PERSPECTIVEさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.8

2019年だから許されたアメリカを否定することしか考えていない乱暴狼藉。
世界観を作ることに必死でキャラがほかのライカート作品より淡泊なのが鼻につく。冒頭の二人が出会うシーンとかタルコフスキーがやりた
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ゼロ年代にブレッソンを再現する神業誇らしくないの?としか言えん。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

どこにそんな人脈があるんだというレベルの全日本色物俳優大会。
そのせいで全くの新人が大ベテランにしか見えないという異次元状態。

冒頭から役所広司へのクローズアップが近い時点で困惑してたらそれすらどう
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ドミノ(2023年製作の映画)

4.6

どんなにやりたい放題やろうとも、役者の撮り方さえ決まっていれば何の問題なく映画は見れるという好例。
役者のいい顔を撮るために付け足したシーンすらあるような気すらするがそれでも94分に収めるのがロバート
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浮雲(1955年製作の映画)

5.0

あまりにも寒い日々における、存在すら許されない者達の腐敗臭と断末魔。

写されるショット一つ一つに登場人物の感情がすさまじい密度で刻まれていて、それのミニマルな繰り返しに終始する映画に恐怖を抱きながら
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東京物語(1953年製作の映画)

5.0

とある暑い夏の日に聞こえた、滅ばなければならないものたちの挽歌。

あらゆるものにイライラする鈍重な前半と、それらをすべて許容していくあまりにも潔く素早い後半のどちらにも、あの完全に固定された映像演出
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.7

列車で始まり列車で終わる映画に駄作なぞありえない。

少々癖がある作画×ゆったりしているようでいて怒涛に重い展開でありながら岡本喜八ばりに登場人物の動きやリズムに重きを置いた演出のおかげで恐ろしいほど
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エル・スール(1982年製作の映画)

5.0

「光」と主人公との関係性の変化を映すだけで、彼女の父親へ抱いた幻想と幻滅や彼女自体の成長譚をきれいさっぱり描いてしまう。このうまさは映画館でなければ満足に堪能できないだろう。いやはやまったく運が良かっ>>続きを読む

(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

_______________________
|こんな らんせに まじに |
|なっちゃって どうするの |
|___________________完 _|

武士道も衆道も
知略も戦も
忠義
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

5.0

彼方からやってくる映画。
自分で席を用意して見に行く映画。
暗闇の中で照り続ける映画。
遠くの丘まで聞こえる映画。
諦めてディストピアに閉じこもる大人には見れない映画。
何も知らぬ子供には知りたいもの
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フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

4.4

超絶アートB級映画。とにかくカメラワークが意味不明なまでに現代的。

ビデオドローム 4K ディレクターズカット版(1982年製作の映画)

5.0

この映画が検閲されたこと、そしてされる前とされた後で内容がほとんど変えられなかったことが何よりも映画としての可能性を示している。

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.5

何がおきているのか、どう進んでゆくのかさっぱりわからないお祭り騒ぎの裏で、ジェイソン・シュワルツマン"の目"によるドラマは黙々と進行してゆく。最初からすべてがそのためにあったかのような的確さにはただた>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

2.8

現実世界を目撃したマーゴット・ロビーの目のクローズアップという最高に映画的な瞬間から、マテル社のそれまでと何の変りもない非現実的な描写に至る所でもうついていけなかった。なぜそこで世界観を分けようとしな>>続きを読む

BUG/バグ(2007年製作の映画)

4.8

やってることはインターネットでよく見かける○○○○や×××××と相違ないが、観るものを視覚聴覚的に縛り付け最初から最後まで不確定性の坩堝に引き込み続ける。その緊張感と毒々しい美しさはついうっかりそっち>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

冒頭のビデオカメラ映像がビスタサイズだった時点で「これあかんかもしれん、ちょっとレトロっぽくして図に乗ってるボンクラかもしれん」という予感がしたが、見事なまでにそれを裏切らないしくじり映画だった。(い>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.8

もはや本能的といえるほどの純"映画"。

この境地に達してしまえば所々出てくる衰えや手抜きすら、映画そのものの生命力を押し上げる燃料になってしまう。

小説家の映画(2022年製作の映画)

5.0

厳格な固定ショット+長回しで撮られたぶっ続けの会話劇には、それがもたらす緊張感もさることながら、「観客を絶対にキャラクターや物語に近づけない」という断固たる決意にただひれ伏すしかなかった。
二人の会話
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ストレイト・ストーリー(1999年製作の映画)

3.9

こういうのをずっと観ていたいんだ...と思わせる、しっかり働きしっかり生きて、他人を思える余裕もある、でもちょっぴり変なアメリカ人しか出てこない映画。こういう人たち観れそうで観れないから助かる。

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EO イーオー(2022年製作の映画)

