GTさんの映画レビュー・感想・評価

GT

GT

映画(359)
ドラマ(0)
アニメ(15)

燃える仏像人間(2012年製作の映画)

4.2

 あまり見かけることのない「切り絵アニメーション」(切った紙や布などを使ったアニメーション作品)の映画。「仏像と融合して最強の生命体になることを目論む僧侶との戦い」という設定の時点でかなりぶっ飛んでる>>続きを読む

新しき世界(2013年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 韓国産のマフィア物。犯罪組織に潜入した警察官、ジャソンの葛藤と苦悩を描く。
 最初から最後まで緊張感満点、夢中で鑑賞することのできる映画で中弛みというものがない。特にジャソンの正体が「ボス」であるチ
>>続きを読む

生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

 黒澤明普及の名作である「生きる」のリメイク。舞台を戦後のロンドンに移し、余命幾許もない市役所の課長が真に「生きる」ことを探し求める。
 原作視聴済、さらにその映画で死ぬほど感動した身としては、どのよ
>>続きを読む

オオカミの家(2018年製作の映画)

3.2

 映画冒頭、「私たちはチリの大自然でコロニーを形成し、近隣の方々とも仲良くやってます」という胡散臭いナレーションと、そのコロニーの様子と思われる映像が流れる。「オオカミの家」はそのコロニーで昔作られた>>続きを読む

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

 どうやら啓蒙・教育目的で作られた映画らしく冒頭で主役のおじいさんがこの映画が意図していることやキャストのことなんかを丁寧に説明してくれる。老人が被る不運を「遊園地のアトラクション」に例える映画とのこ>>続きを読む

血と砂(1965年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

 戦争×音楽という異色の組み合わせ。音楽隊の少年たちが見る、地獄の戦争。
 冒頭、戦場で楽器を吹き鳴らしながら兵士たちが陽気に行進するというシュールな映像でスタート。オープニングの「聖者の行進」は(吹
>>続きを読む

怪怪怪怪物!(2017年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

 化け物が大暴れするサイコホラー!…ではない。人を食う化け物をとっ捕まえた高校生たちがその化け物を拷問したり実験したりするというイカれた映画だ。
 この化け物をとっ捕まえた高校生たちがマジもんのキ◯チ
>>続きを読む

大室家 dear sisters(2024年製作の映画)

3.3

 「ゆるゆり」のスピンオフ。脇役であった大室櫻子の姉妹たちを主役に据える。三女の花子及び長女の撫子の同級生たちは本作で初登場。逆に「ゆるゆり」の主役である赤座あかりをはじめとする娯楽部のメンバーは、本>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

5.0

 現在日本(主にネット上で)では金がなくて社会的地位も低くおまけにモテない男性を指す「弱者男性」なる言葉が流行し、そうした男性を軽蔑する向きがある。この映画の主人公である平山も、客観的に見て明らかな「>>続きを読む

ひろしま(1953年製作の映画)

5.0

 広島に原爆が投下されて僅か8年後という驚異的な早さで制作された映画。広島市民八万人がエキストラとして参加しているとのことで、非常に規模の大きい作品。
 1950年代初頭に作られ、技術も今より遥かに劣
>>続きを読む

ファウスト(1994年製作の映画)

4.8

 ゲーテの「ファウスト」を元にした映画。原作を読んだことはないが、絶対にこんな話じゃないことだけは分かる。それくらい意味不明でシュールな世界観が展開される。この辺は、流石変態監督のヤン・シュヴァンマイ>>続きを読む

アンタッチャブル(1987年製作の映画)

4.2

 禁酒法時代のアメリカにて裏社会を牛耳るギャング、アル・カポネと、それを逮捕しようと奔走する連邦捜査官チーム「アンタッチャブルズ」の戦いを描く。
 娯楽に振り切った作品で、難しい事はあまり考えずに見る
>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

 北野武監督最新作。明智光秀が織田信長を討った「本能寺の変」を題材にした作品。
 あらゆるドラマの題材になり、擦られに擦られて最早消滅してるのではないかと思われるレベルの題材だが、北野監督は「秀吉がそ
>>続きを読む

CURED キュアード(2017年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

 世にも珍しいゾンビパンデミック「後」を描いたゾンビ映画。
 人間をゾンビ化させるウイルスがアイルランドで発生。このまま世界滅亡ルートかと思いきやこの映画では治療法が早期に発見され感染者の75%が完全
>>続きを読む

Z Bull ゼット・ブル(2018年製作の映画)

4.2

 エナジードリンクを飲んだら社員全員がゾンビ化した!…という内容。
 小難しい話一切抜き。とにかく頭を空っぽにして見れる映画だ。普段あんまりこういうのは見ないんだけど、たまには娯楽に徹した物を見たいと
>>続きを読む

白痴(1999年製作の映画)

4.5

 原作は坂口安吾。短編小説のようだが本映画は2時間を超える大作である。
 戦時中の日本が舞台。主人公の伊沢は貧民窟のような荒んだ環境に身を置きながらテレビ局の演出助手として働いている。映像制作の夢を持
>>続きを読む

俺たちに明日はない(1967年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

 1930年台の大恐慌時代が舞台。ボニーとクライドという名のイケメン&美女コンビが銀行強盗や殺人に手を染める映画。どうやら実在の人物らしい。
 二人の出会いから本作のテーマである犯罪までに、僅か十分足
>>続きを読む

カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇(2019年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

 H.P.ラヴクラフト「宇宙からの色」の映画化。所謂クトゥルフ神話の一つ。原作読了済。
 田舎に移住したガードナー一家。ある日、庭に隕石が落下。その日以来、奇怪な出来事が次々と一家を襲う…という内容。
>>続きを読む

江分利満氏の優雅な生活(1963年製作の映画)

