リコリスさんの映画レビュー・感想・評価

リコリス

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劇場版 再会長江(2024年製作の映画)

4.7

リョウ監督には今後も10年毎に再会定点観測していただきたい。

純粋に胸に響く。ずっとずっと観ていたい。観ながら、造っては壊すエネルギーとスピード(三峡ダムと江辺学校)、あまりに多様で広い大陸の凄さに
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金の糸(2019年製作の映画)

4.5

素には何処に行き着くのか…と、ジョージアの作家で79歳エレナが、60年ぶりに語り合った元恋人アルチルと歌う、踊る、メロディーの美しさがさらって行った。

エレネの元恋人の心、幼いエレネから両親を、特に
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ジョニーは行方不明/台北暮色(2017年製作の映画)

4.3

距離が近すぎると衝突する。

まっさらに予備知識ゼロで台北が見たくて見始めた。ストーリーがあるようでない。ただ染み出る孤独感。

近過ぎる人間関係から逃げるホステルで働くヨガ教師、両親の縛り付けから逃
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.6

ノーランにしては分かりやすい構成。凄い音響。大画面で見たい。(エンドロールが短いのはCGを使わないから?)

1.オッペンハイマーが主導するマンハッタン計画での原爆開発。2.原子力委員会長ストローズの
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.7

1より映像的に、また現実世界の暗喩的なストーリーが、SFモノとしてアタマ8つくらいずば抜けてて、中継ぎ巻であるだけが欠点。(ヒットしたから3、頼みます!)

ナミビア、アブダビの砂漠の、圧倒的質感に色
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台湾、街かどの人形劇(2018年製作の映画)

4.1

芸能は人の中に宿り、伝承がなければ消えていく。時代や権力に利用・翻弄されながら、いつの間にか街角の大衆から離れて、外国を回ったり、観る人も減って文化財扱いだったり。布袋劇だけでは生活出来ないし、保護と>>続きを読む

おじいちゃんはデブゴン(2016年製作の映画)

4.5

中国版レオン、というか皆殺しのカンフー・パンダ(とギャングが呼ぶ)。

認知症で孤独な暮らしを送る元要人警護の中央警務局にいたディン@サモ・ハンが、孫のように可愛がっていた隣人の娘を守る。この二人に息
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あちらにいる鬼(2022年製作の映画)

3.3

申し訳ないが面白くない。情念ゼロ。途中、何度も止めとこうと思ったが、いやいや、これから何か、と我慢してるうち最後の場違いな歌が流れた。

原作は読んでいないが話は知っている。瀬戸内晴美、井上光晴、二人
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

こういう映画がミニシアターでなくシネコンでかかっていることは凄い。

でも大道具小道具、衣装を作り込んでる割に、ストーリーは優等生的、というか、全部比喩的にこういう意味、分かる?と突きつけられ続けて面
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燈火(ネオン)は消えず/消えゆく燈火(2022年製作の映画)

4.8

あの毎日が祝祭の、ヒカリの都市・香港を知っている年代層は、ネオンの映像(しかも日本語・日本企業も多かった…)だけで泣けること必須。
秀逸必買いのパンフによれば、過去の映像、作った・壊す前の実物、CGと
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

涙を流した、デトックスされた、今年の傑作などなど。そうした感想のようには私には響かなかった。

多分、資産家の家で、事情があっての詫び住まい(だからダンボールの中に沢山荷物が)。ミニマリストだが、日々
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白日青春 生きてこそ(2022年製作の映画)

4.6

大体、日本国籍で日本に生まれると、国を移るという発想は自然ではない。同じ島国でも香港は違う。

難民の人たちの個別事情や、国の冷たい対応、社会的な差別を一つずつ拾うとハッサン側に共感出来るが、身近に子
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リバー・ランズ・スルー・イット(1992年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

登場人物のセリフ、ロバート・レッドフォードの語りが美しい(原作のまま)。モンタナ、ミズーラの河が美しい。でもマイ・スモールタウン閉塞感はあり。移動して来て定住、また移動して居場所を探して行くのだな。>>続きを読む

ジャム DJAM(2017年製作の映画)

4.9

レスボス島というと紀元前の女流詩人サフォー。なのに欧州目指す難民漂着、観光コロナ禍全滅、ギリシア経済停滞で地中海の輝くような明るさはない。

枠にはまらないジャムの生命力は正反対。母マリアがパリで継父
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

出遅れたけれど見た。噂通りの怖い破壊神。典子の電車ガラスに近づくゴジラが映るシーンに、歩みを止めないゴジラに伊福部昭のテーマが流れるシーンなど。ゾクゾク。シン・ゴジラより禍々しい怖さ。

でも、モヤモ
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トラック野郎 故郷特急便(1979年製作の映画)

4.3

そうか、これが最後なのね。「一番星〜見ぃつけた〜」沁みるねぇ(泣)

ヤクザ映画でなく桃次郎から入った文太兄貴、カッコイイ! トラック仲間が手伝い 、交通違反スレスレ(を既に破り)、愛デコトラと一
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.2

有名でタイトルは存じていたけれど、まさかのマルチバース仕立て。ただのXmasいい人ストーリーではなく、(しかも今でこそXmas定番、米国映画遺産扱いが)興行が当たらなくてキャプラの映画会社が無くなるき>>続きを読む

カサンドラ・クロス(1976年製作の映画)

4.7

新冷戦もEUも東西ドイツ統一もない時代のジュネーヴから。インターネットも、乗客のスマホもない(乗客にアジア人がいないし)。
なのに、誰も信じないカサンドラの予言のように、映画の出来事に過ぎなかった人為
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ボルサリーノ(1970年製作の映画)

4.8

辛い毎日は金で、いや金は無いから美形で解決だ!

