3つの家族が住む家があり、その家を共産主義国家であるハンガリーの比喩とする。父は実質的な権威は失われていて家庭内の問題を解決することもできない。その権威と崩れゆく家を抑圧的に維持しようとする。そのハリ>>続きを読む
再見した。『アワーミュージック』にも『ゴダールソシアリスム』にも出てきた、国家や法は人を孤独にする構造を持つけど、人はペアになろうとするっていう話がこの映画でも出てきて、それが孤独にさせられるのに孤独>>続きを読む
古代文明から数学、民主主義の発展から資本主義、国家、そのグローバル化に至るまで、進化しているように見えてただ無に向かっていくだけのようにも見える西洋中心的な歴史、その歴史的な転換地点になっているような>>続きを読む
『愛の世紀』の第一部と第二部の撮影の間に撮られた作品らしい。内容はそこまで似ていないように思うけど、存在と人生、言葉や愛など前提になる概念の扱い方は共通するように思った。
実践が存在を証明する。言葉>>続きを読む
『ヌーヴェルヴァーグ』『新ドイツ零年』が自分の信じていたものの敗北を苦々しく懐古しながらその終わりを描くような作品だとしたら、それ以降の作品には段々と次の世代に視点が移っていくような感覚があって、この>>続きを読む
パリの夜の社交場で物質的で刹那的な生活の繰り返しをしていた主人公が、自分のルーツであり幼い頃に母を亡くした場所でもあるチュニジアに旅する話。
橋で歌われていた歌が、同じ日々の繰り返しによって気づかない>>続きを読む
1人で4人の子供を育ててる労働者階級の女性がいて、そこに昔気になっていた男が現れるけど、子供がいることは言えないので、子供を外に待たせながらパブでデートする。その男も車は動かないし両親と暮らしているし>>続きを読む
めちゃくちゃに良い映画だった。見てよかった。
役割、自分自身で内在化した理想像による日常的な抑圧、その蓄積の結果として自分も他人もわからなくなることについての話で、役割の前に人間であるって帰着になっ>>続きを読む
幕が広がるように空が画面に広がっていって始まり、昼間にある夜のような静寂とその恐怖のような感覚、その場所には愛が欠けた物語しかないことについて語られる。そこからマルグリッドデュラスとその助監督の声で、>>続きを読む
トラックの運転手の男とヒッチハイクの女がいて、矯正的に2人で共有して見せられるトラックからの景色をスクリーンとする。女性が行き先を指示し景色と共に語り始める。それによって、女性が映画を見せていることに>>続きを読む
無音のタイトル、主人公についての噂話から、主人公の名前が呼ばれた瞬間に音楽が鳴り出して画面が切り替わるっていうすごく映画的なオープニングで始まる。その後もかなり長くその音楽が鳴り続けるからこのままずっ>>続きを読む
めちゃくちゃ面白いドキュメンタリー。
コレクターでありキュレーターでありアーティストでもあるイデッサっていう人がいて、その人がテディベアと映る人達の写真を集めた展示をする。イデッサの両親がホロコースト>>続きを読む
想像したことが現実化する、自分にしか見えないものが見える主人公がいて、パリのシンボルになっているライオンがいる。そのライオンは地獄門を守るように位置している。ただ、そのライオンは今やシンボルではなくな>>続きを読む
落穂拾いは収穫されずに残った食べ物を拾う人たちのことで、捨てられた、使われないものを拾う人々についての映画。撮られてこなかった落穂拾いの人々を撮ってその映像を収集することで、アニエスヴァルダ自身も落穂>>続きを読む
恋愛する時期が終わりつつある人と、始まりつつある人の間の恋愛の話。カンフーマスターというゲームがあり、上の階に捕われた姫として母がいて、それを救い出すカンフーマスターとして少年がいる。その恋愛は自然に>>続きを読む
50周年になる階段から劇場に入ってくタイプの映画館があって、そこで上映されてきただろう映画の階段での名シーンと、その映画終わりの観客の映画に影響された階段での動きを繋いでいく3分の短編 タイトルのyo>>続きを読む
冬のビーチが砂漠のように映された後、海から現れたように見えるってナレーションと共に海に主人公が現れる。夏の間はヴァカンスで賑わう街が舞台で、そこに冬もいる人は逃避先がない、同じ場所で同じ生活を続けるし>>続きを読む
まだ近代化されていない、贈与がルールになっている島と、おそらく植民地化されていて白人や華僑の住む貨幣経済の島がある。贈与の対象になった女性と駆け落ちすることで島でのタブーを犯す。経済的に嵌められて駆け>>続きを読む
