コアなき核映画。
政治的謀略が原爆開発を進めたというのはそうなのだろうが、そうした事実の羅列をシャッフルして全体にまぶし、結果として何よりもあったはずの「理論を発展させていく快感」が見えてこないとい>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
限界など持ってないはずのジブリ(的)ヒロインの限界を探求するという壮絶な修羅道を歩む映画。
壁を用意してはぶっ壊され、また用意してはぶっ壊され...その度に囲う世界は膨れ上がり、ヒロインの美しさも苦し>>続きを読む
比喩の海にどっぷり浸かり、中年の限界を底まで語り尽くし描き尽くす。
朝日新聞を購読し、日々「ののちゃん」の縦横無尽な斬れ味に笑い転げている身としてはそんな姿勢にどうも馴染めなかったが、青春の限界を描>>続きを読む
ラストにフッとでてくる「気晴らしじゃ。」という台詞が全てなのだろう。
結局人間にとっては、見知らぬものの生死なんぞどう繕おうと娯楽でしかないのである。いくら映画が歪んでもそこだけは越えられない。それが>>続きを読む
全く別のものとして表現されていた者たちが、結局は同一に存在してしまっているという突きつけられた限界に諦念を抱くべきか、それとも希望を持つべきか。
映画ならば1+1=1という歪んだ結果もあり得てしまう>>続きを読む
焼け残った母の青いモンペ、現在を忘れて浸かる海、そしてどんな時でも澄み渡っている青空...そうした"青"に引っ張られ、あの兄妹はどんなに醜くなっても絶えず美しくあり続ける。そしてその存在が許されなかっ>>続きを読む
多種多様に彩られた世界も、それを不快に引っ掻き回すアナーキズムも、合間に見え隠れする"夜"と"水"の隠れ蓑に過ぎない。それらがあらわになった瞬間、"失ったもの"を取り戻したい少女の純情に沿って世界がひ>>続きを読む
未熟な者の視線に支配され、必要以上に閉塞的になっていた世界があっさりと解放されるラストの爽快感が見事。
それまでの地味さと鬱陶しさはひたすら我慢するしかない。
成城北口や新宿西口のそのまんま感あふれ>>続きを読む
底の抜けたバケツに水を注ぎ続けるがごとく。
どれだけ注いでも結局水はいずれなくなり、底が見える。そんな当たり前のことに言い訳するのに尺をかけすぎなのよ。
世界の境目たる水面のつまらない描写に宮崎駿>>続きを読む
その場その場のハイレベルな作画のつるべ打ちの行く末は、何ら先の見えない分裂しきった宇宙。
やってること自体はハイレベルであっさりエヴァ旧劇を先取りしたりなどして見せるが、全くもって面白くない。
縦横無尽隅々まで空間を広げる構図と、”カメラを外に出してはならない”という鉄則の間で緩急自在に立ち回る見事な演出のおかげで、なあなあで終わる話には不相応な緊張感が常に漂う。
ここからさらに面白くなる>>続きを読む
未知の惑星やら架空の王朝やら、とにかくドデカイものを緻密に描くことで自分の心を鷲掴みにしたpart1だったが、
part2は緻密さそのままに描いているのがアラブ的小数民族文化なせいでどうしてもこじんま>>続きを読む
正気を疑うレベルで「話、アニメーション、メッセージ性」が面白くなく、正気を疑うレベルで「人、水、光、橋、舟、唄」が美しく繰り出されている。
高畑勲の映像センスが素晴らしいのは百も承知で、水上を揺蕩う>>続きを読む
とりあえずこの監督がゴダールが大好きなのはよく分かった。
でもゴダールやるには理性的すぎるのよな。あと爆音がくどい。
こんな2ちゃんやTwitterのレスバみたいな裁判があってたまるか!
なんだそのゴダール映画みたいな提供クレジットは!
