彼は誰よりもカウボーイに憧れて、誰よりもカウボーイになりたくて
しかし自身生きている「現実」は絶対に彼をカウボーイにさせない。
所詮はまがい物なのだ。それでも彼は映画の中に本物を追い求める。
こ>>続きを読む
心の中の大地震は、現実世界の鼠一匹動かすに足らず。
もはや気狂いじみた元気溌剌ぶりに軽く引いてる自分が嫌になり
それに何の疑いもなく劇場で歓声を上げていた子供たちに心を温められ
美しい自然を限界まで引き出すため残酷な暴力を病的に追求する。
しかし役者の魅力の無さはその美への没入を阻害する。
宮崎駿はアニメ界のマイケル・チミノだった...?
「また、村が一つ死んだ」
こう納谷悟朗の声が宣えば、あっという間にこの映画の世界は完成した。
世界の始まりから今生きる人々の本音まで見守る天使ってなにもないところから一つの映画を作ってる監督みたいね。
そんな監督の映画を作る苦しみ(空間の細部まで作らなければいけない反面過度な干渉が不可能なも>>続きを読む
肖像画、すなわち自分の作り上げた他人のイメージ。
それを作るうえで他人を見て、逆に自分を見られて。
その過程で生まれた炎のごとく激しい恋。その身体が溶ろけるような甘さと、心に火傷を負わせるような苦さ>>続きを読む
見るアンビエント・ミュージック。
演出も脚本も全てノイズと映像の中に溶け込んでいるかのような幻想感と虚無感に包まれて。
人間と蝿。男と女。即ち自分と他者、受容と拒絶に2極化された関係。
変化のためには受容が要るが、変化の先には拒絶が待っている。
「出ていきたまえ」「僕を殺さないで」
「墜ろしたくはないの」「とても>>続きを読む
オチの付かぬ展開の連続には中々筋を見出せず最初はどうしても苦しくなって
「令和のチャップリン」などの異名は全く似合わない、日常系の4コマ漫画のような漠然さと構図が終始完璧に決まったシネマスコープの余>>続きを読む
ぼくのかんがえたさいきょうのさすぺんす映画”演出編”
「人種平等」「性別不問」「遠慮無用」の圧倒的暴力描写、陰影を完璧に使いこなした映像構成、そしてスローモーな展開でも緊張感を淡々と持続させる力強い演>>続きを読む
ぼくのかんがえたさいきょうのさすぺんす映画”映像編”
なにか肝心なところが破綻している気がするがブレッソン、メルヴィル、たけしのセンスを完コピして作り上げた映像美のせいで完全に煙に巻かれた。
女性の性描写がどうこうと文句を言う前に、光欲しさに駄々こねてる己の薄っぺらさを知ってください。それにしても今年はあなた方にとっていい時代でしたね。来年も調子に乗って光で目を焼き潰さないよう気をつけてく>>続きを読む
序盤のよくあるドキュメンタリーの退屈な雰囲気からは想像もできない程面白い。
約100年前の映像とは思わせない、まるで最近起こったと思わせるほどのレストア技術もさることながら、映像、音声、写真、風刺画と>>続きを読む
巷では今敏監督の代表作といわれているこのパプリカだが、個人的にはこれまでの3作のエッセンスをまとめたベスト盤のように感じられた。しかしそれに対する90分という短尺にビジュアル完全重視の制作過程、さらに>>続きを読む
COWBOY BEBOP で知られる信本敬子が脚本に入ったためかバタ臭さと勢いづいた軽さが他の作品より目立っていたが、そんなご都合主義ばっかのヨタ話の連続を型に添った物語の多層構造と解釈して自分の範疇>>続きを読む
劇中およびそのまた劇中、そして現実世界にまで展開や人物関係の入れ子構造が見事に働いた大傑作。とにかく35mmによって映し出された劇中劇の百花繚乱ぶりは絶景としか言いようがなく、さらに映像の流れだけでは>>続きを読む