都会での上に支配されていてシステマティックな仕事に消耗した女性が、田舎の生活に憧れて田舎から来た男と結婚してその男の実家に行く。ただ、結局田舎でもその構造は変わらない。さらにウェイトレス的な仕事をさせ>>続きを読む
陰謀論的な人を操ろうとする存在があって、それによって理想の自己と現実の自己が分裂して葛藤するっていうこの人の作品に共通するテーマがあるように思っていて、そう見ると『フォーゲルエート城』ではそれによって>>続きを読む
なんかもうずっとすごいからすごい映画としか言えないような映画。
神を信仰しつつも人生を科学捧げてきたファウストが主人公で、疫病に対してそのどちらでも解決できないことに絶望し、それを治す力を得られるよう>>続きを読む
遺産目当てに老人をある種精神的に支配して、孫にいくはずだった遺産を自分に継がせようとさせる召使いがいる。その正体を知った役者の孫は第四の壁を破って、さらに映画内映画を上映する。その映画は、本当は聖者で>>続きを読む
めっちゃくちゃに多幸感のある良い映画。降りるエレベーターからのショットによる導入から、回転ドア、横方向の車や人の往来、それに対して垂直に降る雨、奥行き方向に往復する主人公っていう、冒頭の映像的なリズム>>続きを読む
貧乏な家庭で詩人に憧れながら役所に勤める主人公がいて、馬車に撥ねられ頭を打ち、その馬車に乗っていた上流階級の女の人に一目惚れし、さらに詩人としての才能を認められる。それによって、裕福で詩人でその女の人>>続きを読む
研究目的のネズミによって船の中で死をもたらす疫病が流行り、その船から舞台になる町に疫病が持ち込まれる。その疫病はネズミが噛むことによって発症するもので、噛み跡から吸血鬼の仕業のように扱われる。その町で>>続きを読む
夫が聖性を追い求めすぎた故に悪を願うようになった女性がいて、それが極まった瞬間に一番の悪が叶えられて、罪に憑かれた夫婦として生きていくことになる。雨で狩りができず閉じ込められた城で、招かれざる客が訪れ>>続きを読む
90年代のゴダールみたいなショット一つずつにオーラがみなぎってる感覚とサイレント映画特有の現実離れした多幸感みたいなものの両方があって、かなり好きな映画だった。
おそらく安定した生活を送ってるだろう>>続きを読む
映画=夢=深層心理の現れる場所っていうこの時期のシュルレアリスムや精神学的な映画としての表現主義映画の設定をやりきったような作品。冒頭の羨望した視線の先の影、疑念によって浮気と見間違えられる影、嫉妬に>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
めちゃくちゃに見入ってしまった。
父、仕立て屋に代表される2つの宗派があり、対立している。どちらも自然法則に逆らえないと考えていることは共通している。インガの死が中心となるが、どちらの宗派にとっても>>続きを読む
表現主義映画特有の平面的な演出が突き詰められていて、その中にトリッキーで幻想的な演出がある。カリガリ博士と同じ年の映画だと思えない。
貧乏でありふれた家庭を持つ銀行のキャッシャーとして働く男が、他の>>続きを読む
88分バージョンの方を見た。
古い物語に出てくる女性に憑かれた画家がいて、画家が寝ていると描かれた女性の絵からその女性が出てくる。そこからは画家の見たその物語の夢の話になる。その物語の中では女性は触>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
自分達は大きな何かに動かされてるって気づいた主人公が、実は精神病者で妄想でっていう話。社会を操る大きな力であるカリガリ博士が最後、その妄想の話を聞くことで主人公を“治療”することを決める。それによって>>続きを読む
プラーグの大学生の主演をしていたパウル・ヴェゲナーの監督作。プラハで聞いたユダヤ人の伝説を元にしているらしい。
ユダヤ人コミュニティに降りかかる災厄、ここでは町からの追放に気付いた魔術師がコミュニティ>>続きを読む
ドイツ初の芸術映画と聞いたので見た。
部屋の中のものを何でも持って行っていい代わりに大金をもらうっていう契約を魔術師と結んだら、部屋の鏡に映る自分を持っていかれた人の話。
主人公に付き纏ってる女の人が>>続きを読む
『ジャガー』の主人公達が映画の中で立ち上げていた会社がでかくなってて、街にできた建物に対抗するために会社の複数階建てのビルを建てようとする。その視察のためにパリに行く話。
終盤までは『ジャガー』のパ>>続きを読む
ニジェールのサバンナに暮らす主人公達からの視点で独立前夜のガーナを捉えた映画。であると同時に、行って帰ってくるって構成や主人公達の最高さ、テンションの高さによってジャック・ロジエみたいな多幸感溢れるヴ>>続きを読む