コウキさんの映画レビュー・感想・評価

コウキ

コウキ

マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.3

ただ、平凡に暮らしたいだけなのに。

クルド人の難民問題を赤裸々に描いた本作。その無慈悲な現実を思い知らされる。何より主演を務めた嵐莉菜の演技に終始引き込まれた。

何も高望みしない、ただ家族と生きて
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.3

君の想いを、切ない願いを、ずっと手放さずに、抱きしめて生きよう。

The純愛映画。正直ストーリーテリングの目新しさはないけれど、役者陣の迫真の演技と圧巻の映像美に終始引き込まれた。恐らく誰もがどこか
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異人たち(2023年製作の映画)

4.4

君を死神から守ってやる。

繊細で言語化できない人の感情をこれでもかと詰め込んだかのような映像表現、演者たちの演技に心を惹きつけられた。それをうまく言語化できないのもまた、本作らしさのように思える。テ
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

4.2

クリストファー・ノーラン監督のセンセーショナルなデビュー作。

時系列をごちゃまぜに編集する手法は、デビュー作から健在。短いながらも一切無駄がなく、すべての伏線が収束していくラストは圧巻。

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.4

呪われた一家が行き着く答えとはーー。

事前情報は実話ベースの話ということしか知らなかったため勝手にスポ根映画かと思っていたが、後半の展開があまりに惨すぎて苦しかった。それだけ一人ひとりの葛藤が丁寧に
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シャザム!~神々の怒り〜(2023年製作の映画)

3.5

週末に観た『オッペンハイマー』による脳の疲れが全く取れないため、見逃していた本作を鑑賞。

一作目以上に作風がコメディに振られており、脳死で楽しめたのはよかった。ただ、アクションの目新しさや先読みでき
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.4

私は、世界を破壊してしまった。

原爆の父・オッペンハイマーの生涯を映像化した本作。オッペンハイマーが原爆を生み出したことに対する苦悩と葛藤に焦点を当てるというよりも、彼の壮絶な半生を通して、原爆とい
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ペナルティループ(2024年製作の映画)

4.0

度重なる復讐の先に待ち受けるものとはーー。

タイムループの新たな到達点を見せてくれたことに感謝。核となる部分に余白があり、観客に解釈を委ねられているため好き嫌いは別れそうだが、シリアスとコミカルの塩
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.1

私たちは、イニョンで紡がれている。

先行上映で鑑賞。12歳で訪れた突然の別れ、24歳でのオンライン上の再会。そして36歳での再会ーー。24の時を超えてようやく巡り合った二人が辿り着いた終着点とは。
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.3

轟かせろ、俺たちの音楽を。

the青春映画。演奏シーンの表現に惹き込れ、これは映画館で見るべきだったと後悔。一人ひとりがそれぞれの壁に直面しながらも、乗り越えていく様に勇気をもらえる。玉田のソロシー
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.1

一つの灯された火種は、やがて惑星を飲み込む壮大な派閥争いへ。

グラシネIMAXで鑑賞。前作よりもアクションシーンや砂漠を用いた映像に磨きがかかっており、圧倒的映像体験に魅せられる一本。

3時間ある
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.8

SF映画の新たなる金字塔へ。

完全に観る機会を失っていたが、新作前に鑑賞。物語としてはシンプルながらも、映像美が圧巻で壮大な物語の幕開けとしては伏線も張り巡らされていて面白い。ただアクションシーンが
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コットンテール(2022年製作の映画)

4.3

亡くなった妻に導かれ、父と息子が奏でる喪失と再生の鎮魂歌。

大切な妻を認知症との壮絶な闘病生活の末に亡くした兼三郎。イギリスのウィンダミア湖に遺灰をまいてほしいという妻からの最後の願いを叶えるために
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市子(2023年製作の映画)

4.4

逃れられない宿命を背負った一人の女性の物語。

劇場で観る機会を逃し、配信をずっと待ち侘びていた本作。『52ヘルツのクジラたち』でも圧巻の演技を見せた杉咲花の演技に魅せられる一本。悲しく、壮絶な過去を
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テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

4.1

人生は、楽しんだもの勝ち。

単なる犯罪劇ではなく、性という柵から徐々に解放されていくテルマとルイーズの疾走感が爽快な本作。90年代初頭の映画ならではのBGMとアメリカの広大な土地を舞台にしたドライブ
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パレード(2024年製作の映画)

4.0

死は終わりじゃない、始まりなんだ。

この世に未練を残した人々が集う場所を舞台に描かれる群像劇。終始穏やかでやさしい空気に包まれた作品だった。個人的に横浜流星のパートは胸に迫って来るものがあった。

ソウルメイト(2023年製作の映画)