などなどいいたいことは山ほどでてきたが、怒涛の台詞とそれを再現することのみに>>続きを読む
映像だけを見ていても面白みはあまりないが、現実と幻想を行き来する音楽が映像より常に先んじていることに気が付くと、それ単体の美しさと切り返しの鋭さが、音楽を時に反射し拡散させる、まるで鏡のような透明さを>>続きを読む
なぜそうなるのかがさっぱりわからない脚本と、それに納得せざるを得ない作画を乱射しまくる宮崎駿(および全く従来の仕事をしていない高畑勲)のとち狂いっぷりも見事だが、いちばんおかしいのは佐藤允彦のシンセサ>>続きを読む
弾けまくりのオープニングからぶっ飛んだ展開の連続だが、そこに至る経路は最後まで冷静に組み立て続ける演出にただただ「上手ぇなぁ」と感心するばかり。とくに竹藪がいい。
リズミカル&ダイナミックさあふれるアニメーションと、それをすべて視線劇と切り返しに落とし込もうとする剛腕な演出。そのぶつかり合う熱さは、物語自体の陰湿さ寒々しさを吹き飛ばすほど。
ヒルダの場違いな美>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ただでさえ長い本編の8割ぐらいを占めるただひたすら瞳を映すことに一貫する会話劇にこちらの瞳が閉じそうになりながらも、アナ・トレントの「Soy Anna」から始まるラストはそれまでのゆっくりとした盛り上>>続きを読む
対象との距離を徹底的に追究する画家を撮るために、彼およびマルメロの木がいる片隅を軸とした空間作りを徹底する、
絵を描くための前準備や絵を描くところももちろんだが、連日の雨に濡れる夜の木や、結局描けずに>>続きを読む
「走るものの活劇」から一転した「走れないものの悲劇」。
冒頭のショットから主人公を動かさないという信念がすさまじく、閉所やへき地ばかりの空間と相まって緊張感を限界まで上げることに成功している。まさに>>続きを読む
主人公の視点や感情を余すところなくカメラに収めつつも、それにお構いなしに日常生活が進んでいくというのがよい。そのおかげでキャラクターの普遍性が強まったのは間違いない。
ただそのせいで少年のよくある未>>続きを読む
無表情な主人公を常に中心軸として撮ることで「物語の流れが飛ばしの連続でもわかりやすい+何をしでかすかわからない緊張感を持続できる」と一挙両得なのが凄い。走れるブレッソンと言えるレベルの達人技。
しかし>>続きを読む
とにかく走る映画。そこに込められた少年の一途で純粋なエネルギーが、一切年相応の生き方につながらないのを見ているだけで悲しくなる。
走る以外のアクションもどんどん洗練されていっているが、それと反比例し>>続きを読む
全力疾走しても結局は四方をふさがれた部屋にたどり着いてしまうというのがまさしくフィルムノワール。彼らの生きた世界は、その意思に関係なく最初っから袋小路にあったわけである。
同情もできない、かといって>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
長回しに次ぐ長回しに次ぐ長回しに(ry
とにかくシーンごとのつなぎ方がとても心地よく、1つの長回しでできていると錯覚できるレベル。
喋る以上に黙々と作業に励んで、結局それが最も効率的にドラマを語って>>続きを読む
いままでいろいろ映画は観てきたが、同情の余地がここまでない主人公というのも珍しい。その他責性暴力性MAXな猪突猛進ぶりを、長回しに次ぐ長回しとコントラスト強めの撮影で写せばまあそりゃ強いですわな。
まるで毛色の異なるシーン同士をものすごい熱量で溶接したようないびつさが、逆に映画としてはまっとうなものとして観れてしまう不思議。
登場人物を詳細まで観察しつつも常に突き放してるあの距離感こそがドキュ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
人間性を削って芸術に注ぎ込む神聖なる行為と、人間性なしに生きたくないという欲望との葛藤。安らぎと緊張感が澱みなく入り混じる静かな日常≒芸術映画。
とにかく人々が芸術に打ち込むシーンが全て美しい。そし>>続きを読む
2019年だから許されたアメリカを否定することしか考えていない乱暴狼藉。
世界観を作ることに必死でキャラがほかのライカート作品より淡泊なのが鼻につく。冒頭の二人が出会うシーンとかタルコフスキーがやりた>>続きを読む
どこにそんな人脈があるんだというレベルの全日本色物俳優大会。
そのせいで全くの新人が大ベテランにしか見えないという異次元状態。
冒頭から役所広司へのクローズアップが近い時点で困惑してたらそれすらどう>>続きを読む
どんなにやりたい放題やろうとも、役者の撮り方さえ決まっていれば何の問題なく映画は見れるという好例。
役者のいい顔を撮るために付け足したシーンすらあるような気すらするがそれでも94分に収めるのがロバート>>続きを読む