ただのすずさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ただのすず

ただのすず

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モナリザ・スマイル(2003年製作の映画)

3.7

1953年、ヒラリー・クリントンも卒業している
名門ウェルズリー大学に新任した美術教師と生徒たちの物語。

才女の集団なので、
自身の考えや感性を的確に言葉にし伝えるという姿勢が観ていて痛快。
社会で
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婚約者の友人(2016年製作の映画)

4.2

秘密を共有し、互いの軌跡を辿り、
急激に心の距離を縮める二人がモノクロとカラーを行き来する。
1919年第1次世界大戦後のドイツ、フランス。
パリ、ルーヴル美術館がスクリーン一面にひろがる。

オゾン
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ゴールデンタイム(2013年製作の映画)

4.0

古くなり捨てられて
雨に濡れて打ちひしがれて
それでもどん底の中、
そんな自分を受け入れて笑うみたいな、
『つみきのいえ』と同じ精神が息づいていて良かった。
冒頭からずっと謎の涙が流れてた。

錆びつ
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ただいま、ジャクリーン(2013年製作の映画)

2.5

バス事故によって天涯孤独となった悟は養護施設に預けられ、
腹話術人形のジャクリーンと出会う。

映画学校卒業生の脚本を映画化したものとのこと。

プロと素人の演技の微妙な差が垣間見れる。
良く通る美し
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デザート・フラワー(2009年製作の映画)

3.8

ソマリア遊牧民出身のモデル、ワリス・ディリーの伝記映画。

きらびやかなシンデレラストーリーだと思ったらとんでもない。
枯れた大地を血を流しながら裸足で歩き続け、
生き残るために辿りついた場所がモデル
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聖者たちの食卓(2011年製作の映画)

3.6

「現世の無私の奉仕が天国で栄光を約束する」

インド・パンジャーブ州のアムリトサル。
黄金寺院、シク教総本山ハリマンディル・サーヒブで
人種、宗教、階級に関係なく、訪問者に無料提供される
約10万食が
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不安の種(2013年製作の映画)

2.0

あーあ、見ちゃったよ最後まで。
だから~私は~こういうホラーが嫌い~
落ちがなく~ただただ殺されるだけのホラーが嫌い~♪
テーマ曲が好き。
個々登場する化け物も好き。
きっと原作漫画は才能ある。

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ヨコハマメリー(2005年製作の映画)

4.0

ハマのメリーと呼ばれた
都市伝説のような女性の素顔を追うドキュメンタリー。

横浜、伊勢佐木町。
時代と共に流れるブルース、ジャズ、シャンソン。
通行人、歌手、舞踏家、舞台俳優、
当時の根岸屋に出入り
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乱死怒町より愛を吐いて(2015年製作の映画)

3.5


広島、尾道。見世物小屋にかくまわれた、逃亡中のチンピラと娘の不器用な恋の話。

小学生の男の子が好きな子に嫌がらせするみたいな殆んどが下品な下ネタ、流血、うんこの悪ノリ悪巫山戯。俺のセンスどう?みた
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SING/シング(2016年製作の映画)

3.5

歌の力を何よりも信じている映画だった。

小難しい時代背景や伏線や物語の整合性とか、
そんなものを考えてのろまに歩いている私の背後から
キャラクターたちが跳ねて歌って楽しそうに全力疾走して駆け抜けてい
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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

3.8

雨で心洗われた。夢のようなラストシーン。大人だけど魔法にちゃんとかけられた。

ハリーポッターシリーズも途中で観止めたので、期待せずにいたけど、
魔法省や魔法動物、映画で登場したのはまだほんの序の口と
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アンチヴァイラル(2012年製作の映画)

3.5

近未来職業あるある。

白い無機質な病室、クリニック。
この映画の為に存在してるような
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズに惹かれて鑑賞。

セレブや著名人が患ったウィルスに感染したい。
憧れのあの人の
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バーバー(2001年製作の映画)

