PERSPECTIVEさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

インディアンが追いやられた僻地ウインド・リバー。深い雪の中に埋もれているのは、そんなところで栄光とは無縁に生きていかざるを得ないと思い込んでいる人々の劣等感。溜まりに溜まった怨念は自分勝手な理由で噴出>>続きを読む

タワーリング・インフェルノ(1974年製作の映画)

4.5

徹頭徹尾スリルの塊。最初の方でボヤを出しその経過を順次見せていくことで緊張感を真打たるマックイーン登場(これがまた意表を突くんですよ)までキープさせ、そこから先は爆発と高所撮影と役者のエネルギーで豪快>>続きを読む

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

5.0

過去を捨て荒野をさまよう男が愛する者を救うために頑張り、最後にまた荒野へ消える。これ以上ないぐらいの西部劇(テキサス)。しかしその映像や音楽の美しさはまるでパリのよう。まさにパリ、テキサス。とてつもな>>続きを読む

ゴジラ(1954年製作の映画)

5.0

メインテーマにゴジラの咆哮と破壊音がエレキギターのようにかぶさるオープニングに最高にしびれる。演出や展開に古臭さは感じられずむしろ議会でのヤジや芹澤博士の引きこもり×厨二病×シスコンという設定の盛り込>>続きを読む

ビリー・ザ・キッド/21才の生涯(1973年製作の映画)

4.8

死と日常との間の距離があまりにも近かった西部。そこで生き続けようと殺しを重ねたアウトローと、親友である彼を捕えることで、死の連鎖から彼を救い、あわよくば自分も救われようとした牧師か神父のような恰好の保>>続きを読む

若者のすべて(1960年製作の映画)

5.0

古風な地縁社会、無情な現代社会、金、愛情、女というモンスター、誰かにとっては薬でも、別の誰かにとっては毒となる。生き物としてなくてはならないはずの個性によって自分の首が締め付けられているという矛盾。何>>続きを読む

ベン・ハー(1959年製作の映画)

4.8

何よりも物語を押し進める役者と演出の力量が段違い。220分という長尺は150分ぐらいに感じ、架空の世界は実際にあるかのような質感を持ち、説明不足やご都合主義はむしろ話に神々しさを与える。これに匹敵する>>続きを読む

ソウ(2004年製作の映画)

3.7

感情も何もあったもんじゃないは分かっていた。
それでも二人の凸凹なやりとりやダニーグローバーのシーンをもっと見たかったなぁ...

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.0

音楽と映像による”感情”のための映画。その人の存在がなくなっても、その人の感情は何らかの形で残すことができる。映画や音楽といった芸術とはそういった感情表現のうちの一つであり続けるべきである。

X-MEN:ファースト・ジェネレーション(2011年製作の映画)

3.6

人生初Marvel。登場人物ごとの考えの違いから浮かび上がるマイノリティの多面的な見せ方はとても見事だが、それ以外の要素のブツ切り感がすさまじい。カットしてテンポをよくするにも限度っちゅうもんがある。

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.9

どこまで行ってもどこまで行っても終わりが見えない映画美の大洪水。もう何も考えられないし考えたくもない。ただただその中にずっと沈んでたい。

ファンタジア(1940年製作の映画)

4.0

一般的な言葉によるものとは格が違う、音楽と映像による”表現”の芸術的極限。その完璧な出来は一曲観ただけで神経を削り取る。

サンキュー・スモーキング(2006年製作の映画)

4.7

ガンの代わりにマシンガントークを武器に己が信じる道を突き進み、たとえくじけても愛する者の支えで立ち上がる姿はまごうことなきアメリカ映画。

ダイ・ハード(1988年製作の映画)

4.7

頭脳戦時々ごり押しまくりのアクションの合間合間のダメ男ブルースの異常なまでの心地よさ。孤独なクリスマスにとってもよく効く特効薬。

台北ストーリー(1985年製作の映画)

4.8

ニューシネマと呼ばれるにふさわしい非情さにどんどん押しつぶされていく至上の快感。なぜか本編と何の関係のないFUJI FILMが一番目立ってる件。

恐怖分子(1986年製作の映画)

5.0

ほとんどすべての映像での配置のうまさやそもそものきれいさという他のどんな映画に比べてあまりにも洗練され過ぎた演出と、登場人物同士のどう接しても埋まらない空虚さによって面白さが段々と積み重なっていく。そ>>続きを読む

雨月物語(1953年製作の映画)

4.6

長回しが怖い怖いとおびえてたらカメラ止まってたってホラー映画レベルの唐突な登場にやっぱりビビッて

野良犬(1949年製作の映画)

