おさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

5.0

また100本くらいしか映画館て映画は観ていない。そんな中、初めて映画館で落涙した。間違いなく生涯忘れないだろう。

シニカルな笑いに何度も襲われるのに、ジョジョを見舞う運命は壮烈極まりなくて、
とても
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キャッツ(2019年製作の映画)

2.8

舞台版のように人間が猫をやると、映画では生々しくて、気持ち悪いというより混乱した。
作品を観賞する時、観客は心のどこかで、「この物語が自分の知らない現実で実際に起こっていてほしい」と願っている。
例え
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

無惨な現実をどこか滑稽に、しかし鋭敏な視点で観ることができる。

映画という映像表現で巧みに格差を表した作品。特筆すべきは、大雨で住居が台無しになり、避難所生活を強いられる主人公一家と、普段と変わりな
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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に(1997年製作の映画)

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テレビ版ふくめ、ぼんやりと語りかけるようなものを全篇通じて感じる。
余白が絶妙にある。「使徒」「人類補完計画」なども、明確に言葉で語られるものが殆どない。(仮にその件が、あったとしても初見の自分は聞き
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エイリアン2 完全版(1986年製作の映画)

4.3

没入すればするほど、観る者の生存本能を非常に刺激する。映画を観る理由のひとつ、「スリルの擬似体験」は本作で十分可能だ。
何が潜んでいるのか不明確な映像が恐怖を生み出し、ー
「中盤以降の登場人物の行動は
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マイ・レフトフット(1989年製作の映画)

3.9

ダニエル・デイ・ルイスの憑依への集中力の強さが映像から感じた。

チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976年製作の映画)

3.0

別のレビューで「観る人のコンディションで名作にも駄作にもなる」とあった。まさにその通りで、最近は映画離れが著しくなった自分にとって、素直に楽しむのは難しかった。

最後の佇むところや、クラブの猥雑な雰
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グラディエーター(2000年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ハムレットによく似ている。
①復讐譚である
②マキシマス=ハムレット、ルッシラ=ホレイショーと想定すると、中盤の関係性や結末には類似性がある。
③アウレリスにマキシマスは後継者として目される、それに実
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紙の月(2014年製作の映画)

3.5

殆どオチを知っていた(というか、物語からして、この結末自体、始めから決まっている)が、観ていて辛いのは幸せな時間である。
いずれ終わる、けど、誰でも味わいたい甘美な時間。

不思議なことに誰も悪意を始
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ドッグヴィル(2003年製作の映画)

4.0

誰も信用できなくなる。
劇中人物だけではなく、ただ観ていただけの自分さえも。
(この結末は当然と思ってしまう自分に)

鴻上さんのエッセイに、書いてあったので見た。確かに演劇的だ。なんだかNHKの劇場
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ハンナとその姉妹(1986年製作の映画)

3.9

本来恋愛は行き詰まったりなんなりするもんで、それが主題なのでW.アレン監督作は見入ってしまう。(アレン本人は知性はあるのに頗る間抜けで生きづらそうな役だからなお面白い)

冒頭が強烈でした。語調は穏や
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ローラ殺人事件(1944年製作の映画)

3.4

どんなに言葉で飾っても、クールを装っても、痴情はどのような人間も狂わせる。その典型が正にこの作品である。
肖像画の象徴性と終盤のサスペンスフルな展開。

回路(2000年製作の映画)

3.1

半透明のカーテンや黒ズミ、ヒトカゲ。
劇中人物の数の規模が拡大するのは物語としては駄作と考える自分だが、割と世界規模になる理由は受け入れることができた。

だいぶまだ曖昧な箇所も多い。