5.0

ある1頭のロバの視点から、あらゆるものを見上げ続ける映画。

そこ以外で起きていることは可能な限り簡略化され、ロバ以外のあらゆる生物を相対的な距離で観察することを強制される。余計な思想や感情を入れる余
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エッセンシャル・キリング(2010年製作の映画)

5.0

「銃を奪って2人を射殺する」という展開を
「相手が拳銃を持ってるかもわからないほど暗い、
というかそもそも1人しか画面には出てきていない」
なかで敢行するという限界的効率アクション映画。

その徹底し
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.6

良くも悪くもゲームな映画。トレーニングやドンキー戦など要所要所のクリップだけつまむなら面白かろうが、ゲームネタを映像に入れることに必死になりすぎて映画としてのテンポが壊死していて"緊"張感の"臣"すら>>続きを読む

スーパーマリオ/魔界帝国の女神(1993年製作の映画)

4.0

パトカーのエンジンは常時火花を散らし、火炎放射器は拳銃やマシンガンのごとく乱用される。この"意味のない火力(テンション)の高さ"が、使えるものならなんでも燃料にしてしまう当時のハリウッドの潔いまでに脳>>続きを読む

スーパーマリオブラザーズ ピーチ姫救出大作戦!(1986年製作の映画)

3.9

前半のあらゆる要素を映像に落とし込もうとする悪戦苦闘ぶりに辟易しつつも、ピーチ姫以上に可愛いキノピオが出現したあたりからだんだんと要領を得はじめ、クッパ城に船を破壊しながら突っ込んでいく終盤で無敵の活>>続きを読む

メグレと若い女の死(2022年製作の映画)

4.0

シネスコである必要性が圧倒的にないほどの静けさ。1事件は1事件として収束し、次の事件のための日常へと戻る。
そしてその過程で垣間見える微かな色気が豊潤に脳内に滞留し続ける。

ハロウィン THE END(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

巷でよく流れてそうな歌を連続で流しながらも結局最後は「ハロウィンのテーマ」で終わってしまうエンドロールがすべてを象徴している、「あとちょっとまで行けていた」映画。

ホラー映画を謳いながらラブストーリ
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

2.0

あとからついていくものには”芸術”はありえない。
-石ノ森章太郎-

野獣死すべし(1980年製作の映画)

4.8

他のどの映画以上に「視線」に支配されたあんまりにも危なっかしい映画。
登場人物の外的なアクションをその周囲から映すのではなく、彼らの視線とほとんど一体化したショットを徹底することで、余りにも冷徹で暴力
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蘇える金狼(1979年製作の映画)

3.8

文字通りやって、殺って、ヤリまくる映画。
長回しを駆使した強烈アクションとオーバーにもほどがある役者の演技は一見どころか二、三見ぐらいの価値はあるが、千葉真一が乱入してきたあたりからその高カロリーなエ
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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

5.0

フェイブルマンズの前座として全く期待せずに観に行ったが、開幕早々列車強盗(未遂)を敢行するという豪胆ぶりにやられてしまった。

しかもそれが単なる意識高い出オチにとどまらず、主人公がさながら映画史をた
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

2.2

デヴィッド・リンチがジョン・フォードをやるという情報だけで観に行き、そのクリソツぶりと確かに伝わるジョン・フォードへの敬意以外は
何一つ面白いと思えなかったどうしようもない映画。

そもそもスピルバー
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.5

同監督の大傑作スリー・ビルボードと同じぐらい魅力的な登場人物を作りながら、あの強烈無比なアクションが悉く取り除かれ、映画を舞台と勘違いしているのか?と言わんばかりの会話劇に終始するという愚の骨頂。>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.3

どんなにいい話をしようが、いろんな要素で埋め尽くそうが

カンフーアクションにスローモーションを意味なく多用するような映画を信用してはいけないのである。
石ころの運動の方が映画的ということに気づけ凡ク
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殺しが静かにやって来る(1968年製作の映画)

4.5

ありとあらゆる西部劇が頑なに守ってきた伝統を文字通り真っ白に穢してみせた、あまりにも忌々しい映画。ここまで大それたことは後のイーストウッドしかやれていない。

誰も彼も小汚くせこいことしかしていないの
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.9

挿入される数多の映画の素晴らしさは言うまでもないが、それらの展示会にとどめずあくまでモリコーネを”映画の登場人物のごとく”魅力的に映すキャメラの距離感がたまらない。もはやドキュメンタリーの枠を超え、映>>続きを読む

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)

4.4

最初に主人公の生きている視点を映像にしっかりと固定することで、それが崩壊していく様を静かにじっくりと楽しめる。言葉に頼らずどこまで映像で語れるかを追求する映画監督の鑑。
そのおかげで「いや、そんな無茶
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