あまりにもカッコ良かった2時間あまり。イタリア移民のドロン@ロッコに生粋フレンチのベルモンド@フランソワ。チンピラから街の顔役、表社会の名士に成り上が
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こわれゆく女(1974年製作の映画)

4.9

もの凄いものを見た、というか圧倒されてしまい、感想が書けなかった。「愛にイナズマ」見て、やっと。

嘘くさい古き良きアメリカがジワジワ壊れ始めて、ピーター演じる夫、同僚は黒人だったりネイティブアメリカ
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

4.9

石井監督って凄いな。この映画、コメディなのかシリアスなのか分からないが、分けること自体に実際の人生思い出すと意味がない。

家族である証明は、その場に全員いても、戸籍謄本がないと信じて貰えない。ハグ
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シモーヌ フランスに最も愛された政治家(2022年製作の映画)

4.8

フランスで22年度に最も観られた映画、ということが、不寛容と分断が立て続けに起きている今の時代の救い。

フランスの3人のシモーヌ。哲学者と、女性解放活動家(だけに留まらないが)と、政治家と。共通する
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旅するローマ教皇(2022年製作の映画)

4.4

人間が地球にいることが許されますように。どうか害悪ではないように。

教皇の旅のアーカイブ映像に、その時(時には過去)のその場所の映像が追いかけるように重なる。

自分の発言が傷つけた人への謝罪。聖職
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.9

トム、ネイサンはどう閉める? ハードル上がったね。

出だしのキングの地下に響く「地獄の門」朗詠から闇世界に引込まれる(モーフィアスの頃から、ローレンスは存在感に加え美声なんですよ)。

殺しや痛いの
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マトリックス(1999年製作の映画)

4.5

ジョン予習として再見。二十年前だから、パソコンも分厚く、プッシュフォンは有線、何よりもおデコが隠れてるキアヌ超美形。

仮想現実とリアルを移動するのが電話線のネットワークというのが時代感だが、SF 的
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レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)

3.5

船出には新手のファンタジー時代ものかと。あそこで終わっても良かったのに。

自然に建物、安土桃山チックな室内装飾と衣装、格調高い音楽、画面の切り取り方の美しさ、俳優陣のちゃんとした台詞回し、はるかちゃ
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オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年製作の映画)

4.3

見たかった映画。トムに珈琲入れてもらって、砂糖は三つと言われたい。

情けない名ばかり将校トム。何度もリセットして目的に近づく前半。「繰り返すくらいなら死んでしまえ」とタローマンも言っているが、過酷な
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クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

4.5

3分は長い。

イギリスのプアーホワイト労働者階級 対 アメリカの黒人インテリ、しかも才能と人脈あり。

やはり、素直でお育ちのよぃアドニスには肩入れしづらいが、ロッキー・バルボア存在感と疑似父子で、
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クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

4.3

泥臭さからスタイリッシュへ。ロッキー全部見ておらず、思い入れ低い私はお呼びでないかもしれないが、面白かったよ〜。

なんといってもムショ帰りダミアンの登場から、二人で飲み物にストロー刺すとこも泣ける。
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ふたつの祖国、ひとつの愛 イ・ジュンソプの妻(2014年製作の映画)

4.3

この監督の台湾3部作(最終のは未見だが)が良かったので、前から見たかった作品。

手紙や絵だけでも、胸を打つ。だが映像は更に強い。イジュンソプや家族の写真、それに今、生きていて語る夫人。夫人が亡くなら
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.7

ガブリエルが「い~〜さ〜ん〜」とアップで叫ぶ。笑ってよいのでしょうか。

電子データを大量の職員が広〜い職場で紙データに移行させるとか、バイクで大ジャンプのあとも、あの緊迫した場面にピンポイントで窓か
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バックドラフト(1991年製作の映画)

4.5

You go, We go.
兄弟愛と仕事への高い倫理、生き物みたいな火の恐怖が強く印象に残っていたが、映画館で初めてじっくり見ると現代につながる社会派映画だった。

合理化や利権追求による消防署・消
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キングダム 運命の炎(2023年製作の映画)

4.2

中国史伝が好きで気になってたが、漫画再現ケレン味(コスプレ)が目立つから遠慮。評判聞いて、やっと第三作から映画館へ。

見て良かったな…日本版インド映画みたいで。

想像以上に美術やSFXやVFXがし
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タワーリング・インフェルノ(1974年製作の映画)

4.8

通しでキチンと見たのは初めて。スター、演技、脚本、特撮音楽、全て一流の名作。

「ポセイドン・アドベンチャー」で牧師が神に訴えながら…の下りが余りに辛くて、何げに思いだしたり。それに比べ刻々と悪化の一
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.1

映画はジアタマで目玉で見るって言いながら、前宣伝やパンフ解説に頼ってたんだなあ。

未消化のイメージをぶちまけたかのようで、ワクワクさせられたが、多分、マヒトみたいな若い人たちに何でもいいから受け取れ
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

この夏、最初の蝉の声に最後のインディーを見る。テレビやレビューで予習し直して。

私もハリソン・フォードが見たかったのだ。前作ではハリソンも老けたなあ、マリオンもシワ増えた、なんて見ていたが、更に2
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