PERSPECTIVEさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

PERSPECTIVE

PERSPECTIVE

映画(490)
ドラマ(0)
アニメ(2)

二十日鼠と人間(1992年製作の映画)

4.2

いい意味でシンプル。特筆すべきはこの登場人物がどういったキャラクターしているかというのが台詞とかなくてもすぐにわかるというところ。こういったところが俳優が監督をやる利点の一つなのだろう。後ストーリーは>>続きを読む

愛、アムール(2012年製作の映画)

-

全編苦行。救いなんてものは一切存在せず、状況がみるみる悪くなっていくのをただ見ているしかない。あまりの辛さに、途中から考えるのをやめて映像を流してみていた。この映画を評価するにはあと3,40年ぐらいか>>続きを読む

HANA-BI(1997年製作の映画)

4.9

諸君、あの男に優しくするな。
優しくしたところで彼は罰を求めて歩みをやめないぞ。

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.7

見たいと思って見れてなかった北野映画に初挑戦。全編通して何とも言い難い無常感に包まれており、その中で行われる暴力は確かに強烈ではあるがとても乾いている上に日常とほぼ一体化していて、興奮するというよりは>>続きを読む

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

4.2

自由であるのと、自由でいることは同じことのようで少しばかり違う。前者はよっぽどのことがなければ誰だってそうなれるが、後者になるには少しばかり度胸が必要だ。そして、その度胸を付けられるのも、付けずに見か>>続きを読む

ガタカ(1997年製作の映画)

3.6

世界観や映像はいい具合に現実感と非現実感を両立できており、「これはそう遠くない未来の物語である」という言葉に重みを与えているが、全体的に「こうすれば観客は驚くだろう」という展開が多く、ストーリーがガタ>>続きを読む

キル・ビル Vol.2(2004年製作の映画)

3.6

師匠が出てきたら、後は(ry あと男性キャラみんないい味出してんのに扱いが女性キャラより格下なのはそういう映画だと割り切ってもちょっと寂しい気持ちになる。

キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

3.8

千葉真一が出てきたら、後は何も考えずに楽しめるんだが...そこまでの道のりがあまりにも長い。

リベリオン(2002年製作の映画)

5.0

映画史上類を見ないレベルの無駄の無さ。ワンショットワンショットのキレ、ストーリーの運び、登場人物の描写、そして最大の見せどころであるガン=カタ等のあらゆる要素が陳腐でも難解でもなく「観客を興奮させる」>>続きを読む

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.5

アメリカンニューシネマは劇中で当時の社会を批判し破壊することはできたが、その先の理想社会を見出すことはしなかった。そしてこれはその先に見事行きついたまさに"世紀末"映画である。物質的破壊と精神的創造を>>続きを読む

ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)

5.0

人間みんな幸せになりたいじゃない。たとえモラルに背いたって、自分以外の他人が幸せになれるんだったらいいじゃない。それで与えた幸せが仮初のものだとしても、心が幸せであることに変わりはないじゃない。自己中>>続きを読む

赤い河(1948年製作の映画)

3.8

牛の大群の映像は鳥肌ものだし、アクションの見せ方もこれ以上ないぐらいうまいが...裏切られたジョン・ウェインがプレデターと化して一人一人葬っていく的な展開を期待した俺が馬鹿だった。あと腐女子ってすごい>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.2

とにかく映像が尋常じゃなく美しい上に一切の無駄がなく、台詞以上に物語の展開や登場人物の心情を的確に伝えている。こういった力こそが映画が映画たる所以の一つであると思う。久しぶりに余計なことを考えずに映像>>続きを読む

アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)

4.4

地獄の黙示録にさらに狂気を加えて、監督がモノホンの狂人になると多分これになる。もう物語の整合性なんぞ全く考えてないその場しのぎなカオスシーンと、自分から神を名乗っているのに何の違和感もないレベルなクラ>>続きを読む

地獄の黙示録(1979年製作の映画)

5.0

個人的戦争映画四天王其の二。なぜ戦争は地獄といわれるのか?なぜそこで兵士は狂ってしまうのか?そしてそんな有様なのになぜ誰も戦争を止めることができないのか?そういった疑問にコッポラ自らが狂気の世界に入り>>続きを読む

オール・ザット・ジャズ(1979年製作の映画)

4.8

一人の男の生きることに執着し続けた壮絶な生き様が、吐き気がするほど生々しく気持ち悪いミュージカルやニューシネマ感出しまくりのトリップ映像で描かれる。彼の考えや信念、そして何よりも「俺はまだ死にたくない>>続きを読む

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

5.0

忌々しき世は変わることはない。ただそこで生きる人間は...

