという設定が、この上ない程いきている。

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

1.7

このレビューはネタバレを含みます

永野芽郁が煙草を吸うとき、どうしても固定化されたガニ股の座り姿になっちゃうんだなと一緒に見たファンが切ない表情を浮かべていた。
煙草を吹かす彼女自体はとても魅力的に思えたが。
暗転4回ほど。

ソドムの市(2004年製作の映画)

2.5

小嶺麗奈がアクション女優として活躍する姿を堪能出来る映画としても記録出来る。列車の大事故など、例えばあのちゃちさにグロテスクが詰まっている。地面から突き出た首は何故あんなに悲惨さを印象付けるのか。

沈黙のパレード(2022年製作の映画)

2.3

このレビューはネタバレを含みます

過去2作に比べ物語上の制約があまりに大きく、『バスカヴィル家の犬』と同じような困難に見舞われたのかと邪推したくなるほどキツそうに見えたシリーズ最新作。解答編に入ってから一時間以上あるように感じてしまっ>>続きを読む

ザ・ミソジニー(2022年製作の映画)

3.5

プロジェクターで投影される炎と、融合する複数の顔。怖すぎる。螺旋階段の下から這い上がってきたものは一体何だったというのか。魔女刈り映画の系譜の最前線に連なる怪作。歴史上有名な死体がスクリーンに大写しに>>続きを読む

ザ・ディープ・ハウス(2021年製作の映画)

2.3

水中で得体の知れない何かに襲われ混乱し、上下左右も認識出来ぬままスクリーンが真っ赤に染まる恐怖演出、ジャンプスケアともまた違った、ゆっくりと死に向かう引き伸ばしの良さがあり、怖かった。幽霊が静かに泳い>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

2.8

誰かが感情的なふるまいを見せるところは編集で排する(父親以外)。ぱるるの別れ際のカットが印象的。
のんの目が人間離れしていてヤバいと思ってたら、テレビ越しに、スクリーンいっぱいに大写し。

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

一連の旅が終わり、誰も知らない騒々しい酒の席にこっそりと佇むヒロインの、あまりにも無抵抗な存在感の極限の姿に言葉を失う。わずかな承認の喜びに嬉しさを隠し切れない様子を見て胸が軋む思いがした。

ピノキオ(2022年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

いずれ必ずスクリーンで見ることを約束された画面の暗さ、ひたすら続く夜のシークェンス。ジミニーのぼろ切れのマントの裾についた小さな火が、頼りなげに画面へ軌道を焼き付ける。
子供たちがあらゆる反抗期→大人
>>続きを読む

神田川のふたり(2021年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

若者同士の追悼のために行われる、演劇的な祝祭空間。悲しみは生活の第一目的に置く必要はないが、間違いなく足取りを蝕む。好きな相手に良くない想像を働きかけもする。リアリティはなくて結構。黒子オチも全然嫌い>>続きを読む

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

アクティビティの最中、エドゥアールがまるで長年の親友を思って感情的な行動を取ってしまったかのようにブチギレるシーン、爆笑しながらよく分からない涙が流れそうになった。ヴァカンスが終わり散会する予感を残し>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

あの生命体の展開され切った姿、口を前面に出して数秒ごとに全身が震えるのは、カメラのシャッタースピードの間隔に似せてあるように感じた。
老若男女問わずの大殺戮からの、血の雨で木製の家を真っ赤に染めるくだ
>>続きを読む

オカルトの森へようこそ THE MOVIE(2022年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

子供の首をかっ切る必要に駆られる展開、あの理不尽さの先へ越えていく物語運びは劇場版コワすぎ!の進化形。黒石監督が死んでたことを報告するヒロインの笑顔、あのさじ加減本当に見事。どこまでも清々しい一本。

悪魔の起源 ジン(2013年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

高級マンションを去った家族たちは既に襲われていて、ヒロインを助けに来る存在はおそらくどこにも居ない。明らかに立地がおかしいし、どうやら外に出るだけでもアウト、もはや現実とは違う空間で右往左往してるだけ>>続きを読む

裸足で鳴らしてみせろ(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

風吹ジュンの、かつての事実としての旅の記憶とは異なる、今まさに生成されゆく物語としての記憶を支えるために、二人の若者は世界に耳を澄ます。老人の欲望を媒介に、言葉を用いず、愛情は殴り合うようにして確認さ>>続きを読む

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

2.4

このレビューはネタバレを含みます

ソーの力を与えられ影の怪物と戦う子供たちが『光る眼』。『ヒーローキッズ』の一線保つ感じとは少し違う。無邪気に、おもちゃを壊したり砂を崩すような手つきで異形たちを輪切りにしていく子供たち。
コメディの体
>>続きを読む

サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

2.2

バスケットと動物の屍骸が関わるシークェンスのほぼ全て完璧。あそこまでやり返さないと意味ないね。

グレイマン(2022年製作の映画)

2.1

このレビューはネタバレを含みます

この何も残らなさは翻って後に自分を襲うタイプの作品に違いない。最初の花火の発射台近くで繰り広げられるアクションはもはや目で追い切れず、最期の噴水で行われる肉弾戦と、目を瞑ってる間に敵を殲滅して迎えに来>>続きを読む

僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)