古今東西あらゆるサスペンス映画の“型”を再現し続ける愚直さと、最後にそれらを一思いに平らげる豪胆さ。
別軸の話が理不尽に交錯する構造や恐怖と希望の配合具合など、初監督作でありながら自分の特徴を知り尽く>>続きを読む
映像(照明の当て方、カメラワークなど全て)が現代的なキレイを通り越してまるで70~80年代の名作洋画のごとく妖艶で、沼に沈むように引き込まれてしまう。こんな領域が邦画にあったとは。
このレビューはネタバレを含みます
絶 命 勝 利
テイストを初代および原作に近づけつつ、ゴア描写は維持した結果、シリーズ一暗く、重苦しく、救いのない作品が出来上がった。残虐な暴力を初代のM-60のごとく淡々と放つランボーの姿には、>>続きを読む
劇場公開版の強みはほぼそのままに、原題の"RAMBO"よろしくランボーのキャラクター描写を強化したバージョン。
登場人物の魅力はほぼ5割増しで話により入り込みやすく、得られるカタルシスもよりすさまじい>>続きを読む
20年ぶりの復活で解禁されたゴア描写と、スタローンがひたすら真面目に追求した社会問題が見事にマッチし、強烈なカタルシスを生み出すことに成功している(類似例:ウィンド・リバー)。
反面、社会問題を優先す>>続きを読む
はっきり言って前半の出来はシリーズ最低である。キャラクターに味気がなく、ひたすらタリバンの説明に尺を費やしている。でもここをぐっとこらえて観てほしい。後半戦になると、アクションのカット割りやヒロインと>>続きを読む
簡潔に言えばシリアスなコマンドー(こっちが元ネタやぞ)。
様式美の形成といえば聞こえはいいが、前作とそれ以降の作品間の橋渡し的役割に過ぎないのも確か。
しかし名匠による、前作と対照的な明るく暑苦しい映>>続きを読む
ランボーにリスペクトを払った映画ということで観たが、それよりも原作の『一人だけの軍隊』に近い、過去の戦争から逃れられない者達による残忍かつ虚しい戦いがひたすら繰り広げられる。始まってすぐの無音から情け>>続きを読む
「近頃なぜか岡本喜八」と思わず言ってしまうぐらいの岡本喜八テイスト。愚の骨頂「ジョジョ・ラビット」とは真逆の意味で「昔の映画のような」音楽とアクションに込めた力の重さには、ただ全面降伏あるのみ。
戦争を、それに葬られた人々を、生き残って苦しんだ人々を誰よりも真摯に、誰よりも必死に描き続けた岡本喜八が最後にたどり着いた理想郷。時計の隙間から狂気のパレードがハロー!
戦争がもたらす「死」の前には個性も信条も、隣人への愛も、生きようという意思も、すべてかき消される。その絶望的な力を思う存分、もう嫌だと思うほど、堪能させてもらった。
白と黒があり、群衆と孤独があり、過去と未来があって...
キレッキレの映像が怒涛の勢いで目に迫る興奮と、「自分はいったい何を見ているのか」という困惑に混乱するしかない。
しかしその矛盾を解消するどころ>>続きを読む
「戦争はいけないとみんな分かっているのにどうしてやってしまうのか?」
と疑問に思ったそこのあなた、常識や理性を塗りつぶす150分ぶっ続けの狂気と熱気のオンパレードが、その答えを教えてくれます。
キレイにすればするほど、後付けすればするほど、この映画は未完成であるということがばれてしまう悲哀。
モノクロからの
スタンダードサイズからの
スクリーン内のおキレイな女性像からの
解放のエネルギーたるや凄まじき
彼はこの世で他の人と一緒に自由に生きたかった。生きられると信じきっていた。彼は気楽な男だった。
しかし神は自由を大地のみに与えていた。そしてその上で生きる人々は矛盾まみれのものとして作り上げてしまっ>>続きを読む