市民ケーン(1941年製作の映画)

4.3

どんなに金を稼いでも、どんなに名声を高めても、そしてどんなに他人のために粉骨砕身しようとも、結局誰にも孤独な一”市民”としての真なる自分を生前も、そして没後もわかってもらえなかった新聞王の痛々しすぎる>>続きを読む

仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年製作の映画)

4.2

ひとりだけアメリカンニューシネマやってる山中正治と、存在そのものが異次元な大友勝利という、得物を振るうことでしか自分を証明できなかった二人の狂犬によって支配された映画。この二人が吠えるシーンは神がかっ>>続きを読む

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

3.2

確かに映像には他にはないエネルギーがあったし、ゲームオタクとしての自分が震える部分もあったし、我らがトシロウ氏の武士道に感動しない日本男子はいないと信じてはいるが、はっきり言って主人公は自分と同じ血が>>続きを読む

スネーク・アイズ(1998年製作の映画)

3.6

開始早々始まる、かのオーソンウェルズも真っ青な13分もの長回しなど自己満足に満ち溢れた映像、あまりにもダメダメすぎるニコラス刑事ほかろくでなししかいない登場人物など、デ・パルマ節がこれでもかと利いてい>>続きを読む

ファントム・オブ・パラダイス(1974年製作の映画)

5.0

約90分という短い尺の中に、あの「サンダーボルト」のポール・ウィリアムズ作の数々の名曲と、緊張感抜群のスプリットに絶望のカメラ大回転、さらに初見さんの度肝を抜くこと間違いなしなコマ撮りなどといった病的>>続きを読む

北北西に進路を取れ(1959年製作の映画)

5.0

国際的陰謀に巻き込まれ、ありもしない男が実在するかのような宣伝をする羽目になったマザコンでアメ公な広告屋が繰り広げる、ジョークとスリルに満ち溢れたスーパーバンダミングアクション。序盤だけみれば王道なサ>>続きを読む

バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

-

神話をそのまんま映像化するとこうなるという貴重すぎる例。全ての映像がこれまで自分が見てきた映画の中で最も力強く、かっこよく、見ているときはまさに極楽浄土にいるかのようであった。しかしエンドロールがたっ>>続きを読む

ミッドナイトクロス(1981年製作の映画)

4.8

ヒッチコックの「めまい」をベースに、「欲望」や「サスペリア2」、さらには「フレンチコネクション」(これは違うか?)などの名作へのオマージュを徹底し、超がつくほど病的なカメラワークやサスペンス描写、いつ>>続きを読む

殺しのドレス(1980年製作の映画)

3.6

カメラワーク、映像技法をフルに活用した心理描写及び緊張感の持続性において"のみ"は本家たるサイコに匹敵、あるいはそれ以上なサスペンス映画。全編通してデ・パルマの「俺はこういうのが撮りたかったんだよ!」>>続きを読む

欲望(1966年製作の映画)

4.0

主人公のカメラマンのキモオタ臭ムンムンに漂わしてる感じがすごくいい。正にカメラという拳銃を持ったガンマンのようだ。すなわちこれは現代に生きるカウボーイが、虚構に満ち溢れた現実に飲まれていくニューシネマ>>続きを読む

めまい(1958年製作の映画)

4.5

 自分のトラウマによってあらゆるものを失った男。表面こそ飄々とした感じで取り繕っているが、精神的にはもはや虫の息。そんな彼の前にその失ったはずのものが再び現れたときに巻き起こるあまりにも痛い復活劇。>>続きを読む

サイコ(1960年製作の映画)

4.5

一人の女性の焦燥感と緊張感をこれでもかこれでもかとあぶりだす前半、”例のアレ”を経て、何が起こるかわからない不安と恐怖に包まれた後半、そしてそれらを一気に取っ払うラストと、一切ゆるむことの無い話の展開>>続きを読む

バルカン超特急(1938年製作の映画)

4.5

列車、すなわち人の動きが制限された空間でのサスペンスという上質な米に、巧みな人物描写や伏線、さらに中々先が読めない展開といったこれまた上質な刺身を盛り合わせ、しかも前菜やみそ汁(前置きと息抜き)もしっ>>続きを読む

あなただけ今晩は(1963年製作の映画)

4.0

「アパートの鍵貸します」と同じ面子ということで視聴したが、あちらがすさまじいまでの厭世観にとらわれた現実よりの世界だったのに対し、こちらはおとぎ話感丸出しのワンダーランド。そのためやることなすこと全て>>続きを読む

アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)

5.0

高層ビルが乱立する世界、人々はより物質的な幸せを求め、平社員はひたすら蟻のごとく働く。彼らにとっての幸せは出世であり、そのためにはなんだってするだろう。結局、生き残るのは表面を取り繕うのがうまい奴らだ>>続きを読む

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

4.0

もう兎にも角にもゲイリー・オールドマンである。スタンスフィールドの狂気と、ゴードン本部長の人間味をうまく合体させたかのような愛嬌あふれまくりのチャーチル像を、彼(と辻氏)にアカデミー賞渡さなくて誰に渡>>続きを読む

ヴァレリアン 千の惑星の救世主(2017年製作の映画)

4.9

当然の如く色々と考えさせられたり、新しい感動を与える映画が名を連ねる現代において、意外にも緻密な設定の中で行われるこのバカップル大暴走映画はあまりにも作られるのが遅かった、もしくは少々早すぎたのだ。こ>>続きを読む

ラッキー(2017年製作の映画)

-

60年以上にわたってそのミステリアスな存在感と不器用だが人間味あふれる性格で映画に出続けた伝説の名脇役、ハリー・ディーン・スタントン。その遺作はどことなくミステリアスであり、不器用な語り口であり、そし>>続きを読む

小さな恋のメロディ(1971年製作の映画)

5.0

キャラクター、ストーリー、音楽、すべてが自分の好みにどストライクでしんどい。現実にうんざりしてる時に見れば救いを与えてくれる(確信)。