3.8

「無口の男は好きよ」

程があるよ。

1949年、カリフォルニア州サンタローザ。
田舎町の小さな床屋で働くエド・クレイン。
冴えないただの雇われ店員、妻も不倫中。
人生を一転させようとするが…。
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ノーカントリー(2007年製作の映画)

4.5

1980年、アメリカとメキシコの国境地帯。
凄惨な麻薬取引の現場。
偶然訪れた狩人が大金を手に入れる。
そこから殺人者(おかっぱ)に命を狙われることになる。

ありがちな話だけど、
削ぎ落したシンプル
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モネ・ゲーム(2012年製作の映画)

3.5


脚本にコーエンの名があったから観たけど、ライオンを縛り上げちゃうキャメロン・ディアスとパンツ姿で間男のコリン・ファースが可愛くてすっかり侮った。結果、楽しく騙された。二転三転するコメディ。
ありふれ
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転々(2007年製作の映画)

3.9

男の人は大変だから生まれ変わりたくないけれど
こんな父と息子になれるのなら、
来世は男に生まれたいなと思える。

自首をする為に霞が関まで疑似息子と散歩する映画。

一緒に乗ってみたかったジェットコー
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眠れぬ夜の仕事図鑑(2011年製作の映画)

2.3

未熟児の看護、不法入国者の監視、
夜通し行われる祭り、ラブホテルの情事まで。
真夜中に働く人たち。

人が撮ったように感じない、
監視カメラのよう。
図鑑というタイトルになるほど。
私が今まで観ていた
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ファング一家の奇想天外な秘密(2015年製作の映画)

4.1

ハプニングパフォーマンス。
路上や日常生活で、
何も知らない素人を巻き込んで即興劇を行う一家。
前衛芸術家の両親に育てられた姉弟の話。

人の常識は様々、
家庭内暴力、性的虐待、酒、薬、不倫などでも当
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イカとクジラ(2005年製作の映画)

4.1

大事な話があるからと言われ、
その日一日、
学校での記憶がなくなるくらい虚ろに過ごし、
数十年しか生きていない
ちっぽけな人生の中だけど、
この世の終わりみたいだと思ったことを、
私も覚えている。
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金メダル男(2016年製作の映画)

3.5

水のない川を行く
櫓のない船を漕ぐ
冷たい雨に打たれ
傘もささずに旅をする。

ラブコールをおくって、
サザンが作ったこのテーマ曲に愛が溢れてた。

東京オリンピック1964年に生まれ現在まで。
一等
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イップ・マン 葉問(2010年製作の映画)

3.7

心を無にして、争わぬ為に戦う。

と言いながら、
日本人の次は西洋人をぼこぼこにする話。
優劣をつける為ではないといいながら、
めちゃくちゃこだわってるのはそっちでは?
と思ったけれど、基本的には良い
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イップ・マン 序章(2008年製作の映画)

3.6

中国武術の町、広東省仏山。
仏山最強、詠春拳を極めた男の話。

仏山の平和で美しくのどかな町並み。
友人とお茶を傾けながら美味しそうな飲茶をつつく。
その間に道場破りをちょちょいと撃退。
幸せそのもの
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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

4.5

無知でバカ愛おしい奴ら。

映画『バードマン』で人気を博した俳優が
本場ブロードウェイで再起をかけて舞台に挑む。

ワンカット長回し、舞台裏で鼓動のように鳴り響き続けるドラム。
芝居と日常の境が曖昧に
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インスタント沼(2009年製作の映画)

3.8

「意地の重さで私はじりじりと沼に沈んでいるのだ」

宇宙人も幽霊も見たことないものは信じない!
仕事も恋もうまくいかずじり貧女の夏の冒険。

しおしおミロ。
いい感じに曲がった釘。
おでんの具を決める
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赤い薔薇ソースの伝説(1992年製作の映画)

