ラウぺさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ラウぺ

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アウシュヴィッツのチャンピオン(2020年製作の映画)

3.5

1940年6月14日、アウシュヴィッツ強制収容所に最初に移送されたポーランド人の中に“テディ”の愛称をもつボクサー、タデウシュ・ピトロシュコスキが居た。過酷な労働を強いられるうち、カポの気まぐれからボ>>続きを読む

神々の山嶺(2021年製作の映画)

3.9

山岳カメラマンの深町はエベレスト登頂の日本隊に同行した際、カトマンズの街中で怪しい男からマロリーのカメラを買わないかと持ち掛けられる。深町が断ると外に出た男からカメラを奪い取る男が居た。その男は何年も>>続きを読む

ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言(2020年製作の映画)

3.8

英国のドキュメンタリー監督ルーク・ホランドは2008年からさまざまな形でナチスに関わりのあった高齢者から当時のことを聞き取るインタビューを始めた。その証言を集めたドキュメンタリー。

監督の母はウィー
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ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.8

ロンドンの高級レストラン。妻と別居し、さまざまなことに忙殺されるオーナーシェフのアンディは開店直前の店に出勤してきた。クリスマス前の金曜日、予約はオーバーブッキング気味で、食材の発注忘れや衛生管理士の>>続きを読む

リフレクション(2021年製作の映画)

3.9

2014年ロシアによるウクライナへの侵攻がはじまってまもなく、外科医のセルヒーは離婚した元妻オルガとそのパートナーであるアンドリーと暮らす娘の誕生日にプレゼントを持ってペイントボールの競技会場にやって>>続きを読む

ルッツ 海に生きる/ルッツ(2021年製作の映画)

4.0

マルタで小さな小舟“ルッツ”で漁師をしているジェスマークは漁の最中に船底から水漏れしているのを発見する。漁獲も少なく、修理代の工面も難しいなか、生まれたばかりの息子の健康問題が明らかになり、妻とも意見>>続きを読む

百年と希望(2022年製作の映画)

3.5

結党以来2022年で100年を迎える日本共産党。若手の党員の活動やしんぶん赤旗の編集部の様子などを通して日本共産党の今を追ったドキュメンタリー。

日本共産党はこの7月15日に結党100年を迎え、日本
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アトランティス(2019年製作の映画)

3.9

ロシアとの戦争が終結して1年後の2025年、製鉄所で働くセルヒーは彼と同じくPTSDに苛まれていた親友のイワンを亡くした。製鉄所の閉鎖に伴い、セルヒーはかつての前線に近い軍の管轄地域に水を運ぶ仕事に就>>続きを読む

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.1

更にこちらもシャンタル・アケルマン映画祭上映5本のうちの1本

ジャンヌ・ディエルマンは高校生らしい息子と二人暮らし。日常の何気ない生活の様子をひたすら映し出す。毎日のルーティンの繰り返しのなかで、あ
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囚われの女(2000年製作の映画)

4.0

こちらもシャンタル・アケルマン映画祭上映5本のうちの1本
『オルメイヤーの阿房宮』よりこちらの方が、よりアケルマン風味を味わえると思います。

裕福な家庭で祖母とメイド、恋人のアリアーヌと暮らすシモン
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オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)

3.8

シャンタル・アケルマン映画祭上映5本のうちの1本

オルメイヤーはアジアのジャングル(明示はされないものの、ボルネオということになっているらしい)で金鉱を見つける夢にとりつかれ、現地の妻との間に一人娘
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スープとイデオロギー(2021年製作の映画)

3.9

映画監督のヤン・ヨンヒ(梁 英姫)が在日朝鮮人として生きてきた自らの母、今は亡き父との関係を見つめたドキュメンタリー。

ヤン・ヨンヒ監督はこれまで自らの家族を描いたドキュメンタリー『ディア・ピョンヤ
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ナワリヌイ(2022年製作の映画)

4.2

ロシアの反体制活動家アレクセイ・ナワリヌイは2020年8月20日、シベリアでの取材の帰途、旅客機の機中で急激な体調不良を訴え、機はオムスクに緊急着陸。ロシア当局はオムスクの病院からの移送に難色を示した>>続きを読む

息子の面影(2020年製作の映画)

3.9

メキシコで息子と二人で農業をしていたマグダレーナは、息子が出稼ぎのために友達とアメリカに行くと告げて家を出て行ったきり戻らず、警察に相談に行く。警察では国境付近で遺体となって発見された人々の写真を見せ>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.3

本作を観る前に復習のつもりで数十年ぶりに前作を観返して、あまりのおバカ映画ぶりに怒りが収まらず、このまま怒りが収まらなければ本作は観るのをやめようとまで思ったのですが、知人の「今作もおバカ映画には違い>>続きを読む

ニューオーダー(2020年製作の映画)

3.8

裕福な家庭に育ったマリアンは、自宅での結婚式の当日、上流階級の賓客を招いてパーティーを開こうとしていた。自宅の周囲では貧困層の不満から暴動に発展する兆しが見え始めており、やがてマリアンの自宅にも暴徒が>>続きを読む

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(2022年製作の映画)

3.9

『THE ORGIN』でTV版の第1話直前までを描いた安彦良和が、ORGINの本編版を作らずに採り上げたエピソードが『ククルス・ドアンの島』だというところが、まずもって興味深いところ。
監督自身は「ガ
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教育と愛国(2022年製作の映画)

4.2

戦前の反省から戦後教育は政治とは距離を置き、学術的根拠に基づく基礎的教養を子どもたちに教えるものとされてきたが、近年そうした姿勢は変更させられ、政治が介入する機会が増えている。教育に政治が介入する状況>>続きを読む