2.3

『最高に素晴らしいこと』も良かったが、これはまた明るく、人によっては大事な処方箋として長く作用する存在になるのだと思う。死に至る病であるのに、難病ものとしての消費のされ方はしないのかもしれないし、そこ>>続きを読む

13人の命(2022年製作の映画)

3.8

歴史性も付与されぬ、まだ起きたばかりの現代史的な事件の再現から新たなアメリカ映画史の時間軸を生み出す企み、イーストウッドの正式な後継者はロン・ハワードの可能性があるのかもしれない。
現場を分析して、シ
>>続きを読む

ムーンフォール(2021年製作の映画)

2.4

このレビューはネタバレを含みます

お前みたいなキャラクターが母親残して人柱になるんか、と驚かされたのも束の間、最後は『2001年宇宙の旅』〜『ミッション・トゥ・マーズ』のオチをしっかり咀嚼した大外刈り展開でゴール。月が地球を舐めてく、>>続きを読む

14歳の栞(2021年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

もっと分厚い二派論争が巻き起こっておかしくない、ある意味で挑発的でもあるドキュメンタリー。かけがえのない瞬間は間違いなく撮れている。個々の名前と個々の顔つきが等価に、整理する暇もなくスクリーンを通り過>>続きを読む

女神の継承(2021年製作の映画)

1.7

このレビューはネタバレを含みます

最強だと思わせて観客を裏切りあっさり退場した霊能力者が実は何も見えていなかったと嘆くショットで終わる、ってのはさすがに形式化されすぎていて乗れないところがあった。定点カメラで夜の家の様子を繋ぎ出したあ>>続きを読む

ビリーバーズ(2022年製作の映画)

2.2

このレビューはネタバレを含みます

海岸での全裸のセックスを引きの画でとらえたぼやっとしたショットが逆に強くて、見た後もふと思い出すことがある。去勢された宇野祥平が将来過激派のテロリストになるイメージは何故か爽快感に満ちている。いつもの>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

2.4

このレビューはネタバレを含みます

タイ・ウェストは『サクラメント』以来他の作品を見ずに本作を鑑賞。いかにも田舎出身の女の子がカメラを前に脱ぐとき、さすがにあの下着のイメージは固定的すぎてやりすぎだろと笑えない気持ち悪さがあった(もちろ>>続きを読む

炎のデス・ポリス(2021年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

映画館で見れて感無量。頭を撃ち抜かれた受付の警官が立ち上がって踊る横で「頭の中どうなってるんだ〜?」とか惚けながら実況するサイコパス。スピルバーグを凌駕する冷たい笑い。彼が登場した後一気に人数が減る怒>>続きを読む

ファンハウス/惨劇の館(1981年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

この歳になるまでこの映画を見ていなかった自分を恥じますね、なんて言いたくなるほどの大傑作。馬鹿な若者の一人は天井へ垂直に吊り上げられて絶命し、事切れた遺体はアトラクションに乗ってゴトゴト揺れる。全ての>>続きを読む

SPETTERS/スペッターズ(1980年製作の映画)

3.4

ルトガー・ハウアーにコケにされるモトクロスの特訓のTV撮影のシーン、不快指数といやらしさが爆発してて良い。青春ものに何気なくハードコアで過剰に残酷な演出が登場しては、画面が暴れて仕方ない。ヴァーホーヴ>>続きを読む

WILD LIFE(1997年製作の映画)

3.6

映画を好んで日常的に見るようになり、何年かして平成初期の実に痛快な出来の作品群をのめり込むように追い始めると、この人は存じ上げているけれどもこれ程貴重な存在だったのか、何度も印象的に画面を生きていると>>続きを読む

アポロ10号 1/2: 宇宙時代のアドベンチャー(2022年製作の映画)

3.7

このアニメーション技法がもたらす視覚の違和感と、現実性がついたり離れたりする遊びの効果がいかんなく、しかも意味を介して炸裂する主題の良さ。どこにもない風景の内部の更に奥、二重に幻想空間が立ち現れる。走>>続きを読む

ザ・ファブル 殺さない殺し屋(2021年製作の映画)

1.7

木村文乃がずっと部屋に居た。団地の鉄骨をバラす細かいアクションシーンが凄い出来。

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.6

ブラッドリー・クーパーから逃れるときのスローな後退カーチェイスで驚くほど興奮させられた。この軽い口当たりが素晴らしく、気の抜けたように見える手持ちショットの一つひとつが輝きを持って思い出される。

バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版(2022年製作の映画)

2.4

今年の西谷弘作品には、村上親子が印象的な去り際を提供している。決して閉じられた空間ではなかった事件の現場となる館は、散々回りくどい真相を説明した後、全てが終わってから完全に閉じられてしまう。物語の陰惨>>続きを読む

冬薔薇(2022年製作の映画)

3.2

真木蔵人の立ち姿、歩き姿に不意に目を奪われる。
行き着いた先、真っ当さを外れたところで今、化け物に育つ予感を孕む主人公の行末。

真夜中乙女戦争(2021年製作の映画)

2.0

永瀬廉の声と目付きが、説明しづらいが現代的で、冷たさはあるのに感情は捨て切れていないみたいなマージナルな自己演出が良くて気に入った。池田エライザが身体ごと受け入れて繋ぎ止める混沌とした承認欲求の渦。エ>>続きを読む