4.1

愛と料理が溶け合う。

1895年、メキシコ革命頃のリオ。
末娘は結婚せず一生親の面倒をみる。
理不尽なしきたりに縛られたティタが恋をする。

台所で生まれ育ち、
家政婦に料理の手ほどきをうけたティタ
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(2005年製作の映画)

4.2


漁船でたった二人、
少女と老人は結婚する日を夢見ていた。

朝焼けの曙色と柔らかい青い波が混ざって揺蕩うのが官能的。
少女の目元の赤緑黄がまるで封印のよう、色彩の鮮やかさ。
体全体を包み込むような二
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フリーキッチン(2013年製作の映画)

3.3

おふくろの味。

おしゃれカニバリズム。
どこにでもいる有り触れた母子家庭の愛情いっぱいのお料理は?

たっぷりの肉汁の中で泳ぐミートローフ。
タジン鍋で野菜と共にほっこり蒸された肉。
濃厚なデミグラ
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フランシス・ハ(2012年製作の映画)

3.8


「乱雑さも、鏡好きなところもかわいい、そのままでいて、フランシス」

きっと、どんな女の人の中にもフランシスがいる。
夢見がちで、だらしなくって、親友といるのが楽で、飲んで騒いで見栄っ張りで。
大人
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

3.3

良い作品だとは思った。
人と人とが助け合い愛があり良心的。
たくさんの物語の原点でもあるのだろうし。
この映画を好きだという人、人生に一度は観たほうが良いと勧めてくれる人は心温かい人なのだろうと思った
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監督失格(2011年製作の映画)

2.7

素っ裸、心に鎧。

AV女優の林由美香と監督の不倫の末。
ドキュメンタリー。
というか、映像は薄暗く不鮮明。
衝撃的なものが偶然撮れたホームビデオという感じ。

何か一言残そうと思ったのは、
大切な娘
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ハッピー・ピープル タイガで暮らす一年(2010年製作の映画)

3.7

予想以上に犬映画。

シベリアのタイガ地域の春夏秋冬。
猟師ドキュメンタリー。

家もカヌーも罠も全て自然の中だけで調達し
斧一本で作り上げる!
家族と離れ、単身で犬を引き連れ
森で猟をするのだけれど
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ステキな金縛り(2010年製作の映画)

3.5

幽霊が相手なので、
見えていない態で芝居する役者の姿が本当に面白い。
舞台を広々と使った
法廷やラストシーンのゆったりとした終わり方がとても好き。
演劇的な手法をふんだんに盛り込んで、
それでも一般の
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祖谷物語 -おくのひと-(2013年製作の映画)

4.1

祖谷、徳島県西部三好市に属する
四国山地中の隔絶地域。
平家落人伝説や祖霊信仰が伝わる地。

山奥にひっそりと暮らすお爺と春菜を中心に、
山に生きる人たちの物語。
天秤棒を担ぎバケツで毎日水を汲む、
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アラビアのロレンス(1962年製作の映画)

4.3

砂漠で生まれ葬られた英雄。

「アラブ人は砂漠が嫌いだ、豊かな水や緑を愛する」
印象的な言葉だった、その砂漠に魅入られ愛したロレンス。
武事より文事、歴史、言語、考古学、
アラブ文化に精通しており、民
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レッドタートル ある島の物語(2016年製作の映画)

4.2

人が自然の一部であったことをおもいだした。

星の輝き、砂の一粒、葉の一枚一枚に至るまで質感がある。
身体を焼き付けるような太陽の光、竹林の涼し気な影、光源、その色合いの繊細さ。
日が昇り沈んでいく、
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ミスター・ロンリー(2007年製作の映画)

3.7

スカイダイビングシスターの衝撃で
他は吹っ飛んでしまった。
あの映像で信仰がどういうものなのか一瞬で理解できたのが凄い。

マイケルジャクソンとして生きても、
神に全てを捧げて生きても、
どのような生
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