君を想い、バスに乗る(2021年製作の映画)

4.0

妻を亡くしたトムはバスの無料パスを使って英国の最北端の村ジョン・オ・グローツ(John o' Groats)から南西端のランズエンド(Land's End)に向けて旅に出る。バスを乗り継いで1300k>>続きを読む

オフィサー・アンド・スパイ(2019年製作の映画)

3.9

1895年1月5日、陸軍士官学校の中庭でスパイ容疑で有罪となったドレフュス大尉の階級剥奪が行われた。その後新任の防諜部長としてピカール中佐が着任。ピカール中佐は防諜部の業務を精査するうち、ドレフュス大>>続きを読む

トップガン(1986年製作の映画)

1.8

最初の鑑賞以来2回目の鑑賞。
NHK-BSの録画。

初見の印象は自信過剰なチャラい男が挫折を乗り越えて本物になる・・・という定番のストーリーながら、全てが軽く、単なる“おバカ映画”という感じ。
残念
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インフル病みのペトロフ家(2021年製作の映画)

4.3

2004年エカテリンブルクに住むペトロフは高熱に浮かされながらトロリーバスに乗る。料金を徴収するオバさんをはじめ、乗客はどことなく狂気じみている。バスはいきなり停車させられ、引きずり出されたペトロフは>>続きを読む

潜水艦クルスクの生存者たち(2018年製作の映画)

3.8

2000年8月10日、ロシア海軍の原子力潜水艦クルスクはソビエト連邦崩壊後の最大規模の演習参加のためムルマンスクを出港、演習では模擬魚雷の発射テストが控えていた。模擬魚雷は爆発性の弾頭を備えておらず、>>続きを読む

見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界(2019年製作の映画)

3.8

カンディンスキーやモンドリアンよりも早く、抽象画を描いていた画家が居た。しかし、その絵は世界に知られることはなく、死後20年は公開しないように言い残し彼女は世を去った。ヒルマ・アフ・クリントの作品の源>>続きを読む

夢みる小学校(2021年製作の映画)

3.4

子供の自主性を重んじ、テストがない、先生もいない、学年もまぜこぜで学科もない「南アルプス子どもの村小学校」の様子を綴ったドキュメンタリー。

「南アルプス子どもの村小学校」は学園長の堀真一郎が設立した
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私はヴァレンティナ(2020年製作の映画)

3.7

小さな町に母と一緒に引っ越してきたヴァレンティナ。トランスジェンダーであるヴァレンティナは新しい学校に通名で通えるよう相談に行くが、母親が蒸発した父親と正式に離婚していなかったため、父親のサインを貰う>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.8

幼い頃、交通事故により頭にチタンのプレートを埋め込まれたアレクシアはクルマに性的な魅力を感じるようになり、ダンサーをしている今でもクルマのショーで官能的な踊りをしてみせる。あるとき逃亡犯となったアレク>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

3.9

ニューヨークでラジオ向けに子供にインタビューする仕事をしているジョニー(ホアキン・フェニックス)は、妹のヴィヴから甥のジェシーを預かって欲しいと頼まれる。母の死後、疎遠だった妹の依頼に戸惑いながらもジ>>続きを読む

アンネ・フランクと旅する日記(2021年製作の映画)

3.2

今から1年後の未来。アムステルダムの博物館『アンネ・フランクの家』での展示を前に“アンネの日記オリジナル版”からキティーが実体化して現れた。キティーは日記に書かれていないアンネの消息を知らず、日記を持>>続きを読む

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

4.1

突然記憶を失う謎の奇病が蔓延する現代のギリシャ。自宅で一人暮らしをしていた男はバスの終点で保護される。救急搬送され医師の診断を受けるも他の患者と同様に記憶喪失と診断された。病院のスタッフの話では記憶が>>続きを読む

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.2

30代の後半を迎えた桜子、あかり、芙美、純の4人は桜子と純は中学以来の幼馴染じみ、それ以外は成人してからの友人。4人は神戸の摩耶山山頂にケーブルカーで向かうもその日は土砂降り。日を改めて有馬温泉に行く>>続きを読む

フォレスト・ガンプ/一期一会 4K ニューマスター版(1994年製作の映画)

4.3

1980年代のはじめ、さまざまな経験をしてきたフォレスト・ガンプはベンチに座りバスを待っていた。隣に座った看護師を相手に幼い頃から今に至る人生を振り返る・・・

これまで何度も観たフォレスト・ガンプの
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親密さ(2012年製作の映画)

3.6

劇団で脚本と演出を手掛ける良平と令子は恋人同士で同棲している。新作の脚本を巡って自らが出演するかどうかでなかなか結論が出ない二人は上演までに日数が迫るなか、葛藤と衝突を繰り返す・・・

2012年製作
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.0

メデジンで植物の販売を営むジェシカ(ティルダ・スウィントン)はある朝巨大な爆発音で目が覚める。外の駐車場では一台のクルマのセキュリティアラームが勝手に鳴り出し、周囲のクルマに波及してやがて収まる。ジェ>>続きを読む

PASSION(2008年製作の映画)

4.2

中学校の教師をしている果歩(河合青葉)は29歳の誕生パーティの際に友人たちと久しぶりに再会する。果歩は智也(岡本竜汰)と婚約していたが、誕生パーティの些細な会話から智也が友人の貴子(占部房子)と一時付>>続きを読む

グレート・インディアン・キッチン(2021年製作の映画)

4.0

インドの上位カースト同士の家で見合い結婚をした夫婦。はじめは初々しく幸せそうな二人だったが、妻は結婚すると厨房での仕事、家事に追われる毎日。姑は娘の出産準備のために家を空けることになり、家事は妻が一人>>続きを読む