ChameleonBabyさんの映画レビュー・感想・評価

ChameleonBaby

ChameleonBaby

劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~(2019年製作の映画)

3.5

だいぶコンパクトにまとめた黄前ちゃん2年編だけど、生意気な新入生の感じも技術のヒエラルキーの感じも自分のことのように受け取れたので、現役吹部にはとてもキツイと思う。

吹奏楽の部活という文化って特殊だ
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.5

他者への無理解、無神経さを自覚したと口にした矢先に、「俺の本質はこれなんじゃねえか」と口にした時点で、言葉が何の役にも立っていないことが伺えたが、手負いの鹿が現れた瞬間に終わったな、と思った
そして皆
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恋は光(2022年製作の映画)

-

西野七瀬の圧倒的ヒロイン力にただ頭を垂れるのみであった

正欲(2023年製作の映画)

3.0

地元のイオンではたらく孤独な新垣結衣が見れます

という冗談はさておき、原作に比べ登場人物の掘り下げが最小限で、そもそも原作も会話ではなく自身の思考が多いことから映像化は大変そう。
そんな中でも、漠然
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

-

映画にする意味がわからんぐらい良くなかった
綾野剛のヤクザは別の映画でも観たし、聡美くん役はただの中学生で魅力ないし、原作の良さとクールギャグが活きてない
イントネーション意識しすぎたエセ関西弁も気持
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.5

この世に生まれるべきでなかった原子爆弾の父オッペンハイマーの伝記映画。

彼が敵対国との軍拡競争に巻き込まれる形でマイナー学問だった量子力学の発展に貢献し、それが何を招いたかが描かれる。

科学者の苦
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.5

ウクライナ侵攻の悲惨なニュースが絶え間なく流れる中、不景気と不安定な職の労働者である中年たちの恋愛

細かいディティールに愛らしさあり
裕福な暮らしをしているわけでもない大人たちが好きな人のために背伸
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.0

サイコ版トゥルーマン・ショーでした

首無し死体、屋根裏、母親の呪い、精神疾患...いつものアリ・アスターだったけど、最初のパートしかあまり楽しめなかった

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

事前情報なしでヨルゴス作品ということだけで観に行ったので、設定からサイコスリラーものかと思ってたけど割と堅実社会派な映画でびっくりした。

身投げした妊婦の遺体を回収して、胎児の脳を母親の脳に移植し蘇
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.0

西武開拓時代のオレゴンが舞台。
偶然出会った料理人のクッキーと中国移民のキングが、牛乳盗んでドーナツ作りでアメリカンドリームを目指す物語。

寝落ちしてしまい、キングとクッキーの友情が育つシーンを見逃
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ミツバチと私(2023年製作の映画)

4.0

ヨーロッパの普遍的生活を描く中で語られる8歳子供の性自認。
自分の兄弟が、子が、友人が自分のジェンダーアイデンティティを確立できていなかったとしたら、と想像させるような丁寧な作品だった。

ストーリー
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もっと遠くへ行こう。(2023年製作の映画)

4.0

"I'm Thinking Of Ending Things"もう終わりにしようの原作者イアン・リードの映像化作品なだけあって楽しみにしていた。
これのためにPrime再加入。

気候変動、世界飢餓が
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Saltburn(2023年製作の映画)

3.0

2006年英国が舞台。大学入学当時から友達ができず馴染めなかったオリヴァーは、友人にも女性にもモテモテなイケメンのフェリックスが気になっていた。
とある日自転車がパンクして困っているところを助けたこと
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雪山の絆(2023年製作の映画)

3.0

雪山舐めるなおじさんもこれには顔負け。
1972年のウルグアイ空軍機墜落事件を元に作成した実話らしいけど、ほんとに??という描写が多くてなんかモヤモヤ。

これはロケ地選定と衣装選定の問題な気がする。
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呪詛(2022年製作の映画)

3.5

ホラー豊作の2022、"女神転生"に同じPOVホラー
精神病を理由に子を手放していたが、親権復活を目指して子に再会、一緒の生活を試みる。
しかしなんだか良くない友達も連れている気がするなあ?と思ったら
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.5

聴覚障がいを持つ俳優を実際にキャスティングしただけあって、「フリ」だけではなく独特の仕草や目線の移ろいがあり、とても豊かな真実性を持ったストーリーになっている。
"Sing Again"から連なる音楽
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.5

久々のSF新作。DUNE見てないので個人的にはもうTENET以来3年ぶり?
寺院のデザインやニューアジアの農村のディティール、ロボットとの共生社会の描き方は良かった。
あとガンダムの終盤に出てきそうな
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イノセンツ(2021年製作の映画)