4.2

追跡、張り込み、雑踏、拳銃、コンビ、公衆電話、厭世観、そして熱気と執念。刑事映画を面白くするうえで必要なものは、すべてこの中にある。まあ現代の視点からすれば、スタンダードサイズの狭苦しさと戦後すぐの雰>>続きを読む

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

4.0

ページふってない機密書類の大人員での整理シーンややたらめったらいろんな奴が喋りまくるシーンや新聞の発行シーンなどといった要所要所の変態度が異常。

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

3.8

マークライランスが出てるシーンだけは異様なまでの名作。現地での交渉シーンよりも獄中でのマークライランスの生活映してる方がはるかに効率的で面白くなったはず。

ロープ/戦場の生命線(2015年製作の映画)

4.2

ありきたりなperfect dayを求めて、今日も誰かが目立たず働いています。手を出せない状況に何度も出くわし、怖いものには全力でビビり、弱い奴には強者面で向かっていく。時には折角の仕事が全くの無駄骨>>続きを読む

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

4.0

才能はあるにはあったが、その代わりどうしようもなくゲスでバカな奴らが自分勝手に事を進めてウソつきまくってお約束のように自滅していく滑稽さ。そうなるとわかっているのに運命に逆らえない哀れさ。それでも生き>>続きを読む

ゾディアック(2006年製作の映画)

3.6

正直言ってかなりだるい。特に前半は70年代映画へのパロディが露骨すぎて辛かった。やるのは別に構わんがもっとうまいやり方いくらでもあるでしょうに。ただ後半のダーティハリーと化したジェイク・ギレンホールの>>続きを読む

アンソニーのハッピー・モーテル(1996年製作の映画)

4.1

一見ダラっとしている展開のようで、場面の切り替わりがとてもキレよく進むんで飽きずに見ていられる。そしてそんな構造が主人公3人のなあなあな関係とうまくシンクロしているのがとても良い。

ポリス・ストーリー 香港国際警察(1985年製作の映画)

4.6

序盤の大捕物のシーンにおける緊張感の積み上げ方とそこからのアクションの大爆発ぶりは見事。さすがスタローンがデッドフォールで丸パクしただけのことはある。それ以降に挟まれるコメディ要素も邪魔なようで終盤で>>続きを読む

プロジェクトA(1983年製作の映画)

4.2

call me by your name然り、自転車がカッコよく使われている映画に駄作はない。まあ細かいことは気にせずジャッキーを見てやってくださいな。

さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌(1992年製作の映画)

4.9

ところどころに挿入される心情のイメージ映像も前評判通り強烈ではあるが、それよりも個人的にツボだったのはほんのわずかなセリフにまで感情がウソ無くしっかりとこもっていること。これが僕らの素の感情を引き出し>>続きを読む

恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

4.7

約40年前に撮影したものとは思えない程美しい大自然の光景と無機質なBGMや主張が激しいSEという映像効果だけで傑作レベルなのに、真打としてあえて登場人物の描写を舞台に来た背景以外を無個性的に描くことで>>続きを読む

真夜中のパーティー(1970年製作の映画)

4.0

同性愛を扱った映画だが、注目されているのはそのことよりも、彼らが常にそういった本性を出すことなく何かしら劣等感を持って生きているということ。その負のオーラは場に緊張感を与え、そして本音がさらけ出さすこ>>続きを読む

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

4.5

見渡す限りの荒野、奇想天外な撃ち方、重くそして長ったらしい暴力と傷だらけの主人公、愛情とも置き換えられる友情、そして現実的かつ情無用な展開をマシンガンのごとく繰り出すその姿は在りし日のマカロニウエスタ>>続きを読む

ボーダーライン(2015年製作の映画)

3.7

法によって守られ続けてきた無知(アメリカの象徴?)の視点からみたなんでもアリ地獄の1丁目。あくまで1丁目なので、心臓やぶりに定評のあるヴィルヌーヴの映画の中ではかなり甘口。溜まり溜まったフラストレーシ>>続きを読む

誘拐犯(2000年製作の映画)

3.4

銃撃戦とデルトロとジェームズ・カーンを見るためだけの映画。なのに蛇足な要素が死ぬほど多いんで見ていてつらい。

ノーカントリー(2007年製作の映画)

5.0

現実や人間に対する救いようのない絶望感と、それでもあきらめずに己を信じ抗い、そして叩きのめされる3人の生き様があまりにも切ない傑作であることは確かだ。それはそうとして良くも俺の腹筋を破壊してくれたなウ>>続きを読む