4.2

すれ違いの果てに辿り着いた二人の終着点。

オリジナル版は未鑑賞。登場人物を必要最低限に絞り、ミソ、ハウン、ジウンの年齢を重ねるごとに感じる成長、心情の変化を窺い知れる内容にまとめられていることで、思
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

4.6

あなたは隣にいる人の声を聞けていますか。

覚悟はしていたけれど、何回か嗚咽しそうになるぐらい扱うテーマ、虐待シーンが終始重く、思わず胸を締め付けられた。心が疲れている時にはとてもオススメできない。
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

4.3

どこにだって幸せはある、心さえあれば。

2001年のサッカーW杯予選、米領サモア代表はオーストラリアに31得点を喫して大敗。以降公式戦での勝利はおろか、1点を取ることさえできていなかった。そんな世界
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恋は光(2022年製作の映画)

4.4

恋とは一体何なのか。

恋に焦がれる女性が光って見える大学生・西条と3人の女性が織りなす群像劇。恋とは何かを定義する詩的で文学的な作品ながら、クスリと笑えるユーモアとの塩梅が絶妙で作風に惹き込まれた。
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.7

運命は変えられるーー。

前評判の低さから期待値ゼロで観に行ったからなのか、最後まで充分楽しめた。もちろんツッコミどころ満載の展開やアクションの物足りなさ等はあるが、各キャラクターの色も立っており、モ
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Ribbon(2021年製作の映画)

3.8

過去に積み上げた時間に無駄なんて1秒もない。

2020年、突如とした世界の時間が止まったコロナ禍を舞台にした本作。卒業制作展という4年間の集大成を披露する場が中止になり、空虚な日々を過ごすいつかが、
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そばかす(2022年製作の映画)

4.0

ありのままの自分でいい。

人には興味があるけれど、異性にも同性にも恋愛感情が全く湧かない蘇畑の誰にも理解されない葛藤を、『ドライブ・マイ・カー』で圧巻の演技を見せた三浦透子が演じる。前田敦子演じる真
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.4

静寂に包まれた夜があるから、希望に満ちた夜明けの美しさがある。

片やPMS、片やパニック障害。持病に悩まされる二人が互いに認め合い、支え合いながら、自分たちの道を見つける物語。

作品全体に漂うやさ
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.3

カラオケ行こ。

一生分の『紅』を堪能できる。コメディの塩梅が絶妙で最後まで停滞感なく楽しめた。

綾野剛はさることながら、聡美くんを演じた齋藤潤が素晴らしかった。思春期のもどかしい葛藤と狂児との日々
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線は、僕を描く(2022年製作の映画)

4.2

僕は、線を描く。そして線は、僕を描く。

水墨画の美しい世界観と、一人の青年が向き合う葛藤、喪失から再生に至る様を繊細に描いた作品。横浜流星の少しずつ希望を見出していく難しい役所を演じ切るあたりは流石
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.8

王道アドベンチャー。

ガーディアンズ味が強く、ユーモアも絶妙で好みだった。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.3

今度は今度、いまはいま。

東京でトイレ清掃員として働く平山の些細な日常を描いた本作。セリフは必要最低限に留まり、東京の街並みを切り取った美しい映像は街に蔓延る騒音も芸術の域に高める。さらに差し込まれ
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みとりし(2018年製作の映画)

3.9

死は日常の中にある。

自宅での死を望む人々の安らかな最期に寄り添う「看取り士」を題材にした、実話に基づく物語。

様々な立場の最期が描かれ、命の尊さと儚さを感じ入る。

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.3

邦画では中々お目にかかれないアクションシークエンスの連続で、思わず釘付けになった。

映画の小ネタも満載で最高。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.0

娯楽映画の王道。

最初から最後まで無駄がなく、誰もが楽しめる娯楽作品。2023年最後の映画にぴったりでした。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.1

絶望から見出した希望は、1匹の生命体の手によって再びどん底に突き落とされる。

グラシネIMAXで鑑賞。とにかく今回のゴジラはカッコよすぎる。銀座の街を蹂躙する場面の絶望感は圧倒的。

日本政治の人間
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今夜、世界からこの恋が消えても(2022年製作の映画)

4.3

たとえ世界からこの恋が消えても、心は君を描く。

登場人物全員が優しくて、温かい。だからこそ、終盤の展開が苦しくて苦しくて仕方がなかった。特に泉ちゃんの葛藤を想像するだけで、心がえぐられるようだった。
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