4.5

 平凡なサラリーマンがひょんなことから小説を書くことに、悩んだ末自分の人生を小説にする…という映画。
 基本的に主人公である江分利満(えぶりまん=Every man)氏の半生や日常が、軽妙な語り口で淡
>>続きを読む

電柱小僧の冒険(1995年製作の映画)

3.4

 背中に電柱が生えた少年がタイムマシンで25年後にタイムスリップ、世界を闇で覆うことを目論む吸血鬼軍団と戦うという意味不明な内容の作品。
 塚本晋也といえば「鉄男」が名高いが、コマ撮りの多様、廃材をモ
>>続きを読む

カフカ 田舎医者(2007年製作の映画)

4.0

 フランツ・カフカの短編「田舎医者」を元にしたアニメーション作品。
 ほとんどホラーと呼べそうなほど、最初から最後まで不気味な雰囲気が充満している。建物や人間、その他ありとあらゆるものが歪み、物理法則
>>続きを読む

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

 巨匠、スティーブン・スピルバーグが描く「戦争」。兄を戦争で全員亡くしたライアン二等兵の救出に向かう、ミラー大尉の兵士たちを描く。
 前半、そして後半の戦闘シーンがとにかく凄まじく、「金かかってんなー
>>続きを読む

劇場版 幼女戦記(2019年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

 アニメ「幼女戦記」の続きなのでまずそちらを視聴してから。
 アニメ「幼女戦記」では共和国軍の残党を追ってターニャ率いる魔法大隊が南方(こちらの世界でいうところのアフリカ)へ向かう所で終わっており、こ
>>続きを読む

陸軍士官学校(1927年製作の映画)

-

 アマプラで視聴した、日活が制作した陸軍士官学校のドキュメンタリー…はこれでいいのだろうか…。監督の名前が外国人なのでどう考えても違う気がするが、それらしいのがなかったのでここに記す。
 記録映像なの
>>続きを読む

野火(2014年製作の映画)

4.0

 大岡昇平の小説が原作の映画。遥か昔に読んだことがあるが、ほとんど内容を覚えていない…。フィリピンのレイテ島を舞台に、飢えと渇きに苦しみながら彷徨う日本兵を描く。
 戦争映画は割と見てきたつもりだが、
>>続きを読む

彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(2018年製作の映画)

-

 第一次世界大戦を巡るドキュメンタリー映画。当時を記録した映像に着色と音響を施し、そこに当時従軍していた兵士のインタビューを加えている。
 何百万人と死亡した第一次世界大戦。映像も証言も只管衝撃的だ。
>>続きを読む

カジュアリティーズ(1989年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

 ベトナム戦争中に起きた実際の事件をもとにした映画。兵士が村の娘を攫い、強姦したうえ殺害するという非常にショッキングな内容の映画だ。
 映画の冒頭から、その後の悲劇を予見するような不穏な空気が漂う。兵
>>続きを読む

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

 スタンリー・キューブリック監督が送る、言わずと知れた戦争映画の傑作。超久しぶり鑑賞。
 前半は鬼教官ハートマン軍曹にシゴかれる新兵たちを、後半はベトナム戦争下における狂気を描く。
 前半の主役である
>>続きを読む

7月4日に生まれて(1989年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 ベトナム戦争で下半身付随になってしまった青年の苦悩を描く作品。戦争映画ではあるが直接的な戦争シーンはあまり多くない。
 愛国心が高く兵隊に憧れるロンは、高校を卒業後ベトナム戦争に参加するために海兵隊
>>続きを読む

ボビー・イエー(2011年製作の映画)

4.2

 すっげえ気持ち悪いクレイアニメ。YouTubeで見れる。正直レビューが思いつかない。こういうのは雰囲気が全てなので、言語はいらないのかもしれません。

ハンバーガー・ヒル(1987年製作の映画)

4.2

 ベトナム戦争が題材の映画。プラトーンや地獄の黙示録なんかと比べると大分マイナーな映画か。
 前半は分隊での日常を、後半は壮絶な戦いの様子を描いている。非常に手堅く纏まっているというか、万人のイメージ
>>続きを読む

プラトーン(1986年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

 ベトナム戦争を描いた作品の中ではおそらく最も有名な部類に入る映画。中学の頃よく見てた映画で、十何年ぶりに再鑑賞。
 愛国心に突き動かされた志願兵であるクリス。が、本物の戦場は、彼が思っているよりも遥
>>続きを読む

極私的エロス 恋歌1974(1974年製作の映画)

-

 昔付き合っていた女を撮影するドキュメンタリー映画。冒頭で監督が「縁がキレてしまうのが嫌だから」撮ったと言っており、まさにタイトルの「極私的」通りの映画だ。
 同居人との諍いや黒人との子供を孕ったこと
>>続きを読む

少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録(1999年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

 最初この作品の存在を知った時、私は「テレビ版を再構成した映画なのかな」と思った。テレビ版を全て見てその難解さに頭を捻った私としては、これをどう再構成していくのか、非常に気になるところではあった。そし>>続きを読む

マジック・ランタン・サイクル(1980年製作の映画)

2.5

 伝説的映像作家ケネス・アンガーの短編集。全てに共通していえるは、台詞や物語といったものが一切なく、例えるならPV的な映像であるという点だ。

①花火
個人的に一番好き、というよりマシだった作品。肉塊
>>続きを読む

KUSO(2017年製作の映画)

3.9

 「カルト映画」と呼ばれるような映画はそこそこ観てきたつもりだが、ここまで露悪的で悪趣味な映画は初めてだ。
 とにかく汚い。「ピンク・フラミンゴ」が霞んで見えるくらい汚い。初っ端のタイトルコールの時点
>>続きを読む

>|