2.0

期待以下だった。
無自覚の悪意がサイキックに乗って暴走する、もしくはサイキックバトルとかの描写を期待していたが、ただのシリアルキラーの子供の話。
親に子を殺させる、子が親を殺す描写は醜悪でした
童夢が
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ハント(2022年製作の映画)

3.5

イカゲーム主演イ・ジョンジェの初監督作品。
1980年代の韓国の軍事独裁政権時代を軸にフィクションと実際の事件を織り交ぜながら南北対立を描くスパイアクション。
何重構造にもなっている展開は非常にワクワ
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.5

1955年のアメリカ砂漠地帯を舞台にした演劇、それを撮る舞台裏、それを紹介するTV Showという3重構造で、50年代カルチャーをふんだんに反映したメタ的な劇中劇。
1955年といえば理由なき反抗です
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モンスターハンター(2019年製作の映画)

2.5

1番のアクションの見どころがしょーもない喧嘩から始まる対人戦というオチ。
ディアブロス戦は罠駆使したり必要なもの調達したりで面白かったけど、どうしても短期戦になってしまう。

リオレウス討伐後にいきな
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ムカデ人間(2009年製作の映画)

2.5

サウスパークの醜悪なパロ"ケツPad"を先に見てしまったが、ようやく本家を観た。
怒気マシマシの関西弁チンピラ俳優がちっちゃい土佐弁使ったのでもしかして?と調べたらやっぱり高知出身だった。

絶望で泣
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.0

20代後半の恋愛なんて〜と諦念含んだ退廃的な恋愛を語る割には主人公テルコが20代前半みたいなガチ恋顔で愛らしいのであんまりリアリティ無かったけど、後半の拗れ方は都会の人間関係ぽかった
全く無意味な執念
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前科者(2022年製作の映画)

1.5

謎キスシーンとか、設定の無理さ、文脈の稚拙さ、急に叫んだり脈絡なく名言ぽいもので決めてこようとする感じが「邦画」だなと思ってしまって全然おもしろくなかった。
何回拳銃奪われてんねん。

磯村勇斗の演技
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.5

レオの表情や所作がが弟に酷似してたせいで冷静に見られず過剰に感情移入してしまい、退席しようかと思うぐらい大泣きしてしまったが、愛を死というトリガーで描かなくちゃいけない残酷さにあまり手放しに称賛したく>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.0

名作のオマージュを皮肉るネタが所々ありクスクス笑えた割には退屈だったのでその理由を考えたい。

まず、性差の認識や対立構造の煽り方こそ「女性の敵は女性」という現象に代表されるような有害さがあること。
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.0

この時代に生きてて良かったと思えるのは宮﨑駿の作品と共に歳を重ねてきたことも大きな事だと言いたくなるぐらいの作品でした。

宮﨑駿はファンタジーフィクションに生き、自然界に対する敬愛故の写実主義とファ
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リズと青い鳥(2018年製作の映画)

4.0

音は時に言葉で表しようのない程の感情を孕む時があって、吹奏楽経験のある人には全員伝わるであろう、言いようもない気持ちがあると思うが、それが詰まっている素晴らしい作品。

"リズと青い鳥"という課題曲を
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To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)

3.5

宝くじで19万ドル当てて一気に大富豪に。
その後たった一瞬で全て酒に使いアル中になるというクズっぷりで息子にも見限られる。
そんなシングルマザーの再生ストーリー。

ズタボロになって裏切りながらも本当
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.5

別離した父と束の間のトルコ旅行でバケーションを楽しむ娘との夏の記録。

衝撃的で面食らってしまった。
序盤はビデオで遊びながら父の様子を撮る娘という視点で見ていたが、オムニバス方式でどんどん別時間軸の
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バッドガイズ(2022年製作の映画)

4.0

スパイダーバース以降のアニメーションとして、より実験的で先鋭的な良い3DCGだった。
クライムヒーローとしての定番を踏襲しつつも、リアルさを削ぎ取ってソリッドに、そしてダイナミックに描かれるカーチェイ
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

4.0

安定のA24の映像美は時代設定とは合ってないものの、とても甘美で楽しめた。
ドーナツホールって、何か意味ありげな店やな。笑

クズなのに、追い詰められてるのにいつも流暢に喋って行動を起こしてて、情けな
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

5.0

間違いなく歴代最高のスパイダーでした

巧妙に組み込まれた時代性・社会的背景が設定や音楽、アニメーション、グラフィック表現に細かく表れていて、隅から隅まで完璧。
不幸であることを原作者スティーブ・ディ
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怪物(2023年製作の映画)

4.0

交わらないことの美しさを描かせたら坂元裕二の右に出るものはいない。とても素晴らしい映画でした。
特にラスト。美しい。

叙述的な手法で主観や人づてに情報が回ることの怖さを描きながらも、そのどれもが本質
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